映像送信型性風俗特殊営業│アダルトサイト開設や動画配信を始めるための手続き(許可・届出)について

映像送信型性風俗特殊営業とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く)により営むものを言います。
より簡潔に言えば、インターネット上を利用して行うアダルト動画やライブチャットの配信業がこれに当たりますが、近年はインターネット等の通信技術が急速に発展拡大し、「性」を取り扱う市場においても、これらの通信方法を利用した配信サービス事業が飛躍的に伸びています。
そこで本稿では、これから映像送信型性風俗特殊営業に携わろうとされる皆さまに向けて、営業開始の際に必要とされている手続き等について詳しく解説していきたいと思います。
目 次
映像送信型性風俗特殊営業とは
客に「性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像」を見せる営業のうち、これらの映像を「専ら」見せるものであって、かつ、客の「性的好奇心をそそるため」見せるものが映像送信型性風俗特殊営業に該当します。
法令特有のまどろっこしい表現ですが、それぞれの文言の定義については、警察庁の解釈運用基準において次のように記述しています。
| 性的な行為を表す場面 | 自慰行為、性交、性交類似行為等を行っている人の様子や光景 |
| 衣服を脱いだ人の姿態 | 全裸又は半裸等社会通念上公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態 |
| 映像 | 静止映像及び動画 |
| 専ら | おおむね7割ないし8割程度以上を指し、営業者の意図及び営業の実態を踏まえて判断する |
| 性的好奇心をそそるため | 客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるもの |
解釈運用基準によれば、通常の水着を着用した人の姿態は「衣服を脱いだ人の姿態」には当たりませんが、社会通念上人が着用する衣服とは認められないような透明又は半透明の材質により作られた衣装等を着用した人の姿態は、「衣服を脱いだ人の姿態」に当たるものとされています。
また、ホームページの中を幾つかのセクションに分割し、そのうちの一部で性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せている場合については、そのセクションについて別料金を設定しているなどの事情が認められる場合を除き、ホームページ全体を通じて「専ら」当該映像を見せているかどうかを判断することになります。
★バナー広告
インターネットのホームページ等に設けられた横断幕状の映像であって、広告の内容を表示するとともに、広告の部分をクリックすることにより、広告主が希望するホームページに自動的にアクセスすることができるようにしているものを「バナー広告」いいます。
バナー広告を表示すること等により広告収入を得て、バナー広告を依頼した者の客となるべき者に映像を伝達する形態のものは、映像送信型性風俗特殊営業には該当しません。
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該当事例
映像送信型性風俗特殊営業という名称だけではイメージしづらいかもしれませんが、簡単に言えばインターネットを利用して性的な映像コンテンツを配信する営業がこれに該当します。
例えば、自社で運営するアダルト動画配信サイトやアダルト動画販売サイトは典型例です。また、会員制のアダルトサイトを開設し、有料会員に対して性的映像を視聴させる営業も映像送信型性風俗特殊営業として取り扱われます。
もっとも、実務上は単純な話ではありません。例えば、自ら動画を制作しているものの、実際の配信や販売は他社のプラットフォームを利用している場合はどうでしょうか。また、映像の配信主体と動画の制作者が異なる場合はどうでしょうか。実は、この点について警察当局は明確な基準を公表しておらず、事案ごとの判断に委ねられている部分があります。
現在、映像送信型性風俗特殊営業の届出が問題となるプラットフォームとしては、FANZA、Fantia、MyFans、CandFans、CherryLive、FC2コンテンツマーケットなどの国内向けサービスのほか、OnlyFansやFanslyといった海外サービスが挙げられます。
海外プラットフォームを利用している場合であっても、日本国内から営業を行う以上は風営法の適用を免れるわけではありません。
また近年は、FantiaやMyFansなどを中心に、プラットフォーム側がクリエイター本人に対して映像送信型性風俗特殊営業の届出を求める運用も増えています。そのため、「プラットフォームを利用しているから届出は不要」「サイト運営会社が届出をしているから自分は関係ない」と考えるのは危険です。
