ガチャガチャの設置に許可は必要?儲かる?風営法その他の観点から徹底解説

ガチャガチャが並ぶ店舗

ガチャガチャやクレーンゲームは街中でよく見かける身近な存在ですが、設置や運営を検討し始めると「風営法の許可がいるのか」「クレーンゲームを併設すると扱いが変わるのか」といった疑問にぶつかります。景品の金額や収益性についても、正確な情報とざっくりしたイメージが混在しているのが実情です。

本記事では、風営法上の扱い、クレーンゲーム併設時の注意点、ガチャガチャ営業の収益性、高額景品の可否まで、実務で押さえておくべきポイントを整理して解説します。

ガチャガチャと風営法

結論から言うと、いわゆる「ガチャガチャ」(カプセル容器玩具自販機)は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)の規制対象には含まれていません。

風営法の規制対象の判断基準は「客の射幸心をそそるおそれがあるか否か」であり、ガチャガチャも直感的には「射幸心をそそるおそれのある遊技」に該当するようにも思えますが、景品の期待値が小さく射幸心を過度に煽るものとはみなされず、すでに子どもの玩具として定着していることから、風営法上の規制対象からは除外されています。

つまりガチャガチャだけを設置する事業であれば、風俗営業許可(5号営業)は不要で、深夜営業の制限や年齢制限といった風営法特有の縛りも受けません。無人販売機として扱われるため、コンビニの軒先やショッピングモールの通路など、比較的自由に設置場所を選べるのもこの運用があるためです。

一方で、中古のガチャガチャ機械や中古の景品を仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要になる可能性がある点は見落とされがちですので触れておきます。新品の景品のみを扱う場合はこの許可は不要ですが、リユース品を扱う運営形態を検討している場合は事前に確認しておくべきポイントです。

クレーンゲーム併設時の注意点

ガチャガチャと違い、クレーンゲームは風営法の規制対象になります。景品の価値やゲームの難易度次第でギャンブル性があると判断されるため、トランプやビデオゲーム機と同じ扱いになり、原則として風俗営業許可が必要です。

ホテルや商業施設の一角にゲームコーナーを設ける場合、床面積の合計が客席床面積の10%を超えなければ許可が不要になる、いわゆる「10%ルール」がありますが、この面積はゲーム機の設置面積そのものではなく3倍で計算する決まりになっており、ここを誤って計算してしまう例が実務上多く見られます。

重要なのは、10%ルールで許可が不要になったとしても「風俗営業であること自体」は変わらないという点です。許可の要不要と、風営法の規制を受けるかどうかは別問題であり、小規模だから何をしても自由になるわけではありません。景品提供のルールは許可の有無にかかわらずそのまま適用され続けるため、ここを混同すると営業停止や罰則のリスクにつながります。

景品提供に関しては、警察庁の解釈運用基準により、クレーンで1,000円以下の景品を吊り上げてそのまま提供する場合は「遊技の結果に応じた景品提供」の禁止規定には該当しないとされています。逆に1,000円を超える景品を提供するクレーンゲームは風営法違反になりますし、カプセル内のクジと景品を交換するような仕組みも同様に違反となります。

なお、店舗内で客に遊技をさせることを想定していないオンラインクレーンゲームサービスは、この風営法の規制対象外とされており、近年のオンラインUFOキャッチャーの普及もこの解釈を前提にしています。

ガチャガチャ営業は儲かるか

複数の収益シミュレーションを見る限り、ガチャガチャの営業利益率はおおむね売上の10〜20%程度に落ち着きます。売上から商品原価(一般的に70%前後)と設置手数料(売上の10〜30%程度)という2大コストを引き、さらに運営経費を差し引いた残りが利益になる構造です。1回200円のガチャガチャを1台設置し1日5個売れるケースで試算すると、月商3万円に対し設置場所フィーと仕入れ値を差し引いた月利益は1万円に届かないことも多くあります。

つまり1台単体で大きく稼げるビジネスではなく、台数を増やして積み上げていくスケールモデルだと理解するのがよいと思います。実際に儲けている個人・法人は、数台ではなく数十台単位で展開しているケースがほとんどで、立地の通行量が収益を大きく左右します。1日の通行量が500人を下回るような場所では、月間売上が1万円に届かないことも珍しくないとされています。

市場自体は伸びており、国内のカプセルトイ市場規模は2024年時点で約1,020億円に達し、過去10年でおよそ3倍に成長しています。副業として1〜2台から始める個人も、複数店舗展開する事業者も増えており、参入障壁が低い反面、レッドオーシャン化している立地も出てきているため、商品の入れ替え頻度や客層に合わせた価格帯設定などの運営努力が利益を左右する要素になっています。

高額景品の可否と景品表示法

「1,000円ガチャ」のように高額な景品を謳うカプセルトイが話題になることがありますが、ガチャガチャで得られる商品は、取引に付随して提供される「景品類」ではなく、対価を払って直接得る「商品」そのものとして扱われます。そのため、景品表示法が定める景品類の上限額規制は基本的に及ばないというのが実務上の解釈です。つまりガチャガチャの中身がどれだけ高額であっても、景品表示法上の金額の上限には触れない、というのが原則です。

ただし、特定のアイテムを揃えることで別の景品がもらえる、いわゆる「コンプガチャ」については取引に付随する「景品類」の提供とみなされ、金額の大小にかかわらず提供自体が全面的に禁止されています。2012年に消費者庁がオンラインゲームのコンプガチャを違法と認定したことで社会問題化した経緯があり、リアルのガチャガチャで「〇種類集めたら豪華景品」のような企画をする場合は同じ考え方が適用されるリスクがあります。

さらに、高額商品ばかり当たるかのように見せかけて実際にはほとんど当たらない、といった表示は「有利誤認表示」として景品表示法違反になり得ます。高額景品を用意すること自体は問題ありませんが、出現率の表示や煽り文句の作り方には注意が必要で、集客のための誇張表現がそのまま法的リスクに直結する点は運営者として理解しておくべきです。

風営法の適用は景品額に無影響

ここまでの内容を整理すると、「景品の金額」を規制している法律は場面によってまったく別物であることが分かります。ガチャガチャは風営法の規制対象外ですので、そもそも風営法上の景品額規制自体が存在しません。景品表示法上も直接の商品として扱われるため、コンプガチャ的な設計をしない限り上限規制の対象外です。

一方でクレーンゲームは風営法の規制対象であり、警察庁の解釈運用基準による1,000円という景品上限が存在します。これは景品表示法の一般的な景品類上限規制とは別枠の、風営法・警察の運用基準に基づくルールであり、根拠となる法律も上限の考え方も異なります。

つまり「風営法があるから高額景品はダメ」という理解は正確ではなく、ガチャガチャにはそもそも風営法の景品額規制自体がかかっていない、というのが実態です。ガチャガチャとクレーンゲームを併設する事業者ほど、この2つの規制の出どころの違いを混同しやすいため、記事としてもここを明確に切り分けてお伝えする価値があります。

ゲームセンター等開業サポート

弊所は風俗営業に関する手続きに関与する機会が多く、アミューズメント施設の開業についても、数多くの経験を積んできました。風営法専門をうたう行政書士であっても取り扱った経験の少ないゲームセンターについても、兵庫大阪の近畿圏内はもちろんのこと、全国各地で風俗営業許可申請を取り扱った実績も豊富に有します。そのためご依頼をいただいた際は、面倒な事前調査から、警察署との協議、書類の作成と収集、実査の立会いに至るまでを含めて、しっかりまるっと迅速にサポートさせていただいています。

また、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。風俗営業許可の取得でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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