格闘技バー開業ガイド│格闘技バーの営業許可と営業上の注意点について
飲食店の申請を取り扱う行政書士として興味深いのは、世の中には本当に多種多様なコンセプトを掲げるお店が存在することを見聞することができるという点にあります。
そんな中、昨今の格闘技ブームの再燃により、ライブで格闘技を観戦することができる格闘技バーについてのご相談をちらほら頂戴しています。
他方、このような営業形態であることから、興行場法や、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)との兼ね合いが、問題点として浮上してきます。
そこで本稿では、これから格闘技バーを開業・出店しようとする皆さまに向けて、必要となる基礎知識や手続方法等について、詳しく解説していきたいと思います。
格闘技バーの営業形態
格闘技バーとして考えられるのは、スクリーンを設置して映像を流し、格闘技を観戦するタイプのものと、実際にリングや金網を設置して生で格闘技を観戦するタイプのものです。
どちらも酒食をしながら格闘技を観戦する施設ではありますが、前者であれば遊興施設として、後者のタイプであれば、興行場として解釈される可能性があります。
遊興施設
遊興施設を明確に定義づける法律はありませんが、風営法を運用する警察庁の解釈において、「遊興」とは、「営業者の積極的な働きかけにより客に遊び興じさせる行為」とされています。
この定義を適用するのであれば、スクリーン上で映像を流して格闘技を観戦させるタイプのバーは、便宜上「遊興施設」と言えるため、「遊興」を規制の対象とする風営法において、何らかの規制を受けうる可能性があります。
興行場
興行場法では、興行場について、「映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設」と定義しています。
また、業として興行場を経営しようとする者は、興行場を設置しようとする場所の都道府県知事等に対して申請を行い、その許可を受ける必要があることから、施設内に設置したリングや金網で選手同士を戦わせ、その試合を生で観戦させるタイプのバーは、興行場に該当する可能性があります。
この「業として」という表現があることから、たとえば1回限りの大会を開催するために興行場の許可を取得する必要はないものと考えられますが、トーナメント形式の試合を継続して開催するような場合は、やはり許可が必要になるものと考えられます。
ただし、興行場法については、多くの規定の詳細を自治体の条例に委任していることから、興行場としての許可が必要であるかどうかは、各自治体の判断によることとなります。
出店に必要となる手続き
名称や営業形態がどうであれ、飲食店であるからには、まずは飲食店営業許可を取得することが大前提となります。
これに加え、興行場に該当するのであれば「興行場営業許可」を取得する必要がありますし、午前0時を超えて飲酒させる営業を行おうとすれば、「深夜酒類提供飲食店」としての届出、さらに遊興が深夜にまで及ぶようになれば、「特定遊興飲食店営業許可」を取得する必要があります。
深夜酒類提供飲食店営業
風営法では、深夜0時から早朝6時までの時間帯を深夜帯とし、この時間帯に営業を行う飲食店を「深夜営業飲食店」、このうち酒類をメインに提供する飲食店を「深夜酒類提供営業飲食店」として区分しています。
深夜営業店であるからといって直ちに手続きが必要になることはありませんが、深夜酒類提供営業飲食店に該当するお店を出店するのであれば、所轄の警察署に対し、深夜酒類提供営業飲食店営業営業開始届を提出する必要があります。
特定遊興飲食店営業
風営法では、特定遊興飲食店営業を、「ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る)で、午前6時後翌日の午前0時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く)」と定義しています。(風営法第2条第11項)
この回りくどい条文を分かりやすく分解すると、以下4つの条件をすべて満たす営業が特定遊興飲食店営業に該当することになります。
- 遊興設備を設けていること
- 客に遊興をさせること
- 客に酒類を提供すること
- 深夜(午前0時から午前6時まで)に営業すること
上記の条件を満たす営業であれば、格闘技バーについても、当然に特定遊興飲食店に該当することになります。
そもそもこれらの飲食店を規制する目的は、飲酒と遊興による享楽的な雰囲気が深夜まで及ぶことに起因するトラブルを未然に防止することにあるため、逆に言えば、客に遊興をさせる設備のある店舗であっても、お酒を提供しない店舗であったり、深夜帯に営業を行わない飲食店であれば、この規制の対象からは除外されることとなります。
ただし、特定遊興飲食店を営業することができる地域は極めて限定されているため、場所によっては、営業を断念せざるを得ないケースも多いので、特に注意が必要となります。
その他の注意点
深夜酒類提供営業飲食店にしろ、特定遊興飲食店営業にしろ、営業可能地域と営業することができない地域とが設定されています。特に特定遊興飲食店営業については場所に関する規制が非常に厳しく、営業を諦めざるを得ない場合も多々あるように思います。
また、営業所内の設備についてもルールがあり、それぞれの営業形態ごとに、細かく構造要件が定められています。(客室に1mを超える構造物を設置してはならない等)
違法となることを認識していたかどうかに関わらず、一歩踏み間違えると摘発の対象となってしまうこともあるため、これから格闘技バーを出店しようとお考えの方は、所轄警察署、あるいは風営法に精通した行政書士に相談することを強くお薦めいたします。
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