建設業許可とは|種類・要件・申請方法を行政書士が徹底解説

一定規模以上の建設工事を請け負うためには、国土交通大臣または都道府県知事から建設業許可を受ける必要があります。元請・下請の別を問わず、公共工事・民間工事を問わず、この原則は共通です。
「事業を拡大したい」
「信用力をつけたい」
「元請けから依頼された」
許可を取得しようとする理由は会社によってさまざまですが、いざ手続きを調べてみると、その複雑さに戸惑う方が後を絶ちません。
建設業許可制度は、業種の数・許可区分の種類・要件の細かさのどれをとっても、他の許認可と比べてダントツに難解です。本記事では、建設業許可の全体像を一本の記事でつかんでいただくことを目的に、各テーマを体系的にわかりやすく解説します。個別テーマはリンク先でさらに深掘りしていますので、あわせてご活用ください。
目 次
建設業許可を取得するメリット
建設業許可を取得する最も直接的なメリットは、受注できる工事の幅が広がることです。許可なしで請け負える工事には金額上限があるため、規模の大きい工事の依頼が来ても断らざるを得ない場面が生じます。許可を取得することでその制約がなくなり、単価・規模ともに上の仕事に挑戦できるようになります。
取引関係への影響も見逃せません。元請け業者のなかには、下請け業者の選定条件として建設業許可の取得を必須としているところが増えています。許可を持っていないだけで声がかからない、あるいは既存の取引が打ち切られるリスクがあるのが現実です。許可の取得は、こうした取引機会の損失を防ぐ意味でも重要です。
さらに、公共工事を請け負いたい場合は、建設業許可は前提条件となります。経営事項審査(経審)を受けて入札参加資格を得るためにも、まず建設業許可が必要です。民間工事中心の会社であっても、将来的に公共工事への参入を視野に入れるなら早めに取得しておく意味があります。
また、許可業者には標識の掲示義務や帳簿の備付け・保存義務などが課されますが、これらを適切に運用することで社内の管理体制が整い、会社としての信頼性向上にもつながります。
建設業とは何か
建設業法では、土木建築に関する2つの一式工事と27の専門工事(合計29業種)を「建設工事」と定義しています。そして、元請・下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業を「建設業」と定義しています。
逆にいえば、建築物の単なる点検・清掃・維持管理、あるいは建築物に該当しない工作物の修理・軽微なメンテナンス作業などは、建設業には該当しません。
許可業種一覧
| No. | 業種名 | 工事内容(概要) |
|---|---|---|
| ① | 土木一式工事(土木工事業) | 総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事 |
| ② | 建築一式工事(建築工事業) | 総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事 |
| ③ | 大工工事(大工工事業) | 木材の加工・取付けにより工作物を築造し、または木製設備を取付ける工事 |
| ④ | 左官工事(左官工事業) | 壁土・モルタル・漆くい・プラスター等をこて塗り・吹付け・はり付ける工事 |
| ⑤ | とび・土工・コンクリート工事 | 足場組立・くい打ち・土砂掘削・コンクリート築造・基礎準備工事など |
| ⑥ | 石工事(石工事業) | 石材の加工・積方により工作物を築造し、または石材を取付ける工事 |
| ⑦ | 屋根工事(屋根工事業) | 瓦・スレート・金属薄板等により屋根をふく工事 |
| ⑧ | 電気工事(電気工事業) | 発電・変電・送配電・構内電気設備等を設置する工事 |
| ⑨ | 管工事(管工事業) | 冷暖房・給排水・衛生設備等の設置、ガス・水・油等を送配する配管設備工事 |
| ⑩ | タイル・れんが・ブロック工事 | れんが・コンクリートブロック・タイル等を取付け・はり付ける工事 |
| ⑪ | 鋼構造物工事(鋼構造物工事業) | 形鋼・鋼板等の鋼材を加工・組立てにより工作物を築造する工事 |
| ⑫ | 鉄筋工事(鉄筋工事業) | 棒鋼等の鋼材を加工・接合・組立てる工事 |
| ⑬ | 舗装工事(舗装工事業) | アスファルト・コンクリート・砂利等により道路等の地盤面を舗装する工事 |
| ⑭ | しゅんせつ工事(しゅんせつ工事業) | 河川・港湾等の水底をしゅんせつする工事 |
| ⑮ | 板金工事(板金工事業) | 金属薄板等を加工して工作物に取付け、または金属製付属物を取付ける工事 |
| ⑯ | ガラス工事(ガラス工事業) | 工作物にガラスを加工して取付ける工事 |
| ⑰ | 塗装工事(塗装工事業) | 塗料・塗材等を工作物に吹付け・塗付け・はり付ける工事 |
| ⑱ | 防水工事(防水工事業) | アスファルト・モルタル・シーリング材等によって防水を行う工事 |
