東京都におけるゲームセンター開業と営業許可の申請について

東京都でゲームセンターを始める方法

アラフィフ世代の私が少年期にたまり場としていたゲームセンターですが、近年はスマホゲームや家庭用ゲーム機が充実したことに伴い、かつての隆盛は失われつつあるのが現状です。

その一方で、若年層をターゲットとしたクレーンゲーム専門店は好調で、さらには中高年層をターゲットとしてあえてレトロゲームの筐体を店内に配置したゲームセンター等に関するご相談もちょこちょこいただけるなど、その灯火は決して消えたわけではありません。

そんなゲームセンターですが、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)では、5つある風俗営業のひとつに数えられており、営業をはじめようとする際には、公安委員会(警察署)から許可を受ける必要があります。

許可を受けるための申請は、風営法に加えて各自治体条例の影響を色濃く受けるていることから、営業所所在地の管轄によって手続きに違いがあることが特色です。

そこで本稿では、これから東京都内においてゲームセンターその他遊技場を開業しようとされる皆さまに向けて、開業のために必要となる風俗営業許可(5号営業)の申請やその手続方法について解説していきたいと思います。

本稿ではゲームセンターの営業許可を取得するためのポイントをそれなりのボリュームで解説しています。

最下段には、京都府内限定の格安申請代行プランについての案内がありますので、最後まで閲覧していただければ幸いです。

風俗営業とは

風俗営業と言えば、大体の方がアダルトな雰囲気が漂うピンク系のお店をイメージされますが、風営法では、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するために規制を行う必要があるもの」を風俗営業として定義し規制対象としています。

このうちゲームセンター等営業は、「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業」として風営法の規制対象とされています。

1号営業キャバレー、待合、料理店、カフェその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業キャバクラ、ラウンジ、ホストクラブ
2号営業喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計った営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの低照度飲食店
3号営業喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5㎡以下である客席を設けて営むもの区画席飲食店
4号営業まあじゃん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業雀荘ぱちんこ店
5号営業スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業ゲームセンター、アミューズメント施設

射幸心とは、幸運や偶然によって思いがけない利益を得ることを期待する心理を言いますが、射幸心を煽(あお)る営業は、賭博等の違法行為を誘発したり未成年者の健全な育成を妨げる要因ともなりうることから風営法上の規制対象とされています。

なお、「5号営業」と呼称されているのは、風営法第2条第1項第5号において、風俗営業の一形態として区分されていることが由来です。

規制の対象

前記したとおり、風営法の規制対象となるのは、「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る)を備える施設です。

この規定に基づき、国家公安委員会規則及び警察庁の通達では、規制対象となる遊技設備を具体的に以下のとおり例示しています。

  • スロットマシンその他遊技の結果がメダル等の数量で表示される構造の遊技設備
  • テレビゲーム機(勝敗を争うことが目的の内容又は遊技の結果が画面に表示されるもの)
  • フリッパーゲーム機(ピンボール)
  • トランプ、トランプ台を使用するトランプ遊技
  • ルーレット、ルーレット台を使用するルーレット遊技
  • クレーンゲーム機

得点が表示されるゲームではハイスコアを狙いたいという衝動に駆られますし、対戦型ゲームではその勝敗を賭博の対象としてしまうこともありえます。クレーンゲームにしても、「あと少しでお目当ての景品が取れるかもしれない」と考えて、ついついお金を使い過ぎてしまうということはよくあるお話しです。

これらはまさに「射幸心をそそるおそれのある遊技」であり、上記の遊技設備が風営法の規制対象とされているのは、「射幸心をそそるおそれのある遊技」に用いるものであることに加え、機械操作等により「運」をコントロールすることができてしまうという点にあります。

対象外の遊技設備

上記の遊技設備が規制対象とされているのは、それが「射幸心をそそるおそれのある遊技」に用いられるものであり、かつ機械操作等により「運」をコントロールすることができてしまうという点にあります。

