ゲームセンター開業ガイド│風営法5号営業許可について

まだ少年だった頃、当時のゲームセンターは同年代の社交の場でもありました。なけなしの小遣いを握りしめてゲームセンターに通い詰め、対戦ゲームやコインゲームに夢中になったあの頃を思い出します。40を越えた現在も、レトロな雰囲気のあるゲームセンターを見つけるたび郷愁の念にとらわれるのは、平成初期に青春を謳歌した我々世代ならではの感覚だと思います。

さて、そんなゲームセンターですが、開業して営業をはじめようとする際には、風俗営業として公安委員会(警察署)の許可を受ける必要があることはご存じでしょうか?

そこで本稿では、風営法5号営業に該当するゲームセンターその他遊技場について、開業のために必要となる許可やその手続きについて解説していきたいと思います。

風俗営業に該当する営業とは

この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。

(風営法第1条)

ゲームセンターその他の遊技場が風俗営業にカテゴライズされているのは、上の条文にあるとおり、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するために規制を行う必要があると判断されているからです。

要するに、射幸心をそそる恐れのある遊技やゲーム機を設置することは、賭博等の違法行為を誘発したり、未成年者が犯罪に巻き込まれたりするおそれがあるため、これらの遊技や設備を有する施設を風俗営業として規制して適正化を図ることが風営法の狙いとされているわけです。

したがって、同じようなゲームや施設であっても、ビリヤードやボーリング、バッティングセンター、プリクラ機やガチャガチャなどについては、この規制の対象外であると考えられています。(後述)

ちなみに「5号営業」と呼称されているのは、風営法第2条第5号(下記条文)において、風俗営業の一形態として明確に区分されているからです。

規制の対象

スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業

(風営法第2条第5号)

対象となる遊技設備

  • スロットマシンその他遊技の結果がメダル等の数量で表示される構造の遊技設備
  • テレビゲーム機(勝敗を争うことが目的の内容又は遊技の結果が画面に表示されるもの)
  • クレーンゲーム機
  • ピンボール・フリッパーゲーム機
  • ルーレット台を使用するルーレット競技
  • トランプ台を使用するトランプ競技

上に掲げたものが、風俗営業の規制対象となりうる設備です。どれも何となくギャンブル的要素を含んでいるような気がしますよね?クレーンゲームなんかにしても「あとちょっとで取れたのに」なんて考えて、ついついお金を使い過ぎてしまったなんて経験もあるのではないでしょうか。

射幸心というのは、幸運や偶然によって思いがけない利益を得ることを期待する心理のことであり、これらの設備が規制されているのも、つまりは機械操作により「運」をコントロールすることができてしまう点にあります。

また、勝敗を決することにより、それが「賭博」につながってしまうおそれがある点も、これらの設備が規制対象となる理由になっています。

対象外の遊技設備

  • ビリヤード
  • ボーリング
  • バッティングセンター
  • 投球速度計測ゲーム機
  • パンチングマシン
  • モグラ叩きゲーム機
  • プリクラ機
  • 占いゲーム機
  • ガチャガチャ(カプセル容器玩具自販機)
  • ドライブシュミレーションゲーム機
  • フライトシュミレーションゲーム機

こちらに掲げた設備については、射幸心をそそるおそれが少ないものとして、風俗営業の規制からは外されています。

あれ?ビリヤードも勝敗を決するよね?

こう考えた方は鋭いです。実はかつてビリヤード場も、風俗営業の規制対象とされていた時代がありました。しかし、ビリヤードについては、設備による「運」の要素が極めて少なく、その勝敗はプレイヤーの身体能力によって決するスポーツ的要素が強いため、健全な室内スポーツとして運営される限りにおいて風俗営業の規制対象外となったのです。同じ理屈で、ボーリング場についても規制の対象外とされています。

あれ?ガチャガチャは?

確かに「運」の要素は強いように思います。しかしガチャガチャ(カプセル容器玩具自販機)については、おもに子どもの玩具として取り扱われています。これを風俗営業として規制してしまうと、場所によっては設置することができなくなってしまうこともあるので、子どもの楽しみが奪われてしまうことになります。よって、こちらについても規制の対象外とされています。

ただし、昨今はいい大人がレアアイテム欲しさに大金を注ぎ込むこともありますので、内容によっては、今後規制の対象になることがあるかもしれません。大人の皆さん、くれぐれも子どもの楽しみを奪わないであげてください。笑

デジタルダーツマシンとシミュレーションゴルフ

デジタルダーツマシンやシミュレーションゴルフは、以前は風俗営業の規制対象とされていましたが、平成30年9月21日付の警視庁からの通達により、下記の条件を満たすものについては規制の対象外となりました。

  • 従業員が目視できること又はモニターで遊技設備の状況が確認できること
  • ダーツマシンやシミュレーションゴルフ以外の遊技設備を設置しないこと
ダーツバーについて

ゲームコーナー(10%ルール)

