グランピング施設開業ガイド│グランピング施設と簡易宿所営業許可について

コロナ禍を経た昨今の世情を反映し、「手軽なアウトドア泊」「密の回避」の両方の要請に応えるグランピング施設に注目が集まっており、全国各地で地域の特色や自然を活かした様々なグランピング事業が展開されています。

一方でグランピング事業を開始する際に必要となる行政機関に対する申請手続きは非常に煩(わずら)わしく複雑で、実際弊所においてもグランピング施設に関するものは時折ご相談をいただく事案となっています。

そこで本稿では、グランピング施設を開設して事業を始めようとお考えの皆さまに向けて、必要となる許可とその手続きについて詳しく解説していきたいと思います。

グランピング施設とは

グランピングとは、客がテントの設営や道具の準備をすることなく気軽に体験することができるキャンピングのことを指します。語源は「グラマラス(豪華な)」と「キャンピング」を組み合わせた造語で、入門者や初級者でも楽しめるスタイルのキャンピングとして人気を博しています。

その歴史は新しく、2000年代の中頃に誕生したものと考えられており、さらに近年のコロナ禍を経て見直されつつあるリゾート事業の穴場として事業者利用者の双方から注目を集めている宿泊事業です。

上記の通りグランピングは宿泊事業ですから、開業するにあたっては、後述するように旅館業法の許可が必要になります。

旅館業とは

旅館業は、旅館業法という法律において、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されています。あくまでも「人を宿泊させる」ことが旅館業の要件であり、生活の本拠を置くアパートや間借り部屋などは旅館業には含まれません。また、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされており、さらに「宿泊料を受けること」が旅館業の要件となっているため、寝具を提供しない場合や、宿泊料を徴収しない場合も旅館業に該当しないことになります。

なお、名目のいかんを問わず実質的に寝具や部屋の使用料とみなされるものはすべて宿泊料に含まれるため、休憩料はもちろん、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費についても宿泊料とみなされます。

これらの解釈を踏まえ、厚生労働省の資料では旅館業の判断基準として、次の4つを示しています。

  • 宿泊料徴収の有無
  • 社会性の有無
  • 継続反復性の有無
  • 生活の本拠かどうか

上記の解釈を適用すれば、グランピング施設も一般的には旅館業法の対象となります。逆に言えば、以下のようなケースではグランピング施設は旅館業法の対象とはなりません。

  • 広告せず知人のみを宿泊させるケース
  • キャンプ場において場所のみを提供するケース
  • テントや寝袋を貸し出して自ら設置してもらうケース
  • 日帰りのみ
  • 宿泊料も利用料も無料

さらに旅館業はその営業形態によって以下3つの種類に区分されており、グランピング施設の場合、ほとんどのケースで簡易宿所営業で許可申請を行うことになります。

ただし、宿泊棟の数によっては旅館・ホテル営業として許可を取得しなければならないケースもあるため注意が必要になります。

旅館・ホテル営業1部屋7㎡以上
簡易宿所営業宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業
下宿営業1か月以上の期間を単位にして宿泊させる営業

簡易宿所営業許可申請

新たにグランピング施設を開設する場合はもちろんのこと、営業者の変更(個人から法人への変更含む)、既に許可を取得している営業施設で建築延べ面積の50%以上にわたる増改築・移転等を行う場合、旅館以外の用途で使用する既存建築物の用途を変更して旅館業を営業する場合、旅館・ホテル営業から簡易宿所営業への変更を行う場合でも新規で許可を取得する必要があります。

また、旅館業の許可を受けるためには、以下3つの基準をすべてクリアする必要があります。

  • 人的基準
  • 設置場所基準
  • 構造設備基準

なお、旅館業許可は都道府県知事から取得しますが、実際の申請窓口は営業所所在地を管轄する保健所になります。

人的基準

旅館業を営むことができるのは、次のいずれにも該当しない者に限られます。(欠格事由)

  • 心身の故障により旅館業を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくはこの法律に基づく処分に違反して罰金以下の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者
  • 許可を取り消され、取消しの日から起算して3年を経過していない者
  • 暴力団対策法に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から起算して5年を経過しない者
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記のいずれかに該当するもの法人であって、その業務を行う役員のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの
  • 暴力団員等がその事業活動を支配する者

