警備業認定(許可)申請について

警備員の画像

権利義務や責任の在り方が多様化し複雑化した現代社会においては、警備業の果たす役割が大きなものとなっています。セキュリティ対策の強化は、いまや個人・企業を問わず最優先事項といっても過言ではないでしょう。このような背景から、警備業に対する需要は高まっており、それに伴って警備業者の数も増加傾向にあります。

その一方で、警備業は警備業法において規制の対象とされていて、その営業を開始するためには小難しい申請手続きが必要になることにはついては、あまり浸透していないように感じます。

そこで本稿では、これから警備業をはじめようとされる皆さまに向けて、営業開始のために必要となる認定制度の基礎知識や手続方法について詳しく解説していきたいと思います。

警備業とは

警備業法では、以下の4つの業務を「警備業務」として定義し、これらの業務を「他人の需要に応じて行う」営業のことを「警備業」として規制の対象としています。

該当要件が「他人の需要」とされていることから、自社内に警備員を配置して巡回にあたらせる行為等は警備業には該当しません。

1号警備(施設警備業務)事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地といった各種施設での事故の発生を警戒し防止する業務
2号警備(雑踏警備・交通整理業務 )人や車両が雑踏する場所での事故の発生を警戒し防止する業務
3号警備(輸送車警備業務)現金、美術品などの運搬に際して盗難などの事故の発生を警戒し防止する業務
4号警備(ボディーガード業務)人の身体に対する危害の発生をその人の身辺で警戒し防止する業務

警備業認定申請

警備業を営業しようとするときは、営業所ごと、1号警備から4号警備の警備業務の区分ごとに、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を経由して申請し、都道府県公安委員会の認定を受ける必要があります。「許可」ではなく「認定」を申請するという手続きになりますが、実務上はこの違いについてあまり深く考え込む必要はありません。

各営業所の各警備区分ごとに警備員指導教育責任者(指教責)を配置することと、申請者が後述する欠格事由に該当しないことが認定を受けるための要件となっています。また、警察署に納める認定申請手数料は、個人・法人ともに23,000円です。

警備業認定の有効期間は5年間となっており、認定を更新する場合には、有効期間が終了する日の30日前までに更新手続きを行う必要があります。

営業所について

営業所とは、その規模の大小を問わず、本店、支店、支社、事業所等と呼ばれているものであって、所属する警備員に対する日常の配置運用又は日常の業務の指揮統轄が行われている場所(営業の拠点)をいいます。

このうち「主たる営業所」とは、原則として会社法上の本店と一致しますが、兼業を行っている場合等であって、警備業に係る営業の中心となる営業所が会社法上の支店であるときは、主たる営業所が会社法上の本店と一致しない場合もあります。認定申請時において警備業に係る営業の拠点が複数ある場合、申請者がいずれか1つの営業所を主たる営業所と定めて申請する流れになります。

認定申請に必要となる書類

  • 認定申請書
  • 住民票(申請者・役員(監査役含む)・指導教育責任者)
  • 身分証明書(申請者・役員(監査役含む)・指導教育責任者)
  • 履歴書(申請者・役員(監査役含む)・指導教育責任者)
  • 医師の診断書(申請者・役員(監査役含む)・指導教育責任者)
  • 欠格要件に該当しないことの誓約書(申請者・役員(監査役含む)・指導教育責任者)
  • 警備員指導教育責任者の資格者証の写し
  • 業務を誠実に行う旨の誓約書

警備員指導教育責任者

警備員指導教育責任者(以下、指教責)とは、警備業務の区分(1号警備から4号警備)ごとに、警備を行う警備員を指導監督する役割をもった国家資格者のことを指します。

指教責の資格は誰にでも与えられるものではなく、以下の資格又は経験を有する者が、警備員指導教育責任者講習を修了することによって取得することができる国家資格という立ち位置です。

警備員指導教育責任者資格も警備業務区分ごとに区分されていますが、同一人がすべての区分の警備員指導教育責任者の資格を取得することも可能となっています。

  • 最近5年間に当該警備業務の区分に係る警備業務に従事した期間が通算して3年以上の者
  • 警備員1級検定(当該警備業務の区分に係るものに限る)に係る合格証明書の交付を受けている者
  • 警備員2級検定(当該警備業務の区分に係るものに限る)に係る合格証明書の交付を受けている警備員であって、当該合格証明書の交付を受けた後、継続して1年以上当該警備業務の区分に係る警備業務に従事している者
  • 公安委員会が上記の者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者
    • 旧1級検定(当該業務区分に限る)の合格者
    • 旧2級検定(当該業務区分に限る)合格後、継続して1年以上当該警備業務に従事している警備員

