医薬品販売業許可の申請方法と基準について
医薬品は、その性質上、保健衛生上の危害が発生するおそれがあることから、品質、有効性及び安全性を確保する必要があるとともに、その取扱いについても、必要な規制が行われています。
そのため、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)では、薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む)することを禁じています。
そこで本稿では、これから医薬品を販売しようと検討されている皆さまに向けて、医薬品販売業許可の申請方法と基準について、詳しく解説していきたいと思います。
目 次
医薬品の定義
薬機法では、医薬品について、①日本薬局方に収められている物、②人若しくは動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム及びこれを記録した記録媒体)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く)、又は③人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く)と定義しています。
ここで言う「日本薬局方」とは、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が定め公示する医薬品の規格基準書のことを指します。
医薬部外品
医薬部外品とは、人又は動物の疾病の診断、治療、予防、又は身体の構造若しくは機能に影響を及ぼす目的のない特定の目的をもって使用される物であって、人体に対する作用が緩やかな医薬類似製品をいいます。
医薬品と比較して、人体に対する作用が緩やかであることから、薬機法上においても、医薬品に対する規制よりも、緩やかな規制が設けられています。
化粧品
化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物であって、人体に対する作用が緩和なものをいいます。
日本標準商品分類では、香水及びオーデコロン、仕上用化粧品、皮膚用化粧品、頭髪用化粧品、特殊用途化粧品及びその他の化粧品に大きく分類されており、人体にはいかなる改善効果ももたらしてはならないものと決められています。
なお、いわゆる薬用化粧品は、薬用効果(予防等の効果)を持つものとうたわれる化粧品類似の製品であるため、化粧品ではなく医薬部外品に分類されています。
医薬品の分類
医薬品は、その内容やリスク等により、下表のとおり、いくつかの分類に区分されます。
分類 | 区分 | 内容 | 処方箋 | 通信販売 |
---|---|---|---|---|
医療用医薬品 | 医師等によって使用されまたはこれらの者の処方箋もしくは指示によって使用されることを目的として処方される医薬品(対面販売が必要) | |||
処方箋医薬品 | 医療機関を受診し、医師等の処方箋がなければ、購入することができない医薬品 | 必要 | ☓ | |
処方箋医薬品以外の医療用医薬品 | 処方箋に基づく薬剤の交付を原則としながら、条件を満たすことにより処方箋がなくても購入することができる医療用医薬品(零売薬局のみの取扱いになる) | 原則必要 | ☓ | |
薬局製造販売医薬品 | 承認許可を取得することにより薬局の調剤室での製造が認められる製剤 | 不要 | ○ | |
OTC医薬品 | 購入時に医師の処方箋が不要な大衆薬や市販薬 | |||
要指導医薬品 | 副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、その使用に関して特に注意が必要で、新しく市販された成分等を含むもの | 不要 | ☓ | |
一般用医薬品 | 医師の処方箋がなくとも購入可能な医薬品(リスクの高い方から、第一類・第二類・第三類の3種に分類) | |||
第一類医薬品 | リスクが高く、薬剤師による販売と、販売時の利用者への書面の交付が義務づけられている医薬品 | 不要 | ○ | |
第二類医薬品 | リスクがやや高く、登録販売者でも販売が可能で、販売時の利用者への書面の交付は努力義務となっている医薬品 | 不要 | ○ | |
第三類医薬品 | リスクが比較的低く、登録販売者でも販売が可能で、販売時の利用者への書面の交付が不要な医薬品 | 不要 | ○ |
医薬品販売業許可
薬機法第24条では、薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む)することを禁じています。
ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、許可を受けることなくこれを行うことができます。
この許可には有効期間が設けられており、6年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、許可の効力は失われます。
医薬品販売業許可の種類
医薬品の販売業の許可は、以下の区分に応じ、各区分について定められた業務について行われます。
店舗販売業の許可 | 要指導医薬品又は一般用医薬品を、店舗において販売し、又は授与する業務 |
配置販売業の許可 | 一般用医薬品を、配置により販売し、又は授与する業務 |
卸売販売業の許可 | 医薬品を、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者等に対し、販売し、又は授与する業務 |
店舗販売業の許可
店舗において、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与する業務を行おうとするときは、店舗ごとに、その店舗の所在地の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては市長又は区長)に対して申請を行い、その許可を受ける必要があります。
ただし、店舗販売業の許可を受けた者(店舗販売業者)であっても、薬局医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列することは認められていません。
店舗販売業許可の基準
