電気通信事業に必要な登録と届出とは

電話、インターネット、スマートフォン等、現代社会において電気通信がインフラとして欠かせない存在であることは誰も疑いようがありません。それゆえ電気通信を事業として行う際には、相応の義務と責任を負うことが求められています。

電気通信事業に参入しようとする際には、その社会的責任の一端として、登録や届出といった手続きを行う必要がありますが、体感的にはこの手続きの存在について、そもそもあまり認知されていないように感じることがあります。

そこで本稿では、これから電気通信事業に参入しようと検討されている皆さまに向けて、電気通信事業に関する基礎知識と、新規参入の際に必要となる手続きについて詳しくご解説していきたいと思います。

電気通信事業とは

電気通信事業法では、電気通信事業を、電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送局設備供給役務に係る事業を除く)と定義しています。

そもそも電気通信とは、有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいい、電気通信設備とは、電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいいます。

そして電気通信役務とは、電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいうので、これをサービスとして提供する事業が電気通信事業ということになります。

たとえば固定電話などの有線や、インターネットやスマホ等の無線を用いて面識のない他人を紹介する事業等が電気通信事業に該当します。

電気通信事業への該当性

たとえば動画の個人配信などについては、他人の通信を媒介している訳ではないので電気通信事業には該当しません。これに対し、動画共有サービスを運営する事業者はコンテンツの共有を通じて他人の通信を媒介しているといえるため、電気通信事業者に該当することになります。

以下に電気通信事業に該当するサービスの代表例を列挙しますので、サービスの特長をイメージしながら確認するようにしてください。

  • 転送電話サービス
  • 電話等受付自動代行サービス
  • レンタルサーバやホスティングサービス
  • 電子メールマガジンやコンテンツの媒介
  • 管理会社が入居者に提供するマンションのインターネット
  • 動画共有サービス
  • 非公開のチャットの運営や利用者間のメッセージの媒介
  • チャンネル貸し
  • 国外サーバを用いた電子メール
  • 関連企業間のネットワークの運営
  • 出会い系サイト
  • 婚活アプリ

上記とは逆に、以下のサービスについては電気通信設備を介しているものの双方向の通信とは言えません。このためこれらのサービスは、電気通信事業には該当しません。

  • 放送動画やブログ、メルマガの配信
  • ネット通販等
  • 単なるオンラインでの情報提供
  • 企業内の内線電話やLANの設置
  • 携帯電話の契約を取り次ぐ代理店
  • サーバの設置場所の賃貸
  • ホテルで提供する電話やインターネット
  • 非常災害発生時における緊急通信のための電気通信設備の利用
  • オンライン検索サイト
  • インターネットカフェ
  • 電子掲示板やオープンチャットの運営

電気通信事業の届出

電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣(地方総合通信局)に対して届出を行う必要があります。また、届け出た事項について変更があった場合も同様です。

届出を行うべき事業者

電気通信回線設備を設置する事業者のうち、以下の2つの要件を満たす事業者については、総務大臣(地方総合通信局)に対して届出を行う必要があります。

  • 端末系伝送路設備が一の市町村(特別区・政令指定都市にあっては「区」)の区域に留まること
  • 中継系伝送路設備が一の都道府県の区域に留まること

このほか、電気通信回線設備を設置しない事業者についても届出が必要となります。(旧一般第二種電気通信事業者は、こちらに該当します。)

届出に必要となる書類

(届出書記載例)

電気通信事業届出書記載例

電気通信事業の登録

届出事業者の要件を超える電気通信回線設備を設置して電気通信事業を営む事業者については、届出ではなく総務大臣(地方総合通信局)に対して申請し、その登録を受ける必要があります。

登録を受けるべき事業者

電気通信回線設備を設置する事業者のうち、以下のいずれかの要件に該当する事業者については、総務大臣(地方総合通信局)に対して申請し、その登録を受ける必要があります。広範囲にわたって事業を展開する事業者に登録というハードルを課して規制するのがその狙いです。

  • 端末系伝送路設備が一の市町村(特別区・政令指定都市にあっては「区」)の区域を越え広範囲にわたること
  • 中継系伝送路設備が一の都道府県の区域を越え広範囲にわたること

また、一定規模を超える伝送交換設備については伝送交換主任技術者資格者証、一定規模を超える線路設備については線路主任技術者資格者証を保有するものの中から電気通信主任技術者を選任し、工事・維持・運用の監督を行わせる必要があります。

登録に必要となる書類

  • 電気通信事業登録申請書
  • 欠格事由に関する誓約書
  • ネットワーク構成図
  • 提供する役務に関する書類
  • 申請者の行う電気通信事業以外の事業の概要
  • 定款の写し(法人)
  • 登記事項証明書(法人)
  • 役員の名簿及び履歴書(法人)

まとめ

近年、サービスの多種多様化によってインターネット等を利用した事業展開は珍しくなくなりました。新しいカタチのサービスが台頭すると、不正や犯罪を防止するための規制が設けられるのが世の常です。無届や未登録は例え規制を知らなかったと主張したとしても押し通すことはできず、厳しい罰則にさらされることになります。正しく規制を理解し、しっかりと手続きを踏むことが肝心です。

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電気通信事業届出44,000円〜
電気通信事業登録申請66,000円〜
電気通信番号使用計画認定申請132,000円〜
電気通信事業届出電気通信番号使用計画認定申請165,000円〜
※税込み

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