管工事業で建設業許可を取得する方法│格安代行サポートあり
管工事とは、冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事をいいます。
管工事業において一件の請負金額が500万円以上の工事を請け負う場合には、都道府県知事又は国土交通大臣から許可を受ける必要があります。
弊所が請け負う建設業許可申請の代行業務の中でも、比較的取扱件数の多い業種ではありますが、水道施設工事業や機械器具設置工事業と混同され、許可申請の際に迷われるケースも多く散見します。
そこで本稿では、管工事業で建設業許可の取得を検討する皆さまのために、許可要件や必要資格、手続方法等について詳しく解説していきたいと思います。
本稿最下段には手続きを格安でサポートするプランを提示させていただいておりますので、最後までご覧いただければ幸いです。
目 次
管工事とは
管工事に該当する具体的な工事としては、冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事が例示されています。
このうち、冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事には、冷媒の配管工事などフロン類の漏洩を防止する工事が含まれます。
し尿処理施設の建設工事
規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む)によりし尿を処理する施設の建設工事は管工事に該当します。他方、公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事は「水道施設工事」、公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事は「清掃施設工事」に該当します。
機械器具設置工事との相違点
機械器具設置工事には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては管工事をはじめ、「電気工事」「電気通信工事」「消防施設工事」等と重複するものもありますが、これらについては原則として管工事等それぞれの専門の工事の方に区分され、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が機械器具設置工事に該当します。
建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は管工事に該当しますが、トンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事は機械器具設置工事に該当します。
上下水道施設の建設工事
上下水道施設の家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事は管工事に該当しますが、公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事は「土木一式工事」、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事は「水道施設工事」に該当します。
なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は、管工事でも水道施設工事でもなく、「土木一式工事」に該当します。
公害防止施設の建設工事
公害防止施設を単体で設置する工事については、「清掃施設工事」ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば管工事、集塵設備であれば「機械器具設置工事」 等に区分されます。
管工事業の建設業許可
一件あたりの請負金額が500万円以上の管工事を請け負う場合には、都道府県知事又は国土交通大臣から許可を受ける必要があります。この請負金額には消費税が含まれるほか、注文者が材料を提供する場合は、その市場価格及び運送費を請負代金の額に加えた額を合計額とします。
また、同一の工事を複数の契約に分割して請け負うときは、正当な理由に基づいて契約を分割したときを除き、各契約の請負代金の合算を合計額とします。
知事から許可を受けるのか大臣から許可を受けるのかについては、管工事業の営業所をどこに設置するのかによって決します。一つの都道府県内のみに営業所を設ける場合は都道府県知事の許可を、二つ以上の都道府県にまたがって営業所を設ける場合には国土交通大臣の許可を受けます。
同一の都道府県内のみに二つ以上の営業所を設ける場合は、大臣免許ではなく知事免許を受けることになります。なお、許可を受けた都道府県以外であっても、工事を請け負うことに差し支えありません。
管工事業許可の要件
管工事業の許可を受けるためには、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者がいること
- 専任の技術者がいること
- 金銭的信用を有すること
- 欠格要件等に該当しないこと
- 建設業の営業を行う事務所を有すること
- 社会保険に加入していること
経営業務の管理責任者
建設業許可を受けるためには、主たる営業所(本社、本店)に、経営業務について総合的な管理をする者(経営業務管理者、経管)を配置する必要があります。
まずは個人事業主、法人の常勤役員が以下のいずれかをクリアしているかを確認してください。ここでこの要件に当てはまる人物が社内に在籍するのであれば、その者を経管として選任して申請を行います。
個人 | 個人事業主又はその支配人のうち1人が以下のいずれかに該当するものであること |
法人 | 常勤役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者)のうちの1人が以下のいずれかに該当するものであること |