逆に言えば、以下の遊技設備のように、射幸心をそそるおそれが少ないものや、「運」をコントロールする機能が備わっていないものについては、風営法の規制対象から除外されています。

  • ビリヤード
  • ボーリング
  • バッティングセンター
  • 投球速度計測ゲーム機
  • パンチングマシン
  • モグラ叩きゲーム機
  • プリクラ機
  • 占いゲーム機
  • ガチャガチャ(カプセル容器玩具自販機)
  • ドライブシュミレーションゲーム機
  • フライトシュミレーションゲーム機

かつてはビリヤード場も風俗営業の規制対象とされていた時代がありましたが、ビリヤードは「運」の要素よりもプレイヤーの技量によって勝敗が決するスポーツ競技としての側面が強いため、健全な室内スポーツとして運営する限りにおいて風営法の規制対象外となったという経緯があります。

この理屈が理解できれば、ボーリング場やバッティングセンター等が風営法の規制対象外とされている理由もご理解いただけるのではないかと思います。

ガチャガチャ(カプセル容器玩具自販機)については、「運」の要素が強く、直感的に「射幸心をそそるおそれのある遊技」に該当するようにも思われますが、すでに子どもの玩具として定着しており、これを規制対象としてしまうことで設置場所も限定されてしまうことから、風営法上の規制対象からは除外されています。

デジタルダーツマシン等

愛好者が多いダーツやゴルフですが、これをデジタルシフトさせたデジタルダーツとシミュレーションゴルフについては、平成30年9月21日付の警視庁通達により、当面の間、「射幸心をそそるおそれのある遊技」の規制対象から外れることとなりました。

デジタルダーツについては、プロ選⼿による競技が⻑期にわたり⾏われており、シミュレーションゴルフについては、ゴルフの練習の⽤に供されているなど、運動競技⼜は運動競技の練習の⽤に供されている実態が認められることがその理由です。

ただし、この措置は以下の条件を満たすものに限り適用されるため、これを満たさないものについては、従来どおり「射幸心をそそるおそれのある遊技」として風営法の規制を受けることになります。

  • 従業員が目視できること又はモニターで遊技設備の状況が確認できること
  • ダーツマシンやシミュレーションゴルフ以外の遊技設備を設置しないこと

ゲームコーナー(10%ルール)

本来であれば風営法の規制対象となる遊技設備であっても、ゲームコーナーの床面積(ゲーム機の設置面積の3倍で計算)が客席床面積(1フロア)の10%を越えない小規模なものであれば風俗営業の許可を取得する必要はありません。

法令の条文に明示されたルールではなく、警察庁のいわば「おめこぼし」と言うべきルールですが、実際にショッピングモールやホテルの一角で見かけることのある直営ゲームコーナーでは、このルールを利用して風俗営業許可を受けることなく営業を行っています。

ただし、デパートやショッピングモールであっても、営業所が明確に区画されていたりデパート等の直営でない場合は、フロア全体を客席床面積の基準とすることはできず、区画された営業所の客室が計算の基準となります。

なお、この特例的措置は、あくまでも「営業許可を取得するまでは必要ない」という趣旨であり、その営業が風俗営業であることに変わりはないため、営業許可に係るもの以外の規制はすべて適用されることになります。わゆる10%ルールと言われるルールです。

風俗営業許可を必要とする設備であるか否かについては、射幸心をそそるおそれがあるかどうかによって判断されます。遊技設備を設置する場合は、所轄の警察署又は風営法に詳しい行政書士に問い合わせるようにしましょう。

アミューズメントカジノについて

近年は世界的なポーカーブームを背景として、気軽に本格的なポーカーを楽しめるポーカールームやポーカーバーが人気を獲得しています。

擬似的にカジノの雰囲気を楽しめる施設を便宜上アミューズメントカジノと呼称することがありますが、風営法上はゲームセンターと同じく「ゲームセンター等営業」としてその規制対象となります。

