就労継続支援B型事業開業ガイド│格安指定申請サポートあり

拳を突き上げる人々

障害者自立支援法では、就労継続支援を、「通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の便宜を供与すること」としています。

就労継続支援には、A型とB型とがありますが、このうちA型は事業者と雇用契約を締結して利用する形態のサービスであり、B型は雇用契約を締結せずに利用する形態のサービスになります。

他方、障害福祉サービスには、「継続」、「移行」、「定着」といった「何となく分かるけど何となく分かりにくい」ワードが頻出することに加えて、類似する高齢者介護サービスとの間で混同が生じてしまうということはよくあるお話しです。また、各自治体の条例により、運用方法が異なるのも特長的です。

そこで本稿では、これから真剣に就労継続支援B型事業をはじめようとされる皆さまに向けて、開業するために必要となる指定を受けるための申請方法や基準について詳しく解説していきたいと思います。

本稿では新たに就労継続支援B型事業者の指定を取得するためのポイントを、それなりのボリュームで解説しています。

最下段には、就労継続支援B型事業者の格安指定申請代行プランについての案内がありますので、最後まで閲覧していただければ幸いです。

就労継続支援とは

冒頭でお伝えしたとおり、就労継続支援とは、通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である障がい者に対して就労と生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行うサービスのことをいいます。

障がい福祉事業全体では、「訓練系・就労系サービス」に区分されており、さらに「A型」(雇用型)と「B型」(非雇用型)の2種類に細分化されています。

このうち「A型」は事業者と雇用契約を締結して利用する形態のサービスであり、「B型」は雇用契約を締結せずに利用する形態のサービスになります。

概要雇用賃金定員目的
就労継続支援A型通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して行う雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援雇用(労使関係)最低賃金保証10名専ら社会福祉事業
就労継続支援B型通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援非雇用工賃(月額3000円以上)20名制限なし

就労継続支援B型事業

就労継続支援B型事業は、働く意思はあるけれど、一般企業での就労は難しい方に対し、就労や生産活動の機会を与えるほか、就労に必要な知識・能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う事業です。

具体的には、以下のいずれかに該当する方がサービスの対象となりますが、利用期間や利用可能年齢の制限はなく、65歳を超えても利用することができます。

  • 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難になった者
  • 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者
  • 就労移行支援事業を利用した結果、利用が適当であると判断された者

1日1時間や週1日の利用など就労形態もさまざまで、一般就労や就労継続支援A型での雇用型勤務に移行する前に、B型事業所でリハビリを兼ねて就労に慣れるといった利用方法も可能です。

工賃のルール

就労継続支援B型事業者は、利用者に対して生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額を工賃として支払いますが、利用者を雇用する必要はなく、支払う金額も(時給ベースではなく)成果報酬としての工賃になります。

利用者それぞれに対して支払われる1か月当たりの工賃の平均額は3,000円を下回ることはできません。また、就労継続支援B型事業者には、年度ごとに、工賃の目標水準を設定し、工賃の目標水準及び前年度に利用者に対し支払われた工賃の平均額を利用者に通知するとともに、都道府県に報告する義務があります。

指定申請

就労継続支援事業を運営しようとするときは、指定基準をすべて満たした上で申請し、都道府県知事(一部の市町村については市町村長)により指定就労継続支援事業者として指定を受ける必要があります。

おおまかな流れは以下のとおりですが、指定日は毎月1日と決まっているため、開所予定日から逆算して必要な手続きを進めるようにしましょう。

事前協議3か月前〜
指定申請2か月前〜
審査・現地確認申請の翌月末まで
指定1日から6年間有効

事前協議

就労継続支援B型事業の事業所は、障害者自立支援法のほか、事業所として予定している建物について、建築基準法や消防法といった法令に適合させる必要があります。

建築基準法は指定申請を行う自治体の建築指導課等、消防法については事業所所在地を管轄する消防署の予防課と協議を進めます。これらの法令に外れた事業所は、修正するために時間や費用を大きく負担する必要があったり、そもそも申請が不可能であることもありうるため、事前協議は必ず経由するようにしてください。

申請の方法

指定申請は、各都道府県(一部の市町村については市町村)の担当窓口に対して以下の書類を提出することにより行います。

  • 指定申請書
  • 申請書・付表様式一覧チェック表
  • 就労継続支援事業所の指定に係る記載事項
  • 定款または寄附行為又
  • 登記記載事項証明書
  • 事業所の写真
  • 事業所の平面図
  • 経歴書(管理者・サービス管理責任者)
  • 運営規程
  • 利用者からの苦情解決措置の概要
  • 勤務体制・形態一覧表
  • 資産状況を疎明するための資料
    • 貸借対照表
    • 財産目録
    • 事業計画書
    • 収支予算書
  • 設備・備品等一覧
  • 実務経験証明書・実務経験見込申立書
  • 雇用証明書・雇用確約証明書
  • サービス管理責任者研修修了証明書の写し
  • 相談支援従事者初任者研修等修了証明書の写し
  • 資格証明書(看護師・介護福祉士等)の写し
  • 役員等名簿
  • 誓約書
  • サービス管理責任者実務経験及び研修受講証明(申立)書
  • 貸借契約書又は土地・建物の登記簿謄本
  • 損害賠償保険契約書の写し
  • 協力医療機関との契約内容がわかるもの
  • 事業開始届
  • 介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書

