シーシャ(水タバコ)が違法となるライン│摘発事例も紹介【行政書士解説】

シーシャ

シーシャは違法?

近年、若者を中心にシーシャが人気を集めており、都市部ではシーシャバーやシーシャカフェといったスタイルの営業も珍しくなくなりました。

その一方で、「シーシャは違法ではないのか」「シーシャバーが摘発されたというニュースを見たことがある」といった声も少なくありません。実際、「水タバコ 違法」「シーシャ 摘発」といったキーワードは継続的に検索されています。

結論から言えば、シーシャそのものは違法ではありません。しかし、提供する製品やその提供方法を誤ると、たばこ事業法、健康増進法、さらには薬機法や麻薬・大麻関連法令などに抵触する可能性があります。摘発事例の多くも、シーシャ自体ではなく、その周辺で行われた違法行為が問題となっています。

そこで本稿では、シーシャが違法となるラインを整理するとともに、営業者・利用者ともに知っておきたいポイントや実際の摘発事例について解説します。

シーシャとは

シーシャとは、中東を発祥とする喫煙文化であり、水パイプを用いて煙を吸引する喫煙方法であることから、水タバコとも呼ばれています。

一般的な紙巻たばこと異なり、フレーバーを炭で加熱し、水を通した煙を吸うことから、吸いやすい、香りを楽しめるといった特徴がありますが、「水を通すから安全」「たばこではない」というイメージは必ずしも正しくありません。

シーシャには、たばこ葉を使用したものと、ハーブなどを使用したノンニコチン製品が存在し、どちらを提供するかによって適用される法律も変わってきます。

シーシャが違法となるライン

冒頭でお伝えしたとおり、シーシャそのものは日本で禁止されているわけではありません。しかし、だからといって、どのようなシーシャでも自由に販売・提供できるという意味ではありません。シーシャが違法となるのは、使用する製品・販売方法・提供先などが法令に抵触した場合です。

実際に報道されている摘発事例を見ても、「シーシャを提供していたから摘発された」というケースはありません。問題となっているのは、違法な製品の提供や未成年者への販売、あるいは営業方法そのものです。つまり、シーシャは合法か違法かという単純な問題ではなく、「どこまでが適法なのか」を理解することが重要になります。

①ニコチン入り製品の取扱い

シーシャで使用されるフレーバーには、たばこ葉を使用したものと、ハーブなどを使用したノンニコチン製品があります。このうち、たばこ葉を使用した製品は「製造たばこ」として扱われるため、一般的な紙巻たばこと同様、たばこ事業法の規制対象となります。

そのため、適法な流通を経ていない製品を販売・提供したり、海外から個人的に持ち込んだ製品を店舗で使用したりすると問題となる可能性があります。海外では普通に販売されている製品であっても、日本国内ではそのまま営業に使用できるとは限りません。

また、「ニコチンが入っていないと聞いたから安心」という考えも危険です。実際の成分と表示内容が一致しているとは限らず、営業で使用する以上は、製品の性質や流通経路まで十分に確認しておくことが大切です。

②指定薬物等を含む製品の提供

近年、シーシャ業界で特に問題となっているのが、CBDや各種カンナビノイド製品を使用したフレーバーです。CBD自体は一定の条件を満たせば適法に流通している製品もありますが、市場にはTHCなど規制成分を含有する製品や、指定薬物に該当する成分を含む製品が紛れ込んでいた事例もあり、たびたび摘発につながっています。

特に海外から輸入された製品については、日本の法規制を前提として製造・販売されているとは限りません。海外では合法的に販売されている製品であっても、日本では麻薬及び向精神薬取締法や大麻関連法令、医薬品医療機器等法などとの関係で違法となるケースがあります。

営業で使用する以上、仕入先や成分表示だけで判断するのではなく、日本国内で適法に流通している製品であることを十分に確認することが重要です。

③20歳未満の者への提供

たばこ葉を使用したシーシャは製造たばこに該当するため、これを20歳未満の者へ提供することは認められていません。一方で、シーシャバーは店内がおしゃれなカフェのような雰囲気であることも多く、通常の喫煙施設よりも年齢確認が甘くなってしまうことがあります。

とは言え、営業者側には適切に年齢確認を行う責任があるため、外見だけで年齢を判断するのではなく、必要に応じて公的な本人確認書類の提示を求めるなど、基本的な対応を徹底しておきたいところです。

また、ノンニコチン製品のみを提供している店舗であっても、お酒を提供しているケースや営業時間との関係で別の法令が問題となる場合があります。シーシャだけに着目するのではなく、店舗全体として適法な営業が行われているかという視点も欠かせません。

