シーシャバー・カフェ開業ガイド|必要な許可・法律・手続きまとめ

近年、都市部を中心にシーシャバーやシーシャカフェの新規開業に関するご相談が増えています。フレーバーの香りや独特の雰囲気が若い世代を中心に支持を集めている一方で、実際に開業しようとすると「そもそもシーシャは合法なのか」「どんな許可が必要なのか」といった疑問にぶつかる方が少なくありません。紙たばこや加熱式たばことは異なる特殊な扱いがあるのではと不安に感じている方も多いように感じます。
実際のところ、シーシャの法律上の扱い自体は紙たばこや加熱式たばこと大きく変わるものではありません。しかし、2020年の改正健康増進法の施行により、飲食店内での喫煙には原則として制限がかかっており、シーシャバーやシーシャカフェとして店舗を運営するためには「喫煙目的施設」としての要件を満たす必要が出てきます。この点を正しく理解せずに開業準備を進めてしまうと、内装工事や物件契約のあとで基準を満たせないことが判明し、大きな手戻りが発生するケースもあります。
そこで本稿では、そもそもシーシャとはどのようなものかという基本的な知識から、その合法性、そして開業にあたって満たすべき喫煙目的施設の要件や技術的基準まで、順を追ってまとめて解説していきます。これからシーシャバーやシーシャカフェの開業を検討している方はもちろん、既存店舗でシーシャの導入を考えている飲食店経営者の方にも参考にしていただける内容になっています。
シーシャとは

シーシャとは、中東(おもに旧ペルシア)で生まれたとされる喫煙具の一種です。日本では水たばこ全般を指す呼び名として定着していますが、中東の各地域ではそれぞれ異なる名称で呼ばれており、国や地域ごとに独自の文化として親しまれてきました。専用のフレーバーを付けたたばこの葉を加熱し、そこから出る煙をガラス瓶の中の水を通してから吸引するという構造を持つのが特徴です。
使用するガラス瓶は60〜80cmほどとかなり大きく、持ち運びには不向きなため、紙たばこが早くから普及していた諸外国では、逆にシーシャの浸透が遅れる傾向にありました。手軽に持ち歩ける紙たばこや加熱式たばことは異なり、専用の空間でゆっくりと時間をかけて楽しむスタイルが、シーシャならではの魅力ともいえます。
日本国内では、バブル期に中近東料理を提供する飲食店が増えたことに加え、欧米諸国での流行も後押しとなり、近年は首都圏や近畿圏を中心に取り扱う店舗が増加傾向にあります。フォルムがどこかファッショナブルで物珍しさもあることから、とくに若い世代を中心に根強い人気を獲得しており、専門のシーシャバーやシーシャカフェも各地で開業が相次いでいます。
シーシャの合法性

冒頭でも触れたとおり、シーシャは法律上、紙たばこや加熱式たばこと基本的に同じ扱いを受けます。そのため、シーシャを吸うことや所持すること自体に違法性はなく、通常の喫煙と同様に扱って差し支えありません。ただし、たばこ全般に共通するルールとして、20歳未満の者がシーシャを吸ったり所持したりすることは認められていない点には注意が必要です。
一方で、日本国内で使用が認められていないフレーバーやたばこの葉を用いた場合には、違法となるケースがある点も見過ごせません。国内で流通しているシーシャ用フレーバーは、基本的に許可を受けたものに限られており、正規のルートで仕入れる限りは大きな問題は生じにくい状況にあります。
もっとも、海外から独自にフレーバーを輸入しようとする場合には話が変わってきます。国によって成分や添加物に関する規制が異なるため、日本国内では未承認の成分が含まれている可能性も否定できません。開業を検討する段階で気になるフレーバーがある場合は、実際に仕入れる前に成分や輸入手続きについてしっかりと確認しておくことが望ましいといえるでしょう。
シーシャバー(カフェ)の開業

2020年4月1日に施行された改正健康増進法により、施行日以降に新規でオープンする飲食店内では、シーシャを含めて原則として喫煙が認められなくなりました。これは紙たばこや加熱式たばこと同様の扱いであり、シーシャだからといって特別に緩和されるわけではありません。したがって、これから新しくシーシャバーやシーシャカフェを立ち上げようとする場合は、通常の飲食店営業許可とは別の視点からの準備が求められます。
具体的には、店舗を「喫煙目的施設」として位置づけるための要件を満たすことが出発点になります。たばこの対面販売を行っていること、喫煙を主たる目的とする店舗であること、法令や条例に定められた設備基準を満たしていること、そして主食となるような食事をメインには提供していないことといった条件を、まとめて満たす必要があります。これらはどれか一つが欠けても喫煙目的施設としては認められにくいため、開業計画の初期段階から意識しておくことが大切です。
加えて、喫煙目的施設には技術的な基準も設けられています。喫煙室の扉を全開にした状態で、外から内側に向かって開口面風速0.2m/秒以上の空気の流れをつくり、たばこの煙が禁煙エリアへ漏れないようにすること、壁や天井によって扉以外の部分を完全に他の空間と仕切ること、そして煙をきちんと屋外へ排気することが求められます。これらは工事や設備投資にも関わる部分であるため、物件を決める前の段階で図面や施工業者と相談しながら検討を進めると、後々の手戻りを防ぎやすくなります。喫煙目的施設やフレーバーの取扱い、たばこ小売販売業許可などの詳細については、関連する各記事もあわせてご参照ください。
★喫煙目的施設としての要件
- たばこの対面販売(小売販売・出張販売)を行っていること
- 喫煙を主たる目的とする店舗であること
- 法令や条例による設備基準を満たしていること
- 主食として認められる食事をメインに提供していないこと
★喫煙目的施設の技術的基準
- 喫煙室の扉を全開にした状態で喫煙室の外から内側に向かって開口面風速0.2m/秒以上の空気の流れをつくり、たばこの煙が禁煙エリアに漏れないような状態であること
- 壁や天井などにより、扉以外の部分が完全に他の空間と仕切られており、たばこの煙が禁煙エリアに漏れないようにすること
- たばこの煙が屋外に排気されていること
まとめ
加熱式たばこや水たばこについては、紙たばこに比べて健康被害が少ないという誤解が根強く残っていますが、これは正確な理解とはいえません。紙たばこには紙たばこ特有の、加熱式たばこには加熱式たばこ特有の有害物質がそれぞれ含まれており、水を通すシーシャであっても有害物質が完全に取り除かれるわけではないためです。
こうした事実を店舗側もお客様側も正しく認識したうえで、分煙対策をきちんと講じていくことが、これからの飲食店運営には欠かせません。愛煙家にとっても嫌煙家にとっても心地よく過ごせる環境を整えることが、結果としてお店の評判や長期的な経営の安定にもつながっていきます。
弊所では、飲食店営業や風営法関連手続きを中心に、さまざまな許認可申請を取り扱っています。開業前の法的な確認はもちろん、書類作成や提出、JTはじめ各種機関との事前調整および現地調査の立会いといった営業形態に応じた必要手続きについてもサポートしています。「この営業方法で問題ないだろうか」「どの許可や届出が必要なのか分からない」とお悩みの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
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