質屋営業許可│あなたの知らない質屋の世界

質屋の看板

質屋営業法で定義する質屋営業とは、財産的価値のある物品を質(担保)に取り、期限(流質期限)までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質物をもってその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業をいいます。

要するに、貸付額と利子を合わせた額(元利金)に見合う物品を差し出してもらい、合意した期限内に元利金の支払いがない場合には、差し出した品そのもので支払いに代える約束をして金銭を貸し付ける営業のことをいいます。

本稿においては、質屋を営むために必要となる手続きをはじめ、知っているようで意外に知られていない質屋の仕組みについてまでを、詳しく解説していきたいと思います。

質とは

見ず知らずの他人から、突然「お金貸して」とお願いされたとしても、「あぁ良いよ」と即答してお金を貸し付ける人は、ほぼ皆無といっていいのではないでしょうか。

同様に、皆さまが銀行でお金を借りようとする場合も、よほどの信用がない限り、無条件でお金を貸し付けてくれる銀行は、どこにも存在しないことでしょう。

そこで民法という法律では、「担保」や「保証人」というカタチで「信用」を「見える化」することによって安全性を高めた金銭貸借の取引を認めています。「質」とは、「担保」の一形態であり、「価値ある物品」を差し出すことによって、いわば「信用」を補完するための制度なのです。

決して良い表現ではありませんが、刑事ドラマ等でよく使われる「人質」という行為は、まさに「人」を「質」に取って要求を飲んでもらおうとする行為なのです。

質屋の仕組み

質屋は顧客から指輪やバッグ、時計など(質草)を担保に取ってお金を貸し付けます。買取りサービスと違って、顧客は品物の所有権を失うことはありません。これを「質入れ」といいます。顧客は借りたお金の返済ができない場合でも質草となった品物を諦めることで返済義務から開放され、質屋側も最初から担保となる品物を手元に保管することができるため、互いにリスクを抑えて取引することができるのが特長です。

契約に定めた返済の期限(流質期限)が経過してもお金が返済されない場合は「質流れ」となり、顧客が質入れした品物の所有権が質屋へと移ります。顧客としてはお金を返済して品物を返還してもらうことも、品物の所有権を手放してお金の返済義務を免れることもできます。

また、契約に定めることにより、利息のみを支払うことによって返済期間を延長することや、元金を減額させることも可能です。

なお、流質期限は、質契約成立の日から3か月未満の期間で定めてはならないものとされています。ただし、質置主が物品を取り扱う営業者であり、かつ、その質に入れようとする物品がその取り扱っている物品である場合においては、1か月以上であれば3か月未満の期間を流質期限とすることができます。

質屋営業の許可

質屋になろうとする者は、その営業所ごとに、営業所の所在地を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません。自ら管理しないで営業所を設けるときは、その営業所の管理者を定める必要もあります。また、質屋でない者は、質屋営業を営むことができないほか、質屋は、自己の名義をもって、他人に質屋営業を営ませることはできません。

例えば、兵庫県で既に許可を得て質屋を営む「ツナグ質店」が大阪府に支店を設置する場合は、既に許可を受けている兵庫県公安委員会のほかに、大阪支店で別の管理者を選任したうえで大阪府公安委員会の許可を受ける必要があるということです。この辺りが、同じく公安委員会の許可を必要とする古物商許可制度との違いになります。

変更の許可

同一公安委員会の管轄区域内において営業所を移転し、又は管理者を新たに設け、若しくは変更しようとするときは、再び管轄公安委員会の許可を受ける必要があります。

古物営業における変更は届出で済みますが、質屋営業の場合は変更の都度許可を受ける必要があるため、重要事項の変更については一段高いハードルが課せられていることになります。

届出の義務

質屋は、廃業したとき若しくは長期休業をしようとするとき又は許可の申請書の記載事項につき変更を生じたときは、管轄公安委員会に届け出なければなりません。質屋が死亡したときも、同居の親族、法定代理人又は管理者は、この規定に準じて死亡の届出をする必要があります。

許可の基準

質屋を営む者には、一定の基準が求められます。具体的には、以下のいずれかの事由に該当する者は、質屋営業の許可を受けることはできません。これを質屋営業の欠格事由といいます。

  1. 禁錮以上の刑に処せられその執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、3年を経過しない者
  2. 許可の申請前3年以内に、質屋営業法の規定に違反して罰金の刑に処せられた者又は他の法令の規定に違反して罰金の刑に処せられその情状が質屋として不適当な者
  3. 住居の定まらない者
  4. 心身の故障により質屋の業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの
  5. 営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(ただし、その者が質屋の相続人であつて、その法定代理人が1〜4、7、10のいずれにも該当しない場合を除く)
  6. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  7. 許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
  8. 同居の親族のうちに7に該当する者又は営業の停止を受けている者のある者
  9. 次のいずれかに該当する管理者を置く者
    • 1〜3まで又は5〜7までのいずれかに該当する者
    • 心身の故障により管理者の業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの
  10. 法人である場合においては、その業務を行う役員のうちに1〜7までのいずれかに該当する者がある者
  11. 公安委員会が質物の保管設備について基準を定めた場合においては、その基準に適合する質物の保管設備を有しない者