| ⑲ | 内装仕上工事(内装仕上工事業) | 木材・石膏ボード・壁紙・カーペット等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事 |
| ⑳ | 機械器具設置工事(機械器具設置工事業) | 機械器具の組立等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取付ける工事 |
| ㉑ | 熱絶縁工事(熱絶縁工事業) | 工作物または工作物の設備を熱絶縁する工事 |
| ㉒ | 電気通信工事(電気通信工事業) | 有線・無線電気通信設備、ネットワーク設備、放送機械設備等を設置する工事 |
| ㉓ | 造園工事(造園工事業) | 庭園・公園・緑地等の築造、道路・屋上の緑化、植生復元等の工事 |
| ㉔ | さく井工事(さく井工事業) | さく井機械等を用いてさく孔・さく井を行う工事、揚水設備設置工事 |
| ㉕ | 建具工事(建具工事業) | 工作物に木製または金属製の建具等を取付ける工事 |
| ㉖ | 水道施設工事(水道施設工事業) | 上水道・工業用水道等の取水・浄水・配水施設の築造、下水道処理設備の設置工事 |
| ㉗ | 消防施設工事(消防施設工事業) | 火災警報設備・消火設備・避難設備等を設置し、または工作物に取り付ける工事 |
| ㉘ | 清掃施設工事(清掃施設工事業) | し尿処理施設またはごみ処理施設を設置する工事 |
| ㉙ | 解体工事(解体工事業) | 工作物の解体を行う工事 |
一式工事とは
一式工事(土木一式・建築一式)は、総合的な企画・指導・調整のもとに工作物または建築物を建設する工事です。個々の専門工事を統括・マネジメントする立場の業種、と理解するとわかりやすいでしょう。
よくある誤解として「一式工事の許可を持っていれば、関連するすべての専門工事も請け負える」と思われがちですが、これは間違いです。一式工事の許可だけでは専門工事を単独で請け負うことはできません。専門工事のみを請け負う場合は、その専門工事の許可を別途取得する必要があります。
📌 ポイント: 一式工事許可 ≠ 専門工事が何でもできる許可。混同しないよう注意。→ 詳しくは「建築一式工事とは」と「建設業29の許可業種と建設工事の内容について」をご参照ください。
許可が不要な「軽微な工事」
建設業許可は、建設業を開始するための絶対条件ではありません。小規模な工事まですべてに許可を求めてしまうと、発注者の利便性が損なわれるためです。
建設業法では、以下の「軽微な工事」のみを請け負う場合には、建設業許可は不要とされています。一般的には、500万円以上の請負金額が建設業許可を必要とすべきラインであるという認識で差し支えありません。
| 工事の種別 | 許可不要となる基準 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1件の請負額が1,500万円未満の工事、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事 |
| 建築一式工事以外(専門工事) | 1件の請負額が500万円未満の工事 |
📌 ポイント: 同一の工事を2つ以上の契約に分割して請け負う場合は、正当な理由がない限り、各契約の請負代金を合算した額が基準となります。分割すれば許可不要になる、という逃げ道はありません。
また、注文者が材料を支給する場合は、その市場価格および運送費を請負代金に加算した額が基準となります。→ 詳しくは「建設業許可を必要としない軽微な工事とは」をご参照ください。
知事許可と大臣許可の違い
建設業の許可は、営業所を1つの都道府県内のみに設ける場合は都道府県知事許可、2つ以上の都道府県にまたがって設ける場合は国土交通大臣許可となります。判断基準はあくまで「営業所の所在地」であり、工事の施工場所でも、許可の格式や業務範囲でもありません。
知事許可であっても、許可を受けた都道府県以外の場所で工事を施工することはまったく問題ありません。また、大臣許可だからといって請け負える工事の範囲が広がるわけでもなく、両者に上下関係はありません。よくある誤解として「他県でも工事をするから大臣許可が必要」と思われがちですが、自社の営業所がすべて同一都道府県内にあるなら、他県で工事をしていても知事許可の対象です。逆に、同一都道府県内に複数の営業所を持つ場合も、知事許可となります。
| 許可の種類 | 対象となるケース |
|---|---|
| 都道府県知事許可 | 1つの都道府県内のみに営業所を設ける場合 |
| 国土交通大臣許可 | 2つ以上の都道府県にまたがって営業所を設ける場合 |
一般建設業と特定建設業の違い
建設業許可には一般建設業と特定建設業の2種類があります。両者の違いは一言でいえば「元請として大規模な下請発注をするかどうか」です。具体的には、1件の元請工事につき下請代金の合計額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)となる場合に、特定建設業の許可が必要になります。