設置場所基準

旅館業法上の営業許可を取得することができるのは、都市計画法で定められた用途地域のうち、以下の地域に限られています。

  • 第1種住居地域
  • 第2種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 無指定地域

都市計画法上の対象地域でない無指定地域においても旅館業を営業することは可能ですが、農地法上の農地に該当する土地においてそのまま旅館業に使用することはできないので、まずは農地以外の土地に転用するための手続きが必要になります。

また、施設の設置場所が以下の施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む)の周囲おおむね100mの区域内にある場合において、その設置によってこれらの施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがあると認められるときは、許可を与えられないことがあります。

  • 学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)
  • 幼保連携型認定こども園
  • 社会教育に関する施設その他の施設で、上記に掲げる施設に類するものとして都道府県(保健所設置市又は特別区)の条例で定めるもの

★建築基準法上の手続き

建築基準法では、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準を定めています。一般的に解体して移設することができるテントを客室とするグランピング施設の場合には建築確認を不要とするケースも多いのですが、構造によっては建築物とみなされるケースもあるため、この点については所轄の土木事務所等との事前協議の中でしっかりと確認するようにしてください。

★消防法上の手続き

後述するように旅館業許可申請の際にはほぼすべての自治体で「消防法令適合通知書」の添付を求められます。消防法令適合通知書は、宿泊施設として使用する建物が消防法令に適合していることを管轄の消防本部が確認して通知するものです。

この書面の交付を受けるためには、まずは消防設備の配置図等を管轄の消防本部へ持参し、事前協議を行った上で申請し、確認のための現地調査を経る必要があります。

特に営業予定地が防火地域や準防火地域等に該当する場合には、使用するテント等の素材が防火基準をクリアしているかなどについて疎明することが求められます。

このため営業予定地が定まれば、(契約前に)まずは何よりも先立って管轄の消防本部に問い合せわることから始めるようにしましょう。

構造設備基準

  • 客室の延床面積は、33㎥(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3㎥に当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること
  • 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1m以上であること
  • 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
  • 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること
  • 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること
  • 適当な数の便所を有すること
  • その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること

★客室床面積

簡易宿所営業では客室数に関する制限は特にありませんが、利用人数1人あたり3.3㎡以上の客室床面積が必要とされています。したがって、10人を定員とするテントであれば、3.3㎡×10人=33㎡の広さが必要になります。

★入浴設備・洗面設備・トイレ

これらの設備については明確な必要数は規定されていません。必ずしもテントごとに個別の設備を準備する必要はありませんが、棟数の3分の1から半数程度設置することが望ましいものとされています。ただし客の利便性を考慮すると多いにこしたことはないので、そういった点も踏まえて計画を進めるようにしましょう。

★玄関帳場

玄関帳場とはいわゆるフロントのことを指します。旅館業法上は簡易宿所に玄関帳場を設置する義務はありませんが、自治体条例により設置を求められるケースがあります。このため、申請前にはどのような設備が必要になるのかについて、事前にしっかりと確認することが重要です。

許可申請に必要となる書類

  • 旅館業営業許可申請書[Word:35KB]
  • 定款若しくは寄付行為の写し又は登記事項証明書(法人)
  • 営業施設の敷地周辺の見取り図
  • 営業施設の配置図
  • 営業施設の平面図面及び立面図
  • 玄関帳場の展開図(旅館・ホテル営業)
  • 水質検査成績書(水道水以外の水を使用する場合)
  • 構造設備の基準の特例に該当する場合には、特例に該当することを確認するために必要な事項が記載された書類
  • その他都道府県知事等が公衆衛生上又は善良の保持上必要があると認める書類

上記は兵庫県における旅館業営業許可の申請に必要となる書類です。各自治体ごとに条例による規制があり、求められる書類も異なるため、申請の際には所轄の保健所等で必ず事前確認を行うようにしましょう。

他の営業許可申請

一般的にグランピング施設をはじめようとする際には、純粋に宿泊のみをさせるケースを除き、飲食店営業許可を取得することも求められます。これは調理済みの飲食物を提供する場合はもちろんのこと、調理前の食材を提供する場合でも同様です。

なお、ビールサーバー等により開栓した状態で酒類を提供する場合は飲食店営業許可の範囲で行うことができますが、缶ビールなどのように開栓していない状態で酒類を提供する場合には別に酒類販売業免許を取得する必要があるため注意が必要になります。

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