アダルトショップの運営とアダルトグッズ販売のために必要な手続きについて

アダルトショップは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律（以下、風営法）において「性風俗関連特殊営業」に分類されており、アダルトグッズを販売するためには、この法律に基づいた適正な届出が必要になります。

その営業形態から、出店するためには何らかの手続きが必要となることについては認識されてはいるものの、実際のところ、具体的にどのような方法で手続きをこなせばいいのかについてまでは、意外に多くの方がご存じないのではないかと思われます。

そこで本稿では、兵庫大阪京都といった関西圏のみならず、最近は東京や名古屋といった大都市からも業務をいただくこともある風営法に精通した行政書士が、アダルトショップ開設の際に必要とされる手続きについて解説していきたいと思います。

性風俗関連特殊営業について

性風俗関連特殊営業とは、風営法第2条第5項において定義され、同法などで規制する営業のことを指します。ソープランドやファッションヘルスなどのほか、本稿で紹介するアダルトショップもこちらにカテゴライズされており、一般的に「性」を取り扱う営業形態が該当するものとお考えいただければOKです。

性風俗関連特殊営業とは？今さら聞けないフーゾクのこと

性風俗関連特殊営業を行うためには、所轄の公安委員会（警察署）に対して届出を行うことが必要とされています。時折この手続きを「許可申請」だと思い込んでおられる方もいらっしゃいますが、厳密には「届出」であり、届出義務者の一方的な意思表示で手続きは完結します。

本来であれば警察側も踏み込んで規制したいところでしょうが、キャバクラやゲームセンターといった許可を必要とする営業形態よりも更にデリケートな「性」を取り扱うことから、行政機関が「許可」を与えたという体を避け、「届出」という手続きにとどまっているのが実際のところです。

したがって、必要な手続きが「届出」であるからといって規制が緩いということはなく、むしろ厳格に適用される営業形態であることには注意が必要になります。

風俗店・風俗営業とは│開業と許可取得のための基礎知識

店舗型と無店舗型

アダルトグッズを販売する方法としては「店舗型」と「無店舗型」が存在します。読んで字の如く販売する店舗があるかないかの違いになりますが、風営法では同じく「性風俗関連特殊営業」に分類されているものの、その手続きや要件は異なります。

店舗型性風俗特殊営業

店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業

（風営法第2条5項第5号）

アダルトグッズを店舗を設けて販売する場合にはこちらに該当します。なお、ここでいう「政令で定めるもの」には、以下の物品が該当します。

上記の「性的好奇心をそそる物品」とは、社会通念上一般人が見るなどしただけで性的な感情を著しく刺激されるようなものであることとされており、通常の書籍は「性的好奇心をそそる」ものには当たらないものとされています。

店舗型性風俗特殊営業の定義と規制内容について

なお、店舗を設けて上記の物品を販売等する営業であっても、一般書店におけるアダルトコーナーのように「専ら」これらを行うものではない場合には、特定性風俗物品販売等営業という営業形態に該当することになります。

特定性風俗物品販売等営業の規制について

無店舗型性風俗特殊営業

電話その他の国家公安委員会規則で定める方法による客の依頼を受けて、専ら、政令で定める物品を販売し、又は貸し付ける営業で、当該物品を配達し、又は配達させることにより営むもの

（風営法第2条第7項第2号）

先述したアダルトグッズを、店舗を設けることなく販売する営業形態がこちらに当たります。また、ここでいう「国家公安委員会規則で定める方法」には、以下のものが該当します。

つまり、店舗を設けることなくインターネット等を用いて通信販売を行おうとする際はこちらの営業形態に該当することとなります。なお、自動販売機による販売又は貸与も無店舗型とも言えなくはないですが、青少年育成保護条例等により、風営法以上の規制が設けられている自治体がほとんどです。

アダルトグッズの自動販売機に関する規制について

店舗出店の要件

出店の要件については、店舗型と無店舗型とでは大きく異なります。外部から視認することのできる店舗型の場合、清浄な風俗環境の保持という観点からやはり規制が厳しく、自治体ごとに店舗を設置することができる地域が限定されています。

例えば兵庫県内において店舗を出店することのできる地域は、商業地域に限定されており、加えて半径200m以内に保全対象施設と言われる以下の施設が存在すると営業することはできません。

上記の保全対象施設は、キャバクラやゲームセンター等の風俗営業に適用されるものとは異なるほか、自治体ごとに違いがあるため、出店を検討する地域ではどのような規制がなされているのかについては、所轄の警察署に問い合わせるなどして事前にしっかりと確認するようにしましょう。また、各営業所には統括管理者を配置する必要もあります。

なお、基本的には午前6時から深夜0時までの時間帯においてのみ営業することができるという点についても気をつけるようにしましょう。

無店舗型の要件

一方で、無店舗型についての要件はそれほど厳しくはありません。場所的要件もありませんし、営業時間にも制限がありません。あえて言うのであれば大家さんの承諾が絶対要件となりますので、事務所を構える際にはその点をしっかりとクリアするようにしてください。

必要となる手続き

既に説明したとおり、アダルトグッズを販売しようとする際は、所轄の公安委員会（警察署）に対して届出を行うことが必要とされています。なお、この届出は、営業開始日の10日前までに行うことが求められています。逆に言えば、届出をしてから10日を経過しなければ営業を開始することはできません。

また、店舗型と無店舗型の両方法で営業しようとする際は、両方の届出が必要となるためご注意ください。

店舗型性風俗特殊営業の手続き

店舗所在地を管轄する警察署（生活安全課）に対して以下の書類を提出することにより届出を行います。重要なポイントは、前述した場所要件をクリアすることと大家さんからの承諾を確認することのできる書面を添付することです。これらを満たしていない限り届出は受理されないためご注意ください。

無店舗型性風俗特殊営業の手続き

アダルトグッズのインターネット等通信販売事業を行おうとする際は、事務所所在地を管轄する警察署（生活安全課）に対して以下の書類を提出することにより届出を行います。重要なポイントは、前述した場所要件をクリアすることと大家さんからの承諾を確認することのできる書面を添付することです。これらを満たしていない限り届出は受理されないためご注意ください。

なお、アダルトビデオの販売促進のために映像サンプルを提供しようとする場合には、別に映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要となります。

映像送信型性風俗特殊営業│アダルトサイト開設やアダルト動画配信サービスを開始するための手続きについて

性風俗関連手続きサポート

弊所は兵庫県大阪府京都府を中心に性風俗関連特殊営業の手続きに関与しているほか、年間2桁以上の風俗営業許可を取得しています。また、最近では東海・関東・九州圏においても業務をいただく機会が増えました。

下記の報酬は、市場価格を反映した利用料金となりますが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」です。低コスト高スピードの手続き代行と、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応には自信があります。また、近年は扱いやすい見積もりサイトが参入していますが、弊所ではこれらとの相見積りにも応じています。性風俗関連特殊営業に関する手続きでお困りの際は、ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。

店舗型性風俗特殊営業届出（アダルトショップ等）	176,000円～
無店舗型性風俗特殊営業届出（アダルトグッズの通信販売等）	77,000円～
映像送信型性風俗特殊営業届出（アダルトサイト等）	77,000円～
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