Aタイプ?Bタイプ?車検証の違いとは
自動車検査証(以下、車検証)をまじまじと観察する機会も少ないとは思いますが、車検証にAタイプとBタイプの2種類が存在することをご存じの方はそう多くないのではないかと思います。
一般的な車検証はAタイプと呼ばれるものですが、2009年以降は新たに「Bタイプ車検証」が交付されるようになり、これによって自動車を大量に保有するリース会社やファイナンス会社等における車両管理の簡略化が図られるようになりました。
Aタイプ車検証
そもそも車検証は、検査時点において自動車(総排気量250㎥を超える自動二輪車を含む)が保安基準に適合していることを証明したり所有者や使用者を公証するための公文書です。
したがって本来の車検証には所有者、使用者、使用本拠の位置が記載されているのが通常で、この車検証が「Aタイプ」と呼ばれるものになります。
Bタイプ車検証
オートローンやリースで所有権が留保されるような場合であって、かつ所有者がその登録内容の通知を希望する場合には、所有者記載欄の位置が異なる「Bタイプ」の車検証が交付されます。具体的にBタイプ車検証には、Aタイプ車検証の備考欄に該当する位置に所有者が記載されています。
なお、通知を希望しない場合は従来通りAタイプ車検証が交付され、所有者と使用者が同一の場合にはそもそもAタイプ以外の車検証は交付されません。
制度の趣旨
自動車は所有者が変わる度に移転登録をして車検証の交付を受ける必要があることから、譲渡が行われたり法人が合併したりするたびに車検証を変更する必要が生じます。このため大量の所有権を有するリース会社やファイナンス会社等では、取引のつど膨大な事務処理に追われます。
すなわちこの制度は、車検証における記載変更事務の手間を簡略化することを目的としています。
注意すべき点
車検証で「所有者」と「使用者」が別の場合は、車検証を使って手続きを行う際、所有者と使用者の両方の書類が必要になることがあるため注意しましょう。
移転登録など車検証に記載された事項について変更を行う際には所有者からの情報提供や書類提出が必要になるのですが、Bタイプ車検証の場合、所有者から「登録識別情報」という6桁の英数字からなるパスワードを確認してから手続きを行うことになります。
車検証は車検をはじめ自動車に関する各種手続きを進める上で必ず求められる重要な書類です。記載内容によっては手続きが複雑化したり受取り自体を拒否される事態もありえます。いまいちど保管する車検証を確認し、実態と異なる点がないかを把握するようにしましょう。