特例風俗営業者とは│認定の要件と申請方法について

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律（以下、風営法）では、長年にわたり優良な営業を続けている風俗営業者を申請により「特例風俗営業者」として認定し、優遇措置を与えるという制度を設けています。

通称「マル優」とも呼ばれている制度ですが、自動車免許でいうところのゴールド免許のようなイメージで考えていただければ伝わりやすいように思います。

そこで本稿では、意外に知られていない本制度の概要をお伝えするとともに、認定の基準や申請の手続方法について詳しく解説していきたいと思います。

認定の基準

特例風俗営業者の認定を受けるためには、以下の基準をすべて満たした上で公安委員会に対して申請を行う必要があります。基準を満たせば自動的に表彰される制度ではないという点については注意が必要です。

なお、「風営法に基づく処分（指示を含む）」とは、その営業に関するもののみならず、風営法に基づくものを全て含むものであることから、申請者が複数の営業所を営んでいる場合は、過去10年以内においてすべての営業所について上記の基準を満たしている必要があります。

風俗営業者が死亡（風俗営業者が法人である場合にあっては消滅）した場合は、その営業に係る認定は失効するため、相続又は法人合併の承認を受けて風俗営業者の地位を承継した者であっても、特例風俗営業者の認定を受けるためには、上記の要件を満たす必要があります。

認定のメリット

そもそも10年以上継続運営すること自体が難しい営業形態ですから、さらにまったくの無違反となると、なかなか高いハードルであることは間違いありません。したがって、特例風俗営業者として認定された際には、以下のような優遇措置を受けることができるようになります。

事後の届出

本来であれば、営業所の構造及び設備の変更を行う際には、事前に変更承認申請を行う必要があります。工事もこの申請後でなければ着工することができず、完了後も警察の確認と承認を受けた後でなければ営業を再開することができません。

事後の届出が認められると、承認まで営業をストップする必要がなくなるため、時間的にも経済的にも大幅なコストカットができるというメリットがあります。

2回目以降の管理者講習の免除

本来であれば、管理者はおおむね3年ごとに1回の定期講習を受講する義務がありますが、特例風俗営業者の認定を受けた営業所では、同一営業所の同一管理者に限り、2回目以降の受講が免除されます。

風俗営業の営業所における管理者について

認定証の掲示

認定を受けた営業所には、マル優マークの認定証（以下）が交付され、これを許可証に代えて掲示することができるようになります。認定証はいわば警察署（公安委員会）からの「お墨付き」ですから、アピールすることで競合他社との差別化やブランド力の向上に一役買ってくれることは間違いありません。

認定申請の手続方法

認定を受けようとする者は、営業所所在地の所轄警察署長を経由して、公安委員会に対し以下の書類を提出することにより申請を行います。

また、一の公安委員会に対して同時に複数の営業所について申請するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所所在地の所轄警察署長を経由して提出すれば足りるものとされています。

なお、添付書類の図面については、新規許可申請と同様に緻密なもの（求積図・求積表等含む）を求められますのでご注意ください。

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