深夜酒類提供飲食店営業における警察署の現地確認や巡回(立入り)の際に注意すべき点

深夜にパトロールするパトカーの後姿

深夜営業酒類提供飲食店に関するご相談で、お客さまや同業の行政書士からよく質問されるのが、警察署による立入調査(現地確認)と巡回指導(パトロール)についてです。

たとえば深夜酒類提供飲食店営業を始める際の届出時には、届け出た営業所の構造が風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に適合していることを確認する目的で、現地確認が行われることがあります。

また、地域によって頻度の差はありますが、深夜営業を行う飲食店に対しては、所轄の警察署による巡回が不定期で行われています。事前に「今から伺います」と連絡が来ることは稀で、ほとんどの場合は抜き打ちです。

やましいことがなくても、警察から立ち入りを受けるというだけで、まるで学生時代の家庭訪問のような緊張が走るものです。その気持ちはよく分かります。だからこそ、事前に「何を見られるのか」を把握しておくことが大切です。

本稿では、現地確認と巡回のそれぞれで実際に何が確認されるのか、そして指摘を受けないために日頃から何を整えておくべきかを解説します。

現地確認の際の注意点

すでにお伝えしているように、深夜酒類提供飲食店営業の届出を行うと、管轄によっては現地確認が実施されることがあります。現地確認の実施は管轄ごとの方針による部分が大きく、必ず行われるわけではありません。とはいえ、建前上は「疑義があれば検査を行う」こととされているため、届出内容および営業所の構造は常に適正である必要があります。ここでは特に注意すべき点を2つ解説します。

店内の明るさと調光器

深夜酒類提供飲食店の店内は、常に20ルクス超の照度を保つことが求められています。20ルクスとは、休憩中の映画館内程度、「ぼちぼち暗いな」くらいの明るさです。

注意が必要なのは照度そのものだけではありません。明るさをつまみで調整できる調光器(スライダックス)を設置している場合は、つまみを最小に絞った状態でも20ルクスを下回らないことが条件です。バーやスナックの居抜き物件には当たり前のように設置されていることが多い調光器ですが、最小照度の確認をせずに使用していると指摘を受けるリスクがあります。物件契約の前に必ず実測しておくようにしてください。

照度が基準を下回った状態で営業を続けると、構造維持義務違反として指導・処分の対象となります。深夜営業と低照度が求められる風俗営業を同一営業所で両立させることは不可能ですので、開業前の段階で照度の確認を怠らないようにしましょう。

見通しを妨げる設備

おおむね高さ100cmを超える設備は、見通しを妨げ違法行為やいかがわしい行為を助長するおそれがあるものとして、客室への設置が原則として認められていません。テーブルやイスはもちろんのこと、不透明なパーテーションや家具も対象となります。これらは見通しを妨げることのないよう、壁際に設置するなどの対策を講じるようにしてください。

ただし、100cmをやや超える程度のカウンターテーブルについては、管轄警察署の判断によって認められるケースもあります。判断が分かれる部分ですので、不安な場合は事前に所轄署へ確認しておくと安心です。

巡回の際の注意点

巡回には2つのパターンがあります。対応の方向性が異なるため、それぞれ把握しておいてください。現地確認も巡回も、準備さえ整っていれば恐れる必要はありません。「抜き打ちで来られても問題ない状態」を日常として維持することが結局は最善の対策です。

通報による現地確認

騒音や何らかの違法営業があるという情報をもとに警察が現地に訪問するパターンです。最も多いのが騒音による苦情による駆けつけですが、風俗営業許可を受けることなく接待を行っている自覚がある場合には要注意です。「接待に該当する行為をしていないか」は、日常的に意識しておく必要があります。

パトロールの一環としての巡回

こちらは不定期な見回りの一環として実施されるものです。この場合、主に確認されるのが従業者名簿の備え付けです。

名簿が店内にない、あるいは内容に不備があると、その場で厳しく指摘されます。改善されない状態が続けば、営業停止などの処分につながる可能性もあります。名簿は常に最新の状態に保ち、すぐに提示できる場所に置いておくことが鉄則です。

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