したがって、ゲームセンターに係る法令や条例の規定はアミューズメントカジノにもすべて適用されることとなります。

風営法5号営業許可

警察署のイラスト

東京都内においてゲームセンターその他遊技場を営業しようとするときは、営業所を管轄する警察署に申請し、東京都公安委員会から風俗営業の許可を受ける必要があります。

申請内容や所轄警察署により差異はありますが、大まかな申請の手順については以下の流れとなります。

  1. 事前調査
  2. 申請書類の作成
  3. 書類の提出
  4. 実査
  5. 許可証の交付

事前調査

後述するとおり、風俗営業許可を取得するためには、ヒトに関する要件(人的要件)、場所に関する要件(場所的要件)及び営業所の構造に関する要件(構造要件)のすべてを満たす必要があります。

特に営業所の所在地は重要な要素であり、良物件と見込んで契約したところ、その場所が実は風俗営業の営業禁止区域であったということもそう珍しいことではありません。(不動産業者は風営法の規制についてあまり詳しくはありません。)

このような不測の事態を回避するため、まずは営業所を設置する場所が風俗営業を行うことができる区域に該当するかどうかをしっかりと確認し、慎重に物件を選択するようにしてください。

許可申請に必要となる書類

風俗営業の許可申請は、以下の書類を営業所を管轄する警察署の生活安全課保安係の窓口に提出することにより行います。所轄によってはさらに事前協議を求められることもあるため、申請前にはその流れについて事前に確認の連絡を入れるようにしましょう。

  • 風俗営業許可申請書
  • 営業の方法
  • 住民票の写し
  • 欠格事項に該当しない旨の誓約書
  • 誠実に業務を行う旨の誓約書
  • 身分証明書
  • 営業所使用権原を証明する書類
    • 賃貸契約書の写し
    • 営業所の使用承諾書
    • 建物登記簿謄本
  • 違法建築物でない旨を疎明する書類
  • 用途地域を証明する書類
  • 各種図面
    • 営業所周辺の概略図
    • 営業所の配置図
    • 求積図
    • 照明・音響・防音設備の配置図
  • 定款・登記事項証明書(法人)
  • 管理者の顔写真(2枚)

(※)弊所のサポートをご利用いただける場合、皆さまが準備されるのは赤文字で示した書類のみです。残りの書類はすべて弊所がそろえます。

添付する図面については相応に精度の高いものを要求されるため、大多数の方がまず図面作成の段階でつまづかれます。物件管理会社が準備する簡易的な図面では不足し、建築士が作成する図面とも趣旨が異なることから、不慣れな方が一連の作業の中で最も苦心する工程となることは間違いありません。

適切な図面が提出されなければ審査はいつまで経っても進捗しないため、少しでも早く営業を開始するためには、行政書士等の専門家を入れるなどの対策を検討するようにしてください。

申請後の流れ

申請後、約2〜4週間ほどで担当者による実査(立入検査)があり、図面をもとにして店舗の構造の確認が行われます。この実査はどの都道府県も非常に手厳しく、測量した図面に0.5cm程の違いがあるなど申請内容に不備があれば再提出や再検査を求められます。

申請書類に不備がなく、又は補正を完了した後は書類が警察署と警察本部とを往復し、申請から約2か月前後の期間を経て許可証と管理者証が交付されます。

補正命令は定番の作業工程ですが、風俗営業許可の申請に手慣れた行政書士であれば当初からある程度の補正があることを見込んでいるため、すんなりと補正作業にも対応してくれます。

人的要件

犯罪傾向がある人物や反社会的勢力とつながりのある人物等、適格性を欠く人物を風俗営業に関与させることは好ましくないことから、以下のいずれかの事由に該当する者については、風俗営業許可を受けることはできません。

