建設業における経営業務の管理責任者について

建設業法では、請負金額が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)となる規模の建設工事を請け負おうとする場合は、都道府県知事又は国土交通大臣から建設業許可を受ける必要がある旨を定めています。
建設業の請負金額は高額となりがちで、かつ、各工事ごとに施工期間や携わる人数等の条件も異なるため、許可業者には、経営業務をしっかりと管理することができる体制が求められています。
基準を満たす経営業務の管理責任者(以下、経管)の選任は、この要請に応えるものであり、建設業許可を取得するための要件のひとつとなっています。
令和2年10月1日施行の建設業法の改正により、要件がほんの少し緩やかになった印象もありますが、建設業許可の取得を目指す方にとって、経管の選任という要件が、依然として高いハードルとなっていることは間違いありません。
そこで本稿では、建設業許可の取得を目指す皆さまに向けて、申請における最重要ポイントである経管の選任要件について、詳しく解説していきたいと思います。
経営業務の管理責任者
経営業務の管理責任者(経管)とは、建設業の営業所において、営業取引上の対外的な責任を有する地位にあり、経営業務を総合的に管理する者をいいます。
実務上は、事業者が安定して経営できるように経営体制を整えることをその役割とし、営業取引上の対外的な責任を負う立場となります。
建設業許可を取得するためには、他にも多くのハードルをクリアする必要がありますが、最大の関門となるのが、経管の選任であるといっても過言ではありません。
経管の要件
すでにお伝えしたとおり、経管は建設業者の中枢を担う立場であることから、誰でも選任することが認められているわけではありません。
具体的には、個人事業主であれば本人若しくはその支配人、法人であれば常勤役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者)のうち、「建設業」の経営管理の業務について、以下のいずれかの経験を有する者を、経管として選任する必要があります。
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有するもの
- 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有するもの
なお、かつては個人の経験に依存する形であった経管の要件ですが、現在では見直しがされ、組織として経営能力を担保できる体制が整っている場合には、基準に適合しているものとしてこるが認められることになりました。(後述)
組織全体を通しての要件
前記した要件を単独で満たす者がいない場合であっても、常勤役員等のうち一人が以下のいずれかに該当する者であって、かつ、財務管理の業務経験(許可を受けている建設業者にあってはその建設業者、許可を受けようとする建設業を営む者にあってはその建設業を営む者における5年以上の建設業の業務経験に限る)を有する者、労務管理の業務経験を有する者及び業務運営の業務経験を有する者を、常勤役員等を直接に補佐する者としてそれぞれ置くものであることきは、その常勤役員等を経管として選任することができます。
- 建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験を有するもの
- 5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する者
(※)1.は、建設業者の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの担当役員の経験が2年以上あり、かつ役員に次ぐ職制上の地位での業務経験を含めて通算5年以上の経験がある者を指します。
(※)2.は、建設業者での役員経験が2年以上あることを条件に、建設業以外の他業種での役員経験も含めて通算5年以上ある者のことです。
整理すると、上記のいずれかに該当する常勤役員等は、その補佐をする者として「財務管理」「労務管理」及び「業務運営」のすべての業務について5年以上の経験を有する者を配置すれば、経管として選任することが認められることとなります。
なお、補佐する者については、「財務管理」「労務管理」及び「業務運営」のすべての業務の経験を有するのであれば、1名でこれを兼任することも可能です。。
経営業務の管理責任者に準ずる地位
経管要件にある「準ずる地位」とは、個人事業主の場合における専従者等として補佐する地位にある者(死亡した事業主の承継者である配偶者又は子息等)を指します。
また、法人の場合であれば、以下のいずれかに該当者について、「準ずる地位」としての立場が認められます。
- 営業部長その他の管理職社員以上の地位にあったこと
- 経営業務の執行に関し、役員に準ずる権限を有していたこと
- 1の地位において、2の権限に基づき、建設業の経営業務を総合的に管理した経験又はこれを補佐した経験を有すること
ただし、肩書として役員に次ぐ地位であったとしても、経理部長等のように、建設業の経営業務に直接携わっていたとは言えない職務に就いていた期間については、原則として実務経験の期間には算入することができません。
大臣認定
国土交通大臣が上記で説明した者と同等以上の能力を有すると認定した者を経管として選任するという選択肢もあり、これには海外における建設業者での役員経験者等が該当しますが、実務上は稀なケースであり、とあまり現実的とはいえません。
建設業許可の取得をお考えなら
弊所では、兵庫県及び大阪府の全域にわたり建設業許可申請の代行を承(うけたまわ)っております。面倒な書類の作成から、必要書類の収集、土木事務所との協議及び申請の代行に至るまで、しっかりとフルサポートいたします。
また、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」を標榜し、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。さらに、サイト閲覧者を対象として、限定な割引交渉にも応じています。
近年は、扱いやすい見積もりサイトが台頭しているようですが、弊所ではこれらにまったく劣ることはなく、料金・スピードともにご納得いただけるサービスを提供しています。建設業許可取得でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
建設業許可申請手続についてお悩みの方はお気軽にご相談ください♬
兵庫県大阪府の全域に対応可能です。平日9時〜18時、
は24時間365日対応!
06-6415-9020 または 090-1911-1497
メールでのお問い合わせはこちら。
お問い合わせフォーム