京都における雀荘開業許可について│マージャン店格安申請代行

麻雀

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)では、マージャン店(雀荘)を風俗営業のひとつ(4号営業)に位置づけています。このため、雀荘をはじめようとするときは、公安委員会(警察)に申請し、風俗営業としての許可を受ける必要があります。

昨今はMリーグが若年層に受け入れられ、中高年層にも健康マージャンが流行していることから、巷ではマージャンが再注目を集めています。弊所は風俗営業の許可申請を代行する機会の多い行政書士事務所ですから、肌感覚としても麻雀ブームが再燃していることを感じています。

他方、風営法を実務上運用するために制定される各自治体の条例は、地域性を色濃く反映しているため、風俗営業許可申請に係る手続きについては、地域ごとに許可取得までの難易度や煩(わずら)わしさに違いが存在します。

そこで本稿では、これから京都府下においでマージャン店(まあじゃん屋)を開業するにあたって必要となる許可や手続きの基礎知識について、できる限り詳しく解説していきたいと思います。

本稿では京都府における風俗営業許可取得のポイントについてそれなりのボリュームで解説しています。

最下段には、京都府限定の申請代行プランについての案内があります。最後まで閲覧していただければ幸いです。

マージャン店の注意点

点棒と麻雀牌

一般的に雀荘(じゃんそう)と呼ばれることの多いマージャン店ですが、風営法第2条第1項第4号の条文内において、まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業として、明確に風俗営業の一形態として位置づけています。

我々行政書士や警察機関が雀荘を「4号営業」と呼称しているのも、この条文のある条項数がその由来となっています。

景品提供の禁止

雀荘では遊戯の結果に応じて客に景品を提供することは認められていません。 この点パチンコ店については、遊技玉等(パチンコ玉等)の数量に対応する金額と等価の景品を提供しなければならないこととされているため、同じ4号営業という区分の中でも、明確な違いがあることが分かります。

時折、雀荘内で賞金大会を開催したいという相談を受けますが、この規制があることから、風俗営業者による賞金大会の開催は厳しいように思われます。

料金設定について

雀荘特有の規制としては、他にも遊技料金設定の制限があります。 具体的には、マージャン台が「全自動式」であるか「全自動式以外」であるかによって、以下のように異なる上限額が定められています。

全自動式全自動式以外
客1人あたりの時間を基準に金額を決める場合600円+税/時530円+税/時
台1台につき時間を基準にして金額を決める場合2,400円+税/時2,000円+税/時

風営法4号営業許可

東山警察署

雀荘を営業しようとする者は、営業所所在地を管轄する警察署に申請し、都道府県公安委員会から風俗営業の許可を受ける必要があります。申請内容や所轄警察署により多少の差異はありますが、大まかな申請の手順については以下の流れとなります。

  1. 事前調査
  2. 申請書類の作成
  3. 書類の提出
  4. 実査
  5. 許可証の交付

後述しますが、風俗営業許可の可否については営業所の場所や構造が非常に重要な要素となっています。せっかく良物件と見込んで契約したところ、物件の所在地がそもそも風俗営業を行うことができない場所であったり、施設が要件を満たせない構造であったりということも決して珍しいことではありません。このため営業所に関する事前調査は必要不可欠の作業となります。

申請後、約2週間ほどで担当者(警察署員又は浄化協会)による実査(立入検査)があり、図面をもとにして店舗の構造の確認が行われます。この実査はどの都道府県も非常に手厳しく、測量した図面に0.5cm程の違いがあるなど申請内容に不備があれば再提出や再検査を求められます。実査で明らかな欠陥があると再検査となり、その欠陥が致命的なものである場合には最悪申請の取下げを勧告されるケースもあります。

申請書類に不備がなく、又は補正を完了した後は書類が警察署と警察本部とを往復し、申請から約2か月前後の期間を経て許可証と管理者証が交付されます。

なお、補正命令は結構定番の作業工程です。基本的に風俗営業許可の申請に手慣れた行政書士であれば当初からある程度の補正があることを見込んでいるため、すんなりと補正作業にも対応してくれます。

許可の要件

  1. 人的要件
  2. 営業所の場所的要件
  3. 営業所の構造要件

風俗営業許可を取得して雀荘を営業するためには、ヒトに関する要件(人的要件)、場所に関する要件(場所的要件)、およひ施設や設備に関する要件(構造要件)のすべてを満たす必要があります。

したがって、犯罪傾向がある人や反社会的勢力とつながりのある人が風俗営業に関与することはできませんし、適正な地域の風俗を維持するため、病院や学校のすぐ近くには店舗を設けることができません。

