バー・スナックを開業するには│必要な許可・届出を行政書士が解説【総まとめ】

これからバーやスナックを開業しようとお考えの方から、弊所には連日たくさんのご相談をいただきます。中でも一番多いのが、「バーやスナックを開くにはどんな許可が必要なのか」というご質問、あるいは「許可を取得したい」というご依頼です。
実はバー・スナックの開業に必要な手続きは、お店の営業スタイルによって大きく変わります。深夜0時を過ぎても営業を続けるのか、お客様への接待を行うのか。この2点によって、必要な手続きが「届出」で済むのか、それとも「許可」が必要になるのかが決まってきます。
本稿では、これからバー・スナックの開業を検討されている皆さまに向けて、必要となる許可・届出の全体像を整理してご案内いたします。弊所は大阪府・兵庫県・京都府を中心に、年間300件以上の申請に携わっており、地域ごとの実務上の違いについても熟知しております。各地域固有の注意点については、後ほど詳細記事へのリンクをご案内しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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開業に必要な手続き
バーやスナックと一口に言っても、その営業スタイルはお店ごとに様々です。しかし、行政手続きの観点で見ると、必要な許可・届出は大きく以下の4つのパターンに整理することができます。
| 営業 | 手続き | 営業時間 | 接待 |
|---|---|---|---|
| お酒メインのお店 (深夜営業なし) | 飲食店営業許可のみ | 0〜6時は営業不可 | ☓ |
| お酒メインのお店(深夜営業あり) | 飲食店営業許可 + 深夜営業の届出 | 一日中 | ☓ |
| 社交飲食店 | 飲食店営業許可 + 風俗営業許可 | 0〜6時は営業不可 | ○ |
| 食事メインのお店 | 飲食店営業許可のみ | 一日中 | ☓ |
どのお店であっても、まず大前提として保健所から飲食店営業許可を取得する必要があり、これに加えて、営業スタイルに応じた追加の手続きが発生するという整理になります。
パターンの確認
ご自身が開業しようとしているお店がどのパターンに当たるかは、深夜0時を過ぎても営業を続けるか、お客様の隣について談笑したりお酌をするなど「接待」に当たる行為を行うか、の2つの質問でおおよそ判断できます。
接待に当たる場合は、営業時間に関わらず風俗営業許可が必要になる可能性が高く、深夜営業との兼業は実務上ほぼ認められません。深夜営業のみに当たる場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になります。
なお「接待」の定義は厳密で、線引きが難しいケースも多くあります。コンセプトバーやガールズバーのような業態を検討されている方は、判断を誤ると無許可営業のリスクを伴いますので、必ず事前に確認するようにしてください。特に最近は法改正の余波を受け、従来型のスナックであっても風俗営業許可を取得するケースが増えています。
追加の許認可を要するケース
バーの中には、お酒の提供や接待以外の要素で風俗営業の許可が必要になる業態があります。たとえばダーツバーは、デジタルダーツのみを設置するものであれば原則として規制対象外ですが、従業員が客と対戦する形式は接待に当たり風俗営業許可が必要になります。
また、小型スロットマシンなどのゲーム機を設置するお店は、ゲーム機の専有面積が客室の10%を超えれば無許可でのゲームセンター営業とみなされるリスクがあり、同様にポーカーバーについで、ポーカーテーブルの専有面積が客室の10%を超えるときは風俗営業許可が必要になります。
シーシャバーは風俗営業とは別の論点ですが、喫煙目的店とするための一環としてたばこの小売販売許可もしくは対面販売許可が必要になります。
一般的なバーの基準では問題のない営業でも、設置する設備や仕組みによって個別の許認可が必要になるケースが多くあります。構想中の業態がこれらに当たらないか、事前に確認しておくことをお薦めします。
名称の違いと許認可の関係
開業を検討する際、業態の呼び名そのものに迷う方も少なくありません。キャバクラ、ラウンジ、クラブ、スナック、バー、パブといった名称は、どれも法令上の正式な区分ではなく、世間一般の通称にすぎません。
実際、風営法は名称やコンセプトでお店を区分しているわけではなく、あくまで営業の実態(接待の有無、遊興の有無、深夜営業の有無など)によって必要な許認可を判断します。「ガールズバーだから深夜営業ができる」「ラウンジだから接待は問題ない」といった思い込みは、実態が伴っていなければ通用しません。
それぞれの名称の使われ方や一般的なイメージの違いについては、以下の記事で詳しく整理しています。雑学的な内容ではありますが、ご自身のお店をどう名乗るかを考える上でも参考になるはずです。
地域による運用の違い
深夜酒類提供飲食店営業の届出や風俗営業許可は全国共通の法律に基づきますが、実際には用途地域の特例区域、警察署ごとの運用、各都道府県の条例による差異が存在するため、物件契約前に確認すべき営業禁止区域や警察署が求める書類の細かな違いは地域ごとに異なります。
大阪府・兵庫県・京都府その他地域においてバー・スナックを開業される方は、それぞれの地域記事もあわせてご確認ください。
開業までのスケジュール感
保健所への飲食店営業許可の申請から許可証の交付までは、通常1〜2週間程度を要します。深夜営業を行う場合は、この許可証の取得を前提として、営業開始日の10日前までに警察署への届出が必要です。最短でも「飲食店営業許可の取得期間+10日」を準備期間として見ておく必要があります。
接待を伴う風俗営業の場合は、許可までに2か月程度を要するのが一般的です。図面の作成や物件の用途地域確認など、事前に済ませておくべき準備も多いため、余裕を持ったスケジュールをお薦めします。
なお、物件取得費や内装費、開業後の運転資金など資金計画についても早い段階から検討しておく必要があります。詳細な数値計画は税理士や商工会議所などの専門家にもご相談されることをお薦めします。
まとめ
バー・スナックの開業に必要な手続きは、突き詰めると「深夜営業をするかどうか」と「接待を行うかどうか」という2つの軸で整理することができます。この2点が定まれば、必要な許認可はおのずと決まってきます。
一方で、実際の現場では業態名や見た目のコンセプトだけで判断してしまい、後から想定外の許可が必要だったと気づくケースが少なくありません。ダーツやポーカーテーブルといった設備、シーシャの提供、ボックス席の設置など、一見些細に見える要素が、許認可の要否を左右することもあります。
また、用途地域による営業禁止区域や、警察署ごとの運用の違いなど、地域特有の事情も開業準備において見落とせないポイントです。物件を契約する前の段階で、これらを一つひとつ確認しておくことが、開業後のトラブルを避ける最も確実な方法といえます。
バー・スナックの開業を検討されている方は、まずご自身のお店がどの営業形態に当たるのかを整理し、必要な手続きを早い段階から把握しておくことをお薦めします。
本稿で取り上げた各項目の詳細は、それぞれの専門記事でさらに詳しく解説していますので、気になる点があれば併せてご確認いただき、なお不明の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
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