手作りケーキやクッキーを販売したい│菓子製造業許可│意外に複雑な許可のお話し
将来なりたいものは何ですか?
今も昔も小学校低学年における作文のあるあるテーマです。今でこそ「YouTuber」が幅をきかせている本テーマですが、私が児童だった頃は、男子なら「野球選手」、女子ならば「お花屋さん」なんかが定番の回答だったような気がします。ひとり「作者さん」と回答していたことを思い出した私は、当時から斜に構える傾向があったようです。いや。何なら弊サイトを通じて間接的に夢を叶えたのかも。
そんな中、男子女子ともにいまだに根強い人気を誇るのが「ケーキ屋さん」です。大人になった現在だからこそ食べようと思えばいつでも食べることができますが、誕生日やクリスマスにしか食べることができなかった少年時代には、その存在にはある種のプレミア感を抱いていたものです。
そういえばどうしたらなれるの?
実はケーキやクッキーを製造したり販売したりする際に必要となる手続きはやや複雑です。以下にケーキやクッキーを含むお菓子店を開業する際に必要となる資格や許可について解説していますので、これらのお店をご検討中の皆さまは、ぜひ参考にしてみてください。
目 次
菓子店の形態
ケーキやクッキーなどの洋菓子を製造販売するためには、都道府県知事から「菓子製造業許可」を受けることが必要になります。しかし、同一の菓子を製造する場合でも、提供形態の違いによって取得すべき許可は違ってきます。以下が菓子を提供するお店について想定されているパターンです。
- ケーキの持ち帰りのみ
- ケーキの持ち帰りとイートイン
- 飲食店の店内で提供する場合
必要となる許可
先述した3パターンでは、それぞれ以下の許可を必要とします。なお、「持ち帰り」には、いわゆるデリバリーサービスも含まれます。
提供の形態 | 必要となる許可 |
---|---|
持ち帰りのみ | 菓子製造業許可 |
持ち帰り + イートイン | 菓子製造業許可 + 飲食店営業許可 |
飲食店内で提供する場合 | 飲食店営業許可 |
持ち帰りのみ
持ち帰りのみのお店の場合、必要な許可は菓子製造業許可のみです。ショーケースなどに陳列し飲食スペースを設けず販売のみを行うタイプのお店が該当します。
持ち帰りとイートイン
持ち帰りとイートインで併せて菓子を提供する場合、菓子製造業許可と飲食店営業許可の両方が必要となります。店頭販売に加え、飲食スペースを設けて菓子を提供するタイプのお店が該当します。
飲食店で提供する場合
飲食店がその店内において菓子を提供する場合、必要な許可は飲食店営業許可のみになります。「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」が飲食店営業の定義とされており、ケーキやクッキーなどの菓子の調理も、当然にその範疇に含まれているからです。
なお、飲食店であってもお持ち帰り用のケーキを販売すると、別に菓子製造業許可が必要となる点についてはご注意ください。
その他の注意点
その他にもアイスを販売する場合はアイスクリーム類製造業許可、ホイップクリームなどの乳製品を自前で製造する場合には乳製品製造業許可が必要になるなど、食品を扱う際には様々な営業許可が絡んできます。以下に食品衛生法に定められた許可を必要とする業種について記載しましたのでご確認のうえ参考にしてください。
調理業 | 飲食店営業、喫茶店営業 |
製造業 | 菓子製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、食肉製品製造業、魚肉ねり製品製造業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、氷雪製造業、食用油脂製造業、マーガリン又はショートニング製造業、みそ製造業、醤油製造業、ソース類製造業、酒類製造業、豆腐製造業、納豆製造業、めん類製造業、そうざい製造業、缶詰又は瓶詰食品製造業、添加物製造業、つけ物製造業、製菓材料等製造業、粉末食品製造業、そう菜半製品等製造業、調味料等製造業、魚介類加工業、液卵製造業 |
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処理業 | 乳処理業、特別牛乳搾取処理業、集乳業、食肉処理業、食品の冷凍又は冷蔵業、食品の放射線照射業 |
販売業 | 乳類販売業、食肉販売業、魚介類販売業、魚介類せり売営業、氷雪販売業、食料品等販売業、弁当等人力販売業 |
菓子製造業許可
菓子製造業とは、洋菓子、和菓子、あめ、チューインガム、パンなどを製造する営業をいいます。該当するかどうかについては、以下のようなルールも存在しています。
焼き芋、綿菓子、炒り豆などの簡易な加工や、水飴、もなかの外郭、ジャム、クリームなどの菓子材料を製造する行為は菓子製造業に含まれない
簡易な加工でも工場形態で大量製造する場合や添加物を使用する場合は菓子製造業の許可は必要となる
露店や自動車で菓子を製造し販売する行為も菓子製造業の対象となる
菓子製造業の範疇で赤飯を作ることは可能であるが、おこわの製造については飲食店営業の範疇となる
許可の基準
菓子製造業を営業するためには、営業所ごとに食品衛生責任者を選任し、都道府県知事が定める施設や設備などの基準に適合させた上で営業地を管轄する保健所に対して申請し、都道府県知事の許可を受けることが必要となります。以下は兵庫県における基準条例を下敷きにした施設や設備の基準ですのでよく確認して参考にしてください。
営業施設には、 原材料置場、 作業場及び製品置場があり、 区画されていること
製品の包装をする場合には、包装室又は包装場所を設けること
パンを製造する場合は次に掲げる構造設備であること
- イースト、 バター等を保管する冷蔵設備があること
- 発酵槽は不浸透性材料で作られていること
- 作業台で食品の接触する部分は金属製のものであること
- あん保管箱を使用する場合は合成樹脂製又は金属製のものであること
- 包装されないままのパンを入れるパン箱は、合成樹脂製又は金属製のものであること
食品衛生責任者
菓子製造業を営む営業所ごとに必要です。各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講すれば、誰でも取得できる資格です。講習は、食品衛生学・衛生法規・公衆衛生など約6時間、受講料は1万円程です。
水質検査成績書
ビルのフロアを借りて営業するケースなど、貯水槽や井戸水を利用する場合には、「水質検査成績書」の提出が必要になります。オーナーさんが検査を済ませていると思われますので確認しておきましょう。
飲食店営業許可
飲食店に該当する場合は、飲食店営業許可を取得する必要もあります。こちらも申請先は営業地を管轄する保健所になります。ただし、自動販売機のみを設置する店舗であれば飲食店営業許可は不要です。飲食店についても営業所ごとに食品衛生責任者を設置する必要があります。詳細については下の埋め込み記事に譲りますので、しっかり確認するようにしてください。
飲食店営業許可の概要について
飲食店開業と営業許可
保健所との事前協議
菓子製造業をはじめる際は、なによりも保健所との事前協議が重要です。検討している営業形態を漏れなくはっきり伝え、許可の基準についてもしっかりと確認するようにしましょう。そもそも許可を受けることができないケースも考えられるため、必ずこの手続きを経るようにしてください。
まとめ
業態の多様化によって、食品に関する許可は複雑化しています。最低限、どのような形態で何を販売するのかについては説明できるようにしておいてください。その上で必要な資金を試算し、調達方法などもしっかり計画してから事前協議にのぞみましょう。
弊所では菓子製造業許可の取得の代行をサポートしています。保健所との事前協議もサービスに含まれますので、どうぞご遠慮なくご活用ください^^
菓子製造業申請 | 38,500円 |
飲食店営業許可申請 | 38,500円 |
ケーキ屋開業支援 (フルサポート) | 66,000円 |
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