店舗販売業の許可を受けるためには、その店舗について、構造設備基準及びをすべて満たす必要があります。
欠格事由
前提として、申請者及び薬事に関する業務に責任を有する役員について、以下のいずれかの事由に該当する者がある場合は、店舗販売業者としての適格性を欠く者として、許可を受けることができません。
- 許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
- 登録を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者
- 薬機法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者
- 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
- 精神の機能の障害により店舗販売業者の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- 薬局開設者の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者
構造設備基準
店舗販売業の店舗の構造設備については、薬局等構造設備規則第2条に基づき、以下の基準をすべて満たすことが求められます。
- 医薬品の購入者等が容易に出入りできる構造であり、店舗であることがその外観から明らかであること
- 換気が十分であり、かつ、清潔であること
- 店舗販売業以外の店舗販売業の店舗又は薬局の場所、常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること
- 面積は、おおむね13.2㎡以上とし、店舗販売業の業務を適切に行うことができるものであること
- 医薬品を通常陳列し、又は交付する場所にあっては60ルックス以上の明るさを有すること
- 開店時間のうち、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売等しない時間がある場合には、その医薬品を通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖することができる構造のものであること
- 冷暗貯蔵のための設備を有すること(冷暗貯蔵が必要な医薬品を取り扱う場合)
- 鍵のかかる貯蔵設備を有すること(毒薬を取り扱う場合)
- 貯蔵設備を設ける区域が他の区域から明確に区別されていること
- 要指導医薬品を販売等する店舗にあっては、以下の基準に適合するものであること
- 要指導医薬品を陳列するために必要な陳列棚その他の設備(陳列設備)を有すること
- 要指導医薬品を陳列する陳列設備から1.2m以内の範囲(要指導医薬品陳列区画)に医薬品を購入等しようとする者等が進入することができないよう必要な措置が採られていること(要指導医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入等しようとする者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合を除く)
- 開店時間のうち、要指導医薬品を販売等しない時間がある場合には、要指導医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること
- 第一類医薬品を販売等する店舗にあっては、以下の基準に適合するものであること
- 第一類医薬品を陳列するために必要な陳列設備を有すること
- 第一類医薬品を陳列する陳列設備から1.2m以内の範囲(第一類医薬品陳列区画)に、一般用医薬品を購入等しようとする者等が進入することができないよう必要な措置が採られていること(第一類医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他一般用医薬品を購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合を除く)
- 開店時間のうち、第一類医薬品を販売等しない時間がある場合には、第一類医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること
- 以下の基準に適合する、情報を提供し、及び指導を行うための設備を有すること(複数の設備を有する場合は、いずれかの設備が適合していれば足りる)
- 要指導医薬品を陳列する場合には、要指導医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること
- 第一類医薬品を陳列する場合には、第一類医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること
- 指定第二類医薬品を陳列する場合には、指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から7m以内の範囲にあること(鍵をかけた陳列設備に陳列する場合又は指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から1.2m以内の範囲に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者等が進入することができないよう必要な措置が採られている場合を除く)
- 2以上の階に要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所がある場合には、各階の医薬品を通常陳列し、又は交付する場所の内部にあること
- 営業時間のうち、特定販売のみを行う時間がある場合には、都道府県知事等又は厚生労働大臣が特定販売の実施方法に関する適切な監督を行うために必要な設備(デジタルカメラ、電話、電子メール、デジタルカメラで撮影した画像を電子メールに添付して電送するために必要なケーブル等)
店舗管理者
店舗販売業者は、その店舗を、自ら実地に管理し、又はその指定する者に実地に管理させる必要があります。この者を「店舗管理者」といいますが、店舗管理者は、下表の区分に応じ、それぞれ定められた薬剤師又は登録販売者であって、その店舗において医薬品の販売又は授与に関する業務に従事するものでなければなりません。