一方で、単に映像制作のみを請け負っている場合や、映像の配信主体が別事業者である場合には、映像送信型性風俗特殊営業に該当しないと考えられるケースもあります。
映像送信型性風俗特殊営業は、インターネット上で完結する営業であることから見落とされがちですが、近年はプラットフォーム側のコンプライアンス強化も進んでおり、届出の有無が問題となる場面が増えています。判断に迷う場合は、営業開始前に専門家へ相談することをおすすめします。
| プラットフォーム | 方針 |
|---|---|
| Fantia | 成人向け実写作品を配信する場合、原則として映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要との立場を明示。届出はクリエイター自身の責任で行うよう案内。 |
| MyFans | クリエイター各自で映像送信型性風俗特殊営業の届出を行うよう案内。 |
| FANZA | 公式案内なし。届出対象とする実務運用が一般的。 |
| FC2コンテンツマーケット | 公式案内なし。届出対象とする実務運用が一般的。 |
| FC2ライブ | アダルトライブ配信者本人が届出対象とする実務運用が一般的。 |
| CandFans・CherryLive等の国内サービス | 公式案内なし。届出対象とする実務運用が一般的。 |
| OnlyFans・Fansly等の海外サービス | 実務では届出対象として扱われることが一般的。 |
★オンライン接待について
近年はキャバクラ等のナイトビジネスが、インターネットを用いたオンラインでの営業に流れてきています。既に説明した映像送信型性風俗特殊営業の定義からみても、現在のところ、ただ単にオンライン上で接待に類似する行為を提供する営業については、特になんらかの申請をする必要はないものと推察されます。
しかしながら風俗産業に関しては、行政からも常に厳しい目が向けられている現状があるため、今後はより一層厳格化していくであろうことは、現実問題として容易に予見されています。
映像送信型性風俗特殊営業開始届
映像送信型性風俗特殊営業を開始しようとする者は、営業開始の10日前までに、事務所の所在地を管轄する警察署の生活安全課に映像送信型性風俗特殊営業開始届を提出することにより、都道府県公安委員会に対する届出を行う必要があります。
この手続きは「届出」であって「許可申請」てはありません。したがって、形式上「審査」というものは存在せず不備がなければ届出者の一方的な意思表示で完結します。(届出が簡単という意味ではありません。)
事務所の設置
届出義務者は営業の本拠となる事務所を定める必要がありますが、風俗営業許可申請等で求められるような人的要件・場所的要件はありません。自宅を事務所として使用することも可能ですが、賃貸借物件の場合は登記簿上の所有者の方から使用承諾を頂く必要があります。
一般的に「性風俗」に対する世間の目は厳しいものがありますので、物件を賃借して営業をしようとされる際は、物件を「性風俗」の事務所として使用することに対して事前にしっかりと説明を行い、必ず承諾を得るようにしてください。
届出に必要となる書類
届出は、おおむね以下の書類を事務所所在地を管轄する警察署に提出することにより行います。また、警察署に納付する届出手数料は1URLごとに3,400円です。届出ごとでもサイトごとでもなく、1URLごとに3,400円という点は要注意です。
- 映像送信型性風俗特殊営業開始届
- 営業の方法
- 事務所の使用権限を疎明する書類
- 事務所の平面図
- 営業者・役員全員の住民票の写し(日本人にあっては本籍、外国人にあっては国籍が記載されたもので、マイナンバーが記載されていないもの)
- 定款及び登記事項証明書(法人)
届出確認書
届出が受理されると都道府県公安委員会(所轄警察署)から届出確認書が交付されますが、当日交付してくれる署もあれば、1週間程度で交付する署もあります。届出確認書が交付されたからといってすぐに営業を開始することができるわけではなく、届出後10日を経過するまで営業を開始することができません。
また、届出確認書は事務所に掲示する必要があるほか、これを広告宣伝や求人活動の際に提示することが義務付けられています。
無届営業のデメリット
映像送信型性風俗特殊営業に該当するにもかかわらず届出を行わず営業した場合には、風営法違反として刑事罰や行政上の措置を受ける可能性があります。具体的に無届営業には、6ヶ月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはその併科が科されます。
また、事業譲渡や法人売却、金融機関との取引、各種契約の場面においてもコンプライアンス上の問題として扱われることがあります。
特に近年はインターネット上の営業についても監視が強化されており、「ネット上だけだから発覚しない」という考え方は通用しません。
