改正風営法施行後のホストクラブ業界|現場の行政書士が見た変化

2025年6月28日に改正風営法が施行され、悪質ホストクラブ問題への対策が本格的に始まりました。
改正前から「ホスト業界は終わる」「大量閉店が起きる」といった極端な意見も見受けられましたが、実際に許可申請の現場に身を置いている立場からすると、そのような単純な話ではありません。
法改正による影響は確かに生じていますが、それは業態そのものが立ち行かなくなったというより、営業を取り巻く環境や社会の見方が変わり始めたと捉える方が実態に近いように感じています。
行政手続にも変化が見られるようになった
私が最初に変化を感じたのは、社交飲食店営業の許可申請を行う場面です。以前であれば営業内容を確認した上で通常どおり手続きが進んでいましたが、改正法施行後は「キャバクラですか、それともホストクラブですか」と確認されることが以前より増えました。
試しに担当者へ「ホストクラブだと厳しくなるんですか」と尋ねたところ、返ってきたのは明確な回答ではなく苦笑いだけでした。
もちろん、このやり取りだけで運用が変わったと断定することはできません。しかし、少なくとも行政側もホストクラブ営業をこれまで以上に意識していることは、現場の空気から感じ取ることができます。
物件探しにも少しずつ影響が及んでいる
法改正の影響は行政だけにとどまりません。営業所の使用承諾書をお願いする際、建物所有者から慎重な姿勢を示されるケースが以前より増えた印象があります。「どのような営業を予定していますか」「ホストクラブなのですか」と確認を受けることも珍しくありません。
もちろん、すべての貸主がそうというわけではありません。しかし、悪質ホスト問題が大きく報道されたことにより、ホストクラブという業態に対するイメージやリスク認識が変化し、その影響が物件契約の段階にも表れ始めているように感じます。
法人申請のハードルも上がっている
改正風営法施行後の変化は、ホストクラブの営業方法だけにとどまりません。実は、許可申請の実務にも少なからず影響が及んでおり、その一つが法人による風俗営業許可申請です。
従来から法人申請は個人申請より添付書類が多い傾向にありましたが、改正法施行後は法人に求められる確認事項が増え、結果として提出を求められる書類も増加しました。そのため、申請準備に要する時間や手間は以前より大きくなっています。
もちろん、すべてのケースで一律に難しくなったというわけではありません。しかし、法人の役員構成や資本関係によっては確認事項が増えることもあり、以前と同じ感覚で準備を進めると、想定以上に時間を要するケースも見受けられます。
改正風営法というと「ホストクラブへの規制強化」ばかりが注目されがちですが、実務の現場では、このような申請手続きの変化も間接的な影響として感じています。
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メンコンやボーイズバーへの相談も増えている
もう一つ実務上感じる変化として、メンズコンセプトカフェ(メンコン)やボーイズバーへの業態変更、新規開業に関する相談が増えています。改正風営法によって悪質な色恋営業や売掛金問題への規制が強化されたことを受け、「ホストクラブではなく別の形態で営業できないか」と考える事業者が増えているのかもしれません。
ただし、名称を変えれば規制を回避できるわけではありません。実態として接待を伴えば風俗営業許可が必要となる可能性がありますし、営業内容によっては無許可営業と判断されることもあります。業態を変えるのであれば、名称ではなく営業実態を基準に検討することが重要です。
ホストクラブは終わったのか
改正風営法施行後、「ホストクラブはもう終わりだ」という声を耳にすることがあります。しかし、私自身はそのようには考えていません。今回の改正が規制対象としているのは、悪質な色恋営業や売掛金問題など、社会問題となった営業手法です。適法に営業している店舗まで営業できなくなったわけではありません。
むしろ今後は、法令を正しく理解し、コンプライアンスを重視した営業を行う店舗ほど社会的な信頼を得やすくなる時代へ移行していくのではないでしょうか。施行からまだ日が浅く、業界全体への影響を語るには早い面もありますが、行政手続、物件契約、開業相談という実務の現場では、改正風営法による変化が少しずつ表れ始めていることは間違いないと感じています。
まとめ
改正風営法の施行により、ホストクラブ業界を取り巻く環境は少しずつ変化しています。しかし、その変化は「ホストクラブが営業できなくなった」という単純なものではなく、法令遵守やコンプライアンスの重要性がこれまで以上に高まったと捉えるべきでしょう。
実際の許可申請では、法令だけでは判断できないローカルルールや運用、物件選びのポイントなど、現場でしか分からない問題に直面することも少なくありません。
弊所では、風俗営業許可申請をはじめ、営業形態に応じた許可・届出の要否、物件調査、事前協議など、開業段階から実務に即したサポートを行っています。ホストクラブはもちろん、キャバクラ、メンズコンセプトカフェ、ボーイズバーなどの開業をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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