大規模工事ほど関わる下請業者が増え、万一のときの影響も大きくなります。そのため特定建設業には、財産的要件や営業所技術者等(旧・専任技術者)の資格など、一般建設業より厳しい要件が課されています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一般建設業 | 特定建設業以外の建設業 |
| 特定建設業 | 元請として、1件の工事につき下請代金の合計額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)となる工事を請け負う場合に必要 |
📌 ポイント: 押さえておきたいポイントは3つです。①基準はあくまで「下請に出す金額の合計」であり、元請の請負金額自体に上限はありません。②元請が支給する材料の価格は下請代金の合計額に含みません。③下請負人が孫請負人に出す金額がいくら大きくても、その下請負人に特定建設業許可は不要です。→ 詳しくは「特定建設業許可と許可の要件について」をご参照ください。
建設業許可と申請区分
建設業の許可は、特定建設業・一般建設業の区分ごと、および建設工事の業種ごとに受ける必要があります。許可後に別の業種を追加したり、複数業種を同時に取得することもできますが、1つの業種について特定・一般を重複して取得することはできません。
許可を受けていない業種の工事は、軽微な工事を除き請け負うことができません。ただし、①一連の工事もしくは一体の工事として施工する他の工事、または②本体工事を施工した結果として発生した工事もしくは本体工事を施工するにあたり必要な他の工事については、本体工事に附帯する工事(附帯工事)として、許可のない業種であっても本体工事と併せて請け負うことができます。
これは発注者の利便性を損なわないための例外規定です。→ 詳しくは「建設工事における附帯工事とは」をご参照ください。
| 申請区分 | 対象 |
|---|---|
| 新規 | 現在、建設業許可を受けていない者が新たに申請する場合 |
| 許可換え新規 | 大臣許可→知事許可、知事許可→大臣許可、A県知事→B県知事、など許可の種別を変更する場合 |
| 般・特新規 | 一般建設業→特定建設業、または特定建設業→一般建設業に変更する場合 |
| 業種追加 | すでに許可を受けている者が、別の業種について新たに許可を申請する場合 |
| 更新 | すでに受けている許可の有効期間が満了する前に、継続して許可を受ける場合 |
許可の有効期間と更新
建設業許可の有効期間は5年間です。有効期間満了後も引き続き建設業を営むためには、満了日の30日前までに更新申請を行う必要があります。
更新申請を行ったにもかかわらず、有効期間満了日までに処分がなされなかった場合は、処分がなされるまで従前の許可が有効とみなされます。ただし、有効期間が満了してから申請しようとしても受け付けてもらえず、新規申請扱いになってしまいますので、余裕を持った早めの申請が重要です。
⚠️ 注意: 更新を忘れると許可が失効します。5年に一度のスケジュール管理が必須です。→ 詳しくは「建設業許可の更新申請手続きについて」をご参照ください。
許可の一本化
許可日の異なる複数の許可を持っている場合、更新申請のタイミングですべての許可の有効期間を同一の期日に揃える「一本化」ができます。これにより複数業種を持っていても更新申請が1回で済むようになります。
業種追加と同時に一本化することも可能ですが、その場合は現在有効な許可の満了日まで30日以上残っていることが条件です。また、一本化する場合はすべての許可日を同日にするため、業種を選んで一本化することはできません。→ 詳しくは「建設業の業種追加と許可の一本化について」をご参照ください。
個人(一人親方)と法人の申請
建設業許可は個人事業主(一人親方含む)でも法人でも取得できます。ただし、経営業務の管理責任者や営業所技術者等(旧・専任技術者)の要件の満たし方、提出書類の内容が個人と法人では異なります。将来的に法人化を検討しているなら、許可の扱いについても事前に考えておく必要があります。
法人成りの際の建設業許可の対応は、①個人の許可を廃業して法人として新規申請する方法と、②令和2年10月の建設業法改正により新設された事業承継認可制度を利用して個人の許可をそのまま法人に引き継ぐ方法の2パターンがあります。
②の承継制度を使えば許可番号も含めた地位をそのまま承継でき、空白期間も生じません。ただし、事前の認可申請が必要で手続きは複雑なため、早めに専門家に相談することをお勧めします。
→ 個人の申請について詳しくは「一人親方の建設業許可│独立・開業から申請まで行政書士が解説」をご参照ください。
建設業許可の6つの要件
建設業許可を受けるためには、以下の6つの要件をすべて満たす必要があります。耳慣れない言葉もありますが、一つでも欠けると許可は受けることができません。
- 経営業務の管理責任者がいること(経管)
- 営業所技術者等(旧・専任技術者)を各営業所に配置していること
- 金銭的信用を有すること(財産的基礎要件)
- 欠格要件等に該当しないこと