また、店舗管理者は、その店舗の所在地の都道府県知事の許可を受けたときを除き、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事することはできません。
要指導医薬品を販売し、又は授与する店舗 | 薬剤師 |
第一類医薬品を販売し、又は授与する店舗 | 薬剤師 |
第二類医薬品又は第三類医薬品を販売し、又は授与する店舗 | 薬剤師 |
過去5年間のうち、従事期間が通算して2年以上(かつ1,920時間以上)の登録販売者 | |
過去5年間のうち、従事期間が通算して1年以上(かつ1,920時間以上)であって、継続的研修並びに店舗の管理及び法令遵守について厚生労働大臣が必要と認める研修を修了した登録販売者 | |
従事期間が通算して1年以上であって、店舗管理者又は区域管理者としての業務の経験がある登録販売者 | |
過去に店舗管理者としての業務の経験がある者の従事期間について、月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算して1年以上あり、かつ、合計1,920時間以上従事した登録販売者 |
※一般従事者:その薬局、店舗又は区域において実務に従事する薬剤師又は登録販売者以外の者
★店舗管理者を補佐する者
第一類医薬品を販売し、又は授与する店舗において薬剤師を店舗管理者とすることができない場合には、過去5年間のうち、①要指導医薬品若しくは第一類医薬品を販売し、若しくは授与する薬局、薬剤師が店舗管理者である要指導医薬品若しくは第一類医薬品を販売し、若しくは授与する店舗販売業又は薬剤師が区域管理者である第一類医薬品を配置販売する配置販売業において登録販売者として業務に従事した期間、及び②第一類医薬品を販売し、若しくは授与する店舗の店舗管理者又は第一類医薬品を配置販売する区域の区域管理者であった期間が通算して3年以上である登録販売者であって、その店舗において医薬品の販売又は授与に関する業務に従事するものを店舗管理者とすることができますが、この場合、店舗管理者を補佐する者として薬剤師を置く必要があります。
店舗販売業許可の申請方法
店舗販売業の許可申請は、店舗ごとに、その店舗の所在地の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては市長又は区長)に対して、以下の書類を提出することにより行います。
- 医薬品店頭販売許可申請書
- 店舗の平面図
- 店舗管理者の氏名及び住所を記載した書類(店舗管理者を指定する場合)
- 薬剤師又は登録販売者の氏名及び住所を記載した書類(許可申請者及び店舗管理者以外にその店舗において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を置く場合)
- 店舗において販売し、又は授与する医薬品の区分(要指導医薬品、第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品(指定第二類医薬品を除く)及び第三類医薬品)を記載した書類
- 店舗以外の場所にいる者との間の通信手段等を記載した書類(店舗において店舗以外の場所にいる者に対して一般用医薬品を販売し、又は授与する場合)
- 登記事項証明書(法人)
- 店舗管理者の週当たり勤務時間数並びに薬剤師名簿の登録番号及び登録年月日又は販売従事登録の登録番号及び登録年月日を記載した書類
- 店舗管理者の雇用契約書の写しその他申請者のその店舗管理者に対する使用関係を証する書類
- 薬剤師又は登録販売者の別、週当たり勤務時間数並びに薬剤師名簿の登録番号及び登録年月日又は販売従事登録の登録番号及び登録年月日を記載した書類(店舗管理者以外にその店舗において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を置く場合)
- 薬剤師又は登録販売者の雇用契約書の写しその他申請者のその薬剤師又は登録販売者に対する使用関係を証する書類(店舗管理者以外にその店舗において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を置く場合)
- その他の業務の種類を記載した書類(店舗において店舗販売業以外の医薬品の販売業その他の業務を併せ行う場合)
- 精神の機能の障害に関する医師の診断書(申請者及び薬事に関する業務に責任を有する役員が精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合)
- 再教育研修修了登録証の写し(原本の提示でも可)(薬局の管理者が再教育研修命令を受けた者であるとき)
配置販売業の許可
一般用医薬品を、配置により販売し、又は授与する業務を行おうとするときは、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、都道府県知事に対して申請を行い、その許可を受ける必要があります。
ただし、配置販売業の許可を受けた者(配置販売業者)であっても、一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくいことその他の厚生労働大臣の定める基準に適合するもの以外の医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列することは認められていません。
配置販売業許可の基準
配置販売業の許可を受けるためには、薬剤師又は登録販売者が配置することその他都道府県の区域において医薬品の配置販売を行う体制が適切に医薬品を配置販売するために必要な基準について、すべて満たす必要があります。
欠格事由
許可の前提として、店舗販売業者と同様の欠格事由が設けられており、申請者及び薬事に関する業務に責任を有する役員について、欠格事由に該当する者がある場合は、配置販売業者としての適格性を欠く者として、許可を受けることができません。
区域管理者
配置販売業者は、その業務に係る都道府県の区域を、自ら管理し、又は都道府県の区域内において配置販売に従事する配置員のうちから指定したものに管理させる必要があります。この者を「区域管理者」といいますが、区域管理者は、下表の区分に応じ、それぞれ定められた薬剤師又は登録販売者であって、その区域において医薬品の販売又は授与に関する業務に従事するものでなければなりません。
