大阪府における特殊風俗あっせん事業(案内所の設置)の届出について
大阪府では、案内所等の施設を設けて風俗営業の営業所に関する情報提供や案内等のあっせんを行う事業を、大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例において独自に「特殊風俗あっせん事業」として定義しています。
キタやミナミ等の繁華街でよく見かける「無料案内所」がこれに当たりますが、大阪府では特殊風俗あっせん事業を風俗営業に準ずる営業として位置づけ、要件や罰則等を設けることにより厳しい規制を行っています。
そこで本稿では、これから大阪府内において「無料案内所」等の特殊風俗あっせん事業を始めようとされる皆さまに向けて、必要となる基礎知識や手続方法について詳しく解説していきたいと思います。
本稿では大阪府における「特殊風俗あっせん事業」についてそれなりのボリュームで解説しています。
最下段には届出を格安で代行するプランを掲載しているので、最後まで閲覧いただければ幸いです。
目 次
特殊風俗あっせん事業
特殊風俗あっせんとは、風俗営業又は性風俗関連特殊営業に該当する営業以外のものであって、有償であるか無償であるかを問わず、大阪府下において行われる以下のいずれかに該当する行為を指します。
- 求めに応じて、以下の情報を提供すること
- 接待又は特殊役務の内容
- 接待又は特殊役務に従事する者に関する事項
- 客が接待又は特殊役務の提供を受けることのできる時間
- 客がすることのできる遊興又は飲食に関する事項
- 客が支払うべき料金
- 条件を指定する者の求めに応じて、条件に合致する接待風俗営業又は性風俗特殊営業の営業所等の名称、所在地又は電話番号その他の連絡先に関する情報を提供すること
- 接待風俗営業又は性風俗特殊営業の客となろうとする者を、営業所等に送り届けること若しくは送り届ける者と待ち合わせるための場所を提供すること
- 接待風俗営業又は性風俗特殊営業の客となろうとする者のため、営業を営む者から接待又は特殊役務の提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをすること
特殊風俗あっせん事業とは、不特定又は多数の者が出入りすることができる施設その他の不特定又は多数の者の利用に供する設備を備えた施設(案内所等)を設けて、上記の特殊風俗あっせんを行う事業をいいます。
このうち、性風俗特殊関連営業に関して特殊風俗あっせん事業を行うことや、風俗営業が禁止されている地域において特殊風俗あっせん事業を行うことは、一切認められていません。
事業開始の届出
大阪府において特殊風俗あっせん事業を行おうとする者は、事業所ごとに、事業所の所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会に対して届出を行う必要があります。これは特殊風俗あっせん事業を廃止したとき、又は届出事項に変更があったときも同様です。
届出を行った特殊風俗あっせん事業者が事業を行おうとするときは、あらかじめ、対象とする接待風俗営業を営む者から許可証の提示等により営業の方法を記載した書類の交付を受け、その営業について営業者の氏名又は名称、営業所の名称及び所在地及び営業の方法を確認する必要があります。
また、特殊風俗あっせん事業者は、事業所ごとに、あっせん対象営業台帳を備え、特殊風俗あっせんの対象とする接待風俗営業について上記の事項を記載する必要があります。
届出に必要となる書類
- 事業開始届出書(Word:28.1KB)
- 営業の方法(Word:33.5KB)
- 各種誓約書
- 事業所の平面図及び事業所の周囲の略図
- 住民票の写し
- 身分証明書
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者に該当しない旨の医師の診断書
- 建物の登記事項証明書
- 建物等の権利者すべての同意書(Word:18.5KB)
- 定款及び登記事項証明書(法人)
- 法定代理人の許可を受けていることを証する書面(未成年者)
- 管理者の写真(届出前6月以内に撮影された無帽、正面、全身、無背景の縦の長さ12cm、横の長さ8cm、裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの)
特殊風俗あっせん事業者の要件
誰でも自由に特殊風俗あっせん事業を行うことができるわけではなく、一定の事由(欠格事由)に該当しないこと、場所的要件をみたすこと、管理者を選任することが要件となります。
欠格事由
欠格事由とは、たとえば反社会的勢力とつながりがある等、特殊風俗あっせん事業に携わるをことが好ましくないであろう事情をいいます。
具体的には、以下のいずれかの事由に該当する者は、特殊風俗あっせん事業を行うことができません。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例や風俗営業法等の一定の法令に掲げる罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 最近5年間に禁止命令、事業停止命令、事業廃止命令に違反した者
