【ひな型ダウンロード可】児童対象性暴力等対処規程の作り方│日本版DBSの記載事項を行政書士が解説

規程づくりの話し合い

学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(以下、こども性暴力防止法)の認定を受けようとする学習塾やスポーツクラブ、放課後児童クラブ、認可外保育施設といった民間教育保育等事業者は、「児童対象性暴力等対処規程」を作成し、認定の申請書に添付する必要があります。この規程は、子どもへの性暴力やその疑いが生じたときに、事業者がどのように報告を受け、事実を調べ、子どもを守るかを定めたもので、認定の基準の一つとされています。

こども家庭庁は規程のひな型を公表していますが、不適切な行為の範囲や報告の流れ、対応を担う人は、事業の内容や子どもの年齢、職員の数によって変わるため、ひな型をそのまま使うだけでは、実際に機能する規程にはなりません。

本記事では、ガイドラインが定める記載事項に沿って、定義、実施体制、防止措置、調査、被害を受けた子どもの保護と支援の定め方と、就業規則との関係までを行政書士が解説します。

専門家に直接質問したい方や代行について期間と見積りを早く教えてほしい方はこちら↓

めちゃ速い!ほんまに安い!

☎平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!

090-1911-1497

メールでのお問い合わせはこちら。

お問い合わせフォーム

児童対象性暴力等対処規程とは

児童対象性暴力等対処規程は、認定を受けようとする民間教育保育等事業者が作成する規程で、性暴力が行われるおそれがある場合の防止措置、事実を確かめるための調査、被害を受けた子どもの保護と支援を定めるものです。学校や認可保育所といった義務の対象となる学校設置者等には、この規程の作成は求められておらず、認定を受ける事業者に固有の書類となっています。

こども家庭庁は「児童対象性暴力等対処規程(ひな型)」を公表しており、令和8年9月2日に更新されています。あわせて、規程の土台となる報告ルールと対応ルールのひな型や、対応フローのひな型も公表されているため、これらを組み合わせ、自らの事業に合った規程に仕上げることが求められます。

規程に記載する事項

ガイドラインは、規程に必ず記載する事項として、以下の6項目を挙げています。事業の実態に応じて、これ以外の事項を加えることもできます。

記載事項定める内容
定義「児童対象性暴力等」と「不適切な行為」の意味と範囲
実施体制不適切な行為の範囲の明確化、疑いを把握したときの報告ルールと対応ルール、従事者や子ども、保護者への周知、対応を担う者の特定
防止措置性暴力が行われるおそれがある場合に、従事者を子どもに関わる業務に就かせないといった措置
調査性暴力の疑いがある場合に、事実の有無と内容を確かめる方法
保護と支援被害を受けた子どもを守り、日常を取り戻せるよう支える措置
役割分担共同認定の場合に、民間教育保育等事業者と事業運営者がそれぞれ担う措置

定義

規程では、まず、対応の対象となる行為の範囲を明らかにするために、「児童対象性暴力等」と「不適切な行為」の意味を定める必要があります。児童対象性暴力等は法律で内容が定められている一方、不適切な行為の範囲は事業者が自ら決めることとされており、規程の運用はこの二つの定義を土台として行われます。

児童対象性暴力等

児童対象性暴力等は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の「児童生徒性暴力等」をもとに、高等専門学校の1年生から3年生や、専修学校の高等課程の生徒に対する同様の行為を加えたものとされています。

子どもと性交等やわいせつな行為をすることや、児童買春・児童ポルノ禁止法の罪に当たる行為をすることに加えて、子どもの心身に有害な影響を与えるもので、性的な部位に触れたり下着や身体を撮影したりして子どもを著しく恥ずかしがらせたり不安にさせたりする行為、性的羞恥心を害する言動も含まれます。

不適切な行為

不適切な行為とは、それ自体は児童対象性暴力等に当たらないものの、業務上必ずしも必要とはいえず、続けたり発展したりすると性暴力につながるおそれのある行為をいいます。ガイドラインは、その例として以下の行為を挙げています。

  • 子どもと私的な連絡先を交換すること
  • 休日に子どもと二人きりで会うこと
  • 必要のない撮影をすること
  • 必要もなく密室の状況をつくること
  • 必要のない身体の接触をすること
  • 必要のない排せつの介助や、着替えへの立ち会いをすること
  • 特定の子どもを特別に扱うこと