第一類医薬品を販売し、又は授与する区域 | 薬剤師 |
第二類医薬品又は第三類医薬品を販売し、又は授与する区域 | 薬剤師 |
第二類医薬品又は第三類医薬品を販売し、又は授与する店舗 | 薬剤師 |
過去5年間のうち、従事期間が通算して2年以上(かつ1,920時間以上)の登録販売者 | |
過去5年間のうち、従事期間が通算して1年以上(かつ1,920時間以上)であって、継続的研修並びに店舗の管理及び法令遵守について厚生労働大臣が必要と認める研修を修了した登録販売者 | |
従事期間が通算して1年以上であって、店舗管理者又は区域管理者としての業務の経験がある登録販売者 | |
過去に店舗管理者としての業務の経験がある者の従事期間について、月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算して1年以上あり、かつ、合計1,920時間以上従事した登録販売者 |
★区域管理者を補佐する者
第一類医薬品を販売し、又は授与する区域において薬剤師を区域管理者とすることができない場合には、過去5年間のうち、①要指導医薬品若しくは第一類医薬品を販売し、若しくは授与する薬局、薬剤師が店舗管理者である要指導医薬品若しくは第一類医薬品を販売し、若しくは授与する店舗販売業又は薬剤師が区域管理者である第一類医薬品を配置販売する配置販売業において登録販売者として業務に従事した期間、及び②第一類医薬品を販売し、若しくは授与する店舗の店舗管理者又は第一類医薬品を配置販売する区域の区域管理者であった期間が通算して3年以上である登録販売者であって、その区域において医薬品の販売又は授与に関する業務に従事するものを区域管理者とすることができますが、この場合、区域管理者を補佐する者として薬剤師を置く必要があります。
配置従事の届出
配置販売業者又はその配置員は、医薬品の配置販売に従事しようとするときは、配置販売業者の氏名及び住所、配置販売に従事する者の氏名・住所及び配置販売に従事する区域・期間を、あらかじめ、配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事に届け出る必要があります。
配置従事者の身分証明書
配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事することはできません。
この身分証明書の交付を申請しようとする者は、身分証明書交付申請書に、申請前6か月以内に撮影した写真(無帽、正面、上三分身、無背景の縦3cm、横の長さ2.4mのもの)及び雇用契約書の写しその他配置販売業者のその配置員に対する使用関係を証する書類(申請者が配置員であるとき)を添付し、住所地の都道府県知事に提出する必要があります。
なお、身分証明書の有効期間は、発行の日から発行の日の属する年の翌年の12月31日までとされています。
配置販売業許可の申請方法
配置販売業の許可申請は、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、都道府県知事に対して、以下の書類を提出することにより行います。
- 配置販売業許可申請書
- 登記事項証明書(法人)
- 区域管理者の氏名及び住所を記載した書類(区域管理者を指定してその業務に係る都道府県の区域を管理させる場合)
- 区域管理者(その区域を管理する配置販売業者を含む)の週当たり勤務時間数並びに薬剤師名簿の登録番号及び登録年月日又は販売従事登録の登録番号及び登録年月日を記載した書類
- 区域管理者の雇用契約書の写しその他申請者のその区域管理者に対する使用関係を証する書類(区域管理者を指定してその業務に係る都道府県の区域を管理させる場合)
- 薬剤師又は登録販売者の氏名及び住所を記載した書類(区域管理者以外にその区域において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を置く場合)
- 薬剤師又は登録販売者の別、週当たり勤務時間数並びに薬剤師名簿の登録番号及び登録年月日又は販売従事登録の登録番号及び登録年月日を記載した書類(区域管理者以外にその区域において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を置く場合)
- 薬剤師又は登録販売者の雇用契約書の写しその他申請者のその薬剤師又は登録販売者に対する使用関係を証する書類(区域管理者以外にその区域において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を置く場合)
- その区域において配置販売によって販売し、又は授与する医薬品の区分(第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品)を記載した書類
- その他の業務の種類を記載した書類(その区域において配置販売業以外の医薬品の販売業その他の業務を併せ行う場合)
- 精神の機能の障害に関する医師の診断書(申請者及び薬事に関する業務に責任を有する役員が精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合)
卸売販売業の許可
医薬品を、以下に該当する者に対し、販売し、又は授与する業務を行おうとするときは、営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事に対して申請を行い、その許可を受ける必要があります。
ただし、卸売販売業の許可を受けた者(卸売販売業者)であっても、許可に係る営業所については、業として、医薬品を、以下の者以外の者に対し、販売し、又は授与することはできません。また、店舗販売業者に対し、要指導医薬品又は一般用医薬品以外の医薬品を、配置販売業者に対し、一般用医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与することも認められていません。
- 薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者
- 国、都道府県知事又は市区町村長
