改正タクシー特措法の特定地域・準特定地域について

タクシーの後部座席

特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(改正タクシー特措法)では、特定地域及び準特定地域を国土交通大臣が指定するものと定め、これらの地域における一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー)の適正化及び活性化を推進しています。

特定地域

特定地域とは、一般乗用旅客自動車運送事業が供給過剰であることが認められる地域について、その地域における一般乗用旅客自動車運送事業の状況に照らして、供給輸送力の削減をしなければ、健全な経営の維持、輸送の安全と利用者の利便の確保、その地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難であるものして国土交通大臣が期間を定めて指定する地域をいいます。

営業区域の全部又は一部が特定地域に含まれる場合、新たに一般乗用旅客自動車運送事業許可を取得することはできません。また、すでに許可を受けた一般乗用旅客自動車運送事業者であっても、特定地域への営業区域の変更、及び増車をすることはできません。

なお、令和5年11月現在において特定地域に指定されている区域は以下のとおりです。

都道府県営業区域
宮城仙台市
東京南多摩交通圏
新潟新潟交通圏
長野長野交通圏
大阪河北交通圏
北摂交通圏
広島広島交通圏
福岡福岡交通圏
北九州交通圏
長崎長崎交通圏

準特定地域

準特定地域とは、一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー)が供給過剰となるおそれがあると認められる地域について、その地域における一般乗用旅客自動車運送事業の状況に照らして、供給輸送力の削減をしなければ、健全な経営の維持、輸送の安全と利用者の利便の確保、その地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難であるものして国土交通大臣が期間を定めて指定する地域をいいます。

営業区域の全部又は一部が準特定地域に含まれる場合、道路運送法に定められている基準のほか、国土交通大臣が定める基準に適合するときでなければ、新たに一般乗用旅客自動車運送事業許可を取得することはできません。

また、すでに許可を受けた一般乗用旅客自動車運送事業者であっても、準特定地域への営業区域の変更、及び増車をしようとするときは、道路運送法に定められている基準のほか、国土交通大臣が定める基準に適合し、その認可を受けたときでなければ、これを行うことはできません。

なお、令和5年11月現在において準特定地域に指定されている区域は以下のとおりです。

都道府県営業区域
北海道札幌交通圏、小樽市、函館交通圏、旭川交通圏、北見交通圏
青森青森交通圏、八戸交通圏、弘前交通圏
岩手盛岡交通圏、一関交通圏
秋田秋田交通圏
福島福島交通圏、郡山交通圏、会津交通圏、いわき市
山形山形交通圏
東京特別区・武三交通圏、北多摩交通圏、西多摩交通圏
神奈川京浜交通圏、県央交通圏、湘南交通圏、小田原交通圏
千葉東葛交通圏、千葉交通圏、京葉交通圏、市原交通圏
埼玉県南中央交通圏、県南西部交通圏、県北交通圏
茨城水戸県央交通圏、県南交通圏、県西交通圏、県北交通圏
栃木宇都宮交通圏、県南交通圏、塩那交通圏
山梨甲府交通圏
新潟長岡交通圏、上越交通圏、新発田市A、柏崎市A
富山富山交通圏、高岡・氷見交通圏、砺波市B・南砺市
石川金沢交通圏、南加賀交通圏
愛知知多交通圏、尾張北部交通圏、西三河北部交通圏、西三河南部交通圏
静岡静清交通圏、富士・富士宮交通圏、沼津・三島交通圏、磐田・掛川交通圏、藤枝・焼津交通圏、浜松交通圏
岐阜大垣交通圏、高山交通圏、美濃・可児交通圏、東濃東部交通圏、東濃西部交通圏
福井福井交通圏、武生交通圏
大阪大阪市域交通圏、河南B交通圏
京都京都市域交通圏
兵庫神戸市域交通圏、東播磨交通圏
奈良奈良市域交通圏、生駒交通圏、中部交通圏
滋賀大津市域交通圏、湖南交通圏、中部交通圏、湖東交通圏、湖北交通圏
和歌山和歌山市域交通圏
広島呉市A、東広島市、福山交通圏
鳥取鳥取交通圏、米子交通圏、倉吉交通圏
島根松江市、出雲市
岡山岡山市、倉敷交通圏、津山市
山口下関市、宇部市、山口市、周南市、防府市
香川高松交通圏、中讃交通圏
徳島徳島交通圏
愛媛松山交通圏、東予交通圏、今治交通圏
高知高知交通圏
福岡久留米市、筑豊交通圏
佐賀佐賀市、唐津市
長崎佐世保市、諫早市
熊本熊本交通圏、八代交通圏
大分大分市、別府市
宮崎宮崎交通圏、都城交通圏、延岡市
鹿児島鹿児島市、鹿児島空港交通圏
沖縄沖縄本島

個人タクシー許可の特例新規枠

タクシー事業の新規開業は、総量規制により新規の参入を認めない原則があることから、ハードルが極めて高いことが知られています。個人タクシー(1人1車制タクシー)についても例外ではなく、実務上は既存の事業許可を有する個人から「譲渡譲受」の形式で許可を譲り受けて開業する方法しか選択肢がないのが実情です。

他方、新型コロナウイルス騒動等昨今の社会情勢の変化により、譲渡人と譲受人との面談や協議がスムーズに進行せず、タクシー事業に対する需要と供給との間のバランスが維持できないという状況が生じてしまいました。

このような現状を受け、各運輸局では、準特定地域における1人1車制個人タクシーの新規参入枠を設け、その枠内に限り、期間限定で特例的に新規許可を認める通達を発出しました。

たとえば以下は令和5年度における近畿運輸局管内の特例新規枠(受付終了)ですが、東京特別区武蔵野三鷹地区では、実に136台分という数の特例新規枠が認められました。

令和5年度における近畿運輸局管内の特例新規枠

ただし、この特例はあくまでも期限付の時限措置であるため、次年度以降どのように運用されるのかについてはまったくの未定です。個人タクシー事業の開業を目指すのであれば、このような情報を逐一見逃さないように注視するように心がけましょう。

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