尼崎市における屋外広告物許可の基準と手続き│申請の流れ・必要書類・更新までを行政書士が解説

店舗の看板や建物の壁面の広告、敷地に立てる広告塔といった屋外広告物は、事業者にとって集客や認知度の向上に直結する大切な媒体です。その一方で、広告物が無秩序に増えれば街並みの景観は損なわれ、強風や老朽化で倒壊・落下が起きれば通行人に危害が及ぶおそれもあります。そこで屋外広告物法は、広告物の表示や掲出物件の設置について、都道府県や政令指定都市、中核市が条例で規制できる仕組みを設けています。
尼崎市は中核市として独自に尼崎市屋外広告物条例を定めており、市内で広告物等を表示・設置する場合には、原則として市長の許可を受けることになります。許可を受けられるのは、条例と施行規則の基準に適合する広告物等に限られます。そのため、看板のデザインや大きさを決める前に、設置場所がどの地域区分に属し、どの基準が適用されるのかを把握しておくことが、手戻りを防ぐうえで欠かせません。
この条例と施行規則は令和6年4月1日に大きく改正され、許可期間の上限が3年に延びたほか、取付完了届の提出や有資格者による点検といった新たな義務が加わりました。改正前の情報をもとに手続きを進めると、提出すべき書類が足りなかったり、更新時に点検の要件を満たせなかったりするおそれがあるため、現行の規定に沿って準備を進める姿勢が求められます。
本稿では、改正後の条例と規則、尼崎市が公表している告示や手引をもとに、許可の要否の判断から地域区分の確認、許可基準、申請の流れと必要書類、審査手数料、許可後の届出、更新と変更の手続きまでを順に整理します。条例全体の概要や禁止物件、許可不要の広告物の詳細については、関連記事「尼崎市屋外広告物条例とは」もあわせてご覧ください。
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許可が必要な屋外広告物
屋外広告物法と尼崎市の条例では、常時または一定の期間継続して表示されること、屋外で表示されること、公衆に表示されること、看板や立看板、貼り紙、貼り札、広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出・表示されたもの、またはこれらに類するものであることという4つの要件をすべて満たすものを屋外広告物としています。営利目的かどうかや表示の内容は問われず、文字だけでなく、絵や商標、シンボルマークで一定のイメージを伝えるものも対象に含まれます。
市内で広告物等を表示・設置する場合、禁止地域等を除いて、あらかじめ市長の許可を受けることが原則です(条例第8条)。ただし、条例第18条は許可の規定が適用されない広告物等を定めています。たとえば、許可地域にある自分の店の看板(自家用広告物等)は、1事業所等につき表示面積の合計が10㎡以下、数量が3枚(基、個)以下、敷地に固定する広告板・広告塔の高さが15m以下であれば、許可は要りません。許可不要となるこの基準を一つでも超えると許可の対象になるため、既存の看板に新しい看板を追加する場面では、合計面積と数量を改めて数え直すことが大切です。
許可の期間は、令和6年の改正で「2年以内」から「3年を超えない範囲内」に延びました。上限は規則別表第2で広告物の種類ごとに定められており、恒常的に表示・設置する広告幕は「広告板によるもの」、恒常的に表示・設置する広告旗は「看板によるもの」とみなされます。
| 広告物の種類(規則別表第2) | 許可期間の上限 |
|---|---|
| 看板によるもの、広告板によるもの、広告塔によるもの、アーチを利用するもの、その他これらに類するもの | 3年 |
| 電柱を利用するもの、街灯を利用するもの、バス停留所又は消火栓の標識を利用するもの、アーケードを利用するもの、自動車に表示するもの、テントを利用するもの、その他これらに類するもの | 1年 |
| 貼り紙、貼り札、広告幕、アドバルーン、広告旗、立看板、その他これらに類するもの | 1月 |
許可期間の満了後も引き続き広告物等を表示・設置する場合は、更新許可を受けることになります。期間が延びたことで更新の手間は減りましたが、その分だけ満了日を意識する機会も少なくなります。許可書に記載された満了日を社内の管理台帳に登録し、後述する点検の時期とあわせて把握しておけば、更新の申請期限を過ぎてしまう事態を防ぐことができます。