- 助産所の開設者であって助産所で滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 救急用自動車等により業務を行う事業者であって救急用自動車等に医薬品を備え付けるもの
- 臓器の移植に関する法律第12条第1項の許可を受けた者であって同項に規定する業として行う臓器のあっせんに使用する滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 施術所の開設者であって施術所で滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 歯科技工所の開設者であって歯科技工所で滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 滅菌消毒の業務を行う事業者であって滅菌消毒の業務に滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- ねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の業務を行う事業者であって防除の業務に防除用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 浄化槽、貯水槽、水泳プールその他これらに類する設備の衛生管理を行う事業者であって浄化槽等で滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 登録試験検査機関その他検査施設の長であって検査を行うに当たり必要な体外診断用医薬品その他の医薬品を使用するもの
- 研究施設の長又は教育機関の長であって研究又は教育を行うに当たり必要な医薬品を使用するもの
- 医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の製造業者であって製造を行うに当たり必要な医薬品を使用するもの
- 航空運送事業を行う事業者であって航空法施行規則第150条第2項の規定に基づく医薬品を使用するもの
- 船員法の適用を受ける船舶所有者であって船員法施行規則第53条第1項の規定に基づく医薬品を使用するもの
- 上記に準ずるものであって販売等の相手方として厚生労働大臣が適当と認めるもの
卸売販売業許可の基準
卸売販売業の許可を受けるためには、営業所の構造設備について、必要な基準をすべて満たす必要があります。
欠格事由
許可の前提として、店舗販売業者や配置販売業者と同様の欠格事由が設けられており、申請者及び薬事に関する業務に責任を有する役員について、欠格事由に該当する者がある場合は、卸売販売業者としての適格性を欠く者として、許可を受けることができません。
医薬品営業所管理者
卸売販売業者は、営業所ごとに、薬剤師を置き、その営業所を管理させる必要があります。ただし、卸売販売業者が薬剤師であるときは、自らその営業所を管理することができます。
医薬品営業所管理者は、その営業所の所在地の都道府県知事の許可を受けたときを除き、その営業所以外の場所で、業として営業所の管理その他薬事に関する実務に従事することができません。
また、卸売販売業者が、薬剤師による管理を必要としない医薬品として厚生労働省令で定めるもののみを販売又は授与する場合(下表)には、医薬品営業所管理者について、薬剤師以外の者であって、医薬品の品目に応じて定められた者を置くことができます。
指定卸売医療用ガス類 | 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者 |
旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、指定卸売医療用ガス類の販売又は授与に関する業務に3年以上従事した者 | |
指定卸売医療用ガス類の販売又は授与に関する業務に5年以上従事した者 | |
都道府県知事が上記の者と同等以上の知識経験を有すると認めた者 | |
指定卸売歯科用医薬品 | 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学、歯学又は化学に関する専門の課程を修了した者 |
旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学、歯学又は化学に関する科目を修得した後、指定卸売歯科用医薬品の販売又は授与に関する業務に3年以上従事した者 | |
指定卸売歯科用医薬品の販売又は授与に関する業務に5年以上従事した者 | |
都道府県知事が上記の者と同等以上の知識経験を有すると認めた者 | |
指定卸売医療用ガス類及び指定卸売歯科用医薬品 | 指定卸売医療用ガス類及び指定卸売歯科用医薬品の医薬品営業所管理者の要件について、いずれにも該当する者 |
卸売販売業許可の申請方法
卸売販売業の許可申請は、営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事に対して、以下の書類を提出することにより行います。
- 卸売販売業許可申請書
- 営業所の平面図
- 登記事項証明書(法人)
- 医薬品営業所管理者の雇用契約書の写しその他申請者のその医薬品営業所管理者に対する使用関係を証する書類(申請者以外の者がその医薬品営業所管理者である場合)
- 放射性医薬品の種類及び放射性医薬品を取り扱うために必要な設備の概要を記載した書類(放射性医薬品を取り扱おうとする場合であって、厚生労働大臣が定める数量又は濃度以下の放射性医薬品を取り扱おうとするときを除く)
- 精神の機能の障害に関する医師の診断書(申請者及び薬事に関する業務に責任を有する役員が精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合)
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第二種医薬品製造販売業許可申請 | 440,000円〜 |
医薬品製造業許可申請 | 330,000円〜 |
医薬品店舗販売業許可申請 | 220,000円〜 |
医薬品配置販売業許可申請 | 165,000円〜 |
医薬品卸売業許可申請 | 220,000円〜 |
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