福岡県における風俗営業の保全対象施設について

ライトアップされた博多の中洲

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)では、キャバクラやホストクラブ等の社交飲食店、雀荘、ぱちんこ店及びゲームセンター等営業等を風俗営業として規制しています。

風俗営業をはじめようとするときは、公安委員会の許可を取得する必要がありますが、風営法の許可要件の重要部分については、その多くが各自治体の条例に委ねられているため、「どこに店を構えるか」は、許可を取得する上で非常に重要なキーポイントになります。

福岡県においても、福岡県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(PDF:546KB)(以下、条例)が定められており、営業可能区域について規制が実施されています。

特に「保全対象施設」と言われる施設の存在は、これから風俗営業をはじめようとされる方にとって、許可を取得する上での最大のハードルとなります。

せっかく良い物件に巡り会えても、その場所がそもそも営業を禁止されている区域であれば元も子もありません。このようなことを回避するため、まずは営業所を設置する場所が風俗営業を行うことができる区域に該当するかどうかをしっかりと確認し、慎重に物件を選択するように心がけましょう。

時折、「この場所で風俗営業はできますか?」という内容のお問い合わせをいただくこともありますが、気軽に回答することができる事項ではなく、責任や作業負担も大きいため、申請代行までをサポートする場合を除き、無料相談の内容には含めていません。

風俗営業が可能な地域

私の個人的な見解はさて置いて、酔客や際どいコスプレ姿のお姉さん達が、閑静な住宅街を闊歩(かっぽ)したり、学校にほど近い施設に出入りするような環境はやはり好ましいとは言えません。

このような考え方から、風俗営業を行うことが認められているのは、イメージ通りの繁華街であったり、住宅地には馴染みにくい地域に限定されることになります。

都市計画法には、市街地における建築物の用途の混在を防ぐことを目的として各自治体が設定する「用途地域」という地域区分がありますが、条例ではこの地域区分に基づき、以下の用途地域内に所在する営業所に限定して風俗営業を認めています。

  • 商業地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域
  • 無指定地域

そもそも商業地域や近隣商業地域は商業を振興するための地域ですし、工業地域のように住宅街を形成しにくい場所であれば住民や青少年に与える影響も少なくて済みます。

逆に以下に該当する地域については、住居が多数集合し、住居以外の用途に供される土地が少ない地域であることから、風俗営業を行うことが禁止されています。

  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域
  • 無指定地域

福岡県の保全対象施設

風俗営業に該当する営業所は、病院や学校など、風俗営業から有害な影響を受けないよう風営法によって一定の保護を受ける施設(保全対象施設)から、一定の距離を超えて設置する必要があります。

つまり、一定の用途地域に該当する区域であって、なおかつ保全対象施設から一定の距離にある場所でのみ風俗営業を営むことが認められていることになります。

保全対象施設及び距離制限については自治体ごとに設定が異なりますが、福岡県では、以下の施設を保全対象施設として指定しています。

  • 学校教育法第1条に規定する学校のうち⼤学を除いたもの
  • 児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設
  • 図書館法第2条第1項に規定する図書館
  • 医療法第1条の5第1項に規定する病院若しくは同条第2項に規定する診療所(患者を入院させるための施設を有するものに限る)

風俗営業の営業所は、これらの施設の敷地(これらの施設の用に供するものと決定した土地を含む)から、商業地域と商業地域以外の地域ごとにそれぞれ下表の距離を超えた位置に設置する必要があります。

保全対象施設商業地域商業地域以外の地域
①学校教育法第1条に規定する学校のうち⼤学を除いたもの
②児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設のうち幼保連携型認定こども園
70m100m
③幼保連携型認定こども園を除く児童福祉施設
④医療法第1条の5第1項に規定する病院
⑤図書館法第2条第1項に規定する図書館
50m70m
⑥医療法第1条の5第2項に規定する診療所のうち患者を⼊院させるための施設を有するもの(有床診療所)30m50m

各施設の定義については後述しますが、ここではどのような施設が保全対象施設とされているのか、規制の目的を含めてしっかりとイメージするようにしてください。

保全対象施設の種類

たとえば、ひとことで「学校」と言っても、その種類は膨大です。英会話教室やカルチャースクールも見方によっては「学校」ですし、自動車教習所や学習塾のようなものまでその範疇に入れてしまうとなると、もはや風俗営業はどこにも行き場を失ってしまいます。