  1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. 1年以上の拘禁刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  3. 風営法その他の一定の法律に違反したことにより、1年未満の拘禁刑に処され、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者
  5. アルコール、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者
  6. 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
  7. 風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者(法人である場合は取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に法人の役員であった者で、取消しの日から5年を経過していない者
  8. 風俗営業許可の取消し処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に風俗営業を廃止した事を理由とする許可証の返納をした者で、返納日から5年を経過していない者
  9. 風俗営業許可の取消処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に合併により消滅した法人、許可証を返納した法人、分割により聴聞に係る風俗営業を承継させた法人、分割により聴聞に係る風俗営業以外の風俗営業を承継した法人の取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に役員であった者で消滅・返納・分割の日からそれぞれ5年を経過していない者
  10. 営業に関し、成年者と同一の能力を有しない未成年者(その者が営業者の相続人であって、その法定代理人が上記のいずれにも該当しない場合は除く)
  11. 法人の役員、法定代理人が欠格事由に該当する場合

場所的要件

すでに説明したとおり、風俗営業許可を取得する際には営業所所在地が重要なファクターになります。物件契約前には、以下の事項をしっかりと確認・把握するようにしてください。

用途地域

用途地域とは、住居、商業、工業など市街地における用途の混在を防ぐことを目的として各自治体が設定する地域区分ですが、東京都の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(以下、条例)では都市計画法上の「用途地域」を基準として風俗営業の場所的規制を行っています。

通常風俗営業を行うことが認められる場所は、繁華街であったり工業地帯であったり、住宅地には馴染みにくい地域です。

したがって、住宅街(住居集合地域)を想定した以下の用途地域内に営業所が所在する場合は、その場所において風俗営業を営むことは禁止されています。

  1. 第1種低層住居専用地域
  2. 第2種低層住居専用地域
  3. 第1種中高層住居専用地域
  4. 第2種中高層住居専用地域
  5. 第1種住居地域
  6. 第2種住居地域
  7. 準住居地域

これを逆に解釈すれば、風俗営業を行うことが認められている地域は、繁華街や工業地域を想定する以下の用途地域内に限定されることになります。

  1. 商業地域
  2. 近隣商業地域
  3. 準工業地域
  4. 工業地域
  5. 工業専用地域
  6. 無指定地域

ただし、近隣商業地域及び商業地域に隣接し、かつ、これらの地域からの距離が20m以下の区域にある第2種住居地域及び準住居地域においては、例外的に営業所を設置することが認められています。

保全対象施設

風俗営業に該当する営業所は、病院や学校など、風俗営業から有害な影響を受けないよう風営法によって一定の保護を受ける施設(保全対象施設)から、一定の距離を超えて設置する必要があります。つまり、一定の用途地域に該当する区域であって、なおかつ保全対象施設から一定の距離にある場所でのみ風俗営業を営むことが認められています。

保全対象施設及び距離制限については自治体ごとに設定が異なりますが、条例においては、学校図書館児童福祉施設病院及び有床診療所が保全対象施設に設定されており、これらの施設の敷地から、営業所が所在する用途地域の区分に応じて、それぞれ以下の距離を離れて営業所を設置する必要があります。

学校(大学を除く)、図書館及び児童福祉施設(助産施設を除く)の敷地からの距離大学、病院(第一種助産施設を含む)及び8人以上の患者を入院させるための施設を有する診療所の敷地からの距離第二種助産施設及び7人以下の患者を入院させるための施設を有する診療所の敷地からの距離
商業地域50m以上20m以上10m以上
近隣商業地域100m超50m以上20m以上
その他の地域100m超100m超100m超

保全対象施設には、既に設置されている施設だけではなく、風俗営業許可の申請時点において届出が受理されている建設予定の施設も含まれます。

したがって、直前の入居テナントが風俗営業許可を取得していた場合であったとしても、その後に完成した保全対象施設が制限距離内に存在する場合は許可が下りません。

時折、「この場所で風俗営業はできますか?」という内容のお問い合わせをいただくこともありますが、気軽に回答することができる事項ではなく、責任や作業負担も大きいため、申請代行までをサポートする場合を除き、無料相談の内容には含めていません。

