一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の違いとは│同時に申請する方法も記載例つきで解説

酒類を小売するための免許には、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の2種類がありますが、これらはあくまで別個の規制体系に基づく免許であり、片方を取得すればもう片方も自動的についてくる、という関係にはありません。

とはいえ、どちらも「酒類小売業免許」という同じカテゴリーに属することから、両方をまとめて同時に申請し、取得することは制度上認められています。実際、弊所が扱う案件でも、両免許を同時に申請するケースは決して珍しいものではなく、むしろ店頭とネットの両輪で事業を組み立てたい事業者にとってはスタンダードな選択肢になりつつあります。

そこで本稿では、これから一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許を同時に取得しようとお考えの方に向けて、両免許の違いを整理したうえで、同時申請の具体的な手続方法について、実際の記載例を交えながら解説していきます。

専門家に直接質問したい方や代行について期間と見積りを早く教えてほしい方はこちら↓

めちゃ速い!ほんまに安い!

平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!

06-6415-9020 または 090-1911-1497

メールでのお問い合わせはこちら。

お問い合わせフォーム

酒類小売業免許の種別

酒類小売業免許には、一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許のほか、特殊酒類小売業免許を加えた3つの区分が設けられています。大雑把に整理すると、店頭で酒類を小売するために必要なのが一般酒類小売業免許、インターネットやチラシ、カタログ等による通信販売で小売するために必要なのが通信販売酒類小売業免許です。

区分だけを見ると似た免許のように思えるかもしれませんが、この2つの免許には、取扱可能な酒類の範囲や対象地域といった点で大きな違いがあります。

区分内容
一般酒類小売業免許有店舗・無店舗とも全酒類の小売りが可能
通信販売酒類小売業免許インターネット、チラシ、カタログによる通信販売。輸入酒は販売無制限。国産酒は年間生産量3,000kl未満の製造者によるものに限定
特殊酒類小売業免許酒類の消費者等の特別の必要に応ずるための免許

両免許の相違点

販売方法以外の点において両免許のもっとも大きな違いは、小売することができる酒類の範囲です。一般酒類小売業免許では取り扱う酒類に制限がありませんが、通信販売酒類小売業免許の場合は、輸入酒であるか、あるいは年間生産量がすべて3,000kl未満である製造者が製造・販売する国産酒に限られます。

また、複数の都道府県にまたがる広範な地域の消費者等を対象に酒類を通信販売する場合には通信販売酒類小売業免許が必要になる一方、一の都道府県内の消費者等のみを対象とする場合には、一般酒類小売業免許の範囲内で対応することができます。

これら両免許は、別々に申請することもできますが、当初から同時に申請することも可能です。同時申請であり、かつ販売場所と通信販売を行う事務所が同一の場所であれば、申請書類をひとつにまとめることもできます。

なお、他の酒類販売業者に対して酒類を販売する場合は、いずれの免許とも別に「酒類卸売業免許」の取得が必要になるため、酒類の仕入れは、酒類卸売業免許を持つ業者(又は酒類製造者)から行うことになります。

★行政書士実務メモ

すでに「通信販売を除く」条件付きの一般酒類小売業免許を持つ事業者が、複数都道府県への通信販売を開始する場合(またはその逆のケース)は、同時申請ではなく「酒類販売業免許の条件緩和申出書」を提出する手続きとなります。

同時申請は、あくまで新規開業時に両免許を一括取得するための手法であるため、既存免許の範囲を広げる手続きとは明確に区別してください。

免許申請に必要となる書類

両免許を同時に申請しようとするときは、必要書類を販売場の所在地を管轄する税務署へ提出することになりますが、その必要書類は以下のとおりです。

  • 酒類販売業免許申請書
  • 次葉1〜6
  • 免許要件誓約書(一般・通信販売の両方)
  • 複数申請等一覧表(複数店舗での同時申請の場合)
  • 免許申請チェック表(一般・通信販売の両方)
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • 履歴書(申請者、役員全員)
  • 全部事項証明書(販売場の土地・建物)
  • 賃貸借契約書(賃貸物件等の場合)
  • 決算報告書(最終事業年度以前3事業年度分)
  • 都道府県税の納税証明書
  • 市町村税の納税証明書
  • 酒類販売管理研修受講証のコピー
  • 通帳のコピー又は残高証明書など所要資金を証明する書類
  • 課税移出数量証明書(国産酒を通信販売する場合)
  • 販売方法等を示す資料(チラシ、カタログ、サイト画面等)