質屋の義務

許可を受けた者は、営業所の見やすい場所に、許可を受けたことを証する表示をしなければならないほか、利率、利息計算の方法、流質期限その他質契約の内容となるべき事項及び営業時間についても掲示を行う義務があります。この掲示の内容と異なり、かつ、質置主(お金の借主)の不利益となるような質契約を行うことは認められておらず、違反する部分については、当該掲示の内容により契約がなされたものとみなされます。

質屋は、その営業所又は質置主の住所若しくは居所以外の場所において物品を質に取ってはいけません。また、質契約をしたときは、質札又は通帳を質置主に交付する必要もあります。

質屋は、物品を質に取ろうとするときは、質置主の住所、氏名、職業及び年齢を確認しなければならず、不正品の疑いがある場合においては、直ちに警察官にその旨を申告しなければなりません。

質屋は、帳簿を備え、質契約並びに質物返還及び流質物処分をしたときは、その都度、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければなりません。この帳簿は、最終記載日から3年間保存しなければならないほか、帳簿を毀損し、亡失し、又は盗み取られたときは、直ちに営業所の所在地の所轄警察署長に届け出る必要があります。

  1. 質契約の年月日
  2. 質物の品目及び数量
  3. 質物の特徴
  4. 質置主の住所、氏名、職業、年齢及び特徴
  5. 確認の方法
  6. 質物返還又は流質物処分の年月日
  7. 流質物の品目及び数量
  8. 流質物処分の相手方の住所及び氏名

質物の返還

質置主は、流質期限前であれば、いつでも元利金を弁済して、その質物を受け戻すことができます。この場合、質置主は質札を返還し、又は通帳に質物を受け戻した旨の記入を受けることになります。

質屋は、相手方が質物の受取について正当な権限を有する者(受取権者)であることを確認した場合でなければ質物を返還することはできませんが、相手方が受取権者であることを確認して質物を返還したときには、正当な返還をしたものとみなされます。ただし、受取権者であると確認したことについて過失がある場合は、この規定は適用されません。要するに、質屋側のミスによって受取権者を誤認した場合は、質物を返還する義務から免れることはできません。

質屋は、流質期限を経過した時点において、その質物の所有権を取得します。ただし、質屋が流質物を処分するまでは、質置主が元金及び流質期限までの利子並びに流質期限経過の時に質契約を更新したとすれば支払うことを要する利子に相当する金額を支払ったときは、これを返還するように努めなければなりません。「努めなければならない」とされているので、こちらはいわゆる「努力義務」となります。法的義務ではありませんが、そうすることが「望ましい」とされる規定です。

災害その他の事由により、質物が滅失し、若しくは毀損し、又は盗難にかかった場合においては、質屋は、遅滞なく、当該質物の質置主にその旨を通知しなければなりません。

災害その他質屋及び質置主双方に責任を追及することのできない事由により、質屋が質物の占有を失った場合においては、質屋は、その質物で担保される債権を失います。

質屋は、その責めに帰すべき事由により、質物が滅失し、若しくは毀損し、又は盗難にかかった場合における質置主の損害賠償請求権をあらかじめ放棄させる契約をすることはできません。

なお、質屋は古物商許可を受けることなく古物市場における流質物の売却をすることができます。当然のことながら、流質期限内においてこれを行うことはできません。

必要となる書類

  • 質屋許可申請書
  • 履歴書(※)
  • 住民票の写し(※)
  • 登記されていないことの証明書(※)
  • 定款及び登記事項証明書(法人)
  • 質物の保管設備の構造概要書、図面その他の書類(公安委員会が質物の保管設備について基準を定めた場合)

履歴書、住民票の写し、登記されていないことの証明書については、個人の場合は申請者、法人の場合は役員全員、未成年者の場合は法定代理人のものが必要となります。また、管理者を設置する場合には、その者の分についても必要となります。

まとめ

令和の時代においては、どこか古風な営業形態として忘れ去られがちな質屋ですが、消費者金融などと比較しても、金銭の貸主借主双方にメリットのある事業であることは確かです。インターネット取引全盛のご時世において、これらにどう対抗していくかが鍵になることでしょう。

どの事業でもそうですが、しっかりとした事業計画や資金繰りはまず検討すべき事項です。ご面倒なお手続きに時間を取られることはお薦めいたしません。

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