構造要件

健全な営業と清浄な環境を維持するため、風俗営業の営業所の構造や設備については、下表のとおり細やかな要件が定められています。

客室内部構造見通しを妨げる設備を設けないこと
客室の出入口施錠の設備を設けないこと
営業所外に直接通ずる出入口は可
営業所の照度10ルクス超であること
その他善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
騒音又は振動の数値が一定の数値に満たないこと
遊技料金として紙幣を挿入することができる装置や客に現金などを提供するための装置が備わっている遊技設備を設けないこと

客室内部構造

問題となる「見通しを妨げる設備」とは、具体的には高さが1m以上となる遮蔽物(しゃへいぶつ)を指し、これには客室内に設置するテーブル、イス、カウンターテーブル等の什器のほか、観葉植物やラック等すべての物品が含まれます。

高さについてはその最大値が1m未満である必要があり、実査の際にはミリ単位で指摘を受けます。たとえば高さを調節できるイス等については、一番高くした状態にして、その最も高い位置が1m未満である必要があります。

また、客室の構造が極端なL字型であったり、客室全体を見通す際に死角となる狭いスペースがある構造も、「見通しを妨げる施設」として指摘を受けることがあります。

対策として、該当部分を客室から除外するという方法がありますが、あまりいびつな形状の物件は、選定段階から回避する方が賢明です。

遊技設備等に係る基準

近年は遊技設備や周辺機器のほか、衛生対策のための物品が多様化し、これらの物品がそもそも高さ1mを超えることも珍しくなくなりました。

そこでゲームセンター等営業の営業所における一定の設備については、殊更(ことさら)に客室の見通しを妨げるおそれが高い位置にない限り、原則として「見通しを妨げる設備」に該当しないという法令とは異なる判断基準が設けられています。

客室の出入口

営業所外に直接通ずる出入口を除き、客室に施錠をすることは認められていないため、鍵付きVIPルームのような個室を設けることはもちろんのこと、二重扉を設けてその両方に施錠をするような構造も認められません。

照度その他の注意点

薄暗いゲームセンターは非行の温床となりうるため、その客席は常に10ルクスを超える明るさを保つ必要があります。

つまみを回して(あるいはスライドして)明るさを任意に調整することができる調光器(スライダックス)は警察から敬遠されることが多く、これを設置している物件については、つまみ部分を最小下限に絞った場合でも客席照度が10ルクスを下回らないよう改良するか、もしくはスライダックスそのものを撤去する必要があります。

また、かつて横行した違法ポーカーゲーム機のように、紙幣を直接挿入することができる装置や客に現金などを提供するための装置が備わっている遊技設備を設けることは認められていません。

管理者の選任

風俗営業者は、営業所ごとに、営業所における業務の実施を統括管理する者のうちから、営業所における業務の適正な実施を確保するため必要な業務を行う者として、管理者1人を選任する必要があります。

営業者自らが営業所内における業務の実施を直接統括管理する場合には、営業者が自らを管理者として選任すればよく、他に管理者を選任する必要はありません。

また、管理者は複数の営業所の管理者を兼任することはできず、その営業所に常勤して管理者の業務に従事しうる状態にあることが原則ですが、2つの営業所が接着しており、双方を同時に統括管理し管理者の業務を適正に行い得る場合にあっては、2つの営業所の管理者を同一人とすることが認められます。

なお、このように重要なポジションであることから管理者には営業者の欠格事由に準ずる欠格事由があり、さらに管理者の現住所があまりに遠方であるとき(片道おおむね2時間以内で通勤することが困難な場合)は、警察から「待った」が入ることがあります。

運営上の注意点

無事に風俗営業許可を取得した後も、風俗営業者には禁止されている行為や遵守すべき義務があり、これに違反した状態で運営を継続することはできません。

景品提供の禁止について

風営法では、ゲームセンター等営業の営業者について、「遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない」旨の規定を定めています。(第23条第2項)

