2025年の風営法改正と無許可営業に対する規制強化について
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近年は、ホストクラブ等の利用客が、いわゆる「色恋営業」といわれる営業方法に乗せられ、高額な利用料金の売掛けによる借金を背負い、その返済のために望まぬ売春をさせられる等の事例が相次いでいることが問題視されていました。
これを受け、政府は風俗営業及び性風俗営業を所管する風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)の改正を行い、2025年中には公布・施行を予定しています。
改正風営法は、ざっくりと、①接待飲食営業に係る順守事項・禁止行為の追加、②性風俗店によるスカウトバックの禁止③無許可営業等に対する罰則の強化及び④風俗営業からの不適格者の排除を、新たな4本柱として構成されています。
弊所は風俗営業や性風俗営業の手続きに接する機会が多く、風営法をはじめとする関連法令の動向について常に注視しており、相応の知己と知見を有することを自負してします。
そこで本稿では、2025年に改正施行される風営法の骨子とその内容について、ざっくりと解説していきたいと思います。
接待飲食営業に係る順守事項・禁止行為の追加
接待飲食営業に係る順守事項・禁止行為の追加について、具体的には、料金に関する虚偽説明や客の恋愛感情等に付け込んで飲食等をさせる「色恋営業」等を接待飲食営業を営む風俗営業者がしてはならない行為として順守事項に規定し、違反した場合は公安委員会が営業停止を命じることができるようになります。
また、接待飲食営業者には、客がその支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担することがないようにするために必要な措置を講ずることが義務づけられます。
さらに、女性客に注文や料金の支払い等をさせる目的で威迫することや、威迫等によって料金支払いのために売春(海外売春を含む)や性風俗店勤務、アダルトビデオへの出演等を要求することも明確に禁止されることとなり、違反者に対する罰則が設けられています。
性風俗店によるスカウトバックの禁止
女性客がホストに対する売掛金を支払うため性風俗店に勤務するケースでは、ホストがスカウトに性風俗店への紹介を依頼し、スカウトから女性客を紹介された性風俗店が紹介料を支払う「スカウトバック」という仕組みが常態化しており、かねてより問題視されていました。
職業安定法においては、性風俗店に違法なあっせんをして、「スカウトバック」を受け取った側については罰則が設けられていますが、報酬を支払った性風俗店側にはこの規制が及んでおらず、このことが法の抜け穴となっていたという事実があります。
2025年の風営法改正では、この点を改正し、スカウトバックの制度そのものを禁止するとともに、違反者に対しては、「6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金」という罰則が適用されることとなります。
無許可営業等に対する罰則の強化
旧風営法においても、無許可営業に対しては、「2年以下の懲役若しくは200万以下の罰金又は併科」という厳しい罰則が設けられていましたが、実態として200万以下の罰金では、接待飲食営業の売上規模に対する罰則として十分とは言えないため、違反者に対する罰則が大幅に強化されることとなります。
具体的には、経営者や個人の違反者に対して「5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金」、法人の違反者に対しては「3億円以下の罰金」が科されます。
法人に対する罰金刑の上限が、200万円から実に150倍となる「3億円」に引き上げられたことから、政府や警察庁の取締りに対する本気度をうかがい知ることができるのではないかと思います。
風俗営業からの不適格者の排除
前述した通り、無許可営業等に対する罰則が大幅に強化されることから、不適格者に対する大規模な取締りが実施され、逮捕者が続出することが予想されます。
また、風俗営業許可の取り消し処分を受けた場合、5年間は営業を認められないという規定がありながら、行政処分が出る前の一定期間内に営業を廃止した場合はこの規定は適用されないという「処分逃れ」を不可能とする期待が盛り込まれるほか、系列店等密接に関係する店舗についても営業を認められないようになります。
特に気をつけるべき点
改正風営法は、ホスト等に対する規制強化を意識したものであることは明白ですが、この規制強化は、何もホストクラブに限定して適用されるものではありません。
風営法には、「ホスト」や「ホストクラブ」を定義する条文は存在せず、風営法上は、「キャバレー、待合、料理店、カフェその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」(社交飲食店)の一営業形態としてホストクラブが位置付けられているに過ぎません。
このため、ホストクラブのみを狙い撃って規制することは法の趣旨に馴染まず、キャバクラ、ラウンジ、スナック等の「接待」を提供する飲食店であれば、これらの規制が否応なくすべて適用されることとなります。
また、大阪万博に向けて「浄化作戦」が実行されていたことは肌感として感じていましたが、改正風営法により罰則が強化されたことから、無許可営業に対しては、さらに大規模な取締りが実施されることが予想されます。
いずれにせよ、旧来それとなく漂っていたなあなあな空気は完全に払拭されているので、違法営業とならないよう、風営法を中心に、周辺知識についてはしっかりと習得するようにしてください。
まとめ
風俗営業や性風俗営業等については、世間や行政から厳しい目が向けられているという現実はありますが、法令がその存在を認め、規制内容を遵守する限りにおいて、これらの営業は立派なビジネスモデルです。
これからも段階を経て、風営法は繰り返し改正されるように思います。何となく「グレー」と考えていたことも、漆黒の「ブラック」として突き付けられる可能性もあります。
ビジネスであるからには適法な営業を心がけ、世情や規制について常にアンテナを張り、後手に回ることなく先を見据えながら計画を立てるようにしてください。
弊所は関西圏を中心に、年間数十件の店舗と300件以上もの申請に携わります。そのうちの多くは風俗営業の許可申請や深夜酒類提供飲食店の届出が占め、風営法関連の手続きは弊所におけるキラーコンテンツのひとつとなっています。また、最近は首都圏・四国圏・東海圏・中国圏・九州圏・東北圏からも発注があり、着々と活動地域を拡大しています。
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