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地域区分の確認
許可の基準は、設置場所がどの地域区分に属するかによって大きく変わります。尼崎市の条例は、市内を広告物等を許可を受けて設置できる「許可地域」と、原則として広告物等を表示・設置できない「禁止地域等」に分けています。禁止地域等は、規制の厳しさに応じて第1種から第3種までに区分されており、区分が重なる場所では、より厳しい種別として扱われます。
禁止地域等は条例第15条に12項目で定められています。第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域、景観地区、風致地区、特別緑地保全地区、伝統的建造物群保存地区のほか、文化財の周囲50m以内の地域、官公署や学校、図書館、公会堂、公民館、博物館、美術館、体育館、公衆便所の敷地、古墳、墓地、火葬場、葬儀場の敷地、社寺・教会の境域が含まれます。さらに、道路や鉄道から展望できる地域、都市公園、河川や港湾、駅前広場の周辺は、市長が指定する区域に限って禁止地域等となります。
このうち道路の沿道については、尼崎市告示第100号で、次の区域が第3種禁止地域等に指定されています。高速道路の沿道では、自社の敷地内であっても大型の看板や広告塔の設置が大きく制限されるため、該当する可能性がある場合は、計画の最初の段階で市に区域を確認しておくことが重要です。
| 道路 | 第3種禁止地域等として指定される区域 |
|---|---|
| 名神高速道路 | 路端から200m以内の区域 |
| 阪神高速道路大阪西宮線 | 路端から50m以内の区域のうち、路面からの高さが15m以下の部分 |
| 阪神高速道路湾岸線 | 路端から200m以内の区域 |
許可地域は、近隣商業地域と商業地域からなる「商業系地域」と、それ以外の地域に分かれます。ただし、市長が指定するJR尼崎駅周辺地域と阪神尼崎駅周辺地域は、近隣商業地域・商業地域であっても商業系地域から除かれ、その他の地域の基準が適用されます。駅前の繁華街だから基準が緩やかだろうと考えて計画を進めると、想定より小さな看板しか認められないことがあるため、用途地域とあわせて市の指定の有無も確かめておきましょう。
このほか、自己の敷地外に設置する野立看板や道標、案内図板については、規則で「特定区域」が定められています。特定区域は、いずれも用途地域内で駅構内を除いた区域であり、内訳は次のとおりです。
| 対象 | 特定区域の範囲 |
|---|---|
| 県道尼崎池田線 | 路端から100m以内 |
| 山陽新幹線 | 路端から200m以内 |
| JR福知山線、JR東海道線、阪急神戸線、阪神本線 | 路端から100m以内 |
| 猪名川、武庫川、藻川 | 河川区域の境界線から100m以内で、河川区域から展望できる区域 |
特定区域では、自己の敷地外に設置する一般的な広告板・広告塔(野立看板)は設置できません。道標や案内図板、案内誘導のための広告物には、表示面積や高さ、相互間の距離の基準が別に設けられています。鉄道や幹線道路、河川に近い土地に看板を出す計画では、禁止地域等の指定とは別に、この特定区域に当たるかどうかも確認しておくと安心です。
地域ごとの許可基準
許可の基準は、すべての広告物等に適用される「共通基準」と、広告物等の種類ごとに適用される「個別基準」の二層で構成されています。(規則別表第1)
申請する広告物等は、その両方に適合している必要がありますが、共通基準には、景観への配慮、裏面・側面の装飾、照明を使用する広告物の昼間の美観、蛍光塗料の使用禁止、幹線道路等に接する敷地の自光式広告物、画像を表示する広告物、点滅灯・回転灯、色彩、住居専用地域から見える広告物の照明という8項目が並びます。
共通基準のうち色彩の基準は、適用される条件が細かく定められており、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、準工業地域、工業地域で、幹線道路等に20m以上接する敷地の建築物の地上18mを超える部分に表示・設置する広告物等(表示期間1か月以内のものを除く)は、地色を次の基準に適合させます
ただし、基準に適合しない部分の面積の合計が外壁の面積の20分の1以下の場合や、地色部分の面積が20㎡以下の場合には、この基準は適用されません。
