アダルトグッズの自動販売機に関する規制について

18禁

弊所ではアダルトグッズの販売に関するご相談を多くいただきますが、最近増えているのはアダルトグッズを自動販売機で販売したいという内容のお問い合わせです。

アダルトグッズの販売又は貸与については、おもに風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)において「性風俗関連特殊営業」として規制が行われていますが、同法および同法を運用する解釈運用基準には、自動販売機によるアダルトグッズの販売(又は貸与)に関する記述がないため、風営法だけを確認しても規制の全体像は見えてきません。

そこで本稿では、自動販売機によるアダルトグッズの販売を検討されている皆さまに向けて、規制の全体像と必要となりうる手続きについて詳しく解説していきたいと思います。

店舗型と無店舗型

風営法においては、店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるもの(以下の物品)を販売し、又は貸し付ける営業店舗型性風俗特殊営業電話その他の国家公安委員会規則で定める方法による客の依頼を受けて、専ら、政令で定める物品を販売し、又は貸し付ける営業で、当該物品を配達し、又は配達させることにより営むもの無店舗型性風俗特殊営業として区分しています。

★政令で定めるアダルトグッズ
  • 性的好奇心をそそる物品であって、衣服を脱いだ人の姿態を被写体とする写真又はその複製物
  • 上記の写真又はその複製物を主たる内容とする写真集
  • 性的好奇心をそそる物品であって、衣服を脱いだ人の姿態の映像を主たる内容とするフィルム又はビデオテープ、ビデオディスク、シー・ディー・ロムその他電磁的方法による記録に係る記録媒体
  • 性具その他の性的な行為の用に供する物品、性器を模した物品、性的な行為を表す写真その他の物品又はこれらに類する物品

「性的好奇心をそそる物品」とは、社会通念上一般人が見るなどしただけで性的な感情を著しく刺激されるようなものであることとされており、通常の書籍は「性的好奇心をそそる」ものには当たらないものとされています。

ただし、店舗を設けて上記の物品を販売等する営業(店舗型)であっても、一般書店におけるアダルトコーナーのように「専ら」これらを行うものではない場合には、特定性風俗物品販売等営業という営業形態に該当することになります。

また、無店舗型の該当要件となる「国家公安委員会規則で定める方法」については、以下のものが列挙されています。つまり、店舗を設けることなくインターネット等を用いて通信販売を行おうとする場合は、無店舗型性風俗特殊営業に該当することになります。

  • 電話その他電気通信設備を用いる方法
  • 一般信書便事業者若しくは特定信書便事業者による信書便
  • 電報預金又は貯金の口座に対する払込み
  • 当該営業を営む者の事務所(事務所のない者にあっては住所)以外の場所において客と対面する方法

アダルトグッズの自動販売機

アダルトグッズの販売について店舗型と無店舗型があることはすでに説明したとおりですが、ご質問で多いのが「自動販売機は店舗型にあたるのか無店舗型にあたるのか」という内容です。

自動販売機は店舗にはあたらないため、外形上は無店舗型性風俗特殊営業に該当するかのように思われます。他方、冒頭でお伝えしたとおり、風営法には自動販売機に関する直接的な記述はありません。

無店舗型については、場所的要件もありませんし、営業時間にも制限がありません。店舗型と比較すれば圧倒的に開業しやすい営業形態のはずですが、実際にアダルトグッズを取り扱う自動販売機を街中で見かけることはほぼありません。

これはアダルトグッズ等の「青少年の健全な育成に影響を及ぼすおそれのある物品」を、各自治体が青少年育成保護条例において指定し、販売(又は貸与)の可否および方法について風営法を超える規制を行っているためです。

特に、誰にも対面することなくアダルトグッズを購入することができる自動販売機については、各自治体の条例において全国的に厳しい規制が設けられているのが原状です。

青少年育成保護条例の一例

例えば大阪府青少年健全育成条例においては、図書類や玩具刃物類を自動販売機で販売又は貸与しようとするときは、自己の経営する店舗の店頭又は法令の規定により青少年の立入りが禁止されている場所に自動販売機等を設置し、これらを販売又は貸与させるときを除き、あらかじめ一定の事項を知事に届け出るものとされています。

また、設置場所についても、学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く)の敷地の周囲おおむね100mの区域内においては、青少年の健全な成長を阻害するおそれのある図書類等を収納する自動販売機等を設置しないように努めるものとされています。

さらに有害な図書類および有害な玩具刃物類として指定されている物品については、青少年(未成年)に販売することはできないほか、そもそも自動販売機等に収納すること自体が禁止されています。

