古物競りあっせん業とは?オークションサイトを運営する際に必要となる届出について

オークションハンマー

古物競りあっせん業とは、インターネット上にホームページを開設し、出品者、入札者により競り形式で落札する、いわゆるオークションサイトを運営する事業のことをいいます。オークションサイトにおいて、利用者からなんらかの対価を徴収するものについては、古物競りあっせん業としての届出が必要になります。

本稿では、古物競りあっせん業を行おうとする際に必要となる手続きに加えて、公安委員会による認定制度についても解説しています。

営業開始の届出

古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する警察署を経由して、都道府県公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出します。

取引を行う場所がインターネット上であることから、事務所が存在しないことも考慮されていて、この場合は住所又は居所の所在地を管轄する警察署を経由して届出を行うことになります。

  • 氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  • 営業の本拠となる事務所その他の事務所の名称及び所在地
  • 役員の氏名及び住所(法人)
  • 競りの方法
  • 営業を示すものとして使用する名称
  • 送信元識別符号(URL)

また、届出書を提出した者は、古物競りあっせん業を廃止したとき、又は届出事項に変更があったときは、(営変更後の)都道府県公安委員会に対して届出を行う必要があります。

届出に必要となる書類

  • 届出書
  • 住民票の写し(個人)
  • 定款及び登記事項証明書(法人)
  • URLの使用権限を疎明する資料

認定制度

業務の実施の方法が、盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準に適合する古物競りあっせん業者については、公安委員会に申請することにより、その認定を受けることができるという制度が設けられています。この認定を受けた古物競りあっせん業者は、認定を受けている旨の表示をすることができるようになります。何人も、認定を受けていない者は、この表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならないものとされています。 

また、日本国内に在る者を相手方に、業として、外国において古物競りあっせんを営む者は、その業務の実施の方法が基準に適合することについて、公安委員会の認定を受けることができる制度も設けられていますが、本稿では割愛させていただいています。

認定を受けようとする古物競りあっせん業者は、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に対し、営業の本拠となる事務所の所在地の所轄警察署長を経由して、次の事項を記載した認定申請書を提出します。

  • 氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  • 営業を示すものとして使用する名称
  • 送信元識別符号(URL)
  • 営業を開始した日

認定申請に必要となる書類

  • 認定申請書
  • 最近5年間の略歴書(申請者・業務執行役員)
  • 誓約書(申請者・業務執行役員)
  • 住民票の写し(業務執行役員)
  • 業務の実施の方法が基準に適合することを説明した書類

認定申請者の欠格事由

一般の古物競りあっせん業とは異なり、公安委員会の認定を受けることができる者は限られており、具体的に以下の事由のいずれかに該当する者については、認定申請を行うことはできません。

  • 営業を開始した日から2週間を経過しない者
  • 刑法等一定の法令に規定する罪を犯して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して3年を経過しない者
  • 暴力団員又は暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
  • 暴力団以外の犯罪組織にいて、集団的または常習的に暴力的不法行為をする恐れのある者(過去10年間に暴力的不法行為を行ったことがある者)
  • 古物営業法の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定による処分を受け、処分の日から起算して5年を経過しない者
  • 処分手続が行われた日前60日以内に法人の業務を行う役員であった者で処分の日から起算して5年を経過しないもの
  • 許可取消手続に係る期間内に許可証の返納をした者(古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く)又はこれに相当する外国の法令の規定に基づく手続を行った者で、返納の日又は手続を行った日から起算して5年を経過しないもの
  • 認定を取り消され、取消しの日から起算して2年を経過しない者
  • 認定取消しに係る聴聞の期日又は場所が公示された日前60日以内に法人の業務を行う役員であった者で取消しの日から起算して5年を経過しないもの
  • 法人であって、その業務を行う役員のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの

認定の基準

国家公安委員会が定める「盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法」の基準は、次のとおりとなっており、これらすべてを満たすことが認定を受けるために必要な条件となります。

  • 人が他人になりすまして古物の売却をすることを防止するための措置を講じていること
  • 古物の売却をしようとする者から申出を受けた電子メールアドレスあてに電子メールを送信し、その到達を確かめること
  • 古物の売却をしようとする者に対して、製造番号その他の古物を特定するに足りる事項を古物競りあっせん業者にインターネット上で公衆の閲覧に供させるため送信することを勧奨すること
  • 盗品等である古物に関する事項がインターネットにより公衆の閲覧に供されている旨を古物競りあっせん業者に通報するための専用の連絡先に関する事項を、古物の売買を希望する者が容易に閲覧できるようにインターネット上で公衆の閲覧に供すること
  • 通報をした者の連絡先が明らかな場合にあっては、通報を受けてとった措置(措置をとらないこととした場合はその旨)を通報をした者に通知すること
  • 営業時間外において警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長から連絡があった場合において、連絡のあったことを15時間以内に了知するための措置を講じていること
  • 盗品等である古物のあっせんの申込みを禁止すること
  • 盗品等を買い受けた場合には、被害者又は遺失主による盗品又は遺失物の回復の請求が行われることがあること、あっせんの相手方が容易に閲覧できるようインターネット上で公衆の閲覧に供すること
  • 盗品等については、刑事訴訟法の規定により押収を受けることがあることを、あっせんの相手方が容易に閲覧できるようインターネット上で公衆の閲覧に供すること
  • 外国古物競りあっせん業者にあっては、日本国内に住所又は居所を有する者のうちから警察本部長等との連絡の担当者(連絡担当者)1人を選任すること

なお、「人が他人になりすまして古物の売却をすることを防止するための措置」とは、具体的には以下のとおりです。

  • 古物の売却をしようとする者からのあっせんの申込みを受けようとするときに、その者が本人の名義の預貯金口座からの振替の方法により料金の支払を行うことを預貯金口座が開設されている金融機関等が承諾していることを確かめること
  • その者から申出を受けたカード番号及び有効期限に係る本人の名義のクレジットカードを使用する方法により料金の支払を受けることができ、かつ、クレジットカードを発行した者があらかじめその者について登録している情報とその者から申出を受けた情報に齟齬(食い違い)がないことを確かめること
  • その他これらに準ずる措置

古物競りあっせん業サポート

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古物競りあっせん業営業開始届33,000円~
古物競りあっせん業認定申請55,000円〜
変更届・廃業届22,000円
※税込み

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