共同認定の進め方│日本版DBSで指定管理・業務委託の放課後児童クラブが認定を受ける方法を行政書士が解説

学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(以下、こども性暴力防止法)の認定は、民間教育保育等事業者が自ら事業を行う場合は単独で申請しますが、市町村が放課後児童クラブの運営を民間の法人に委託している場合のように、事業を行う者と実際に運営する者が分かれている場合は、両者が共同で申請する「共同認定」を受けることができます。共同認定では、性犯罪歴の確認や防止措置、情報管理といった法律に基づく措置を、両者が役割を分けて担うことになるため、申請の前に、誰が何を担うのかを具体的に決めておくことが求められます。
本記事では、こども家庭庁のQ&Aに沿って、共同認定の対象となる場面、単独認定との選び方、申請の方法と手数料、役割分担の考え方、認定が取り消された場合の欠格期間までを行政書士が解説します。
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共同認定とは
共同認定とは、民間教育保育等事業者が、指定管理や委託によって事業所の管理を任せた「事業運営者」と共同で申請し、受ける認定です。民間教育保育等事業者が自ら事業を行う場合に受ける単独認定と異なり、法律に基づく措置を両者が分担して行うことを前提とした仕組みです。
ここでいう事業運営者は、民間教育保育等事業者から指定管理や委託を受けて、事業の運営全体を担う者をいいます。建物の清掃や設備の保守のように、施設の維持管理だけを任されている者は、事業運営者には当たりません。
共同認定の対象となる場面
共同認定の対象となるかどうかは、事業の運営全体を他の者に任せているかどうかで判断します。Q&Aは、対象となる場面と、対象とならず単独で申請する場面を、以下のように示しています。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 共同認定の対象となる場面 | 市町村が、放課後児童クラブの運営全体を民間の法人に委託している場合 |
| 共同認定の対象となる場面 | 民間の事業者が、認可外保育施設の運営全体を別の民間の事業者に委託している場合 |
| 共同認定の対象となる場面 | 市町村が、子育て短期支援事業を委託している場合 |
| 単独で申請する場面 | 市町村が、一部の体験活動だけを委託している場合 |
| 単独で申請する場面 | 市町村が、補助金を出しているだけの場合 |
| 単独で申請する場面 | 土地や建物を借りて、独立して事業を運営している場合 |
フランチャイズの本部と加盟店は、経営の主体が異なるため、それぞれが別々に認定を申請する必要があります。共同認定は事業の運営全体を担う事業運営者と申請するものであり、本部と個人事業主の加盟店の組合せでは、共同認定を受けることはできません。
単独認定と共同認定の選び方
共同認定の対象となる事業であっても、事業運営者が法律の求める要件をすべて自ら満たせるのであれば、事業運営者が単独で認定を受けることもできます。ただし、その場合の認定の効果は事業運営者にだけ及ぶため、委託している市町村の側は認定を受けたことにはなりません。
一方、法律に基づく措置の一部を市町村の側も担う場合は、事業運営者の単独認定では足りず、共同認定を受ける必要があります。Q&Aは、どの事業を共同認定とするかを、事前に検討しておくことを勧めています。
申請の方法
共同認定の申請は、単独認定と同じくこまもろうシステムを通じて行います。ただし、二つの事業者が関わるため、申請の進め方や手数料、委託先が複数ある場合の扱いには、共同認定ならではの決まりがあります。
申請者と申請の進め方
共同認定では、どちらの事業者が申請の主体となるかについて、法律上の定めはありません。双方が合意したうえで申請し、互いの申請の内容を確かめ合いながら進めることが求められます。
申請にあたっては、GビズIDを取得したうえで、こまもろうシステムに事業者の情報と事業の情報を入力し、手数料を納めます。市町村は、同じGビズIDで複数の事業を管理することもできます。
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手数料
手数料は1事業あたり30,000円で、単独認定か共同認定かによって金額は変わりません。ただし、国や自治体が関わる場合は、以下のように手数料がかからない場合があります。
| 申請の形 | 手数料 |
|---|---|
| 国や自治体が単独で申請する場合 | 不要 |
| 自治体が民間教育保育等事業者となり、指定管理や委託を受けた事業運営者と共同で申請する場合(公設民営) | 不要 |
| 指定管理や委託を受けた事業運営者が、単独で申請する場合 | 必要 |
公設民営の事業では、共同認定を選べば手数料がかからない一方、事業運営者の単独認定を選べば手数料が必要になります。申請の形を決める際は、措置の分担に加えて、この違いも踏まえて検討することになります。
複数の委託先がある場合