- 建設業の営業を行う事務所を有すること
- 社会保険に加入していること
経営業務の管理責任者(経管要件)
経営業務の管理責任者(通称:経管)とは、建設業の経営全体を統括する責任者です。主たる営業所(本社・本店)には、常勤で配置する必要があります。
法人であれば常勤役員のうち1人、または経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(役員に次ぐ職制上の地位、例えば工事部長・営業所長など)が、以下のイ〜ニのいずれかに該当することが必要です。個人事業主であれば本人または支配人がイ〜ニのいずれかの経験を有することが求められます。
| 区分 | 要件の内容 |
|---|---|
| イ | 建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者 |
| ロ | 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、(a) 執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験、または (b) 6年以上経営業務を補佐した経験を有する者 |
| ハ | 一定の役員経験を持つ者(イ・ロより要件が緩い)に加え、財務管理・労務管理・業務運営の各経験を有する者をそれぞれ補佐役として配置できる者 |
| ニ | 国土交通大臣がイ〜ハと同等以上の能力を有すると認定した者 |
📌 ポイント: 経管は「常勤」であることが必要です。他の会社の役員を兼務している場合などは、常勤性の確認が重要になります。→ 詳しくは「建設業における経営業務の管理責任者について」をご参照ください。
営業所技術者等(旧・専任技術者)
営業所技術者等(令和6年12月13日の改正建設業法施行に伴い「専任技術者」から名称変更)とは、営業所における建設工事の請負契約の締結・履行に関して技術上の管理をつかさどる者です。営業所ごとに常勤かつ専任で配置する必要があります。
経管が会社全体の経営を統括する責任者であるのに対し、営業所技術者等は営業所単位での技術面の責任者です。見積もり・入札・契約が適切に行われるよう技術的観点からサポートし、現場の配置技術者(主任技術者・監理技術者)のバックアップも担います。同一営業所内であれば複数業種の営業所技術者等を兼ねることができますが、他の営業所との兼任は認められません。
要件としては、申請業種に関する国家資格の保有、または指定学科卒業後の実務経験(大卒3年・高卒5年)、もしくは学歴不問で10年以上の実務経験のいずれかを満たす必要があります。特定建設業ではさらに厳しい要件が課されます。
一般建設業(建設業法第7条第2号)
一般建設業の営業所技術者等は、以下のイ・ロ・ハのいずれかに該当する者を配置する必要があります。
| 区分 | 要件の内容 |
|---|---|
| イ | 大卒(関連学科)+3年以上の実務経験、または高卒(関連学科)+5年以上の実務経験 |
| ロ | 学歴不問で申請業種について10年以上の実務経験 |
| ハ | 申請業種に関する法定の資格・免許を有する者(一部業種は加えて1年以上の実務経験が必要) |
特定建設業(建設業法第15条第2号)
特定建設業では要件がさらに厳しくなります。具体的には、以下のイ・ロ・ハのいずれかに該当することが必要です。
なお、土木・建築・管・鋼構造物・舗装・電気・造園の7業種の特定建設業については、原則として法定の資格免許保有者または国土交通大臣認定者を配置する必要があります。(実→ 詳しくは「建設業における専任技術者」をご参照ください。
| 区分 | 要件の内容 |
|---|---|
| イ | イ〜ハのいずれかに該当し、かつ発注者から直接請け負った4,500万円以上の工事について、元請負人としての指導監督的実務経験が通算2年以上ある者 |
| ロ | 申請業種に関する法定の資格・免許を有する者 |
| ハ | 国土交通大臣がイ・ロと同等以上と認定した者 |
金銭的信用(財産的基礎要件)
高額な工事を請け負う以上、万一の事態に備えた財産的基盤が求められます。一般建設業では自己資本500万円以上、または500万円以上の預金残高証明書で足りますが、特定建設業では自己資本4,000万円以上・資本金2,000万円以上など複数の基準をすべて満たす必要があり、要件がぐっと厳しくなります。
一般建設業の財産的要件
申請時点において、以下のいずれかの基準に該当する財産を有する者は、倒産することが明白である場合を除き、この基準に適合しているものとして取り扱われます。
- 直前の決算において、自己資本の額が500万円以上であること
- 金融機関の預金残高証明書(残高日が申請日前4週間以内のもの)で、500万円以上の資金調達能力を証明できること
- 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
特定建設業の財産的要件
特定建設業については、原則として、許可申請時の直前の決算期における財務諸表において、以下のすべての基準を満たすことが要求されています。