- 暴力団対策法に規定する暴力団員である者又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
- 心身の故障により特殊風俗あっせん事業に係る業務を適正に実施することができない者として公安委員会規則で定めるもの
- 未成年者(18歳以上の未成年者であって、営業に関し成年者と同一の行為能力を有するものを除く。)
- 法人で、その役員又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、役員と同等以上の支配力を有するものと認められる者のうちに上記に該当する者があるもの
管理者の選任
特殊風俗あっせん事業者は、事業所ごとに、以下の欠格事由に該当しない者のうちから、事業所における業務の実施を統括する管理者を1人以上選任する必要があります。このため管理者が欠けたときは、その日から14日以内に、新たな管理者を選任する必要があります。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例や風俗営業法等の一定の法令に掲げる罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 最近5年間に禁止命令、事業停止命令、事業廃止命令に違反した者
- 暴力団対策法に規定する暴力団員である者又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
- 未成年者
- 心身の故障により特殊風俗あっせん事業に係る業務を適正に実施することができない者として公安委員会規則で定めるもの
場所的要件
特殊風俗あっせん事業を、風俗営業が認められていない場所において行うことは認められていません。たとえば風俗営業が禁止されている住宅街であったり、学校や病院等の「保全対象施設」と呼ばれる施設の近位置において案内所を設置することはできません。
そもそも住宅街に無料案内所がポツンとある風景はシュールですし、風俗営業のお店から離れた場所に設置するのであれば、案内所としては機能していないように思われます。
事業者の義務
特殊風俗あっせん事業者は、特殊風俗あっせん事業に係る業務に従事させようとする者の生年月日を確認し、事業所ごとに備え付けた従業者名簿に、氏名、住所その他公安委員会規則で定める事項とともに記載して保存する必要があります。
また、特殊風俗あっせん事業者は、事業所に自ら常駐し、又はその代理人、使用人その他の従業者を常駐させ、18歳未満の者を事業所に立ち入らせないようにするための措置を講じておく必要があります。
禁止事項
特殊風俗あっせん事業者には、上記の義務を遵守して遂行するほか、以下の行為を行うことが禁止されています。
- 名義貸し
- 無許可接待風俗営業に関して特殊風俗あっせんを行うこと
- 午前0時から午前6時までの時間において特殊風俗あっせんを行うこと
- 事業所周辺において公安委員会規則で定める数値以上の騒音を生じさせること
- 事業所の外周や外部から見通すことができる内部に、接待若しくは特殊役務、又は接待若しくは特殊役務に従事する者を表し、又は連想させる図画等を表示し、又は掲出し、若しくは配置すること
- 事業所の内外に、来所者等の目に触れる状態にして、人の性的感情を刺激する図画等を表示し、又は掲出し、若しくは配置すること
- 事業所周辺において公衆の目に触れるような方法で特殊風俗あっせんに該当する情報提供を行うこと、その他事業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で特殊風俗あっせんを行うこと
- 道路その他公共の場所に面した場所に設備を設けること
- 18歳未満の者を特殊風俗あっせん事業に係る業務に従事させること
- 18歳未満の者に対し、特殊風俗あっせんを行い、又は正当な理由なく事業所に立ち入らせること
- 接待風俗営業の営業所において大阪府条例に掲げる性交等の行為が行われている旨又は性交等の行為が行われていると思わせる事項を来所者に告げること
- あっせん対象営業台帳に記載していない接待風俗営業に関し、特殊風俗あっせんを行うこと
- 来所者に、有償又は無償で、飲食物を提供し、又は宿泊(休憩を含む。)の用に供する設備を使用させること
- 割引クーポン券等を来所者に頒布し、又は事業所の外周に、若しくは来所者が自由に持ち帰ることのできる状態にして事業所の内部に配置すること
まとめ
特殊風俗あっせん事業は、直接的に風俗営業を行う事業形態ではないものの、その規制については、風俗営業とほぼ同等のものが設けられています。営業を行うための許可も必要ありませんが、要件を満たさなければ届出が受理されないため、事実上他の許可必要業種と変わらない手続きが求められているといって間違いないでしょう。
場所的要件があるなど、風俗営業関連特有のややこしい規制も存在するため、不慣れな手続きを進めていくうちに、不測の事態が生ずるケースも珍しいことではありません。特殊風俗あっせん事業を行おうとする際は、風俗営業周辺の手続きに精通した行政書士に相談することをお薦めいたします。
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特殊風俗あっせん事業の届出代行 | 99,000円 |