飲食店における客室及び客席の定義について

カフェの客席

飲食店に関する許認可の申請や届出に際しては、客室(客席)とそれ以外とを明確に区分するよう求められる場面が結構あります。

たとえば深夜酒類提供飲食店や社交飲食店の個室等のように、客室床面積の広さを許認可の条件に含む手続きもあるので、実は手続き上の重要ポイントであることは多いです。

飲食店における客室とは、通常であれば、客に飲食をさせ、又は客に遊興をさせるために客に利用させる場所を指します。

したがって、調理場、洗面所、床の間、押入れ、廊下及びステージであって客が位置しないもの等については、客室には含まれません。

また、客席とは、客に飲食をさせるために設けられた食卓、椅子その他の設備及びこれらの設備を使用する客が通常利用する客室の部分を指します。

この定義から考えれば、客が通常使用する椅子、テーブル、ソファー及びカラオケステージ等のほか、客が使用するであろう位置にあるボトル棚、ついたて及び飾り棚等は客室(客席)に含まれることになりますが、単なる建物内の柱や、キャストが使用する衣装棚等は客室にも客席にも該当しないことになります。

また、カウンターテーブルの場合、客がお酒を飲んだりカラオケをする部分(厨房から見て外側)については、客室(客席)とみなされることが多く、おもに従業員が使用し、客が位置しない部分(厨房から見て内側)については、客室外(厨房)として取り扱われることが多いです。

とはいえ、実務上は規制の目的やケースごとに判断されることが多く、実際に弊所が請け負った申請においては、以下の3パターンが混在しました。

  1. カウンターすべてを客室に含めるパターン
  2. カウンターの半分を客室に含めるパターン
  3. カウンターすべてを客室から除くパターン

たとえば遊技を提供するアミューズメントカジノバーでは、「カウンターでは遊技を提供しないので客室には該当しない」という判断から、カウンターすべてを客室から除くパターンで判断されるケースが多いように感じます。

ただし、この辺りの判断は、地域性や管轄行政庁の違いによる相違があるように思われるため、所轄する行政庁との事前協議において確認するか、もしくは飲食店の手続きに詳しい行政書士に相談する方が無難なように思います。

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