古物商許可申請における警察の現地調査(現場確認)について

警察官

古物商許可を取得しようとされるお客様からよく受ける質問に、警察は現地調査に来ますか?というものがあります。

やましいことは無いにせよ、それなりに圧力のある人物が自分のテリトリーに来訪するかもしれないと考えてやきもきすることは、しごく真っ当な生理現象といえるでしょう。小中学生の頃、担任の先生が家庭訪問に来る日は何だかそわそわしたことを思い出します。

そこで本稿では、弊所が携わった古物商許可申請において得た知見の範囲で、古物商許可申請における警察の現地調査について詳しく解説していきたいと思います。

許可制度の目的

そもそも古物商に許可制を採用している目的は、窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することにあります。

そのため、流通の中継点となる古物商の営業所がどこに所在してどのような取引が行われているかという点は、制度上の重要な要素となります。

現地調査

現地調査とは、許可申請に関する行政官庁による審査の一環として行われる営業所等に係る調査をいいます。すべての許認可申請について現地調査が実施されるわけではなく、目的や業種、営業の性質によって実施されるものとそうでないものとがあります。

代表的な事例でいうと、飲食店営業許可申請時の保健所によるものや、風俗営業許可申請時の警察署によるもの等が該当しますが、これらに関しては営業所の施設及び設備について構造上の基準が設けられているため、現地調査は手続上必要不可欠な審査となります。

それでは古物商の許可申請において警察による現地調査が実施されるかどうかについてですが、この点について警察は、「申請があれば現地を確認する」ことを明言しています。

ただし、その性格は「調査」というよりも「確認」に近く、担当者が自宅や営業所内に直接立ち入るといったことは稀で、外部から視認による確認をすることが多いようです。

現地確認の対象

警察官による現地確認が実施されるにせよ、「怠けずしっかり働いているか」を確認しにくる訳ではありません。

現地確認はあくまでも申請書に記載した「営業所」の実在性や独立性について行われるものであり、営業所内部に立ち入ってまで調査を行うかどうかについては「事例による」としか言えません。

ただし、実際に内見を求められたという事例があることは見聞しています。

実在性の確認

実在しない場所が営業所として登録されてしまうと規制の目的を達することができなくなるおそれがあるため、監督を行う警察ではその実在性を確認する必要があります。

独立性の確認

古物商の営業所には古物台帳等を備え付ける必要がありますが、第三者が古物台帳の内容を盗み見したり不正に書込みを行うこと等を防止するため、営業所はその独立性を確保する必要があります。

物品の保管・管理場所の確認

中古車等、大型の物品を取引する場合は、その保管場所となる駐車場についても確認が行われます。

注意すべきポイント

個人申請の場合は営業所を自宅とするケースが多くありますが、その独立性を主張するためには、原則として申請者個人のみが使用する部屋を営業所とする必要があります。

また、法人申請の場合、例えばコワーキングスペースといったオープンな環境や、バーチャルオフィスのように「場所」のみを確保した環境も営業所としては認められません。

かつてはレンタルオフィスやバーチャルオフィス、コワーキングスペース等について営業所として使用することが認められない時代がありましたが、法改正後はこれらの施設であっても、広く認められることが増えました。

なお、同一の場所において複数の法人を運営している場合は、たとえその法人の運営が同一人によるものであったとしても、別法人としてそれぞれ別の営業所を設置する必要があるほか、管理者についても同一人がこれを兼ねることはできません。

まとめ

警察の現場確認があるからといって特段大きな不安を感じる必要はなく、営業所や保管場所の実在性と独立性が証明することができれば手続きとしては完結します。

その一方で、これから営業を開始するにあたっては、いつ誰が訪問してきても良いように、常日頃からしっかりと備える必要があります。

もし申請や警察とのやり取りについて不安な点がありましたら、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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