神戸での飲食店営業許可申請にみる行政対応の地域差
「神戸市は厳しんですよね?」
先日神戸市において飲食店の新規営業許可を申請して参りました。むろん許可は滞りなく取得できたのですが、お客様とお会いした際にいの一番に尋ねられた質問が冒頭の言葉です。
「○○市の警察署は厳しいらしいよ?」
実はわれわれ行政書士の仲間内でもこういった話しはよく耳にする内容です。そして実際に結構気になったりもしています。
そこで今回は、私の経験を通じた実際の手続きの現場における行政対応の地域差を、尼崎市と神戸市での飲食店許可申請時に感じた違いを軸に紹介していきたいと思います。
まずはこちらの記事で飲食店営業許可の概要についてご確認ください。
飲食店許可の申請先
まずは予備知識です。
飲食店の許可処分を下すのは都道府県知事です。尼崎市で申請しようが神戸市で申請しようが最終的な許可権限は兵庫県知事が持っているということになります。
じゃあ全部県庁に申請したらいいの?
いやいや。さすがにそれは酷な話しです。ちょっと法律の条文を覗いてみることにしましょう。
地方公共団体の長は、その職権に属する栄養の改善及び食品衛生に関する事項につき、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業に関する事務を保健所長に委任することができる。
(地域保健法第6条第3号、第9条)
まぁ要するに都道府県知事が事務の一部を各保健所に「任せた」と割り振っているわけです。考えてみるとそうですよね。事務作業のすべてを都道府県知事が処理しなければならないとなると県庁はたちまちパンクしてしまいますし、住民側もわざわざ県庁に出向くよりは近所の役所で済ませる方が負担が少なくて助かりますから。それに地域の特長やそれぞれの「ならでは事情」も反映させることも可能になりますしね。
事件は会議室で起きているんじゃない!
現場で起きているんだ!
誰かさんが言いそうなことですね。(もう古い?)
とにかくこれが「制度上の地域差」が生まれる要因となっているわけです。
申請書の違い
さて、それでは申請書類の様式が各地域でどのように違うのか、それぞれが公開している申請書様式をサンプルに検証していきましょう。
と、いきたいところですが。
実はわが尼崎市は新規営業許可申請書を公式サイトで公開しておりません。恐らくは尼崎市で新規開業を目指す方が公式サイトを閲覧したときに迷子になってしまうのではないでしょうか。
それでは神戸市はどうでしょうか?
公開されていました。
これはいわゆる「トップページ」に該当する書面ですが、他にも必要となる様式一式が神戸市の公式サイトからすべて入手することができます。
さすが県庁所在地。
私は慣れているので構いませんが、本人申請に関してはほぼ初めて申請される方たちばかりだと思いますので、神戸市のこの対応は正直助かるのではないでしょうか。(ひと手間増えますよ。A崎市さん。)
はい。まずここで地域差が出ました。
ちなみに手引き書も少しずつ違いがあって面白いですね。大まかな申請事項は一緒ですが、手引き書からその地域の特長をつかむこともできますので、手引き書についてはしっかりと読み込むようにしてください。
実務上の取り扱い
特に大きな問題がなければ直接保健所と面を突き合わして打ち合わせを行うのは次の3回です。
- 事前協議
- 許可申請
- 立入検査
この手続きすべてを同じ担当者が担当してくれるわけではありません。窓口対応の職員と立入検査にやってくる衛生監視員とは大体は別働隊になっています。
まず事前協議と許可申請の際に窓口対応をしてくれる職員については、地域差というより個人差が大きいような気がします。
たとえば見るからに若手の職員さんが窓口対応してくれた際には、こちらが質問するたびに「確認してきます」と上席のデスクに駆け寄っていく微笑ましい(?)姿を見ることがたびたびあります。
かと思えば、一切笑顔を見せることなく淡々と手続きの説明を行う「ザ・役人」というベテランの職員さんに当たることもあります。
まぁやはり相性というか個人差ですね。
さて、それでは立入検査にやってくる衛生監視員はどうでしょうか?
立入検査について気をつけるべきポイントについてはこちらの記事で詳しくご案内させていただいています。
これは地域差を感じます。
事前にチェックして改善点があればお店側にも伝えていますし、たとえばシンクが1ヶ所にしか設置されていないようなイレギュラーな案件をまだ受けたことがないので大きな指摘を受けたこともありません。ただ重点的にチェックするポイントは各機関で明らかに違いますし、所要時間もまちまちだったり細かい質問が飛んできたりと、ある程度の地域差を感じるのは事実です。
なお、どこが厳しいとか緩いとかいうことはあくまで主観になりますし語弊も生じるのでここではあえて触れません。ごめんなさい。
まとめ
我が家ではホワイトシチューをライスにかけてハヤシライスのようにして食べます。
阪本家のローカルルールです。皆さまのご家庭にもローカルルールはありませんか?
各機関に事務が振り分けられている以上、地域差が生じるのは当然です。ただ慣れたから良いとはいえ、同じ申請に対して異なる対応が存在することに煩わしさを感じるのも事実です。まぁそこは手続きの専門家ですので、どの地域のローカルルールにもしっかり対応させていただいております。
さて、最後に「神戸」つながりでオススメの飲食店をご紹介したいと思います^^
今回営業許可を取得したのはこのお店ではありません。また、事前に記事にさせていただくことについては承諾を得ています。グルメサイトではないので詳しくは説明いたしません。店名を看板の名前からググってみてください。
あ、私は尼崎市も神戸市も兵庫県はすべて好きです。もちろん大阪も。飲食店や深夜営業など開業のお手続きでお困りでしたらどうぞお気軽にお問い合わせください。
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