新たに指教責の資格を取得しようとする際に受講する新規取得講習の講習時間と講習料については、警備業務区分ごとに下表のとおりとなっています。

業務区分講習時間講習料
施設警備47時限(7日間)47,000円
雑踏・交通誘導警備38時限(6日間)38,000円
運搬警備38時限(6日間)38,000円
身辺警備34時限(5日間)34,000円

既に指教責の資格を有する資格者が、新たに別の警備業務区分での資格を取得する場合に受講する追加取得講習については講習時間が短縮され、これに応じて受講料もそれぞれ軽減される措置が講じられています。

欠格事由

警備業は他人の生命や財産を保護するための重要な役務を担います。したがって、申請者が以下のいずれかの事由に該当する場合は、警備業者としての適格性欠くものとして、認定を受けることができません。

  1. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないもの
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、又は警備業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
  3. 最近5年間に、警備業法の規定や処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者
  4. 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
  5. 暴力団対策法による命令又は指示を受けた者であって、その命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの
  6. アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
  7. 心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
  8. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(その者が警備業者の相続人であって、その法定代理人が欠格要件に該当しない場合を除く)

警備業認定後の手続き

警備業の認定を受けた後、実際に業務を行う日の前日までに以下の手続きを行う必要があります。

  • 警備業務に使用する服装届出書
  • 警備業務に使用する護身用具届出書

営業所等の届出

認定を受けた警備業者は、主たる営業所の所在する都道府県以外の都道府県の区域内に営業所を設け、又は警備業務を行おうとするときは、その前日までに、営業所の所在地又は警備業務を行おうとする場所を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に対して届出を行うものとされています。

なお、営業所又は警備業務を行おうとする場所が複数ある場合は、営業所(又は場所)のいずれかを管轄する警察署を窓口として届出を行います。

ただし、以下のいずれかに該当する警備業務についてはこの届出を行う必要はありません。

  • 継続して行う期間が30日以内で、かつ、従事させる警備員の数が1日につき5人以内である警備業務
  • 3号警備業務(輸送車警備業務)で、その都道府県の区域内に運搬物の発送場所及び到達場所がないもの

変更届と書換申請

警備業者として認定された後、申請した内容に変更が生じた場合には、所轄警察署(公安委員会)に対して変更の届出を行う必要があります。また、交付された認定証に記載されている事項(警備業者の住所及び氏名又は名称)について変更があった場合は、変更届のほかに、認定証を書き換えるための書換申請が必要になります。

機械警備業務

機械警備業務とは、基地局を設けて、警備を行う場所とを回線などでつなぎ、異常が発生した時に警備員が現場に向かう形態の警備業務をいいます。ホームセキュリティーやエレベーターの監視などの業務がこれに該当しますが、自社においてモニターを設置し、警備員に巡視させる業務は機械警備業務には該当しません。

機械警備業の届出

機械警備を行う場合には、1号警備業の認定を受けたうえで、機械警備業の届出を行う必要があります。この届出は、受信機器または送信機器を設置する地域を管轄する警察署を経由して、所在地の都道府県公安委員会に対して行います。

機械警備業務管理者

機械警備業を行う場合には、業務を行なう基地局ごとに、都道府県公安委員会が行う機械警備業務管理者講習を受講し終了考査に合格した機械警備業務管理者を設置する必要があります。機械警備業務管理者の業務は以下のとおりです。

  • 警備用機械装置の運用の監督
  • 機械警備業務を行なう警備員への指令業務の統率
  • 機械警備業務の管理について警備業者への助言

法定備付書類と実地指導

警備業は、以下のとおり営業所に備え付けるべき法定書類も多く、また、1年ごとに所轄警察署の実地指導(立入検査)が実施されるなど、認定後にも厳しい規制を受ける事業です。法定書類に不備があれば認定の効力を停止されるなど、警備業者に求められている責任は想像されるより重大です。せっかく受けた認定を取り消されることのないよう、日常的な業務はしっかりと記録して管理するよう心がけましょう。

★法定備付書類

  1. 警備員名簿
  2. 確認票
  3. 護身用具一覧
  4. 指導計画書
  5. 教育計画書
  6. 教育実施簿
  7. 警備契約先一覧
  8. 苦情処理簿

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