飲食店の開店までにすべきこと

レストランの外観

レストラン、居酒屋、バー、ラウンジ、おしゃれなカフェ。飲食店と一括りにいってもその業態はさまざまです。また、店舗はどこに設けるか、営業時間はどうするか、お店のコンセプトは…等々、開店までに決めておくべきことはたくさんあります。

ここでは、飲食店のスタートアップでつまづかないために注意すべきあれこれを、さくっとご紹介させていただきます。

飲食店に関するお手続きについてはこちらで大まかにまとめておりますのでご確認ください。

店舗の場所は?

立体地図のイラスト

まずは「場所」を決める必要があります。ここで注意すべき点は、必ず用途地域を確認することです。 

「え?場所ってどこでもいいんでしょ?」

いいえ、違います。土地や建物には決まりごとがあって、場所によってそもそも検討中の業態が禁止されていたり面積が制限されている区域が存在するのです。

このように用途に制限のある地域を用途地域といいます。ざっとまとめると下の表のようになります。

なお、用途地域をまたぐ建物もありますが、建物すべてが営業可能な用途地域内である必要がある点もご注意ください。

飲食店営業が営業できる地域
区域条件
第一種低層住居専用地域兼用住宅でお店が50㎡以下かつ建物の延べ面積の2分の1未満のもの
第二種低層住居専用地域兼用住宅でお店が50㎡以下かつ建物の延べ面積の2分の1未満のもの
喫茶店なら150㎡以下のもの
第一種中高層住居専用地域500㎡以下で2階以下のもの
第二種中高層住居専用地域1500㎡以下で2階以下のもの
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
田園住居地域店舗や飲食店の部分が2階以下で床面積の合計が150㎡以内のもの
店舗や飲食店の部分が2階以下で床面積の合計が500㎡以内のもの
(田園住居地域及びその周辺の地域で生産された農産物の販売またはそれを材料にした料理の提供を主たる目的とする場合や、原材料とする食品の製造・加工を主たる目的とする場合に限る)
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
深夜営業を行う飲食店(バーなど)が営業できる地域
区域条件
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
キャバクラ等の接待を提供する飲食店
区域条件
近隣商業地域保全対象施設(学校や病院など)から一定の距離が必要
商業地域保全対象施設(学校や病院など)から一定の距離が必要
準工業地域保全対象施設(学校や病院など)から一定の距離が必要
工業地域保全対象施設(学校や病院など)から一定の距離が必要

用途地域とは別に、条例によって用途を制限している地域もありますので、こちらも必ず確認するようにしましょう。

コンセプトは?

レストランの店内の画像

開店を検討中の方であるならば、既にコンセプトはお決まりであると思います。ですが、提供するメニューやサービスの種類によって必要となる手続きは異なリますので、ここにも注意が必要です。

メニュー

法律上、「飲食店営業」と「喫茶店営業」とでは扱いが異なります。飲食店営業では一般的なレストランなどのように飲食全般を提供することができますが、喫茶店営業ではお酒以外の飲み物と調理しない食べ物しか提供することができません。○○カフェという名称だからといって喫茶店営業の方を選択してしまいますと、提供できる飲食が限定されてしまいますのでご注意ください。

また、提供するメニューによっては必要な許可が増える場合があります。たとえば、ケーキ類を店内と持ち帰りの両方で提供する場合には、飲食店営業許可の他に、菓子製造業許可」も取得する必要があります。

接待

接待についてはこちらでまとめています。

風営法における接待とは

たとえばメイド喫茶なんかはどうでしょう?

単にコスプレ姿の女性が料理を運んでくるだけの業態なら問題はありません。少しでも立ち止まって会話の相手をしてくれるような業態は風営法の1号営業に該当する可能性が高く、このような場合は飲食店営業許可とは別に風俗営業許可を取得する必要性が出てきます。こちらも十分気をつけましょう。

https://tsunagu-office.net/entertainment

テイクアウトやデリバリー

こちらでまとめています。先述したケーキ類のほかにも、アイスクリームや生肉なども、テイクアウトで販売する場合には別の許可が必要となります。

飲食店のテイクアウト・デリバリーの意外な落とし穴とは

なお、最近流行りつつある「ゴーストレストラン」についてもまとめておりますのでチェックしてみてください。

ゴーストレストラン?新しい飲食店のカタチ

営業時間は?

掛け時計

一般的な飲食店であれば特に問題はありませんが、次のような場合には注意が必要です。 

お酒をメインに提供する場合

ラーメン店のように食事をメインとするお店が深夜0時を過ぎてビールを提供するような場合は問題ありませんが、バーのようなお酒をメインに提供する業態のお店が深夜0時を過ぎても営業をする場合には、営業許可とは別に深夜酒類提供飲食店営業開始届を提出する必要があります。

深夜営業飲食店について(深夜における酒類提供飲食店営業)

届出ではありますが、飲食店営業許可よりもむしろ提出書類のボリュームは多く、届出先も保健所ではなく警察署になります。

接待を提供する場合

キャバクラのような風俗営業許可を必要とする飲食店の場合は、そもそも深夜営業を行うことができません。

接待営業と深夜営業(キャバクラとガールズバー)

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オフィスの外観

このように確認事項は非常に多く、確認しようにも管轄する機関が保健所であったり市役所であったり警察署であったりするので、確認のたらい回しにされることも珍しくないのが実際です。

そうでなくてもやるべきことは多岐にわたります。貴重なスタートアップの時期に、そう何度も経験することもない煩わしい事務手続きのための時間を費やすメリットはないように思います。

弊所では各種手続きの代理サポートをさせていただいております。以下に料金表を記載しますが、コロナ禍における現状を鑑みて、期間限定の割引プランをご用意させていただきました。

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+
深夜における酒類提供飲食店届出
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