ご存じですか?兵庫県における「地域のお酒で乾杯!条例」

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皆さまは、お住まいの地域にある独自の条例を意識したことがありますか?

同じ申請を行うにしても、地域ごとに求められる書類や手続きが異なることは多く、ローカルルールによっては申請を阻まれるケースもあったりするので、最近では各市の条例を事前に網羅して調査する機会が増えました。

本稿で紹介する「地域のお酒で乾杯!条例」は、申請とは直結しませんが、地域性を理解する上で非常に興味深い条例ですので、最後までご一読いただければ幸いです。

地域のお酒で乾杯!条例とは

関西圏の市町村レベルで制定された地酒による乾杯を推進する条例です。特に酒どころである我が兵庫県は、加東市が採用したのを皮切りに、三木市、西宮市、伊丹市、美方郡新温泉町、明石市、姫路市、美方郡香美町、宍粟市、篠山市、神戸市、加西市、神崎郡神河町の実に13市町が採用する「乾杯推進県」となっています。

地域条例施行日
滋賀県滋賀県近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例平成28年3月23日
京都府京都市京都市清酒の普及の促進に関する条例平成25年1月15日
京都府与謝郡与謝野町与謝野町地酒の普及の促進に関する条例平成25年6月20日
兵庫県加東市加東市日本酒による乾杯を推進する条例平成25年6月6日
兵庫県三木市三木市日本酒による乾杯を推進する条例平成25年6月24日
兵庫県西宮市西宮市清酒の普及の促進に関する条例平成25年10月1日
兵庫県明石市明石市の伝統産業である清酒による乾杯の普及の促進に関する条例平成25年11月1日
兵庫県美方郡新温泉町新温泉町日本酒の普及の促進に関する条例平成25年10月1日
兵庫県伊丹市清酒発祥の地伊丹の清酒の普及の促進に関する条例平成25年10月1日
兵庫県姫路市姫路市日本酒の振興及び日本酒を活用した地域観光の促進による地域の活性化に関する条例平成25年10月4日
兵庫県美方郡香美町香美町今日の良き日、日本酒で乾杯条例平成26年1月1日
兵庫県宍粟市日本酒発祥の地宍粟市日本酒文化の普及の促進に関する条例平成26年1月1日
兵庫県篠山市丹波篠山ふるさとに乾杯条例平成26年1月1日
兵庫県加西市加西の酒で乾杯を推進する条例平成26年4月1日
兵庫県神戸市神戸灘の酒による乾杯を推進する条例平成26年11月1日
兵庫県神崎郡神河町神河町ゆず酒による乾杯及び普及に関する条例平成27年3月26日
奈良県奈良市奈良市清酒の普及の促進に関する条例平成25年12月4日
和歌山県海南市海南市地酒で乾杯を推進する条例平成25年10月2日
和歌山県田辺市田辺市紀州梅酒による乾杯及び梅干しの普及に関する条例平成25年12月2日
和歌山県和歌山市和歌山市地酒による乾杯の奨励及び地酒の普及の促進に関する条例平成26年6月27日
和歌山県岩出市日本酒の普及の促進に関する条例平成26年10月1日
和歌山県新宮市新宮市地酒で乾杯を推進する条例平成26年12月19日

灘五郷

灘五郷(なだごごう)とは、兵庫県の灘一帯にある5つの酒造地の総称です。西郷、御影郷、魚崎郷(以上神戸市)、西宮郷、今津郷(以上西宮市)の五郷を指し、日本の清酒生産量の約3割を占めています。

すみません。Wikiっちゃいました。

ところで私は西宮市の出身です。幼少より西宮の「宮」を冠した日本酒造りには欠かせない「宮水」の郷土自慢を聞かされて育ちました。

本稿ではそんな故郷に敬意を表し、数ある乾杯条例の中から「西宮市清酒の普及の促進に関する条例」を紹介させていただきます。

西宮市清酒の普及の促進に関する条例

西宮市清酒の普及の促進に関する条例
出典元:西宮市公式サイト

制定の目的

市及び事業者がそれぞれの役割を果たし、市民の協力をもって清酒による乾杯の習慣を広めることにより、清酒の普及を通した日本文化への理解の促進に寄与するとともに、西宮の経済の振興及び文教住宅都市としての発展を図ることを目的として、市は、この条例を制定する。

(西宮市清酒の普及の促進に関する条例前文後段)

わずか4条項の条例ですが、前文からも郷土愛と郷土自慢が溢れ出ていることを感じます。条文はすべていわゆる「努力義務」となっており、法的強制力はないものの、市、事業者、市民のそれぞれの役割について触れています。

西宮市の役割

市は、清酒による乾杯の奨励その他の清酒の普及の促進に必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(西宮市清酒の普及の促進に関する条例第1条)

この条文に基づいて「西宮の日本酒振興プロジェクト」が実施されています。また、市内酒造メーカー、西宮商工会議所、西宮観光協会と共同連携して「西宮日本酒振興連絡会」を運営しています。

事業者の役割

清酒の製造を業として行う事業者は、清酒の普及の促進に主体的に取り組むよう努めるものとする。清酒の製造を業として行う事業者以外の事業者は、市及び清酒の製造を業として行う事業者が行う清酒の普及の促進に関する取組に参加するよう努めるものとする。

(西宮市清酒の普及の促進に関する条例第2条第1・2項)

先述の「西宮の日本酒振興プロジェクト」の一環として、例年2月〜3月の間に「西宮蔵開」を開催しています。蔵開(くらびらき)とは、おもに春先に酒蔵を開いて客を招き入れ、新酒を振る舞うことでその完成を祝う古くからの伝統行事です。普段は見ることのできない酒蔵の見学やお酒の試飲などができ、日本酒好きの西宮市民には人気のイベントとなっています。

市民の協力

市民は、これらの取組に協力するよう努めるものとする。

(西宮市清酒の普及の促進に関する条例第3条)

乾杯をしない市民には罰則が、、、ということはなく、「こんな取組を頑張っているんで出来るだけ協力してくださいね!」くらいの規定です。市民に一律に酒税が課されるような無茶な条例ではありませんのでご安心ください。

まとめ

いかがでしたしょうか。地域性や郷土愛を感じることができる条例だとは思いませんか?

法律や条例というものは、何か制限を受ける面倒なものとしてのみ考えるのではなく、利用して事業に活かすという観点を持つことも重要だと思います。

元西宮市民、そして一生涯現役の兵庫県民として、弊所でもこのプロジェクトに参加したいと思います。具体的には、お問い合わせの際に「この記事を見た」とお伝えいただければ、お酒を扱う販売店の手続き報酬を割引させていただきたいと思います。酒類販売店の開業をご検討中の方は、ぜひ弊プロジェクトをご利用くださいませ^^

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