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
上記の要件を満たしていない場合は、組織全体を見通して以下の要件を満たしているかを確認しましょう。
常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であって、かつ、財務管理の業務経験(許可を受けている建設業者にあっては当該建設業者、許可を受けようとする建設業を営む者にあっては当該建設業を営む者における5年以上の建設業の業務経験に限る)を有する者、労務管理の業務経験を有する者及び業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等を直接に補佐する者としてそれぞれ置くものであること
- 建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等または役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験を有する者
- 5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する者
この辺りは解釈が難しいところなので、詳細は以下の記事に譲ります。よく分からなければ、弊所まで気軽にご相談ください。
専任の技術者(専技要件)
許可を受けようとする者は、営業所ごとに、その営業所に常勤して専ら職務に従事する者(以下、専技)として、管工事についての国家資格又は実務経験を有するものを配置する必要があります。
なお、同一営業所内において2業種以上の技術者を兼ねることはできますが、他の事業所や営業所の技術者と兼任することはできません。
一般建設業における専技は、以下のいずれかに該当する者の中から選任します。
- 大卒または高卒等で、管工事に関連する学科を修めた後、大卒で3年、高卒で5年以上の管工事についての実務経験を有する者
- 学歴の有無を問わず、管工事について、10年以上の実務経験を有する者
- 管工事に関して法定の資格免許を有する者(1年以上管工事の実務経験を必要とする場合がある)
特定建設業における専技の要件はさらに厳しく、以下のいずれかに該当する者の中から選任しなければなりません。
- 上記のいずれかに該当した上で、発注者から直接請け負った管工事で、その請負額が4,500万円以上のものに関して元請負人の指導監督的実務経験が通算2年以上ある者
- 管工事に関して法定の資格免許を有する者
- 国土交通大臣が上記の者と同等以上の能力を有するものと認定した者
なお、管工事に関する法定の資格免許は、以下のとおりです。
資格 | 一般 | 特定 |
---|---|---|
1級管工事施工管理技士 | ○ | ○ |
2級管工事施工管理技士 | ○ | |
技術士試験 ・機械「流体工学」または「熱工学」・総合技術監理(機械「流体工学」または「熱工学」) | ○ | ○ |
技術士試験 ・上下水道・総合技術監理(上下水道)・上下水道「上水道および工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道および工業用水道」) | ○ | ○ |
技術士試験 ・衛生工学・総合技術監理(衛生工学)・衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)・衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」) | ○ | ○ |
給水装置工事主任技術者(交付後実務1年以上) | ○ | ○ |
技能検定 空気調和設備配管・冷凍空気調和機器施工・給排水衛生設備配管 ※2級は合格後実務3年以上(平成16年4月1日時点で合格していた者は実務1年以上) | ○ | |
技能検定 配管(選択科目「建築配管作業」)・配管工 ・建築板金「ダクト鈑金作業」 ※2級は合格後実務3年以上(平成16年4月1日時点で合格していた者は実務1年以上) | ○ | |
建築設備士(取得後実務1年以上) | ○ | |
1級計装士(合格後実務1年以上) | ○ |
財産的要件
建設業許可事務ガイドラインでは、一般建設業の財産的要件を、以下のいずれかに該当することとしています。
- 自己資本の額が500万円以上である者
- 500万円以上の資金を調達する能力を有すると認められる者
- 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する者
特定建設業の許可を受けようとする場合は、直前の決算における貸借対照表において、次の基準を全てみたしている必要があります。
- 欠損額が資本金額の20%を超えていないこと(欠損比率)
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金額が2,000万円以上であること
- 自己資本額が4,000万円以上であること
欠格要件
反社会的勢力に属する人物や、不正・不誠実な行為をなす恐れのある人物が携わっているとなると、安心して工事を任せることはできません。そこで建設業許可制度では要件として誠実性を求め、以下の欠格要件(建設業許可を取得できない事由)に該当する者をこれらの者を当初より許可対象から排除しています。
具体的要件については以下の記事に委ねますので、しっかりと確認するようにしてください。
その他の要件
その他の要件としては、適切な営業所を有することや、適正な社会保険に加入していることといった要件が設けられています。見落とされがちな事項なので、以下でしっかりと確認するようにしてください。
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