映像送信型性風俗特殊営業は比較的マイナーな制度であるため、自身が規制対象であることに気付かないまま営業しているケースも見受けられます。しかし、知らなかったことを理由に責任を免れることはできないため、営業開始前に制度の確認を行うことが重要です。
AV新法との関連性について
2022年2月に制定・施行された性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(以下、AV新法)により、アダルトビデオ(以下、AV)やアダルト動画への出演に係る契約に、高いハードルが設けられることになりました。
アダルト動画の制作に携わらず、単にアダルト動画を配信するものであればAV新法の直接的な規制対象とはなりませんが、AVメーカーに限らず、個人でアダルト動画を制作する場合において、例えば夫婦間やパートナーとの性行為に係るアダルト動画を制作する場合であっても、AV新法に基づく規制の対象となる点はご注意ください。
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アダルトショップとの関連性
アダルトショップには「店舗型」と「無店舗型」とがありますが、いずれも、専ら性的好奇心をそそる写真やビデオテープなどを販売し、又は貸し付ける営業のことを指します。
これらは各々が別の営業形態になるため、例えばアダルトビデオの販売を行う事業者が販売促進のために映像サンプルを提供しようとする場合には、「アダルトショップ」の届出とともに、映像送信型性風俗特殊営業の届出を行うことが必要となります。
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配信等が違法となるケース
適法にこれらの手続きを経た場合であっても、配信する内容や販売する物品によっては、刑法その他の法律上の犯罪に該当してしまうことがあります。
モザイク処理の無いアダルト動画(いわゆる無修正)を頒布すること(わいせつ物頒布罪)、局部や性行為をライブ配信する行為(公然わいせつ罪)及び児童ポルノを所持する行為(児童ポルノ法違反)はいずれも犯罪に当たるため、その内容は十分に把握するようにしてください。
営業者の遵守事項
届出が受理され営業を開始した後にも、映像送信型性風俗特殊営業には遵守事項や禁止事項が定められています。条例による規制を含み、これらに違反した状態で運営を継続することはできません。
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Q. 海外サーバーを利用していても届出は必要ですか?
A. サーバーの所在地だけで判断されるわけではありません。営業主体や営業実態が日本国内にある場合には、届出が必要となる可能性があります。
Q. 法人で運営する場合も届出は必要ですか?
A. 必要です。個人事業主か法人かによって映像送信型性風俗特殊営業の届出義務がなくなることはありません。
Q. アダルト動画を販売するだけでも届出は必要ですか?
A. 営業形態によります。自らサイトを運営して映像を配信・販売している場合には、映像送信型性風俗特殊営業に該当する可能性があります。
Q. YouTubeやSNSに動画を投稿するだけでも届出が必要ですか?
A. 通常は映像送信型性風俗特殊営業には該当しません。ただし、実際の営業スキームや収益化の方法によって判断が異なる場合があります。
Q. 事務所を借りる場合、大家さんの承諾書は必ず必要ですか?
A. 必要です。物件契約後に承諾が得られないトラブルも実際に起きているため、契約前の確認をお薦めします。
Q. 行政書士へ依頼するメリットはありますか?
A. 映像送信型性風俗特殊営業は件数が少なく、判断に迷うケースも少なくありません。制度の適用関係を整理したうえで手続きを進められる点が大きなメリットです。
性風俗関連手続きサポート
弊所は兵庫県大阪府京都府を中心に性風俗関連特殊営業の手続きに関与しているほか、年間3桁近くの風俗営業許可を取得しています。最近では、東海、関東、中国、九州及び東北圏においても業務をいただく機会が増えました。
また、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、低コスト高スピードの手続き代行と、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。近年は扱いやすい見積もりサイトが参入していますが、弊所ではこれらとの相見積りにも応じています。なお、アダルト動画制作に係る出演契約書の作成にも対応していますが、映像送信型性風俗特殊営業の届出をご依頼していただいた方には、割引きして提供しています。性風俗関連特殊営業に関する手続き及びアダルト動画出演契約書でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
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