酒類販売業の標識について│酒類販売管理者標識・年齢確認表示の掲示義務を詳しく解説

酒類販売業免許を取得して晴れて開業できたとしても、それで手続きがすべて完了するわけではありません。免許取得後、販売場ごとに酒類販売管理者を選任することに加えて、その旨を記載した標識を店頭やサイト上に掲示する義務が課されています。
この標識掲示義務は、意外と見落とされがちな手続きのひとつです。免許取得や酒類販売管理者の選任にばかり気を取られてしまい、いざ営業を開始してから「標識を掲示していなかった」と指摘を受けるケースも少なくありません。
そこで本稿では、酒類販売業者に課される標識掲示義務について、店頭販売と通信販売それぞれのケースに触れながら詳しく解説していきます。
目 次
標識掲示義務とは
酒類販売業者に課される標識の掲示義務には、「酒類販売管理者標識」と「20歳未満の者の飲酒防止に関する表示」の2つがあります。前者は酒類の適正な販売管理体制を消費者に示すための標識であり、後者は未成年者飲酒禁止法の趣旨を踏まえた注意喚起の表示という位置づけになります。
いずれも免許を取得しただけでは足りず、実際に営業を開始する段階で対応しておく必要がある事項です。
酒類販売管理者標識
酒類の小売業を営むためには、販売場ごとに、過去3年以内に酒類販売管理研修を受講した「酒類販売管理者」を選任する必要があります。この選任を消費者に明示するために掲示するのが酒類販売管理者標識です。標識には、販売場の名称及び所在地のほか、酒類販売管理者と研修に係る4項目を記載します。
標識は、店頭販売の場合、販売場内のレジ周辺や入口付近など、来店した消費者が見やすい場所に掲示するのが一般的です。単に貼り出すだけでなく、記載事項が最新の内容に更新されているかどうかにも注意が必要です。特に酒類販売管理者を変更した場合や、研修を再受講した場合には、標識の内容もあわせて更新しておく必要があります。

★行政書士実務メモ①
酒類販売管理者を変更したにもかかわらず、標識の記載を更新し忘れているケースは実務上よく見られます。人事異動や退職のタイミングで管理者を変更する際は、選任届出書の提出とあわせて、店頭の標識も必ず差し替えるようにしましょう。
20歳未満の者の飲酒防止に関する表示
酒類に関する広告又はカタログ等(インターネット等によるものを含む)及び酒類の購入申込書等の書面には、「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」又は「20歳未満の者に対しては酒類を販売しない」旨の表示が国税庁告示により求められています。
この表示は、店頭の目立つ場所に掲示するほか、酒類の自動販売機を設置している場合にはその機体にも表示する必要があります。また、酒類小売業者は、20歳未満の者の飲酒を防止するため、20歳以上であることを確認したうえで酒類を販売することが求められています。
★行政書士実務メモ②
成年年齢引き下げ以前に作成された「未成年者の飲酒は禁止されています」といった表示をそのまま使い続けている店舗も見受けられますが、成年=20歳という前提が崩れた現在では、誤解を招く表現になりかねません。表示文言は「20歳未満」という年齢を明記した形に更新しておくことをおすすめします。
通信販売における標識掲示の特則
通信販売酒類小売業免許を取得している場合、店頭に標識を掲示する代わりに、カタログやウェブサイト上の見やすい場所に酒類販売管理者の氏名や研修受講事績等を表示する必要があります。
また、対面販売と異なり、通信販売では年齢確認を目視で行うことができないため、生年月日の入力欄を設けるなど、確認手段そのものも申請時の計画書に盛り込んでおく必要があります。
★具体的な表示方法
- 酒類販売管理者標識に相当する内容(氏名・受講年月日等)をサイトのフッターや会社概要ページ等に掲載する
- 「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨の表示を、商品ページや注文画面に掲載する
- 特定商取引法に基づく表記とあわせて、事業者名・所在地・連絡先を明示する
標識を掲示しなかった場合の罰則
標識掲示義務に違反した場合、酒税法に基づく罰則の対象となる可能性があります。標識の掲示は、単なる推奨事項ではなく法律上の義務であるため、うっかり掲示を怠っていたという事情があっても、免れることはできません。
免許取消しにまで至るケースは限定的ですが、税務署の実地調査等で指摘を受けた場合は、速やかに是正する必要があります。特に複数店舗を展開している事業者は、店舗ごとに標識の掲示状況を確認する体制を整えておくと安心です。
Q. 酒類販売管理者標識は、必ず紙で掲示する必要がありますか?
A. 店頭販売の場合は、消費者が来店時に目視で確認できる形での掲示が基本になります。通信販売の場合は、紙媒体である必要はなく、サイト上の表示で対応することができます。
Q. 複数の販売場を持つ場合、標識は本店にまとめて掲示すればよいですか?
A. 酒類販売管理者は販売場ごとに選任する必要があるため、標識も販売場ごとに、それぞれの実情に応じた内容で掲示する必要があります。
Q. 標識の様式に指定はありますか?
A. 記載すべき事項は定められていますが、様式そのものに厳格な指定があるわけではありません。国税庁が公開している参考様式を利用するか、必要事項を満たした独自の様式を作成しても問題ありません。
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