日本一厳しい?芦屋市屋外広告物条例について
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兵庫県においては、神戸市や尼崎市を含む14の市が景観行政団体とされています。芦屋市も平成26年4月にこの景観行政団体となり、これを受け、平成28年7月1日より芦屋市屋外広告物条例を施行しています。
本稿では「日本一厳しい」と名高い芦屋市屋外広告物条例について紹介するとともに、市内において広告物を掲出しようとする際に必要となる手続きについてもご案内したいと思います。
目 次
屋外広告物とは
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屋外広告物とは、常時又は一定の期間継続して、屋外で、公衆に表示されるものをいいます。看板やポスターなどのほか、営利非営利の別を問わず、壁面に直接表示する文字や、商品名、シンボルマーク、写真、のぼりなど、第三者に一定のイメージを与えるものが屋外広告物に該当します。
規制の概要
禁止物件
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禁止物件とは、広告物を掲出することができない物件のことです。例えば橋やトンネル内では広告物を掲出することができません。また、電柱や街灯などの「はり紙等禁止物件」においては、はり紙やはり札、広告旗、立看板を掲出することができません。
禁止広告物
禁止広告物とされている広告物については、いかなる場合においても掲出することは許されません。これらに該当する広告物は著しく街の美観を損ねたり、又は掲出することで市民に危険を及ぼす可能性があるからです。
適用除外
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禁止物件においても、公共性の高い一定の広告物については例外的に許可を得ることなく掲出することができます。例えば公職選挙法による選挙ポスターについては、橋やトンネル内においても掲出することができます。
このほか、市長の許可を受けることで禁止物件に掲出することができる広告物や、禁止物件以外においては市長の許可を受けることなく掲出することができる広告物がありますので、それぞれ上の資料で確認するようにしましょう。
地域の区分
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
芦屋市では7種類の広告物等規制地域を区分し、市全域をいずれかの地域に指定しています。それぞれの地域では、その区分に応じた地域ごとの基準が定められています。
共通基準
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全ての広告物に適用される共通の基準のうち、主なものは以下のとおりです。
- きつい色の組合せの禁止
- 屋上利用(建築物の高さを超える箇所に設置するもの)の禁止
- アドバルーンの禁止
- LED又はネオンサイン等の禁止
- 1文字当たりの面積は、1㎡以下(設置高さが15m超の場合2㎡以下)
地域ごとの基準
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各地域ごとに細かく基準が設定されています。非常に難解かつ多岐にわたるため、詳細については下記リンク(芦屋市公式サイト)にてご確認ください。
屋外広告物許可申請

屋外広告物を表示又は設置する場合は、原則として市長の許可を受けることが必要となります。上の資料を参考にして手続きを進めてください。
必要となる書類
新規・変更・更新のそれぞれで必要となる書類は異なります。下の表をもとに、正・副2部を提出してください。正本と副本で様式が異なりますのでご注意ください。
書類 | 新規 変更 | 更新 |
---|---|---|
屋外広告物許可申請書 (様式第1号) | 必要 | 必要 |
付近見取図、掲出場所のカラー写真(3ヶ月以内に撮影) | 必要 | 必要 |
広告物の形状、材料、構造に関する仕様書・構造図 | 必要 | 不要 |
広告物の色彩(マンセル値)、意匠、面積等を表した模写図 | 必要 | 不要 |
広告物と建築物との関係や壁面の状況を表した図面、既存広告物の形状、面積等を表した模写図、カラー写真 | 該当する場合 | 不要 |
施設管理者の同意書(様式は任意) | 該当する場合 | 該当する場合 |
既存広告物の自己点検結果報告書(様式第2号)、カラー写真 | 不要 | 必要 |
委任状(様式は任意) | 該当する場合 | 該当する場合 |
その他審査において必要と認める図書 | 該当する場合 | 該当する場合 |
道路占用許可道路使用許可
道路敷地や道路の上空に掲出する場合、別途、道路占用の許可申請(道路管理者)及び道路使用の許可申請(所轄警察署)が必要です。 表示又は設置される場合は事前に都市計画課と協議することが必要です。
工作物確認申請
高さが4mを超える広告物については、建築基準法による工作物確認申請が必要です。なお、屋外広告物許可後に申請することも可能です。
申請手数料・許可期間
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経過措置
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条例が施行された平成28年7月1日時点で、兵庫県屋外広告物条例に適合しているものについては、経過措置が適用され、市条例の基準に適合していなくても一定期間掲出を継続することができます。
県条例に基づく許可を取得している広告物
平成28年7月1日より3年(堅固なものは5年)の間は、そのまま掲出することができます。その期間を過ぎれば、撤去又は改修等の方法により、新条例の基準に適合させる必要があります。
撤去又は改修等ができないやむを得ない理由があり、経過措置の期間内に是正計画書を提出し、本市が認めたものについては、経過期間を最長で2年(堅固なものは5年)延長することができます。
許可を取得していない広告物がほかにある場合、変更の許可を取得せずにデザイン等を変更してしまっている場合、更新の許可を取得せず許可期間が満了している場合は、経過措置の適用が受けられないことがありますのでご注意ください。
県条例に基づく許可が不要な広告物
一定規模以下の自家用広告物等(自己の店名や事業名等)であれば、県条例に基づく許可は不要となっていますが、市条例では許可が必要な場合があります。この場合、平成28年7月1日から原則3年以内に許可を取得してください。3年を過ぎると条例違反となりますのでご注意ください。(現在措置期間は終了しています。)
県条例に基づく許可が不要な広告物の規模については、地域によって異なりますが、広告物の個数が一つの目安となります。個数が4個になると、ほぼすべての地域で許可が必要となります。ただし、4個以下であっても広告物の内容や面積によって許可が必要となる場合もありますのでご注意ください。
県条例に基づく許可が必要であるのに許可を取得していない広告物
経過措置の適用を受けることはできません。速やかに許可を取得する必要があります。既存の広告物について許可を取得する場合、安全点検等が必要になりますので、お近くの広告業者にご相談ください。
県条例の規定に違反している広告物
経過措置の適用を受けることも市長の許可を受けることもできません。速やかな是正が必要となります。
まとめ
各自治体とも屋外広告物に関する規制には独自色が色濃く出ますが、その中でも芦屋市については特に厳しい規制がなされているという印象を受けます。基準を読み込むのにもひと苦労ありますし、役所とのやり取りや厄介な図面の作成など、いざ取り組んでみるとその煩わしさに辟易するように思います。
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なお、本稿に出典させていただいた資料は、すべて芦屋市公式サイトからのものであることを申し添えておきます。
屋外広告物新規許可申請 | 38,500円〜 |
屋外広告物更新許可申請 | 27,500円〜 |
屋外広告物移転許可申請 | 27,500円〜 |
上記の申請 + 道路使用占用許可申請 | +38,500円〜 |
各種変更届 | 22,000円 |