麺を製造販売するために必要な許可とは│めん類製造業許可について

生めん

食品に関する営業許可制度は複雑です。例えばラーメン店が店内でラーメンを提供する際は、飲食店営業許可の範囲内で行うことができます。また、同一施設内において自家製麺を製造する場合も、飲食店営業許可のみで行うことが可能です。ところが、飲食の施設と製めんの施設とが隣接していても、同一の施設とみなしえない場合には、別にめん類製造業の許可が必要となります。知らずに無許可で営業すれば罰則の対象ともなる食品取扱業の中から、本稿では特にこの製めん業についての許可や手続きを抜粋してご案内したいと思います。ラーメン店、うどん店、お蕎麦屋さん等、めんを使用するお店の開店をご検討中の皆さまは、ぜひご確認の上ご参照ください。

めん類製造業とは

まずは「めん類製造業」の定義について確認していきましょう。めん類製造業とは、生めん、ゆでめん、乾めん、そば、マカロニなどを製造する営業をいいます。

え?じゃあラーメン店やうどん店は皆めん類製造業なの?

こう考えた方が多いように思います。この辺が非常に分かりにくい部分なのですが、一般的にラーメン店やうどん店は飲食店営業許可を取得しており、この許可の範囲内で店内において麺類を飲食物として提供することが出来ます。もちろん自家製麺を飲食店内で製造することも可能です。ただし、麺類を袋詰めに包装して販売したり、インターネット上の注文によって販売する場合には、「めん類製造業」とみなされ、別に「めん類製造業許可」を取得する必要性が生じます。また、飲食の施設と製めんの施設とが隣接していても、同一の施設とみなしえない場合には、同様に「めん類製造業」とみなされ、やはり「めん類製造業許可」を取得する必要があります。まとめると、下表のようなイメージになります。

具体例必要となる許可
店内で麺類を飲食させる場合飲食店営業許可
自家製麺を飲食店内で製造する場合飲食店営業許可
麺類を袋詰めに包装して販売めん類製造業許可
インターネット上で麺類を販売する場合めん類製造業許可
隣接する飲食施設と製めん施設が同一の施設とみなしえない場合飲食店営業許可

めん類製造業許可

めん類製造業許可

めん類製造業を営む際は、都道府県知事が定めた基準に適合させた上で、その許可を受ける必要があります。したがって、その基準は各自治体ごとに異なっています。本稿においては大阪府豊中市における基準を下敷きに記述しておりますので、他地域については、各地域の担当部署に必ず確認するようにしてください。なお、申請は製造場所の所在地を管轄する保健所に対して行い、基準等の確認についても保健所が行います。

共通基準

こちらは飲食店と同様の、食品取扱者すべてに求められる基準です。

  1. 営業の施設は衛生上支障のない場所に設置すること
  2. 営業の施設は住居その他営業の施設以外の施設と明確に区分すること
  3. 作業場は使用目的に応じて適当な広さを有し、かつ、十分な明るさを確保することができる照明の設備及び換気を十分に行うことができる設備を設けること
  4. 作業場の床は次に掲げる要件を備えること
    • 排水溝を有すること
    • 清掃が容易にできるよう平滑であり、かつ、適当な勾配のある構造であること
    • 水その他の液体により特に汚染されやすい部分は、耐水性材料(厚板、モルタルその他水により腐食しにくいもの)で造られていること
    • 作業場の床面と内壁面との接合部分及び排水溝の底面の角は、適度の丸みをつけ、清掃が容易にできる構造であること
  5. 作業場の内壁は清掃が容易にできる構造とし、床面からの高さが1.5mまでの部分及び水その他の液体により特に汚染されやすい部分は、耐水性材料で造られていること
  6. 作業場の天井は隙間がなく、清掃が容易にできる構造であること
  7. 営業の施設は、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ構造であること
  8. 営業の施設及び機械、器具類は、製造量、販売量、来客数等に応じて十分な規模及び機能を有するものを設けること
  9. 器具の洗浄、消毒、水切及び乾燥の設備を設けること
  10. 洗浄の設備は、熱湯を十分に供給できるものであること
  11. 固定した設備又は移動が困難な設備は、洗浄が容易にできる場所に設けること
  12. 機械は食品又は添加物に直接接触する部分が不浸透性材料(ステンレス、石、コンクリートその他水が浸透せず、かつ、さびないもの)で造られ、かつ、洗浄及び消毒が容易にできる構造であること
  13. 器具及び容器包装を衛生的に保管するための設備を設けること
  14. 添加物を使用する場合は、専用の計量器を備えること
  15. 原材料、添加物、半製品又は製品を保管する設備は、それぞれ専用のものとし、及び温度、湿度、日光等に影響されない場所に設ける等衛生的に保管ができるものであること
  16. 冷蔵庫(摂氏10℃以下に冷却する能力を有するものに限る)、冷凍庫その他温度又は圧力を調節する必要のある設備には、温度計、圧力計その他必要な計器を見やすい位置に備えること
  17. 飲用に適する水を十分に供給できる衛生的な給水設備を専用に設けること
  18. 十分な容量を有し、不浸透性材料で造られ、清掃が容易にでき、及び汚液、汚臭等が漏れない構造である廃棄物容器を設けること
  19. 便所には、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備を設けるとともに、その出入口及びし尿くみ取口は、衛生上支障のない場所にそれぞれ設けること
  20. 消毒薬を備えた流水受槽式手洗い設備を、適当な場所に設けること(ただし、魚介類販売業を除き、露店により営業を行う場合又は自動車により営業を行う場合にあってはこの限りでない)
  21. 従業員の数に応じて、更衣室その他更衣のための設備を設け、及び専用の外衣、帽子、マスク、履物等を備えること
  22. 露店により営業を行う場合又は自動車により営業(魚介類販売業を除く)を行う場合は、次に掲げる要件を備えること。
    • 流水受槽式手洗い設備を有しないときは、消毒用アルコール、逆性石けん等を含ませた綿を十分に入れた容器を備えること
    • 直接排水ができない場合は、水その他の液体が浸透しにくい材質で、かつ、洗浄が容易にできる排水容器を備えること
  23. 露店により営業を行う場合は、当該営業に係る施設について、屋根を設け、及び覆いをする等により、調理し、又は加工するための設備にほこり、ちり等が入らない構造とすること
  24. 自動販売機は、屋内に設置すること。ただし、ひさし等により雨水を防止できる場合にあっては、この限りでない
  25. 自動販売機の設置場所の床面は、不浸透性材料で造られ、かつ、清掃が容易にできる構造であること