デパートやショッピングモール、ホテル、旅館などの一角にゲームコーナーを設ける場合、ゲームコーナーの床面積が、客席床面積(1フロア)の10%を越えなければ、風俗営業の許可を取得する必要はありません。

風俗営業許可を必要とする設備であるか否かについては、射幸心をそそるおそれがあるかどうかによって判断されます。遊技設備を設置する場合は、所轄の警察署又は風営法に詳しい行政書士に問い合わせるようにしましょう。

風営法5号営業許可

警察署のイラスト

ゲームセンターその他遊技場を営業しようとする者は、営業所を管轄する警察署に申請し、都道府県公安委員会から許可を受ける必要があります。

申請の手順

  1. 事前調査
  2. 申請書類の作成
  3. 書類の提出
  4. 実査
  5. 許可証の交付


申請の手順については上記の流れとなります。申請後、約2週間で実査(立入検査)があり、図面をもとにして店舗の構造の確認が行われます。この実査は厳しく、測量した図面に0.5cm程の違いがあるなど申請内容に不備があると再提出や再検査なども求められます。申請書類に不備などがなかった場合には許可証の交付となりますが、申請から許可が下りるまでの期間は、概ね2か月前後となります。

後述しますが、風俗営業に関しては場所的要件が非常に重要です。せっかく良物件と見込んで契約しても、その場所がそもそも風俗営業を行うことができない場所であったということも珍しくはありません。よって、事前調査は必ず必要となります。

許可の要件

  1. 人的要件
  2. 営業所の場所的要件
  3. 営業所の構造要件

ゲームセンターその他遊技場として風俗営業許可を取得するための要件は上記のとおりです。風俗営業を営むことができない事由(欠格事由)が定められており、これに該当しない者であることが「人的要件」とされています。

また、所在地には「場所的要件」、施設や設備には「構造要件」も求められているため、風俗営業の許可がおりる地域や施設の構造は限定されていることになります。

要するに、犯罪傾向がある人は風俗営業を行うことはできませんし、適正な地域の風俗を維持するため、病院や学校のすぐ近くには店舗を設けることはできません。

人的要件

以下が欠格事由であり、このいずれかに該当する者は、風俗営業の許可を受けることはできません。

  1. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
  2. 1年以上の懲役・禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  3. 風営法その他の一定の法律に違反したことにより、1年未満の懲役・罰金の刑に処され、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者
  5. アルコール、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者
  6. 風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者(法人である場合は取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に法人の役員であった者で、取消しの日から5年を経過していない者
  7. 風俗営業許可の取消し処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に風俗営業を廃止した事を理由とする許可証の返納をした者で、返納日から5年を経過していない者
  8. 風俗営業許可の取消処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に合併により消滅した法人、許可証を返納した法人、分割により聴聞に係る風俗営業を承継させた法人、分割により聴聞に係る風俗営業以外の風俗営業を承継した法人の取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に役員であった者で消滅・返納・分割の日からそれぞれ5年を経過していない者
  9. 営業に関し、成年者と同一の能力を有しない未成年者(その者が営業者の相続人であって、その法定代理人が上記のいずれにも該当しない場合は除く)
  10. 法人の役員、法定代理人が欠格事由に該当する場合

場所的要件

用途地域

都市計画法では、地域内に色々な土地や建築物がごちゃごちゃと混在する状況を避けるため、「用途地域」を定めて都市内部を区分しています。

住居地域、商業地域、工業地域など、「○○地域」と表記されるのが用途地域であって、風俗営業を営むことができるのは、原則として以下の用途地域内にある営業所に限られます。

  1. 商業地域
  2. 近隣商業地域
  3. 準工業地域
  4. 工業地域
  5. 工業専用地域
  6. 無指定地域

あくまで「原則として」ですので、地域によっては、その他の用途地域内でも風俗営業を行うことが認められる場合があります。兵庫県および大阪府においても例外が設けられていますので、下記のリンク内記事においてご確認ください。

保全対象施設

風俗営業においては、次の「保全対象施設」と営業所との距離が一定以上離れている必要もあります。

  • 病院・入院施設のある診療所
  • 学校教育法に定めのある学校
    • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
    • 中等教育学校・特別支援学校
    • 大学・高等専門学校
  • 認定保育所・幼保連携型認定こども園
  • 図書館
  • 児童福祉施設

具体的には申請する営業所の場所が、上記の保全対象施設の敷地から、それぞれの地域に応じて以下の距離分離れている必要があります。

兵庫県
(第2種地域)
病院・有床診療所から100m超
学校・図書館・保育所・認定こども園から70m超
兵庫県
(第3種地域)
病院・有床診療所から30m超
学校・図書館・保育所・認定こども園から50m超
兵庫県
(第4種地域)
学校・図書館・保育所・認定こども園から30m超
大阪府
保全対象施設が商業地域外にある場合
100m超
大阪府
保全対象施設が商業地域内にある場合
50m超
大阪府
(特例地域)
距離制限なし

要するに住宅地では風俗営業を行うことができませんし、病院や学校からもある程度離れていなくてはならないということです。なお、保全対象施設は各都道府県によって異なりますので必ず確認するようにしてください。