このリストからも分かるように、通信販売分(あるいは一般小売分)の書類がそのまま上乗せされる形になるため、単独申請と比べて準備すべき書類の総量は必然的に増加します。特に「課税移出数量証明書」は取引先との調整や取り寄せ作業が発生するため、後々のスケジュール圧迫や負担を軽減するためにも、他の書類より早めに着手しておくことが重要です。

書類作成方法

申請様式は国税庁のサイトからダウンロードできるほか、以下のリンクからもダウンロード(Word)することができます。

酒類販売業免許申請書 申請内容の基本情報
次葉1販売場の近隣周辺の見取図
次葉2販売場内のレイアウト図
次葉3販売場の設備状況
次葉4収支の見込み
次葉5所要資金の額、調達方法
次葉6酒類販売の管理に関する取組計画
免許申請チェック表(一般)
免許申請チェック表(通信販売)
免許要件誓約書
免許要件誓約書(通信販売)
複数申請等一覧表(Excel)複数店舗での同時申請の場合
酒類販売業免許申請書

酒類販売業免許申請書は提出書類の表紙にあたるもので、申請者や販売場の基本情報を記載します。住所や所在地は正確な表記が求められ、個人であれば住民票、法人であれば法人履歴事項全部証明書の記載どおりに記入しなければなりません。

たとえば法人履歴事項全部証明書に「○○町△丁目□番地の☓☓」と記載されている場合、これを「○○町△−□−☓☓」のように省略して記載することは認められません。

酒類販売業免許申請書
申請書の記載ルール

で囲んでいる「販売しようとする酒類の品目の範囲及び販売方法」と「申請の理由」の欄は、文字数の関係で書ききれないことが多いため、「別添のとおり」と記載したうえで別紙を作成しても構いません。

販売しようとする酒類の品目の範囲及び販売方法
次葉1(販売場の敷地の状況)

販売場周辺の位置図を記載する書式です。申請販売場を□で囲むなどして分かりやすく示し、周辺状況が伝わりにくい場合は、下欄に詳細図を追記します。

次葉1
次葉2(建物等の配置図)

売場の位置、陳列場所、区分表示、標識の掲示場所、設備(パソコン・レジ・什器等)を明示した配置図を作成します。

次葉2
次葉3(事業の概要)

敷地面積はすべての土地の全部事項証明書記載の数値を合計し、建物面積は建物の全部事項証明書記載の数値をそのまま記載します。次葉2で示した設備についても、もれなく記載します。

次葉3
次葉4(収支の見込み)

所轄税務署や担当官によって対応がまちまちですが、資金に余裕がないにもかかわらず無理な計画を立てると、経営基礎要件を満たさないものとして免許を取得することができなくなります。そのため、年間の収支見込みについては前年度の事業実績や決算書等を参考にしながら、実際に行おうとする小売の規模を見積もることになります。

あくまでも予定であることから後からこれを変更することは可能ですが、無理めな計画や事実と大幅に異なる計画を立てても受け付けてはもらえません。

また、「酒類小売業免許」のみを有する事業者から酒類を仕入れたり販売先に指定することはできないため、仕入先の欄には「酒類卸売業免許」を有する卸売業者を事前に定めて記入します。なお、国産酒の通信販売を行う場合、仕入先の欄には「課税移出数量証明書」を取得した取引先を記入します。

次葉4
次葉5(所要資金の額及び調達方法)

