飲食店における照度の基準とは│低照度飲食店と風営法2号営業許可について

飲食店のオープンを考える際、店内の「照度」は、重要なファクターになっています。照明の種類や明るさによって店内の雰囲気はガラッと様変わりしますし、照明をあえて暗くして「ムード」を愉しむことをコンセプトとしているお店も存在しています。

ただし、飲食店における照度にはルールが設けられており、これを知らずに営業を行ってしまうと、違法営業として刑罰の対象となってしまうことがあります。

照度とは

照度計
照度計

照度(しょうど)とは、物体の表面を照らす光の明るさを表す物理量のことをいいます。平たく表現すると、人間の感じる明るさを数値化したものと言い換えることができます。また、その単位はルクス(記号: lx)で表示されます。上の画像にある「照度計」によって測定を行いますが、あくまでも感覚的な明るさであるため、測定する場所や位置によってその数値は変化します。

照度の測定

照度の測定場所

飲食店における照度は、それぞれの状況に応じて、上の図の位置において計測します。先述したように、測定する場所や位置によって照度は変化するため、このような取扱いがなされています。光源から離れた場所よりも、近い場所の方が測定した際の数値が高くなることがお分かりいただけると思います。

飲食店における照度のルール

飲食店における照度には、その営業形態に応じて次のようなルールが設けられています。

飲食店施設50ルクス超
飲食店の客室10ルクス超
深夜酒類提供飲食店の客室20ルクス超
区画席飲食店営業の客室10ルクス超
雀荘、パチンコ店の客室10ルクス超
特定遊興飲食店営業の客室10ルクス超
接待飲食店、低照度飲食店の客室5ルクス超

低照度飲食店とは

喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの「低照度飲食店」といいます。この形態で飲食店を営業しようとする際は、風俗営業(2号営業)として、都道府県公安委員会から許可を受ける必要があります。

低照度飲食店が風俗営業にカテゴライズされているのは、暗がりの中では、違法な取引やみだらな行為が行われるおそれがあることがその理由とされています。

なお、低照度飲食店であっても、客室の照度は5ルクス以下にすることはできません。さらに、この照度が許容されているのはあくまでも「客室」に限ったことであり、客室以外は、最低でも10ルクスを超える照度を保つ必要があります。また、店内においては、「調光器」(スライダック)を設置することは認められていません。

調光器
調光器

風営法2号営業許可

低照度飲食店を営業しようとする者は、営業所を管轄する警察署に申請し、都道府県公安委員会から許可を受ける必要があります。低照度飲食店として風俗営業許可を取得するための要件は下記のとおりです。

  1. 人的要件
  2. 営業所の場所的要件
  3. 営業所の構造要件

風俗営業を営むことができない事由(欠格事由)が定められており、これに該当しない者であることが「人的要件」とされています。また、所在地には「場所的要件」、施設や設備には「構造要件」も求められているため、風俗営業の許可がおりる地域や施設の構造は限定されていることになります。

人的要件

以下が欠格事由であり、このいずれかに該当する者は、風俗営業の許可を受けることはできません。

  1. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
  2. 1年以上の懲役・禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  3. 風営法その他の一定の法律に違反したことにより、1年未満の懲役・罰金の刑に処され、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者
  5. アルコール、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者
  6. 風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者(法人である場合は取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に法人の役員であった者で、取消しの日から5年を経過していない者
  7. 風俗営業許可の取消し処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に風俗営業を廃止した事を理由とする許可証の返納をした者で、返納日から5年を経過していない者
  8. 風俗営業許可の取消処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に合併により消滅した法人、許可証を返納した法人、分割により聴聞に係る風俗営業を承継させた法人、分割により聴聞に係る風俗営業以外の風俗営業を承継した法人の取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に役員であった者で消滅・返納・分割の日からそれぞれ5年を経過していない者
  9. 営業に関し、成年者と同一の能力を有しない未成年者(その者が営業者の相続人であって、その法定代理人が上記のいずれにも該当しない場合は除く)
  10. 法人の役員、法定代理人が欠格事由に該当する場合

場所的要件

  • 風俗営業が許容される地域であること
  • 保全対象施設から一定の距離があること

風俗営業に関しては場所的要件が非常に重要です。せっかく良物件と見込んで契約しても、その場所がそもそも風俗営業を行うことができない場所であったということも珍しくはありません。よって、事前調査は必ず必要となります。

都市計画法では、地域内に色々な土地や建築物がごちゃごちゃと混在する状況を避けるため、「用途地域」を定めて都市内部を区分しています。住居地域、商業地域、工業地域など、「○○地域」と表記されるのが用途地域であって、風俗営業を営むことができるのは、原則として以下の用途地域内にある営業所に限られます。

  1. 商業地域
  2. 近隣商業地域
  3. 準工業地域
  4. 工業地域
  5. 工業専用地域
  6. 無指定地域

あくまで「原則として」ですので、地域によっては、その他の用途地域内でも風俗営業を行うことが認められる場合があります。兵庫県および大阪府においても例外が設けられていますので、下記のリンク内記事においてご確認ください。

