「色恋営業」の規制について考察するエントリー

スマホで色恋営業

2025年の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)の改正施行に際し、関連法令には、客の恋愛感情につけ込んで高額な飲食をさせる、いわゆる「色恋営業」を禁止する旨の規定が盛り込まれます。

かねてよりホストクラブ等の利用客が「色恋営業」に乗せられ、高額な利用料金の売掛けによる借金を背負い、その返済のために望まぬ売春をさせられる等の事例が社会問題視化していましたが、今般の改正は、その対策を強化した内容となっています。

他方、「色恋」は憲法第19条において保障される「良心の自由」にも係る人間の感情に踏み込んだものであるため、現実の取締りについては、相当慎重にならざるを得ないのではないかと思われます。

弊所は風俗営業や性風俗営業の手続きに接する機会が多く、この分野において相応の知己と知見を有することを自負してしますが、本稿では私情を排し、あくまでも中立的な観点から、色恋営業の規制について考察していきたいと思います。

色恋営業とは

色恋営業とは、「恋愛感情等につけ込んで客を依存させて高額な飲食等をさせるなどする行為」とされており、具体的には、「売上トップになれなかったらもう会えなくなる」などと告げて、ホストに対して恋愛感情等を持つ客を依存させ、高額な飲食をさせる行為等がこれに該当します。

この定義を分解すると、「恋愛感情等につけ込んで」、「客を依存させて」及び「高額な飲食等をさせるなどする行為」の3つが色恋営業の構成要素ということになります。

恋愛感情等

恋愛感情についてわざわざ解説を加える必要はありませんが、恋愛感情「等」とされていることから、たとえば同情を誘ったり、不安を煽(あお)るような言動や行動により誘導する場合についても、「恋愛感情等につけ込んで」という文言に含まれるものと解釈することができます。

依存

依存とは、特定の相手や物に過剰に頼り、その関係性に囚われている状態を指します。一般的には、「恋愛感情等」よりもヘビーな感情を伴う概念であるように考えられますが、法の趣旨に照らせば、ある程度社会生活に支障をきたしている状況があるものと認められれば、「依存」の状態にあるものと解釈できるのではないかと思われます。

高額な飲食等をさせるなどする行為

外形からは最も判別しやすい要素ですが、「高額」がどの程度のものを指すのかについては、風営法を運用する警察庁の解釈運用基準を待つしかありません。

消費者契約法

消費者契約法では、ホストクラブ等において、好意の感情を不当に利用した契約(デート商法)など、不当な勧誘により締結された契約は、同法に規定する要件に該当すれば、消費者が意思表示することにより、後からこれを取り消すことができることを定めています。

具体的には、ホスト等ホストクラブの従業員が、客(消費者)に飲食などの契約を勧誘する際に、客が社会生活上の経験が乏しいことから、①ホストに対して恋愛感情など好意の感情を抱き、かつ、②ホストも客に対して同様の感情を抱いているものと誤って信じていることを知りながら、これに乗じ、飲食などの契約を締結しなければ(酒類などを注文してくれなければ)、ホストと客の関係が破綻することになる旨を告げることにより、客が困惑し、飲食などの契約の申込み等をしたときは、消費者契約法に基づき、この契約を取り消すことができます。

好意の感情の不当な利用

ただし、消費者契約法は、違反者に対して刑事罰を科す刑事ルールではなく、民事上のルールであることから、客である当事者が契約の取消しを主張した上で当事者間で解決する必要があり、最終的には、個別具体的な事案に即し、司法の場で判断されることになります。

このため、実効性にやや乏しく、予防及び被害者の救済には十分なルールとは言えないのが現状です。

規制方法について

色恋営業についてざっくりと解説しましたが、「色恋」は各人の内心によるものであることから、規制については相当慎重に運用せざるをえません。

そもそもホストクラブやキャバクラ等のような接待を伴う飲食店では、最初から疑似恋愛を求めてやって来る客層をメインターゲットとして想定しているところがあります。

客の恋愛感情は一方通行であることがほとんどなので、客が一方的に恋愛感情を募らせ、ホストクラブ等に足繁く通ったとしても、それだけで店側を取締りの対象とすることは不合理です。

そうなると、その営業方法が「色恋営業」であるか否かについては、内心の部分ではなく、外形的にどのような行為があったかで判断されることになります。

したがって、「恋愛感情等につけ込んで客を依存させて高額な飲食等をさせるなどする行為」のうち、特に重要な要素となるのが、「高額な飲食等をさせるなどする行為」となります。

ただし、これについても一体どのくらいであれば「高額」と評価されるのかが不明瞭であり、警察庁の解釈運用基準と、判例の積み重ねを待つしかないのが現状でしょう。

まとめ

風俗営業や性風俗営業等については、世間や行政から厳しい目が向けられているという現実はありますが、法令がその存在を認め、規制内容を遵守する限りにおいて、これらの営業は立派なビジネスモデルです。

これからも、段階を経て風営法は繰り返し改正されるように思います。何となく「グレー」と考えていたことも、漆黒の「ブラック」として突き付けられる可能性もあります。

ビジネスであるからには適法な営業を心がけ、世情や規制について常にアンテナを張り、後手に回ることなく先を見据えながら計画を立てるようにしてください。

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