業種別基準

共通基準に加えて、以下がめん類製造業許可に必要とされる基準になります。

  1. 加熱し、又は冷却するための場所の床及び内壁は、不浸透性材料で造られていること(内壁のうち、床面からの高さが0.5mを超える部分は、耐水性材料で造ることができる)
  2. 乾燥した製品を製造する場合は、乾燥場又は乾燥室をそれぞれ専用に設けること(機械により乾燥させる場合にあっては、この限りでない)
  3. 製品の運搬に用いる容器及びすのこを乾燥させ、及び保管するための設備を設けること
  4. 製品を直接包装する場合(機械により自動的に包装する場合を除く)は、ステンレス又は合成樹脂で造られた包装台を専用に設けること
  5. 袋詰麺類(乾燥麺類及び簡易な袋詰めによるものを除く)を製造する場合は、袋詰めの後に殺菌をするための設備を設けること

許可申請手続き

以下は、飲食店の営業許可を取得するために必要となる手続きの流れです。

①事前相談及び準備(工事着工前)

②申請書類等の提出(開店の2週間前までに)

③食品衛生監視員による施設調査

④許可書の交付

⑤営業開始

事前相談及び準備

  • 施設の工事前に、施設平面図(機器配置を含む)等を出店地を管轄する保健所に持参し、施設基準等の説明を受けます。 
  • 食品衛生責任者の資格を取得します。 
  • 「営業施設の基準」「公衆衛生上講ずべき措置の基準」が都道府県や市の条例で定められていますのでご確認ください。  

現在はコロナ禍の影響により、食品衛生責任者の講習が開催されにくい状況となっています。この場合、必ず講習を受けることを誓約した誓約書を食品衛生責任者の資格を証明するものの代わりとして添付します。なお、尼崎市においては誓約書の添付ではなく、食品衛生責任者講習の受講申込と受講料(7500円)の納付が求められます。このように、地域ごとに取扱の違いがありますので、必ず所轄の保健所に問い合わせを行うようにしましょう。

食品衛生責任者

めん類製造業を営業する際は、営業所ごとに食品衛生責任者を選任する必要があります。同敷地内であれば、飲食店の食品衛生責任者がこれを兼任することが可能です。詳しくは下の埋め込み記事でご確認ください。

飲食店営業許可の概要について

まとめ

この許可の存在を知らないまま、悪意なく生めん等を製造販売しているケースは意外に多いのではないでしょうか。めん類は国民食といっても過言ではないくらい日本人の食生活に浸透しています。それだけに、食品として厳しく衛生管理を求められることは、いわば当然なのかもしれません。食品を扱う業種である以上は、最低限、どのような形態で何を販売し、その際にはどのような手続きが必要とされるのかについて、しっかりと理解するように心がけましょう。

弊所ではめん類製造業の取得の代行をサポートしています。保健所との事前協議もサービスに含まれますので、どうぞご遠慮なくご活用ください^^

飲食店営業許可
新規申請
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飲食店営業許可

めん類製造業許可申請
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(5/31まで)
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