次葉4との間で金額に食い違いが生じないよう気をつけながら、仕入・設備投資費用・予定販売量等の計画と矛盾のない所要資金を記載します。所要資金を準備できることの証明として、預金通帳の残高ページのコピー等を添付します。

次葉5
次葉6(酒類の販売管理の方法)

酒類の販売管理体制について記載します。酒類販売業を営むには、販売場ごとに、過去3年以内に酒類販売管理研修を受講した「酒類販売管理者」と、これに次ぐ責任者を選任する必要があります(※責任者の選任自体は必須ではありませんが、実務上は選任しておく方が無難です)。

次葉6_1
次葉6_2
免許申請書チェック表

必要書類の確認用として使用するほか、他の書類とあわせて添付します。免許区分によって必要書類が異なるため、一般酒類小売業と通信販売酒類小売業を同時に申請する際は、両方のチェック表を添付する必要があります。

免許要件誓約書

申請者が欠格要件に該当しないことを誓約する書面です。こちらもチェック表と同様、一般・通信販売の両方について誓約書を用意します。

(一般小売用)
誓約書_1
誓約書_2
誓約書_3
(通信販売用)
誓約書(通信販売)
誓約書(通信販売)_2
誓約書(通信販売)_3
取扱酒類一覧

通信販売で扱える酒類は輸入酒又は年間生産量3,000kl未満の製造者による国産酒に限定されるため、申請時には、取扱予定の酒類がこの制限に抵触しないことを確認する目的で、取扱酒類一覧の添付を求められることがあります。

必ずしも取り扱うすべての銘柄を網羅する必要はなく、品目(ビール、ブランデー、果実酒、甘味果実酒等)が分かる形で10銘柄程度を記載しておけば十分です。

取扱酒類銘柄一覧
履歴書

申請者及び役員全員分を添付します。指定様式はなく市販のもので構いませんが、職歴(できれば担当部署まで)が確認できるように記載してください。

履歴書
サイトの作成例

通信販売の方法を明示するため、申請にあたっては実際に使用するカタログやチラシ等を添付資料として提出する必要があります。インターネットで通信販売を行う場合には、実際に運用するサイトに記載する内容を報告します。

インターネットサイトは、特定商取引法の消費者保護関係規定に準拠させるほか、「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準(国税庁告示)」に基づく表示も義務付けられているため、作成には少々コツが必要です。

Q. 一般酒類小売業免許だけで、全国のお客様にネット販売はできませんか?
A. できません。一般酒類小売業免許で認められるのは同一都道府県内を対象とした通信販売までで、2都道府県以上の広範な地域を対象とする場合は通信販売酒類小売業免許が別必要になります。


Q. 同時申請の方が、別々に申請するより審査は早くなりますか?
A. 審査の標準処理期間自体が大きく短縮されるわけではありませんが、書類をひとつにまとめて提出できる分、事業者側の準備や税務署とのやり取りの手間は効率化できます。


Q. 通信販売分の書類だけ後から追加するようなことは可能ですか?
A. 同時申請ではなく、条件緩和申出という別の手続きで対応することになります。すでに一般酒類小売業免許を取得済みの場合は、条件緩和申出の記事もあわせてご確認ください。

酒類に関する免許取得サポート

弊所は関西圏を中心に、全国各地で年間300件以上の申請に携わっています。酒類関連の手続きは、より難易度の高い製造免許を含めてコンスタントにご依頼をいただいており、対応エリアも着実に広がっています。

さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、迅速かつ格安での対応をお約束します。経験の蓄積とスピード対応により工期を短縮できるため、格安料金での提供が可能になっています。一般酒類小売業免許の申請書類作成でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

酒類に関する手続きのご相談はお気軽に♬

全国各地に対応可能です。

平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!

06-6415-9020 または 090-1911-1497

メールでのお問い合わせはこちら。

お問い合わせフォーム

事務所の最新情報をお届けします