- 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金の額が2,000万円以上であること
- 自己資本の額が4,000万円以上であること
⚠️ 注意: 特定建設業の財産的要件は厳格です。許可申請のタイミングと直前決算の数字が鍵になります。→ 詳しくは「建設業とカネ│建設業許可に必要な財産的要件とは」をご参照ください。
欠格要件等に該当しないこと
国民の生活に影響を及ぼし、取引としても高額となりがちな建設工事を請け負う建設業者には、一定の誠実性が求められます。許可申請の際に提出する申請書や添付書類中の重要な事項について虚偽の記載がなく重要な事実の記載が不足する場合はもちろんのこと、
欠格要件については、申請者本人、法人、役員等及び一定の使用人(支店長、営業所長、支配人)のすべてについて、以下のいずれの要件(欠格要件)にも該当しないことが許可要件のひとつとして定められています。
なお、許可申請時には、許可官庁が市町村や県警本部に前科・過去の行政処分について照会を行いるため、虚偽の申請は厳禁です。→ 詳しくは「建設業許可を取得できない欠格要件とは」をご参照ください。
欠格要件(クリックで開閉)
- 許可申請書若しくは添付書類中の重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているとき
- 破産者で復権を得ない者
- 精神の機能の障害により建設業を適正に営むにあたって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- 不正の手段により許可を受けたこと等により、許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
- 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をした者で届出の日から5年を経過しないもの
- 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をした者であって許可取消しの処分に係る聴聞の通知があった日の日前60日以内に法人の役員等若しくは政令使用人であった者又は個人の政令使用人であった者で、届出の日から5年を経過しないもの
- 営業の停止又は禁止を命ぜられ、その期間が経過しない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建設業法、建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法若しくは暴力団対策法の規定に違反したことにより、又は傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が欠格事由のいずれかに該当するもの
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
建設業の営業所を有すること
建設業の営業所とは、常時建設工事に係る請負契約に関する実体的な行為(見積り、入札、契約締結等)を行う事務所を指します。
単なる連絡事務所や、名目上登記されているだけの事務所及び建設業の業務に関与していない本店もしくは支店等は営業所に該当しませんが、他の営業所に対し、請負契約に関する指導監督を行うなど、実質的に建設業の営業に関与するものである場合には営業所にあたります。
また、建設業の営業所たるには、原則として、以下の基準をすべて満たすものである必要があります。→ 詳しくは「建設業の営業所とは│建設業許可に必要な営業所要件について」をご参照ください。
- 事務所など建設業の営業を行うべき場所を常時使用する権限を有していること
- 建物の外観又は入口等において、申請者の商号又は名称が確認できること
- 固定電話、事務機器、机等什器備品を備えていること
- 許可を受けた建設業者にあっては、営業所ごとに建設業の許可票を掲げていること
- 支店等の代表者が常勤しており、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること
- 専任技術者が営業所に常勤して専らその職務に従事していること
社会保険への加入
2020年(令和2年)10月より、従前から批判の多かった「社会保険の未加入」に対する措置として、適切な社会保険に加入することが、正式に許可の要件に加えられました。
常用労働者を1人でも雇用する法人は、雇用保険・医療保険・厚生年金のすべてへの加入が必須ですが、個人事業主は常用労働者が5人以上の場合に同様の義務が生じます。未加入のままでは新規・更新を問わず許可を受けることができません。
社会保険未加入のままでは、新規・更新を問わず許可を受けることができません。→ 詳しくは「建設業許可取得の要件となる社会保険の加入について」をご参照ください。
| 事業者の区分 | 加入が必要な社会保険 |
|---|---|
