所持禁止の対象となるクロスボウ(ボウガン)の威力について

クロスボウ禁止のイメージ

令和4年3月15日、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の一部改正により、クロスボウの所持が原則として禁止されることになりました。これに伴って内閣府令においては、所持が禁止されるクロスボウの威力について、基準となる数値を設けて規制を行っています。

クロスボウとは

クロスボウ

クロスボウは「洋弓銃」とも呼ばれる弓の一種です。形状が十字であることから、クロス(Cross)と矢(Bow)を合わせてこのように呼称しています。日本では「ボウガン(ボーガン)」といった方が耳に馴染むのではないかと思います。

愛好家でもなければなかなか分かりづらいことではありますが、その形状の違いから、クロスボウはいくつかのタイプに分類されています。

具体的には弓に滑車がついているタイプ(コンパウンド)と、弓に滑車がついていないタイプ(リカーブ)のクロスボウが存在しており、滑車ありのクロスボウは、発射する際に弓が戻る力以外の力が加わるため、一般的には滑車なしタイプよりも威力が高いものとされています。

ピストルクロスボウ(滑車なし)
ピストルクロスボウ(滑車なし)
ピストルクロスボウ(滑車あり)
ピストルクロスボウ(滑車あり)
フルサイズクロスボウ(滑車なし)
フルサイズクロスボウ(滑車なし)

規制の対象となるクロスボウ

改正法では、矢の運動エネルギーの値が「人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上」となるクロスボウを規制対象としています。

この運動エネルギーの値は、内閣府令において6.0ジュールとされています。以下がその計算式になりますが、ややこしいので、こちらを覚えるかどうかは皆さまのご判断にお任せします。

運動エネルギーの計算式

クロスボウの性能を示す目安として、ドローウェイト(弦を引く重さ)や矢の速さがあります。警察庁において、ドローウェイトの値(メーカー公称値)が小さいクロスボウについて発射される矢の運動エネルギーを測定した結果、玩具を除き、市販の製品の全てが6.0ジュール以上、つまりは規制対象のクロスボウであることが確認されました。

他の弓との比較
クロスボウの特徴
クロスボウの性能
クロスボウの分類と性能

結局はどうなるの?

これらの結果を鑑みると、改正法施行後に市販のクロスボウを所持することは、原則として認められないことになります。既にクロスボウを所持している方は、その多数が処分することになると思われますが、処分をすることなく所持を継続するためには、標的射撃、産業目的、動物麻酔等といった限定的な用に供することを前提として、都道府県公安委員会から許可を受ける必要があります。

もしクロスボウの所持についてお困りのことがあれば、最寄りの警察署か、もしくは弊所までどうぞご遠慮なくご相談ください。

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