| 色相 | 基準 |
|---|---|
| R・YR・Y系 | 明度6以上・彩度3以下 |
| GY・G・BG・B・PB・P・RP系 | 明度7以上・彩度2以下 |
| 無彩色 | 明度7以上 |
個別基準は19区分に分かれており、その多くは商業系地域とその他の地域で数値に差が設けられています。建築物を利用する広告物と自己の敷地に固定する広告物について、地域による違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | 商業系地域 | その他の地域 |
|---|---|---|
| 屋上広告物の高さ | 10m以下かつ地上から設置箇所までの高さの3分の2以下 | 5m(準工業・工業・工業専用地域は7m)以下かつ地上から設置箇所までの高さの2分の1以下 |
| 屋上広告物・壁面広告物の上端の高さ | 52m以下 | 47m以下 |
| 壁面広告物の表示面積の合計 | 壁面の4分の1以下 | 壁面の5分の1以下 |
| 屋上広告物の露出ネオン・LEDサイン | 使用可 | 使用不可、急速な点滅も不可 |
| 敷地に固定する高さ5m超の広告物の露出ネオン・LEDサイン | 使用可 | 使用不可、急速な点滅も不可 |
| 置看板 | 道路上は設置不可 | 1方向2.5㎡以下・高さ1.5m以下、道路上は設置不可 |
壁面広告物の面積を計算する際は、LEDサインの表示面積を4倍して算入します。令和6年の改正では、同一意匠の広告物は1壁面に1枚とする原則が設けられました。その例外として、相互間の距離が10m以上ある場合、出入口1か所につき1枚で2㎡以下の店名等の場合、幅30cm以下の帯状広告物を1種類のみ設置する場合、管理用広告物等の場合が定められています。チェーン店のように同じロゴを複数の面に出したい場合は、この例外に当てはまるかどうかを図面の段階で検討しておくと、申請後の修正を減らせます。
個別基準とは別に、広告物等の総量も規制されています。高さが15mを超える建築物では、表示・設置する広告物等の表示面積の合計を、建築物の壁面の合計面積の2分の1以下に収めます。(条例第14条第1項)
また、市長が指定する区域と、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域では、一つの敷地内に表示・設置する広告物等(自家用広告物等を除く)の表示面積の合計が10㎡以下に制限されます。(同条第2項)
共通基準、個別基準、総量規制の全19区分の詳細は、関連記事「尼崎市屋外広告物条例とは」で一覧にしています。
許可申請の流れ
申請の窓口は、尼崎市都市整備局都市計画部開発指導課の都市美・屋外広告物担当です。尼崎市の手引では、計画の段階で許可基準を確認し、事前相談をしてから申請するよう案内されています。
申請書を提出した日がそのまま受付日になるわけではなく、事前審査を経て審査手数料を納付した時点で受付となる仕組みのため、設置工事の日程から逆算して余裕をもって準備を始めることが大切です。
| 順序 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 事前相談 | 設置場所の地域区分や許可基準への適合性を、図面をもとに市と確認する |
| 2 | 申請 | 許可申請書に必要書類を添えて提出する |
| 3 | 事前審査 | 書類の不足や基準への適合性を市が事前に確認する |
| 4 | 納付書の交付 | 事前審査を経て、審査手数料の納付書が交付される |
| 5 | 納付 | 審査手数料を納付する |
| 6 | 受付 | 領収書の写しを提出した日が申請の受付日となる |
| 7 | 審査 | 条例と規則の基準に基づいて審査が行われる |
| 8 | 許可 | 許可書が交付される |
| 9 | 設置工事 | 許可を受けた内容で広告物等を設置する |
| 10 | 取付完了届・管理者設置届 | 設置後に取付完了届と広告物等管理者の設置届を提出する |

事前相談は条例上の義務ではありませんが、ここで基準に適合しない点が見つかれば、看板の製作前にデザインや寸法を修正できます。特に、禁止地域等や特定区域に当たる可能性がある場所、総量規制の対象となる高層建築物、色彩基準が適用される幹線道路沿いの建築物では、相談の段階で市の見解を得ておくことが、結果として許可までの時間を短くする近道になります。