指定基準

指定を受けるためには、就労継続支援B型事業の事業所ごとに、以下の基準についてすべて適合させる必要があります。そもそも法人以外では指定を受けることができないため、個人が申請を行うことはできません。

  1. 法人であること
  2. 人員配置基準をみたすこと
  3. 設備要件をみたすこと
  4. 運営基準をみたすこと

人員配置基準

指定を受けるために配置すべき人員の基準は下表のとおりです。なお、表中の利用者の数については、前年度の平均値(新規に事業を開始する場合は推定数)から算出します。

役職人数要件
管理者1名以上常勤要件なし

原則として専任、就労継続支援B型事業所の管理上支障がない場合は、他の業務との兼任(サービス提供責任者との兼務含む)、同一敷地内の就労継続支援B型事業所以外の事業所・施設等の職務に従事することができる
サービス管理責任者1名以上(利用者60人以下)
利用者60人を超えるときは、60人を超え40人を超えるごとに1名以上加えた人数
1人以上は常勤かつ専任であること
原則として専任、利用者の支援に支障がない場合は兼任可能
職業指導員・生活支援員総数は、常勤換算方法で、利用者10人に対して1人以上職業指導員と生活支援員のいずれかが常勤であること
職業指導員1名以上資格要件なし
原則として専任、利用者の支援に支障がない場合は兼任可能
生活支援員1名以上資格要件なし
原則として専任、利用者の支援に支障がない場合は兼任可能
管理者の資格要件

就労継続支援B型事業の管理者は、以下のいずれかの要件に該当する者のうちから選任する必要があります。

  1. 大学等において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者(科目を修めて専門職大学の前期課程を修了した者を含む)
  2. 大学等において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて、大学院への入学を認められた者
  3. 都道府県知事の指定する養成機関又は講習会の課程を修了した者
  4. 社会福祉士
  5. 精神保健福祉士
  6. 厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者
  7. 社会福祉事業に2年以上従事した者
  8. 企業を経営した経験(おおむね1年以上)を有する者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者

設備基準

就労継続支援B型事業には、下表のとおり、訓練・作業室、相談室、洗面所、便所及び多目的室その他運営上必要な設備を設ける必要があります。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の支援に支障がないときは、その一部を設けないことができます。

設備は原則として就労継続支援B型事業の用にのみ供するものである必要がありますが、利用者の支援に支障がなければ他の用途と兼用することができます。

設備要件備考
事業所の構造設備事業所の配置、構造及び設備は、利用者の特性に応じて工夫され、かつ、日照、採光、換気等の利用者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものであること
訓練・作業室訓練又は作業に支障がない広さを有すること
訓練又は作業に必要な機械器具等を備えること
就労継続支援B型の提供に当たって支障がない場合は、設けないことができる
相談室プライバシーに配慮できる空間であること利用者の支援に支障がない場合は、兼用することができる
洗面所利用者の特性に応じたものであること
便所利用者の特性に応じたものであること
多目的室相談室と兼ねることも可利用者の支援に支障がない場合は、兼用することができる
事務室鍵付き書庫

自治体によっては面積要件が設定されていることがあるため、申請前には各自治体の担当窓口へ対し、必ず事前に確認するようにしましょう。

また、防火安全対策として、事業開始までには、所轄の消防署とも事前協議を行うようにしてください。

運営基準

就労継続支援B型事業者は、事業所ごとに、以下の重要事項について、その内容を運営規程として定め、サービス提供を開始するにあたっては、あらかじめ利用申込者に対し、運営規定の概要、職業指導員、生活支援員等の勤務の体制などの重要事項を記載した文書を利用申込者に交付して説明を行い、その同意を得る必要があります。

  • 事業の目的及び運営の方針
  • 職員の職種、員数及び職務の内容
  • 営業日及び営業時間
  • 利用定員
  • 生活介護の内容並びに利用者から受領する費用の種類及びその額
  • 通常の事業の実施地域
  • サービスの利用に当たっての留意事項
  • 緊急時等における対応方法
  • 非常災害対策
  • 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には障害の種類
  • 虐待の防止のための措置に関する事項
  • その他運営に関する重要事項

事業所要件

就労継続支援B型事業の事業所の利用定員は、原則として20人以上である必要があります。(離島その他の地域では10人以上とすることができる特例あり)

また、就労継続支援B型事業者は、主たる事業所と一体的に管理運営を行う事業所を、従たる事業所として設置することができます。

ただし、従たる事業所の利用定員は10人以上でなければならないほか、主たる事業所と従たる事業所の職員(管理者及びサービス管理責任者を除く)のうちそれぞれ1人以上は、常勤かつ専任である者であることが必要です。

福祉事業指定申請サポート

弊所では兵庫大阪京都の関西圏を中心に、指定障害者福祉サービス事業者の指定申請の代行を承っています。基準適合性の確認から、書類作成、行政窓口との協議、申請の代行及び現地確認の同席に至るまで、しっかりとフルサポートいたします。

弊所代表は、高齢者施設を運営していた実績を有する福祉のスペシャリストでもあり、「話しの分かる行政書士事務所」を標榜することからも、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。「ホームページを見た」というお言葉をいただければ、閲覧者さま限定の格安代行プランを提示する準備もあります。指定障害者福祉サービス事業者の指定申請でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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