風俗営業においては、次の「保全対象施設」と営業所との距離が一定以上離れていることも要件に含まれます。

  • 病院・入院施設のある診療所
  • 学校教育法に定めのある学校
    • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
    • 中等教育学校・特別支援学校
    • 大学・高等専門学校
  • 認定保育所・幼保連携型認定こども園
  • 図書館
  • 児童福祉施設

具体的には、申請する営業所の場所が上記の保全対象施設の敷地から、それぞれの地域に応じて以下の距離より離れている必要があります。

兵庫県
(第2種地域)
病院・有床診療所から50m超
学校・図書館・保育所・認定こども園から70m超
兵庫県
(第3種地域)
病院・有床診療所から30m超
学校・図書館・保育所・認定こども園から50m超
兵庫県
(第4種地域)
病院・有床診療所からは距離制限なし
学校・図書館・保育所・認定こども園から30m超
大阪府
保全対象施設が商業地域外にある場合
100m超
大阪府
保全対象施設が商業地域内にある場合
50m超
大阪府
(特例地域)
距離制限なし

要するに住宅地では風俗営業を行うことができませんし、病院や学校からもある程度離れていなくてはならないということです。なお、保全対象施設は各都道府県によって異なりますので必ず確認するようにしてください。

構造要件

客室内部構造見通しを妨げる設備を設けないこと
客室の出入口施錠の設備を設けないこと
営業所外に直接通ずる出入口は可
営業所の照度客室は5ルクス超であること
(客室以外は10ルクス超)
その他善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
騒音又は振動の数値が一定の数値に満たない要すること
客室内部構造

客室内には見通しを妨げる設備を設けてはいけません。具体的には高さが1m以上の設備を設置することができません。これは客室内に設置するテーブル、イス、カウンターなどすべての物品に適用されます。高さが調節できるイスなんかは一番高くした状態で1m未満のものを選ぶ必要があります。

場所によってミリ単位で指摘を受けます。

お店の構造が極端なL字型であるような場合にも「見通しを妨げる設備」として指摘を受けることがありますのでご注意ください。 あまりいびつな形の物件は避ける方が賢明かもしれません。

客室の出入口

客室に施錠することは許されません。VIPルームのような個室を設けて施錠する場合はもちろんのこと、二重扉を設けてその両方に施錠をすることも許されません。ただし、店自体の出入口のドアに鍵がついていることは当然ながら問題ありません。

営業所の照度

客室内の照度は5ルクス超、客室以外は10ルクス超であることが必要です。たとえ低照度飲食店とはいえ、真っ暗闇にすることまでは認められていません。

その他

善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を店内に掲示することはできません。

騒音又は振動の数値が一定の数値に満たないことも必要条件です。具体的な数値については各地域によって異なりますので、やはり管轄の警察署に問い合わせるようにしましょう。

必要となる書類

書類や鉛筆などが置かれたオフィスデスク
  • 風俗営業許可申請書
  • 営業の方法
  • 住民票の写し
  • 欠格事項に該当しない旨の誓約書
  • 誠実に業務を行う旨の誓約書
  • 身分証明書
  • 登記されてないことの証明書
  • 営業所使用権原を証明する書類
    • 賃貸契約書の写し
    • 営業所の使用承諾書
    • 建物登記簿謄本
  • 違法建築物でない旨を疎明する書類
  • 用途地域を証明する書類
  • 各種図面
    • 営業所周辺の概略図
    • 営業所の配置図
    • 求積図
    • 照明・音響・防音設備の配置図
  • 定款・登記事項証明書(法人)
  • 管理者の顔写真(2枚)

弊所のサポートをご利用いただける場合、皆さまが準備されるのは赤文字で示した書類のみです。残りの書類はすべて弊所がそろえます。

飲食店営業許可について

飲食店なので、当然ながら飲食店営業許可を取得する必要があります。令和3年6月以降は随分と許可要件も様変わりしたため、より一層の注意が必要です。特に厨房の2層式シンクの手洗いは、直接蛇口を触らずに済むレバー式やセンサー式のものを導入するようにしてください。この点は非情に厳しく指摘されますのでお気をつけください。

  1. 飲食店営業許可について

また、現在新規でオープンする店舗は、原則として喫煙することができません。この辺りについては、下記の記事内で解説していますのでご確認ください。

なお、風俗営業とはいえ、接待を伴う営業を行うのであれば、同じ風俗営業の中でも「1号営業」の許可も併せて取得する必要があります。この点についても、警察署との事前協議の中で詰めていくことが重要になります。

まとめ

風俗営業許可申請のための書類はとても多く、場所の確認など事前調査の必要性もあるため、行政書士であっても風営法に精通していなければ、かなり大変な作業であるといえます。

弊所では、これら面倒な事前調査から警察署とのやり取りを含めて、まるっとサポートさせていただいています。尼崎市や神戸市の阪神間をはじめ、明石市や姫路市などの兵庫県内のほか、キタ・ミナミ・十三・堺など大阪府下での風俗営業許可申請も取り扱っております。

下記の報酬は、市場価格を反映したものですが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」です。さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応には自信があります。風俗営業許可取得でお困りの際は、ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。

風営法2号営業許可申請165,000円~
※税込み

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