許可を受けた後も、内容の変更や改造・移転、更新、管理者や表示者の変更、広告物等の滅失や除却があれば、そのつど許可申請や届出が求められます。設置時の申請で終わる手続きではなく、広告物等を掲出している限り続く手続きだと捉えておくと、後の対応で慌てずに済みます。
新規申請の必要書類
新規の許可申請では、許可申請書に次の書類を添付します。(規則第2条第2項)建築物を利用する広告物等か、鉄道や道路の近くに設置するものかといった条件によって、添付する書類の範囲が変わります。
- 許可申請書
- 広告物等の位置を示す見取図と、表示・設置する場所の状況を示す申請前3か月以内に撮影したカラー写真
- 広告物等の形状、寸法、材料、構造を示す仕様書と構造図
- 広告物等の意匠、色彩を示す模写図
- 建築物を利用する広告物等の場合は、建築物の立面図と、既存の広告物等の表示・設置の状況を示す図面
- 道路、鉄道、他の広告物等、交通信号機、踏切との距離を示す図面
- 条例第14条第2項の総量規制が適用される区域の場合は、敷地内の既存の広告物等の配置を示す図面
- 他人の土地や物件に表示・設置する場合は、所有者または管理者の承諾書
- その他市長が必要と認める書類
このほか、手引では、道路上に突き出すなどして道路を占用する場合は道路占用許可書の写しを、代理人が申請する場合は委任状を添付するよう案内しています。申請書類は、更新や変更の申請の際に許可時の内容を確かめる資料になります。提出した書類一式の控えを保管しておけば、数年後の更新時に一から図面を作り直さずに済みます。
書類の中でつまずきやすいのは、仕様書・構造図と距離を示す図面です。構造図では、支柱や取付金具の材料と寸法、壁面への固定方法を示し、倒壊や落下のおそれがないことが読み取れるように描きます。距離を示す図面では、交通信号機や踏切から一定の距離を確保しているか、突出広告物の下端が道路面から4.5m(歩道上は2.5m)以上あるかを、実測した数値で示すことになります。
模写図は、審査で色彩や意匠の基準への適合性を判断する材料になります。蛍光塗料の使用の有無や、禁止地域等で彩度10以上の色を2色以下に収めているか、色彩基準が適用される場合はマンセル値で基準内に収まっているかを確認できるように、色の指定を具体的に記載しておくと審査が円滑に進みます。
審査手数料
審査手数料は、尼崎市の手引(令和3年版)で、広告物等の種類ごとに次のとおり定められています。手数料は改定されることがあるため、申請の際には最新の金額を市に確認してください。
| 広告物等の区分 | 審査手数料 |
|---|---|
| 看板・広告板・広告塔によるもので5㎡未満のもの | 1枚又は1基につき1,000円 |
| 同5㎡以上10㎡未満のもの | 1枚又は1基につき2,000円 |
| 同10㎡以上15㎡以下のもの | 1枚又は1基につき3,000円 |
| 同15㎡を超えるもの | 3,000円に、15㎡を超える5㎡又はその端数ごとに1,000円を加えた額 |
| アーチによるもの | 1基につき4,000円 |
| 宣伝車に設置するもの | 1台につき2,000円 |
| 車体に表示するもの | 1個につき300円(同一車体に7個以上表示するとき、又は1個の表示面積が3㎡を超えるものがあるときは、車体1台につき2,000円) |
| 電柱又は街灯を利用するもの | 1個につき300円 |
| バス停留所又は消火栓の標識を利用するもの | 1個につき300円 |
| アーケードを利用するもの | 1個につき300円 |
| はり紙・はり札 | 100枚につき300円(100枚未満・端数は100枚とする) |
| 立看板 | 1個につき300円 |
| 広告幕 | 1枚につき300円 |
| 広告旗 | 1個につき300円 |
| アドバルーン | 1個につき800円 |
| その他 | 1枚、1基又は1個につき300円 |
手数料は広告物等の1枚または1基ごとに算定されるため、同じ建物に複数の看板を設置する場合は、それぞれの面積区分に応じた金額を合計して納付することになります。表示面積は広告物の表示面ごとに数えるのが基本ですから、両面に表示する突出看板や、複数の方向に表示面をもつ広告塔では、面積の計算方法を事前相談の段階で確認しておくと、納付額の誤りを防げます。