市町村が複数の事業者に放課後児童クラブの運営を委託している場合は、委託先ごとに別々に共同認定を受ける必要があり、手続きをまとめて省略することはできません。ただし、一度入力した事業者の情報は、次の申請では原則として入力し直す必要がないよう、システムが整えられる予定とされています。
役割分担
共同認定では、犯罪事実確認、防止措置、情報管理といった法律に基づく措置を、両者が分担して行います。どちらが何を担うかは、児童対象性暴力等対処規程や情報管理規程に具体的に書き分けておく必要があります。
犯罪事実確認
犯罪事実確認は、両者の役割分担に応じて行いますが、通常は、従事者と雇用関係にある側が行うことが想定されています。放課後児童クラブを法人に委託している場合であれば、支援員を雇用している受託法人が確認を担うのが一般的な形となります。
防止措置と現場の管理
防止措置の分担としては、配置転換のように人事の権限が必要な措置は従事者を雇用している側が、日々の見守りや、加害が疑われる従事者と子どもの接触を避ける措置は現場を管理する側が担う、といった形が考えられます。どのように分担するかは事業の実態によって異なるため、両者で話し合ったうえで、規程に具体的に定めておくことが大切です。
情報管理
情報管理の責任者と情報管理規程は事業ごとに必要ですが、共同認定の両者で共通の責任者や共通の規程とすることも差し支えないとされています。犯罪事実確認記録等は、目的外の利用や第三者への提供が原則として禁止されており、共同認定の両者の間でも、防止措置を講じるために必要な範囲でしか共有することはできません。
認定の取消しと欠格期間
共同認定が取り消された場合、取消しの対象となるのは、その事業運営者と行う事業だけです。たとえば、ある市町村が三つの法人とそれぞれ共同認定を受けている場合に、そのうち一つの法人との共同認定が取り消されても、他の二つの法人との共同認定は引き続き効力を持ちます。
ただし、認定を取り消された者は、取消しから2年間、事業の種別を問わず、認定を受けることができなくなります。また、事業運営者が受けた是正命令の内容によっては、民間教育保育等事業者の側の従事者の犯罪事実確認書も交付されなくなることがあるため、相手方の不備が自らにも及ぶことを踏まえて、役割の分担と運用の確認を続けていく必要があります。
自治体が委託の要件とする場合
市町村が放課後児童クラブの運営を委託する際に、委託先が認定事業者であることを要件とすることは、法律が求めるものではありませんが、妨げられないとされています。今後、委託の公募の要件に認定の取得を加える市町村が出てくることも考えられ、受託を目指す法人にとっては、認定への対応が、受託の競争力を左右する要素となり得ます。
Q. 放課後児童クラブを市町村から受託していますが、単独で認定を受けられますか?
A. 法律の求める要件をすべて自ら満たせるなら、受託法人が単独で認定を受けることもできます。ただし、市町村の側も措置の一部を担う場合は、共同認定が必要です。
Q. 共同認定の申請は、どちらが行いますか?
A. 法律上、どちらが申請の主体となるかの定めはありません。双方が合意したうえで申請し、互いの申請の内容を確かめることが求められます。
Q. 共同認定の手数料はいくらですか?
A. 1事業あたり30,000円で、単独認定と同じです。ただし、自治体が民間教育保育等事業者となり、事業運営者と共同で申請する公設民営の場合は、手数料はかかりません。
Q. 犯罪事実確認は、市町村と受託法人のどちらが行いますか?
A. 役割分担に応じて行いますが、通常は、従事者と雇用関係にある側が行うことが想定されています。
Q. 相手方の違反で認定が取り消されると、こちらにも影響がありますか?
A. 取り消されるのは、その相手方と行う事業の認定で、他の事業の認定は引き続き効力を持ちます。ただし、認定を取り消された者は、2年間、認定を受けることができなくなります。
こども性暴力防止法の認定申請サポート
共同認定は、民間教育保育等事業者が、指定管理や委託によって事業の運営全体を任せた事業運営者と共同で受ける認定で、犯罪事実確認や防止措置、情報管理といった措置を、両者が分担して行うことが前提となります。申請の前には、単独認定と共同認定のどちらを選ぶか、どちらが申請の手続を進めるか、誰が何を担うかを、両者で具体的に決めておくことが求められます。
弊所では、こども性暴力防止法の認定申請を代行しています。単独認定と共同認定のどちらを選ぶかの検討から、両者の役割分担の整理、児童対象性暴力等対処規程と情報管理規程の作成、申請書と添付書類の作成に至るまで、しっかりまるっとサポートいたします。
さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。学習塾やスポーツクラブ、放課後児童クラブ、認可外保育施設で認定の取得をお考えの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
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