これは賞品の名目いかんにかかわらず、その営業に係る遊技の結果に応じて提供するすべての金品に適用されるルールであり、メダルゲームで獲得したメダルを賞品や賞金に交換するという行為はもちろんのこと、ドリンクのサービス券や割引クーポン券を発行することも認められていません。

ただし、日本アミューズメント産業協会が定めるガイドラインに従って運営がなされていれば、クレーンゲームにおける景品の提供は違法行為とはみなされず取締りの対象ともなりません。

これは法令には規定の無い警察の裁量的ルールであり、対象はあくまでもクレーンゲームに限定されています。

大会の開催について

トーナメントや大会を開催すること自体は特に問題ありませんが、営業者はその営業に関し景品を提供することが禁止されているため、賞品や賞金のある大会を自ら開催することはできません。

これに対し、風俗営業者以外の協賛者が賞品や賞金を提供する大会を開催することは可能ですが、参加者から参加料を徴収しようとする場合には「賭博罪」の構成要件に該当してしまうおそれがあるため、eスポーツの参加料徴収型大会について定めた「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」に準じ、これに沿って大会を運営する必要があります。

営業時間の制限

ゲームセンターについて、深夜(午前0時から午前6時までの時間)における営業は、原則として認められていません。

さらに特例として風俗営業を行うことが認められている第2種低層住専地域、第2種住居地域、第2種中高層住専地域及び準住居地域においては、午前10時から午後11時の間に限り営業することが認められています。

ただし、営業延長許容地域として東京都公安委員会の告示において指定されている区域であって、商業地域内に所在する営業所については、特例として午前1時まで営業を延長することが認められています。

千代田区飯田橋1~4丁目、岩本町1~3丁目、内神田1~3丁目、大手町2丁目、鍛冶町1・2丁目、神田相生町、神田淡路町1・2丁目、神田和泉町、神田岩本町、神田小川町1~3丁目、神田鍛冶町3丁目、神田北乗物町、神田紺屋町、神田佐久間河岸、神田佐久間町1~4丁目、神田神保町1~3丁目、神田須田町1・2丁目、神田駿河台1~4丁目、神田多町2丁目、神田司町2丁目、神田富山町、神田錦町1~3丁目、神田西福田町、神田練塀町、神田花岡町、神田東紺屋町、神田東松下町、神田平河町、神田松永町、神田美倉町、神田美土代町、九段北1・4丁目、九段南2~4丁目、麹町3・4丁目、猿楽町1・2丁目、外神田1~6丁目、永田町1・2丁目、西神田1~3丁目、隼町、東神田1~3丁目、平河町1・2丁目、富士見1・2丁目、丸の内1~3丁目、三崎町1~3丁目、有楽町1・2丁目、六番町
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荒川区西日暮里2・5丁目、東日暮里5・6丁目
板橋区板橋1丁目、大山町、大山東町
練馬区桜台1・4丁目、豊玉上2丁目、豊玉北5・6丁目、中村北1丁目、練馬1丁目
足立区千住1~3丁目、千住旭町、千住仲町、竹の塚1・5・6丁目
葛飾区金町2・5・6丁目、亀有2・3・5丁目、新小岩1・2丁目、立石1・4・7・8丁目、西新小岩1丁目、東金町1・3丁目、東新小岩1丁目、東立石4丁目
江戸川区中央4丁目、西葛西3・5・6丁目、西小岩1・4・5丁目、平井2~5丁目、松島3・4丁目、南小岩6~8丁目
八王子市旭町、東町、追分町、子安町4丁目、寺町、中町、八幡町、三崎町、南町、明神町2~4丁目、八木町、八日町、横山町
立川市曙町2丁目、柴崎町2・3丁目、高松町2・3丁目、錦町1・2丁目
武蔵野市吉祥寺本町1・2丁目、吉祥寺南町1・2丁目、御殿山2丁目、中町1丁目、西久保1丁目
三鷹市上連雀2丁目、下連雀3丁目
府中市寿町1~3丁目、府中町1・2丁目、本町1・2丁目、宮西町1~5丁目、宮町1丁目
町田市中町1丁目、原町田1~4・6丁目、森野1丁目
小金井市本町1・5・6丁目
東村山市栄町1・2丁目
国分寺市本町1~3丁目、南町1~3丁目
福生市東町、福生、本町
(※)住居集合地域からの距離が20m以下の区域(一般国道及び都道府県道の各側端から外側50m以下の区域を除く)においては、この特例は適用されません。