人的要件

風営法および風営法施行規則には、風俗営業を営むことができない事由(欠格事由)が列挙されており、このうちのいずれかの事由に該当する者については、風俗営業許可を受けることはできません。

  1. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
  2. 1年以上の懲役・禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  3. 風営法その他の一定の法律に違反したことにより、1年未満の懲役・罰金の刑に処され、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者
  5. アルコール、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者
  6. 風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者(法人である場合は取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に法人の役員であった者で、取消しの日から5年を経過していない者
  7. 風俗営業許可の取消し処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に風俗営業を廃止した事を理由とする許可証の返納をした者で、返納日から5年を経過していない者
  8. 風俗営業許可の取消処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に合併により消滅した法人、許可証を返納した法人、分割により聴聞に係る風俗営業を承継させた法人、分割により聴聞に係る風俗営業以外の風俗営業を承継した法人の取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に役員であった者で消滅・返納・分割の日からそれぞれ5年を経過していない者
  9. 営業に関し、成年者と同一の能力を有しない未成年者(その者が営業者の相続人であって、その法定代理人が上記のいずれにも該当しない場合は除く)
  10. 法人の役員、法定代理人が欠格事由に該当する場合

京都府条例による地域区分

都市計画法では、地域内に所在する土地や建築物の用途が混在する状況を避けるために、○○地域(住居地域、商業地域等)という「用途地域」を定めて都市内部を整理・区分していますが、京都府条例においては、この用途地域を基に区分した3つの地域ごとに風俗営業の規制を行っています。

第一種地域第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域、準住居地域

田園住居地域
第二種地域①近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域及び工業専用地域
②第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域のうち国道又は府道の側端から25m以内の地域
③第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域のうち鉄道に係る停車場の周囲50m以内の地域
④その他の地域、第1種地域及び第3種地域以外の地域
第三種地域①中京区の区域のうち三条通、寺町通、中京区と東山区との境界及び中京区と下京区との境界をもって囲む地域
②東山区の区域のうち三条通、松原通、東大路通、東山区と中京区との境界及び東山区と下京区との境界をもって囲む地域
③下京区の区域のうち松原通、寺町通、下京区と中京区との境界及び下京区と東山区との境界をもって囲む地域

風俗営業が禁止される地域

風俗営業は住宅地において営業することが好ましくないものとされていることから、前述の地域区分のうち、住宅街等を想定した第一種地域においては風俗営業を営むことができません。

したがって、風俗営業を営むことができるのは、原則として住居地域ではない以下の用途地域内に所在する営業所に限られ、情報欄に「○○住居地域」と記載された物件については、基本的には風俗営業を行うことができません。

  • 商業地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域
  • 無指定地域

ただし、第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域のうち、国道又は府道の側端から25m以内の地域又は鉄道の駅(転轍器を有するもの)の周囲50m以内の地域については、例外的に風俗営業を行うことが認められています。

京都における営業可能地域

保全対象施設

風営法を運用する各都道府県の条例では、風俗営業の営業所から有害な影響を受けないよう一定の保護をすべき施設を保全対象施設として定めており、風俗営業の営業所は、この保全対象施設から一定以上離れていることが要求されています。

保全対象施設に指定される施設と距離規制は各自治体ごとに異なりますが、京都府内においては、営業所が第二種又は第三種地域の区域内に所在することに加え、下表のとおり、以下の保全対象施設から、それぞれ定められた距離を超えて離れた場所においてのみ雀荘営業を営むことが認められています。

保全対象施設第二種地域第三種地域
①大学以外の学校
②児童福祉施設
③病院及び診療所のうち患者を入院させるための施設を有する診療所
④図書館
100m70m
①大学
②保健所
③博物館
70m50m

構造要件

風俗営業には、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持するため、より健全な営業姿勢が求められます。このため、その営業所内の施設や設備についても、以下のように細やかな要件が定められています。

客室内部構造見通しを妨げる設備を設けないこと
客室の出入口施錠の設備を設けないこと
営業所外に直接通ずる出入口は可
営業所の照度10ルクス超であること
その他善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
騒音又は振動の数値が一定の数値に満たない要すること

客室内に設けることができない「見通しを妨げる設備」とは、具体的には高さが1m以上となる設備を指します。これには客室内に設置するテーブル、イス、カウンターのほか、観葉植物やラック等すべての物品が含まれます。客室内設備の高さについてはミリ単位で厳しく指導される事項であるため、たとえば高さが調節できるイス等については、一番高くした状態で1m未満のものを選ぶ必要があります。