実際の摘発事例

繰り返しますが、シーシャそのものは違法ではありません。しかし、使用するリキッドやフレーバー、含有成分によっては麻薬取締法や関税法などに違反し、刑事事件へと発展することがあります。また、海外では合法的に販売されている製品であっても、日本では違法となるケースも少なくありません。

以下はいずれも実際に報道された事例ですが、シーシャという営業形態ではなくても、「シーシャが違法となるライン」を理解する上で参考になる事例ばかりです。

麻薬取締法違反容疑での摘発

令和6年12月、東京都内でCBD製品を販売していた店舗において、「合法CBD」と表示されたリキッドや植物片から規制対象成分であるΔ8-THCが検出され、経営者らが麻薬取締法違反容疑で摘発されました。

報道によれば、店舗ではシーシャなど吸引用途の商品も販売されており、利用者の中には体調不良を訴えて救急搬送されたケースも確認されています。合法をうたっていた商品が違法成分を含んでいたとして、大きく報じられた事件でした。

THC含有リキッド密輸の疑いで摘発

令和7年12月、沖縄地区税関は、海外からTHCを含む電子たばこ用リキッドなどを日本へ持ち込もうとしたとして、関係者を関税法違反などの疑いで摘発しました。

押収された製品は液状タイプで、海外では一般的に販売されているものでした。しかし、日本では麻薬に該当する成分が含まれていたことから刑事事件となっています。

関西空港で大麻リキッド密輸事件を摘発

令和8年2月、関西国際空港では、海外からTHCを含む大麻リキッドを国際宅配便などで輸入しようとした事件が摘発されました。

液状製品は一般的なシーシャ用リキッドや電子たばこ用リキッドとの判別が難しい外観でしたが、鑑定の結果、規制対象成分が検出されたことから摘発に至っています。

なお、税関の公表資料を見ると、指定薬物の摘発件数は依然として高い水準で推移しています。令和7年も、指定薬物を含む液状物の密輸入事件が全国で相次いで告発されており、水蒸気式製品やリキッド製品に対する監視も強化されています。

摘発事例から分かること

これらの事件を見て分かるのは、シーシャという器具そのものが問題視されているわけではないということです。実際に摘発されているのは、シーシャで使用されるリキッドやフレーバーに違法成分が含まれていたケースや、それらを違法に輸入・販売したケースです。

また、「CBDだから合法」「海外で普通に売られていた」「ネットショップで購入できた」といった事情は、日本国内での適法性とは全く別問題です。海外では合法であっても、日本では麻薬や指定薬物に該当することは珍しくありません。

シーシャを巡る摘発の多くは、「シーシャが違法だった」のではなく、「シーシャに使用した製品や販売方法が違法だった」というものです。器具だけを見ても適法性は判断できません。営業者は仕入先や成分、販売方法まで含めて適法性を確認する必要があります。

Q.シーシャは違法ですか?

A.違法ではありません。シーシャは日本国内でも広く利用されており、適法に営業しているシーシャバーも数多く存在します。シーシャだから合法、あるいは違法という単純なものではなく、何を提供し、どのように提供しているかによって判断されます。


Q.シーシャバーを開業するには許可が必要ですか?

A.一般的には飲食店として営業するための営業許可が必要です。また、製造たばこであることから、販売するためには、たばこの小売販売許可、あるいはその出張販売許可が必要です。


Q.海外から購入したシーシャ用フレーバーをそのまま店舗で使用できますか?

A.海外で販売されている製品だからといって、日本国内でも適法とは限りません。特にニコチン入り製品やCBD関連製品については、日本とは規制内容が異なる国も多くあります。営業で使用する以上、「海外では普通に売られていた」という理由だけで判断するのではなく、日本国内で適法に流通している製品かどうかを十分確認する必要があります。


Q.ノンニコチンのシーシャなら何の規制も受けませんか?

A.いいえ。ノンニコチン製品であっても、店舗営業である以上は飲食店営業に関する法令や健康増進法などとの関係が生じます。また、製品によっては表示内容と実際の成分が異なるケースも報告されているため、仕入れ先や品質管理にも十分注意したいところです。

シーシャバー開業サポート

シーシャバーは比較的新しい業態であることから、何を守れば適法なのか分かりにくいと感じる声も少なくありません。特に海外製品を取り扱う場合や、お酒を提供しながら営業する場合は、複数の法令が関係するため、思わぬところで法令違反となる可能性があります。

弊所では、飲食店営業や風営法関連手続きを中心に、さまざまな許認可申請を取り扱っています。開業前の法的な確認はもちろん、書類作成や提出、関係機関との事前調整および現地調査の立会いといった営業形態に応じた必要手続きについてもサポートしています。「この営業方法で問題ないだろうか」「どの許可や届出が必要なのか分からない」とお悩みの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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