キャバクラとラウンジってどう違うの?クラブ?スナック?バー?パブ?それぞれの違いを徹底解説

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)には、「キャバレー、待合、料理店、カフェその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」を「風俗営業」のひとつとするという旨の定めがありますが、ひとたび繁華街に繰り出せば、キャバクラ、ラウンジ、スナック等々、その種類が多岐にわたることが分かります。
キャバクラとラウンジの違いなんて、よほどの興味が無ければ、「お好み焼き」でいうところの「大阪焼き」と「広島焼き」、いや、「きのこの山」と「たけのこの里」の違いのようなものでしょうか。
そこで本稿では、数ある手続きの中で、特に風営法関連のものに触れることの多い行政書士が、これらの飲食店の違いについて詳しく解説していきたいと思います。
キャバクラとは
まずはドラマや映画の舞台としてもたびたび登場する接待営業の王道とも言えるキャバクラについてです。
こちらは一般の認知度も高く、何ならキレイな女性と一緒にお酒を飲めるお店はすべてキャバクラだと思っている方も多いのではないかと思います。
その語源は「キャバレー」と「クラブ」にあり、これらを掛け合わせた造語が「キャバクラ」です。ちなみに和製外来語であるため、渡航先の海外で「Where is Kyabakura?」(キャバクラはどこにありますか?)と尋ねても、「What?」と返ってくることになります。
現在ではめっきりと見かけなくなった「キャバレー」も、いわゆる「ホステス」といわれる従業員が客をもてなす形態の飲食店ですが、舞台があったりショーが楽しめたり、より娯楽的で大衆的な雰囲気のある施設でした。
「クラブ」については後述しますが、要するにキャバクラは、キャバレーのような大衆的な雰囲気と、クラブのような高級感を合わせ持つことを意図したものです。
料金体系については時間制を採用していることが多く、ラウンジよりも個別接待に特化したイメージがあります。
なお、男性従業員が客をもてなす同形態の飲食店には、「ホストクラブ」や「メンズキャバクラ」といったものがあります。
ラウンジとは
本来のラウンジは空港やホテルなどでソファーを設置する待合場所のことを意味しますが、ここから転じ、おもに西日本においてソファに腰掛けた客の隣に女性従業員がついてお酒を提供する接待飲食店をこう呼称するようになりました。弊所が入居するオフィスにもラウンジと名のつくつくスペースがありますが、座席には全体的に余裕があり、比較的静かな印象があります。
特色としては「ママ」や「チーママ」といった役職がお店を取り仕切ることが多く、キャストが個別に接待するというよりも、店全体で接待を行うといっ雰囲気があります。
料金も比較的リーゾナブルであることが多く、後述の「クラブ」とも異なります。
クラブとは
キャバクラが「大衆性」を前面に打ち出す飲食店であるならば、クラブは「高級感」をセールスポイントとする飲食店です。
会員制の採用や、一見さんお断り、提供するお酒の銘柄も高級なものばかりなど、あえて敷居を高く設定している店がほとんどです。
ラウンジと同様に「ママ」や「チーママ」が現場を取り仕切ることが多く、また、時間無制限のフリータイム制であることも多いため、ゆったりとくつろぎながら飲食を楽しめる雰囲気があります。
スナックとは
そもそも「スナック」とは「軽食」を意味する言葉であり、お酒とともに軽食を楽しめる飲食店がこちらに該当します。(正式には「スナックバー」)
スナック=「ママ」のイメージがあるくらい「ママ」の色が濃く、実はサービスのメインはお酒でも軽食でもなく、「ママ」の人柄ではないかと思うくらい「ママ」が重要なポジションを担います。
本来であれば「ママ」のお喋りは風営法てまいうところの「接待」に該当するはずですが、風俗営業許可を受けることなく営業を続けていることが意外に多く感じます。
スナックだからといって風俗営業許可は必要ないということはなく、要するに「接待」を提供するか否かがポイントとなります。
バーとは
カウンターの向こう側にいる「マスター」や「バーテンダー」がお酒を提供してくれるタイプの飲食店であり、1人もしくは少人数で純粋にお酒の味を楽しめる雰囲気があります。
様々な営業形態があり、酒類を限定した焼酎バーやワインバー、ダーツを楽しめるダーツバー、大画面でスポーツ観戦を楽しめるスポーツバーなども点在しています。また、お酒をグラス1杯ずつ提供するバーを和製英語ながらショットバーと称することもあります。
最近はガールズバーやボーイズバーといった形態の飲食店が台頭してきていますが、風俗営業との兼ね合いで、その線引きが問題となることがあります。
パブとは
「パブ」は元々イギリスにおいて「酒場」を意味する言葉ですが、日本ではあまり耳馴染みがなく、「洋風居酒屋」という名称で呼称されることがあります。もっとも繁華街では「アイリッシュパブ」という名称で時折見かけることができます。
バーと同じく様々なコンセプトを打ち出すお店が多いですが、どちらかといえば多人数でワイワイと飲食を楽しむ「居酒屋」のイメージがあります。
重要なポイント
ここまで解説に出た飲食店は、何らかの法令で明確に区分されている訳ではないため、実務上は「スナック」を名乗れば「スナック」、「バー」を名乗れば「バー」ということになります。
また、地方によっては呼称が違っていたり、本来の語句とはかけ離れてしまった営業形態のお店も多く存在しています。そもそも私の認識がすべて正しいということも保証すらどこにもありません。
行政書士として重要なこと、飲食店の経営者の皆さまに知っていただきたいのは、むしろ接待の有無や営業時間、許可の必要性という点についてです。
風営法は改正を重ねるたびに厳しくなっており、実際に警察からこってり絞られたり摘発されたりする事案は後を絶ちません。
いずれにせよ酒好き行政書士としては、飲食店が健全な飲食と社交の場として機能することを祈ります。飲食店や風営法関連の手続きでお困りの際は、弊所までどうぞご遠慮なくご相談ください。
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