深夜営業の届出をするメリット・しないことのデメリット

深夜営業の届出をするメリット・しないことのデメリット

バーやスナックを経営されている方やこれから経営しようとされている方の中には、「深夜営業の届出は本当に必要なのか」「届出をせずに営業している店も周りにあるが大丈夫なのか」と迷われている方も少なくありません。

実際、届出をしていない店舗が摘発されずに営業を続けているケースもあるため、届出の必要性を実感しにくいという声もよく耳にします。しかし、届出をすることには明確なメリットがあり、逆に届出をしないまま営業を続けることには見過ごせないデメリットがあります。本稿では、その両面を整理してご案内します。

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届出をするメリット

届出をする最大のメリットは、堂々と深夜帯の営業ができることです。届出が受理された後は警察のデータベースにも正式に登録されるため、立入調査が入った場合でも適法な営業者として対応できます。そして警察官の立入りはランダムです。

また、届出を済ませていることは、物件の賃貸契約や金融機関からの融資審査においても事業の適法性を示す材料になります。実際、融資の際には届出を行ったことを証明するため、警察が押印した副本や受理書等のコピーが求めれます。無届のまま営業している事業者は、こうした場面で不利になることがあります。

さらに、従業員を雇用する際にも、適法に届出を済ませた店舗であることは安心して働いてもらえる環境を示す材料になります。

届出をすることのデメリット

一方で、届出をすることには相応の手間がかかるのも事実です。届出にあたっては、営業所の平面図や求積図、照明・音響の配置図など、精度の高い図面を複数作成する必要があり、これらの図面作成に慣れていない方にとっては大きな負担となります。特に図面作成は細かいディテールを反映する必要があるため、AIで代替することが難しい局面でもあります。

また、客室の床面積、見通し、照度といった構造要件を満たしていなければ届出自体が受理されないため、物件によっては内装の改修が必要になる場合もあります。改修にかかる費用や時間も開業準備における負担の一つです。

図面の具体的な作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。また、構造要件や地域ごとの注意点の詳細についてもそれぞれの専門記事をご覧ください。

届出をしないことのデメリット

届出をしないまま深夜帯に営業を続けることは、無届営業として行政処分や罰則の対象になり得ます。届出をしていないことが発覚するきっかけは、近隣からの通報、警察の巡回、他店とのトラブルなど様々で、いつ発覚するかを事業者側で予測することはできません。

発覚した場合、その場で営業停止を求められることもあり、慌てて届出の準備を始めても、構造要件を満たすための改修が必要になったり、図面の作成に時間がかかったりして、結果的に長期間営業ができなくなるケースもあります。

また、無届営業が発覚した事実は、その後の物件契約や融資審査にも影響を及ぼす可能性があります。一度失った信用を取り戻すことは、新たに信用を築くことよりも難しいものです。

グレー営業のリスク

周囲に無届のまま営業している店舗があるからといって、自店も同様に問題がないとは言えません。風営法の運用は年々厳格化しており、これまで見過ごされてきた営業形態が、ある日突然指導や処分の対象になることも少なくありません。実際、弊所にご依頼いただく方の中には警察による指導を受けた後の方も少なくありません。

「今まで大丈夫だったから今後も大丈夫」という考え方はリスクを正しく評価したものとは言えません。届出という手続きを経ることは、こうした不確実なリスクから自店を守るための最も確実な方法です。

無届営業に関する罰則

深夜0時以降に酒類を提供しているにもかかわらず、届出をせずに営業を続けた場合、風営法に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があります。これは届出義務そのものに違反した場合の罰則です。

これとは別に、深夜酒類提供飲食店営業として届出をしているにもかかわらず、実際には接待に当たる行為を行っていた場合は、無許可での風俗営業とみなされ、より重い罰則の対象となります。この場合は懲役刑も含むより厳しい処分が科される可能性があり、処分を受けると一定期間、新たに風俗営業の許可を取得できなくなる点にも注意が必要です。

つまり、無届出そのものの罰則と、無許可での接待営業に対する罰則は重さが異なり、後者の方がはるかに重い処分となります。いずれにせよ、届出を怠ったまま営業を続けることに得られるメリットは何もありません。

まとめ

深夜営業の届出は、手間や費用がかかる手続きではありますが、それによって得られる安心感と届出をしないことで生じうるリスクを比較すればその必要性は明らかです。

すでに無届のまま深夜営業を行っている場合でも、今からでも届出の準備を進めることは可能です。ご自身の店舗が届出の対象に当たるかどうかまずは現状を整理してみることをお薦めします。

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