深夜酒類提供飲食店営業者が守るべき遵守事項・禁止事項

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深夜酒類提供飲食店営業の届出は、提出すれば終わりというものではありません。営業を開始した後も、風営法や関係法令に基づくさまざまなルールを継続して守る必要があり、これらを軽視した営業を続けていると、警察による指導や行政処分の対象となる可能性があります。

特に近年は風営法の運用が厳格化しており、「昔からこうしている」「周囲も同じように営業している」といった考え方は通用しなくなっています。

そこで本稿では、深夜酒類提供飲食店営業を営む皆さまが特に注意すべき遵守事項と禁止事項について解説します。

接待営業の禁止

深夜酒類提供飲食店営業者が最も注意すべきなのが、接待営業の禁止です。深夜酒類提供飲食店営業はあくまで届出営業であり、風俗営業許可を受けた社交飲食店ではないため、客に対して接待を行うことは認められていません。

特定の客の隣に座って継続的に談笑する行為、お酌をする行為、特定の客とデュエットを行うカラオケ接客、その他特定の客を歓楽的な雰囲気でもてなす行為などは、営業実態によって接待と判断されます。

「スナックだから問題ない」「昔からこの営業方法だった」という事情は判断に関係なく、営業実態が接待に当たるのであれば、無許可風俗営業として問題になる可能性があります。

適切な営業管理

深夜酒類提供飲食店営業の届出は、提出すれば終わりというものではなく、その後の営業内容に応じて継続的な管理が求められます。

営業開始後に法人名や代表者、営業所名称などが変更になった場合や、営業所の構造設備に変更が生じた場合には、変更内容に応じた手続きが必要となる場合があります。また、実際の営業者と届出名義人が異なる、いわゆる名義貸しも認められていません。

警察署へ届け出た内容と実際の営業実態が大きく異なる状態を放置すると、後に問題となる可能性があります。

年少者保護に関する規制

深夜酒類提供飲食店営業者は、風営法32条により、風俗営業者に対する遵守事項の一部が準用される立場にあります。具体的には、18歳未満の者を接客業務に従事させること、午後10時以降に保護者の同伴がない18歳未満の者を客として立ち入らせること、20歳未満の者に酒類やたばこを提供することが禁止されています。

特に20歳未満の者への酒類提供は、風営法だけでなく酒類提供禁止法によっても重ねて禁じられており、違反した場合は営業形態を問わず罰則の対象となります。年齢確認を怠った営業は、知らぬ間にこれらの禁止事項に違反してしまうリスクがあるため、身分証明書による確認を徹底するなど、適切な運営体制を整えることが重要です。

周辺環境への配慮

深夜酒類提供飲食店営業者は、風営法32条による準用規定により、客引きのために道路その他公共の場所で人につきまとったり、立ちふさがったりする行為が禁止されています。地域住民の生活環境とも密接に関わる営業形態であることから、営業所内だけでなく、営業所周辺における行動にも注意を払う必要があります。

これらの規定に違反した場合、原則として指示処分を経ずに営業停止などの行政処分が科される点にも注意が必要です。

構造・設備の維持義務

深夜酒類提供飲食店営業の営業所は、国家公安委員会規則で定める構造・設備の基準に適合している必要があります。届出はあくまで届出時点での構造が基準を満たしていることを示すものであり、その後に内装を変更したり設備を入れ替えたりした結果、客室の床面積や照度、見通しの基準を下回ってしまった場合は、届出内容と実態が一致しない状態になります。

特に照明を絞る調光器の使用、パーテーションの増設、客席の配置変更などは、知らないうちに基準から逸脱してしまいやすい代表的な例です。内装の変更を行う際は、変更前に基準への適合を確認する習慣をつけることをお薦めします。

広告・装飾の禁止

国家公安委員会規則では、善良の風俗または清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を営業所に設けないことも、構造・設備の基準の一つとして定められています。これは届出時だけでなく、営業を継続する間も常に守られるべき事項です。

条例による規制

ここまで解説してきた遵守事項は、風営法および国家公安委員会規則に基づく全国共通のルールですが、これに加えて各都道府県は条例によって独自の規制を設けることができます。

具体的には、騒音・振動の数値基準、カラオケ等の音響機器の使用制限、営業可能な区域の細部、構造設備に関する追加的な要件などは、都道府県ごとに条例で定められているのが実情です。同じ深夜酒類提供飲食店営業であっても、所在地によって守るべき基準の数値や運用が異なる場合があるため、ご自身の営業所が所在する都道府県の条例についても必ず確認するようにしてください。

まとめ

深夜酒類提供飲食店営業は風俗営業許可と比べると始めやすい制度ですが、その一方で営業開始後も守らなければならないルールが数多く存在します。

特に接待営業の禁止は極めて重要であり、営業者が意図していなくても実態によっては風俗営業と判断されることがあります。また、変更届出や年少者保護、周辺環境への配慮なども営業を続ける上では欠かせません。

届出はゴールではなくスタートです。法令を正しく理解し、適法な営業を継続することが、結果として店舗を守る最善の方法といえるでしょう。

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