なお、12月10日から翌年の1月7日までの日においては東京都内全域で、大規模な祭礼が行われる日等(公安委員会が告示する日)においては公安委員会が告示する地域において、それぞれ午前1時まで営業を延長することが認められます。

未成年者の立入制限について

ゲームセンターという特性上、未成年者(18歳未満の者)の立入りそのものについては禁止されていませんが、保護者が同伴する場合を除き、午後6時以降営業所に16歳未満の者を客として立ち入らせることはできず、午後10時以後はたとえ保護者が同伴する場合であっても未成年者の立入りは全面的に禁止されています。

メダル等の取扱いについて

風俗営業者であれば、料金を受領してメダル等を貸し出すことや、結果に応じてメダル等を払い出すことは可能ですが、「遊戯の用に供する玉、メダルその他これらに類する物を客に営業所外に持ち出させること」が禁止されているため、客の退店時にメダル等を持ち帰らせることはできません。

獲得したメダル等を次回の来店時に使用してもらうためには、店側で預かりシステムを設けることが有効ですが、ここでも「遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること」が禁止されているため、メダル等の枚数を確認できる預かり証を発行することはできません。

その他の規制

条例ではこれらの規制のほか、風俗営業者の営業に関し、以下の事項を遵守しなければならない旨の規定を定めています。

  • 営業所で卑わいな行為その他善良の風俗を害する行為をし、又はさせないこと
  • 客の求めない飲食物を提供しないこと
  • 風営法の規定により表示する料金以外の料金を客に請求しないこと
  • 営業所において客を宿泊させ、若しくは仮眠させ、又は寝具その他これに類するものを客に使用させないこと
  • 営業中において、営業所の出入口、客室等に施錠をし、又はさせないこと
  • 営業所において、店舗型性風俗特殊営業、受付所営業又は店舗型電話異性紹介営業を営み、又は他の者に営ませないこと
  • とばくその他著しく射幸心をそそるような行為をし、又はさせないこと
  • 営業所の周辺において客が投棄したと認められるごみ又は排せつ若しくは吐しやしたと認められる物を放置したままにしないこと
  • 客相互の行う遊技の結果に対して賞品を提供しないこと
  • 客に提供した賞品を買い取らせないこと
  • 飲食店営業と兼業している営業に係る営業所を除き、客に飲酒をさせないこと

ゲームセンター開業サポート

パソコンと黒縁メガネ

風俗営業許可申請は、必要書類が非常に多く、場所や設備の確認といった事前調査の必要性もあることから、手続きには相当な負担が強いられます。都道府県ごとに条例や運用方法の違いも存在するため、風営法に精通していなければ、たとえ行政書士であったとしても大変な作業となることは間違いありません。

弊所は風俗営業に関する手続きに関与する機会が多く、ゲームセンターの開業についても、同業他社より数多くの経験を積んできたという自負があります。ホームグラウンドである近畿圏内はもちろんのこと、全国各地で風俗営業許可申請を取り扱った実績も豊富に有します。そのためご依頼をいただいた際は、面倒な事前調査から、警察署との協議、書類の作成と収集、実査の立会いに至るまでを含めて、しっかりまるっと迅速にサポートさせていただいています。

また、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。風俗営業許可の取得でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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