さらに客室の構造が極端なL字型であるような場合にも「見通しを妨げる設備」として指摘を受けることがあります。このようなことから、あまりいびつな形状の物件は避けた方が賢明かもしれません。

また、客室に施錠をすることは認められていないため、たとえば鍵付きVIPルームのような個室を設けることはもちろんのこと、二重扉を設けてその両方に施錠をするような構造も認められません。ただし、営業所出入口のドアに鍵がついていることは特に問題ありません。

その他の注意点としては、照度(明るさ)に関する規制があります。営業所内は常に10ルクス超の明るさを保つ必要がありますが、つまみを回して明るさを任意に調整することができる調光器(スライダックス)を風俗営業の営業所で使用することはできません。

営業時間

京都府下における雀荘営業は、原則として午前0時から午前9時の間は営業することができません。ただし、第三種地域で営業する雀荘については、例外的に午前1時まで営業時間を延長することが認められています。

また、以下の期間においては、それぞれの地域に応じて雀荘営業を延長することができる特例が設けられています。

期間地域延長可能な時刻
12月30日、31日、1月1日京都府全域午前1時
祭礼その他特別の行事の行われる日として公安委員会が告示する日(告示日)公安委員会が告示する地域(告示地域)公安委員会が告示する時
告示地域以外の第三種地域午前1時

必要となる書類

書類や鉛筆などが置かれたオフィスデスク
  • 風俗営業許可申請書
  • 営業の方法
  • 住民票の写し
  • 欠格事項に該当しない旨の誓約書
  • 誠実に業務を行う旨の誓約書
  • 身分証明書
  • 営業所使用権原を証明する書類
    • 賃貸契約書のコピー
    • 営業所の使用承諾書
    • 建物登記簿謄本
  • 違法建築物でない旨を疎明する書類
  • 用途地域を証明する書類
  • 各種図面
    • 営業所周辺の概略図
    • 営業所の配置図
    • 求積図
    • 照明・音響・防音設備の配置図
  • 定款・登記事項証明書(法人)
  • 管理者の顔写真(2枚)
  • 料金表

弊所のサポートをご利用いただける場合、皆さまが準備されるのは赤文字で示した書類のみです。残りの書類はすべて弊所がそろえます。

その他の営業許可について

雀荘では飲食物を提供する店舗が一般的です。飲食店としても営業するかどうかは営業者の自由ですが、飲食物を店舗内で提供しようとするときは、風俗営業許可申請に先立って飲食店営業許可を取得する必要があります。

飲食店営業許可を取得するための要件はいくつかありますが、厨房内の従業員用手洗いは直接蛇口を触らずに済むレバー式やセンサー式のものでなければ許可が下りません。この点は保健所からよく指摘を受ける箇所であるため、厨房内はよく確認するようにしてください。

また、現在新たにオープンする店舗については、原則として店内で喫煙することができません。この辺りの喫煙ルールについては、下記の記事内で詳しく解説しているのでしっかりと確認するようにしてください。

他の風俗営業

たとえば「ギャル雀荘」のように、マージャンに興じさせると同時に接待を提供するような雀荘であれば、風俗営業のうち「1号営業」(社交飲食店)の許可を取得しなければならなくなるケースがあります。

他の風俗営業との兼業については都道府県ごとに運用の違いがありますが、比較的大らかにこれを認めている大阪府警とは異なり、京都府警は風俗営業の兼業そのものを認めない方針を打ち出しているため、京都府内においてはこのような形態の営業を行うことはできません。

雀荘開業サポート

風俗営業許可申請は必要書類が非常に多く、場所や設備の確認といった事前調査の必要性もあることから、手続きには相当な負担が強いられます。都道府県ごとに条例や運用方法の違いも存在するため、風営法に精通していなければ、たとえ行政書士であったとしても大変な作業となることは間違いありません。

弊所は風俗営業に関する手続きに関与する機会が多く、雀荘の開業についても、同業他社より数多くの経験を積んできたという自負があります。京都府内では、郊外を含め、風俗営業許可申請を取り扱った実績も豊富に有します。そのためご依頼をいただいた際は、面倒な事前調査から、警察署との協議、書類の作成と収集、実査の立会いに至るまでを含めて、しっかりまるっと迅速にサポートさせていただいています。

下記の報酬は市場価格を反映したものですが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。「サイトを見た」のお言葉が大好きなので、一声あればさらに柔軟に対応することができます。風俗営業許可の取得でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

風営法4号営業許可申請159,500円~
※税込み

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