審査手数料は審査に対する対価であり、審査の結果、許可を受けられなかった場合でも返還されないのが通例です。基準への適合に不安が残る計画は、手数料を納付する前の事前相談の段階で市の見解を得ておくことが、費用面でも合理的な進め方といえます。
更新の申請や変更等許可の申請にも審査手数料がかかります。複数年にわたって広告物等を掲出する場合は、許可期間ごとに更新の手数料と点検の費用が発生することを見込んで、看板にかかる費用全体を計画しておくとよいでしょう。
許可後の届出と管理者の設置
令和6年の改正で新設された取付完了の届出により、看板、広告板、広告塔、アーチを利用する広告物等について許可を受けた場合は、取付けが完了した後、速やかに、広告物の状況がわかるカラー写真を添えて、広告物等取付完了届を提出することになりました。市はこの届出によって、許可した内容のとおりに設置されているかを確認します。工事業者に写真の撮影を依頼する際は、広告物の全体と設置場所の状況が一枚で分かる構図を指定しておくと、撮り直しの手間を省けます。
許可を受けた広告物等を表示・設置する者は、広告物等を管理する「広告物等管理者」を置いて、市長に届け出ることになります。改正前は、市内に住所や事業所をもたない者が設置する場合、市内か隣接する市に住所を有する者を管理者とする扱いでした。改正後は、広告物等の設置場所に1時間以内に到達できる区域として市長が適当と認める区域に、住所または勤務場所がある者であれば足りるとされ、市外に本社を置く事業者でも管理者を選びやすくなっています。
一定の規模を超える広告物等については、管理者に資格が求められます。対象となるのは規則別表第13に掲げる次の4種類の広告物等です。
- 土地に固定して表示・設置する広告板、広告塔その他これらに類するもので、高さが4mを超えるもの又は表示面積が10㎡を超えるもの
- 建物を利用する広告物等(屋上利用、壁面利用、壁面から突出するもの)で、表示面積が5㎡を超えるもの(壁面に塗料等で直接描画したもの、タイル等で表示したものを除く)
- アーチを利用するもの
- 街路灯に添架するもの
これらの広告物等の管理者に求められる資格は、屋外広告士の試験合格者、都道府県・指定都市・中核市が開催する屋外広告物講習会の修了者、広告美術仕上げに関する職業訓練指導員免許の取得者・技能検定の合格者・職業訓練の修了者、これらと同等以上の知識・技能を有するとして市長が認定した者、建築士、電気工事士またはネオン工事に係る特種電気工事資格者、第1種・第2種・第3種電気主任技術者の7種類です(規則第15条の2)。社内に有資格者がいない場合は、看板の施工業者や管理を委託する業者の有資格者を管理者として届け出る方法も検討に値します。
許可を受けた広告物等には、許可を受けている旨と許可番号、許可期間の満了日を記載した表示をすることになります。表示がなければ、市の巡回や近隣からの通報の際に無許可の広告物と誤認されかねません。取付工事の段階で、見やすい位置に表示を取り付けるよう施工業者に伝えておきましょう。
更新と変更の手続き
許可期間の満了後も引き続き広告物等を表示・設置する場合は、更新許可を申請します。申請の期限は、許可期間が30日を超えるものは満了日の30日前まで、30日以内のものは満了日の10日前までです(規則第8条の2)。期限を過ぎると更新としては扱われず、新規の許可申請からやり直しになるおそれがあるため、満了日の2か月程度前には準備に取りかかるのが現実的です。
更新の申請書には、広告物等の点検結果報告書と、広告物等の現況を示すカラー写真を添付します。広告物等を表示・設置する者と管理者には、広告物等の劣化や損傷の状況を点検する義務があります。(条例第21条)。
規則別表第13の4種類の広告物等のうち、設置から8年を経過したものについては、管理者の資格を持つ者か、一般社団法人日本屋外広告業団体連合会が実施する点検の講習で市長が定めるものを修了した者に点検させることとされています。(規則第18条)。この有資格者による点検は、令和8年3月31日までは努力義務でしたが、同年4月1日からは義務となり、更新の際には点検者の資格を証する書類の写しも求められます。