いずれにせよ、アダルトグッズを自動販売機で販売しようとする場合は、想像より高いハードルが設定されていることは十分にご留意ください。

★有害な図書類

知事は、図書類の内容の全部又は一部が以下のいずれかに該当すると認めるときは、その図書類を青少年に有害な図書類として指定することができます。

  • 青少年の性的感情を著しく刺激し、青少年の健全な成長を阻害するもので、以下の基準に該当するもの
    • 陰部、陰毛若しくはでん部を露出しているもの(これらが露出と同程度の状態であるものを含む)又はこれらを強調しているもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること
    • 全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での自慰の姿態又はこれらの状態での女性の排せつの姿態を露骨に表現するもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること
    • 異性間若しくは同性間の性行為若しくはわいせつな行為を露骨に表現するもの又はこれらの行為を容易に連想させるもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること
    • 変態性欲に基づく行為又は近親相かん、乱交等の背徳的な性行為を露骨に表現するものであること
    • かんその他のりょう辱行為を表現するもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること
  • 青少年の粗暴性又は残虐性を著しく助長し、青少年の健全な成長を阻害するもので、以下の基準に該当するもの
    • 殺人、傷害若しくは暴行又はこれらの行為による肉体の苦痛を残忍に、又は陰惨に表現するものであること
    • 動物を殺し、傷つけ、又は殴打する行為を残忍に、又は陰惨に表現するものであること
    • 殺人、傷害、暴行、動物の殺傷等の暴力的な行為を賛美し、又は扇動するような表現をするものであること
  • 青少年の犯罪を著しく誘発するおそれがあり、青少年の健全な成長を阻害するもので、以下の基準に該当するもの
    • 殺人、傷害、暴行、窃盗その他の刑罰法令に触れる行為を行うようそそのかすような表現をするものであること
    • 殺人、傷害、暴行、窃盗その他の刑罰法令に触れる行為(これを直接の目的とする準備行為を含む)の方法であって、青少年が模倣するおそれがあると認められるものを詳細かつ具体的に表現するものであること

この規定にかかわらず、以下の図書類については、その内容が主として読者又は視聴者の性的感情を刺激するものでないと認められるものを除き、青少年に有害な図書類とされています。

  • 書籍、雑誌、コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスクその他これらに類するもの(以下、書籍等)であって、以下のものを描写し、又は撮影した図画、写真等を掲載し、又は記録するページ(表紙を含む)等の数が当該書籍等のページ等の総数の10分の1又は合わせて10ページ以上を占めるもの
    • 全裸又は半裸での卑わいな姿態で、次に掲げるもの(陰部又は陰毛を覆い、ぼかし、又は塗りつぶしている場合を含む)
      • 陰部又は陰毛を露出し、又は強調した姿態
      • でん部を露出し、又は強調した姿態
      • 自慰の姿態
      • 女性の排せつの姿態
      • 陰部、胸部又はでん部へのせっぷん又はこれらへの愛ぶの姿態
    • 性交又はこれに類する性行為で、以下のもの(陰部又は陰毛を覆い、ぼかし、又は塗りつぶしている場合を含む)
      • 性交又は性交を明らかに連想させる行為
      • サディズム又はマゾヒズムによる性行為
      • 強姦若しくは強姦を明らかに連想させる行為又は強制わいせつ行為
  • ビデオテープ、ビデオディスク、コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスクその他これらに類するものであって、上記のものを描写した場面が合わせて3分を超えるもの
  • 図書類の製作又は販売を行う者の組織する団体で、規則で定めるところにより知事が指定するものが審査し、上記のいずれかに該当するとして青少年の閲覧、視聴又は聴取を不適当と認めたもの
★有害な玩具刃物類

知事は、玩具刃物類の構造又は機能が人の身体に危害を及ぼすものであると認めるときは、その玩具刃物類を青少年に有害な玩具刃物類として指定することができます。この規定にかかわらず、以下の玩具刃物類については、青少年に有害な玩具刃物類とされています。

  • 性器を露骨に表現し、又は容易に連想させる形状の玩具刃物類
  • 専ら自慰行為又は性行為のために用いることが明らかである玩具刃物類

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弊所は兵庫県大阪府京都府を中心に性風俗関連特殊営業の手続きに関与しているほか、年間2桁以上の風俗営業許可を取得しています。また、最近では東海・関東・九州圏においても業務をいただく機会が増えました。

下記の報酬は、市場価格を反映した利用料金となりますが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」です。低コスト高スピードの手続き代行と、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応には自信があります。また、近年は扱いやすい見積もりサイトが参入していますが、弊所ではこれらとの相見積りにも応じています。性風俗関連特殊営業に関する手続きでお困りの際は、ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。

店舗型性風俗特殊営業届出(アダルトショップ等)176,000円~
無店舗型性風俗特殊営業届出(アダルトグッズの通信販売等)77,000円~
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