構造要件

客室内部構造見通しを妨げる設備を設けないこと
客室の出入口施錠の設備を設けないこと
営業所外に直接通ずる出入口は可
営業所の照度10ルクス超であること
その他善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
騒音又は振動の数値が一定の数値に満たない要すること
遊技料金として紙幣を挿入することができる装置や客に現金などを提供するための装置が備わっている遊技設備を設けないこと

客室内部構造

客室内には見通しを妨げる設備を設けてはいけません。具体的には高さが1m以上の設備を設置することができません。これは客室内に設置するテーブル、イス、カウンターなどすべての物品に適用されます。高さが調節できるイスなんかは一番高くした状態で1m未満のものを選ぶ必要があります。

場所によってミリ単位で指摘を受けます。

お店の構造が極端なL字型であるような場合にも「見通しを妨げる設備」として指摘を受けることがありますのでご注意ください。 あまりいびつな形の物件は避ける方が賢明かもしれません。

客室の出入口

客室に施錠することは許されません。VIPルームのような個室を設けて施錠する場合はもちろんのこと、二重扉を設けてその両方に施錠をすることも許されません。ただし、店自体の出入口のドアに鍵がついていることは当然ながら問題ありません。

営業所の照度

営業所内の照度(明るさ)は10ルクス超であることが必要です。客室内の見通しうんぬんかんぬんをクリアしたとしても暗い状態では意味がありませんからね。

気をつけていただきたいのは調光器です。つまみを回して明るさを調整できる便利なものですが、調光器を風俗営業で使用することはできません。

その他

善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を店内に掲示することはできません。

騒音又は振動の数値が一定の数値に満たないことも必要条件です。具体的な数値については各地域によって異なりますので、やはり管轄の警察署に問い合わせるようにしましょう。

遊技料金として紙幣を挿入することができる装置や客に現金などを提供するための装置が備わっている遊技設備を設けることも認められていません。

必要となる書類

パソコンと黒縁メガネ
  • 風俗営業許可申請書
  • 営業の方法
  • 住民票の写し
  • 欠格事項に該当しない旨の誓約書
  • 誠実に業務を行う旨の誓約書
  • 身分証明書
  • 登記されてないことの証明書
  • 営業所使用権原を証明する書類
    • 賃貸契約書の写し
    • 営業所の使用承諾書
    • 建物登記簿謄本
  • 違法建築物でない旨を疎明する書類
  • 用途地域を証明する書類
  • 各種図面
    • 営業所周辺の概略図
    • 営業所の配置図
    • 求積図
    • 照明・音響・防音設備の配置図
  • 定款・登記事項証明書(法人)

弊所のサポートをご利用いただける場合、皆さまが準備されるのは赤文字で示した書類のみです。残りの書類はすべて弊所がそろえます。

必要書類の集め方について

eスポーツと風営法

eスポーツの大会の様子

最後に、近年盛んなeスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)と風営法との関係についても触れておきましょう。

eスポーツとは、全世界的な規模で広がりを見せるビデオゲームを使用した新しいスタイルのスポーツ競技です。今後はオリンピック種目に選ばれる可能性も見据えてさらなる発展が期待されています。

しかし、この新しい競技と風営法との関係を巡って、識者の間でも一部論争となっていることまでは、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。

2つの論点
  1. 大規模な会場を使用して継続的に大会が開催される場合において、ビデオゲームを用いて運営する行為には、風俗営業として許可が必要となるのではないか。
  2. 賞金を分配する行為が、風営法において規制している「賞品の提供の禁止」に触れるのではないか。

1.については、「なるほど。そういう解釈もできなくはないな。」というのが率直な感想です。例えば、一個人が会場をおさえて趣味で一度限りのゲーム大会を開催することについては何ら問題はありません。ただ、事業として継続的に大会を開催することが営業行為に該当するのではないかという点が指摘されているわけです。

マージャン屋又は第5号の営業を営む者は、(中略)遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。

(風営法第23条第4項)

2.については、上の条文が論点となっています。要するに、大会の主催者をゲームセンターとみなした場合、賞金を出すという行為が風営法から見てアウトではないかという理屈です。

これらの論点については、明確な司法判断や行政による通達がなされていないため、決着をみていません。eスポーツをゲームとして捉えるか、健全なスポーツとして捉えるか、引き続き注目していきたいと思います。

まとめ

風俗営業許可申請のための書類はとても多く、場所の確認など事前調査の必要性もあるため、行政書士であっても風営法に精通していなければ、かなり大変な作業であるといえます。

弊所では、これら面倒な事前調査から警察署とのやり取りを含めて、まるっとサポートさせていただいています。尼崎市や神戸市の阪神間をはじめ、明石市や姫路市などの兵庫県内のほか、キタ・ミナミ・十三・堺など大阪府下での風俗営業許可申請も取り扱っております。柔軟な対応には自信があります。風俗営業許可取得でお困りの際は、ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。

風営法5号営業許可申請198,000円~
※税込み

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