許可を受けた広告物等の表示内容を変更したり、改造や移転をしたりする場合は、あらかじめ変更等許可を受けることになります。申請には、変更する部分について新規申請に準じた図面や写真を添付します。一方で、形状や材料、構造、色彩、意匠、表示面積を変えない修繕や塗装替え、許可期間中に同じ事業内容の広告物へ取り替えることといった軽微な変更であれば、変更等許可は要りません。テナントの入れ替わりで看板の表示を変える場合は、事業内容が変わるかどうかで扱いが分かれるため、事前に市へ確認しておくと確実です。
許可の内容とは別に、届出で足りる手続きもあります。広告物等を表示・設置する者や管理者に変更があったとき、氏名や住所が変わったとき、広告物等が滅失したときは、速やかに市長に届け出ます。許可期間の満了や許可の取消し、広告物等が不要になったときは、直ちに広告物等を除却してその旨を届け出ることになり(条例第22条)、店舗の閉店や移転の際に看板を撤去したまま届出を忘れるケースが少なくありません。
他法令の手続き
屋外広告物の設置では、条例の許可だけで手続きが完結しない場合があります。代表的なのが、建築基準法に基づく工作物の確認申請です。高さが4mを超える広告塔や広告板は、建築基準法上の工作物として確認申請の対象となり、確認済証の交付を受けてから工事に着手することになります。条例の許可とは審査する機関も基準も異なるため、両方の手続きの日程を並行して組んでおくことが大切です。
道路の敷地内に広告物等を設置したり、壁面から突き出した看板が道路の上空に及んだりする場合は、道路法に基づく道路占用許可を道路管理者から受けることになります。設置工事のために足場を組んだり、高所作業車を路上に停めたりする場合には、所轄警察署長の道路使用許可も必要です。占用許可書の写しは屋外広告物の許可申請の添付書類にもなるため、占用許可を先に取得しておくと手続きが円滑に進みます。
看板の取付工事を請け負う業者は、屋外広告業の登録を受けている必要があります。尼崎市内で屋外広告業を営むには、尼崎市長の登録を受けるか、兵庫県知事の登録を受けたうえで尼崎市長に特例届出を行うことが求められます。登録のない業者に工事を依頼すると、施工の品質や安全管理に不安が残るだけでなく、許可後の管理や点検の相談先としても頼りにくくなるため、契約の前に登録の有無を確かめておきましょう。
条例には罰則も設けられています。許可を受けずに広告物等を表示・設置した場合は30万円以下の罰金(条例第52条)、市長の措置命令に違反した場合は50万円以下の罰金(条例第51条)が科されることがあり、法人の従業者が違反した場合は法人にも罰金が科されます。罰則に至らなくても、市から是正や除却を求められれば看板の作り直しや撤去の費用が生じるため、設置前の確認と許可の取得が結果的に最も負担の少ない進め方になります。
まとめ
尼崎市で屋外広告物を表示・設置する際は、まず許可不要の基準に収まるかを確認し、収まらない場合は設置場所の地域区分を特定するところから手続きが始まります。許可地域か禁止地域等か、商業系地域かその他の地域か、高速道路沿いの第3種禁止地域等や特定区域に当たるかによって、認められる広告物の大きさや高さ、照明の使い方が大きく変わります。
申請では、規則第2条第2項に定める見取図、カラー写真、仕様書・構造図、模写図に加え、設置条件に応じた図面や承諾書を揃えます。事前審査を経て手数料を納付した日が受付日となるため、設置工事の日程から逆算して早めに事前相談を始めておくことが、スムーズな許可取得につながります。
令和6年4月の改正では、許可期間の上限が3年に延び、管理者の住所要件も緩和されました。その一方で、取付完了届の提出、一定規模以上の広告物等の有資格の管理者、設置から8年を経過した広告物等の有資格者による点検が新たに求められるようになりました。点検は令和8年4月1日から義務化されているため、更新を控えた広告物等の点検の手配は、早めに進めておきましょう。
弊所では、尼崎市をはじめ近隣他市での屋外広告物許可申請、更新申請、変更等許可申請、各種届出の手続きを代行しています。図面の作成や基準への適合性の確認、市との事前相談まで一括してお任せいただけますので、看板の新設や更新をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
屋外広告物に関する手続きのご相談はお気軽に♬
尼崎市の全域に対応可能です。
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