ここでは条例における保全対象施設の種類とその定義について解説していきたいと思います。また、本章で解説する保全対象施設の定義は、あくまでも府条例においての解釈であり、他の都道府県では同じ文言でも異なる定義付けがなされていることがあるのでご注意ください。

学校

学校教育法第1条では、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校を「学校」として定義しています。

これらの学校は、学校教育法第1条に規定があることから、「1条校」と呼ばれ、同法第124条・第134条に規定される「非1条校」(専修学校及び各種学校)とは区別されています。

このうち耳馴染みの薄い「義務教育学校」とは、現行の小・中学校とは異なる、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う学校のことです。

なお、大学も「1条校」に含まれますが、明確に「大学は除く」とされていることから、福岡県の保全対象施設からは除外されています。

児童福祉施設

児童福祉法第7条第1項では、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター及び里親支援センターを「児童福祉施設」と定義していますが、条例では、これらすべての施設を保全対象施設として指定しています。

このうち幼保連携型認定こども園とは、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第2条第7項において「幼保連携型認定こども園を、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の子どもに対する教育並びに保育を必要とする子どもに対する保育を一体的に行い、これらの子どもの健やかな成長が図られるよう適当な環境を与えて、その心身の発達を助長するとともに、保護者に対する子育ての支援を行うことを目的として、同法の定めるところにより設置される施設」とされており、他の児童福祉施設よりも若干厳しい距離制限が設けられています。

なお、保全対象施設として指定される保連携型認定こども園は、知事から認定を受けたものに限られます。

図書館

図書館法第2条第1項では、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く)」を「図書館」として定義しています。

設置主体が「地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人」と明示されていることから、たとえば国や学校法人が設置する図書館は保全対象施設には含まれません。

病院又は診療所

医療法では、20人以上の人を入院させることができる設備を有する施設を「病院」、19人以下の人を入院させる設備を有する施設を「診療所」と定義しています。

診療所のうち保全対象施設となるのは、1人でも入院させる設備のある「有床診療所」であって、入院設備のない「無床診療所」は保全対象施設から除外されています。

ごく稀に歯医者や◯◯クリニックでも入院設備を有することがあるため、注意が必要になります。

重要なポイント

距離制限を受けるのは、保全対象施設の建物を含む敷地についてであり、たとえば病院に駐車場が附属する場合、病院の建物だけではなく、駐車場の敷地も保全対象施設に含まれます。

なお、現に保全対象施設としての用に供しているもののほか、その施設の用に供することが決定した土地も保全対象施設に含まれます。

よく「スナックビルだから」とか「近くにパチンコ屋があるから」という理由で「ここなら大丈夫」と判断される方がいらっしゃいますが、かつては「大丈夫」であったとしても、申請後に保全対象施設が設置されることは珍しくないので、周りの状況だけで即断することは危険です。保全対象施設に関する規制は、あくまでも風俗営業許可を申請する時点のものであることに十分留意するようにしてください。

風俗営業許可申請サポート

風俗営業は法令や条例の規制をダイレクトに被る営業形態です。規制は各市区町村条例に及んでいることも多いため、市区町村によっては都道府県条例よりもさらに厳しい条例(いわゆる上乗せ条例)が施行されている地域も存在します。

このように想定外の落とし穴にはまってしまうこともあるため、風俗営業の見切り発車は非常にリスクの大きい行為です。知人の風俗営業者が色々と入れ知恵してくれたとしても、それがその時期その地域その営業形態にすべて合致する正しい情報とは限りません。いずれにせよ風俗営業をはじめようとする際は、所轄の警察署や風営法に精通した行政書士に相談することを強くお薦めします。

関西圏各域に加え、福岡県内全域の風俗営業許可申請の代行を承っています。事前調査、書類作成、関係各所とのやり取り及び書類提出に至るまで、まるっとフルサポートさせていただいています。事務所が尼崎市にあるからといって余計な心配はご無用です。全国規模のコミュニティを駆使し、しっかりと対応させていただきます。また、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。福岡県内で風俗営業許可を取得しようとする際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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