| 常用労働者を1人以上雇用する法人 | 雇用保険・医療保険・厚生年金(すべて必須) |
| 常用労働者を5人以上雇用する個人事業主 | 雇用保険・医療保険・厚生年金(すべて必須) |
建設業許可の手続方法
要件を満たしていることが確認できたら、営業所の所在地を管轄する都道府県庁(知事許可の場合)または地方整備局等(大臣許可の場合)に申請書類を提出します。
必要書類は申請区分や業種数によって異なりますが、主なものとして申請書本体、経営業務の管理責任者の経験証明書類、営業所技術者等の資格・実務経験証明書類、財産的要件を示す財務諸表や残高証明書、営業所の実態を示す写真や賃貸借契約書などが挙げられます。
重要なのは、必要書類の種類や運用方法が都道府県ごとに異なる点です。同じ知事許可でも兵庫県と大阪府では手引きの内容や窓口の運用に差があり、事前確認なしに書類を揃えると手戻りが生じることがあります。審査期間は知事許可でおおむね30〜50日程度、大臣許可で90日程度が目安ですが、書類の補正が入ればその分延びます。
弊所では、兵庫県・大阪府を中心に建設業許可申請をサポートしており、各自治体の運用に沿った申請準備が可能です。兵庫県・大阪府・京都府の申請手続きについては各府県別の解説記事もご参照ください。
許可取得後の主な義務
建設業許可を取得した後も、許可業者としてさまざまな義務が継続的に課されます。許可を取って終わりではなく、むしろここからが本番です。
標識の掲示は許可業者に課される最も基本的な義務のひとつです。営業所および施工中の建設工事の現場ごとに、定められた様式の許可票(いわゆる「金看板」)を公衆の見やすい場所に掲げる必要があります。(いわゆる「金看板」詳しくはこちら)
帳簿の備付けと保存も義務です。営業所ごとに請負契約に関する事項を記載した帳簿を備え付け、一定期間保存する必要があります。
変更届の提出は見落としがちですが重要です。商号・所在地・役員・経管・営業所技術者等(旧・専任技術者)などに変更が生じた場合は、定められた期限内に届け出る必要があります。特に経管や営業所技術者等が退職・交代した際の対応は迅速に行わないと許可要件を欠く状態になりかねません。
決算変更届(事業年度終了届)は毎事業年度終了後4か月以内に提出が必要です。これを怠ると更新申請ができなくなるため、毎年のルーティンとして管理しておく必要があります。
また、すでにお伝えしたとおり、許可の更新は5年ごとに必要です。有効期間満了の30日前までに更新申請を行わなければならず、失念すると許可が失効します。
これらの義務を怠った場合、指示処分・営業停止処分・許可取消といった行政処分の対象となることがあります。ご不安であれば、許可取得後の維持管理も含めて、専門家のサポートを活用することをお勧めします。→ 詳しくは「建設業許可取得後の義務を行政書士が解説|変更届・帳簿・技術者配置まで」をご参照ください。
重要ポイントと対策
ざっくりとした概説とはいえ、建設業許可申請はこれだけ難解かつ複雑な手続きとなっています。各ポイントを掘り下げていくと、それこそ大辞典ができあがってしまうくらいのレベル感です。本記事で解説した内容を整理すると、次のとおりになります。
- 29業種それぞれに許可が必要で、一式工事と専門工事は別物
- 500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を請け負うには許可が必要
- 営業所の所在地によって知事許可か大臣許可かが決まる
- 下請に出す金額が大きければ特定建設業許可が必要
- 許可取得には経管・営業所技術者等・財産・欠格・営業所・社会保険の6要件をすべて満たす必要がある
- 許可の有効期間は5年で、満了30日前までに更新申請が必要
「要件を満たしているか確認したい」「何から手をつければいいかわからない」という方は、お気軽に弊所までご相談ください。
建設業許可取得サポート
建設業許可申請は行政書士の専門分野のひとつであり、弊所でも兵庫県、大阪府および京都府の全域にわたり手続きのサポートをさせていただいております。
「忙しくて手続きに手が回らない」
「何から手をつければ良いかわからない」
「そもそもうちは許可が取れるの?」
弊所ではこういったお悩みに迅速に対応しているほか、「話しの分かる行政書士事務所」として、予算に応じた大幅な割引対応や、近年台頭しつつある見積もりサイトとの相見積りも含め、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。建設業許可申請でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
建設業許可申請手続についてお悩みの方はお気軽にご相談ください♬
兵庫県大阪府京都府の全域に対応可能です。
☎平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!
06-6415-9020 または 090-1911-1497
メールでのお問い合わせはこちら。
お問い合わせフォーム