これらの行為が不適切かどうかは、事業の内容や子どもの発達の段階、現場の状況によって変わります。乳幼児を預かる施設では排せつの介助や着替えの手伝いが欠かせず、スポーツクラブではフォームの指導で体に触れる場面もあるため、事業者ごとに業務上の必要性を踏まえて範囲を決め、服務規律に反映させることが求められます。

重大な不適切な行為

不適切な行為のうち、「執拗に」「子どもや保護者の意に反すると知りながら」といった悪質さを強める事情が加わったものは、「重大な不適切な行為」として扱われます。

重大かどうかは、加害の認識があったか、被害がどの程度か、どれほど悪質かを考慮して判断し、重大な不適切な行為は、児童対象性暴力等に準じた対応の対象となります。

実施体制

実施体制では、不適切な行為の範囲を明らかにしたうえで、疑いを把握したときの報告の流れと、報告を受けた後の対応の流れを定め、対応を担う者を特定する必要があります。あわせて、これらの内容を従事者や子ども、保護者に周知することも求められており、報告ルール、対応ルール、周知の三つが体制の柱となります。

報告ルール

報告ルールでは、性暴力や不適切な行為の疑いを把握したときに、誰が、どのような方法で、誰に、何を報告するかを定める必要があります。報告の方法は直ちに報告すると定めるといった形で具体的に示し、報告先は管理者や、性暴力への対応を担う専門のチームとすることが考えられます。

ただし、疑われる者が管理者や幹部である場合は、通常の報告の経路が機能しません。そのため、匿名で報告できる事業者内の窓口や外部への通報の窓口もあわせて設け、どの経路でも報告が届く仕組みにしておくことが大切です。

対応ルール

対応ルールでは、報告を受けた後に誰が何をするかを定め、対応を担う者を規程に明記する必要があります。関わった職員自身が加害者である可能性もあるため、対応は1人に任せず、複数の者で構成するチームで担うことが求められます。

対応にあたっては、疑いを把握した段階から深刻に受け止め、様子を見るだけで済ませないことが大切です。あわせて、情報を厳格に管理し、報告した人が不利益な扱いを受けないようにするとともに、相談できる外部の専門家をあらかじめ確保しておくことも求められます。

周知

不適切な行為の範囲や報告ルール、対応ルール、講じる措置の内容は、従事者だけでなく、子どもや保護者にも周知する必要があります。こども家庭庁は、保護者向けの周知用資料と、小学校低学年向け、高学年向け、中高生向けの子ども向け資料のひな型も公表しています。

子どもへの周知では、事業者内の相談員や相談窓口に加えて、外部の相談窓口も伝えることが求められています。ガイドラインは、24時間子供SOSダイヤル、こどもの人権110番、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(#8891)、警察の性犯罪被害相談電話(#8103)といった窓口を例に挙げています。

防止措置

防止措置は、犯罪事実確認の結果や、日頃の観察、相談の内容を踏まえて、性暴力が行われるおそれがあると認める場合に講じる措置です。規程には、状況に応じて以下の措置を定めておく必要があります。

状況講じる措置
犯罪事実確認で、特定性犯罪の前科があると分かった場合原則として、子どもに関わる業務に就かせないこと
子どもや保護者から被害の申出があった場合被害が疑われる子どもと、加害が疑われる従事者が接触しないようにすること
調査で、児童対象性暴力等が行われたと合理的に判断された場合原則として、子どもに関わる業務に就かせないこと
調査で、重大な不適切な行為が行われたと合理的に判断された場合児童対象性暴力等が行われた場合に準じて対応すること
調査で、初回かつ比較的軽微な不適切な行為が行われたと合理的に判断された場合繰り返さないよう指導や研修の受講を命じ、その後の様子を見守ること
指導の後も、同じような不適切な行為を繰り返した場合児童対象性暴力等が行われた場合に準じて対応すること

初回かつ比較的軽微な不適切な行為の疑いでは、行為を責めるのではなく、その行為に至った理由を聴き取り、早めに改める必要があることを丁寧に説明することが望ましいとされています。

また、防止措置を講じる場合でも、犯罪事実確認の結果そのものを他の人に伝えることは禁じられているため、派遣元に連絡するといった場面では、前科に触れない形で措置の必要性を伝える必要があります。

調査

調査は、性暴力の疑いがある場合に、事実の有無と内容を確かめるために行うもので、その結果が防止措置や処分の判断の根拠となります。調査の進め方を誤ると、子どもをさらに傷つけたり、疑いをかけられた従事者の権利を不当に損なったりするおそれがあるため、規程には、初動の対応から事実の認定までの流れを定めておくことが求められます。

初動の対応

性暴力の疑いを把握したときは、何よりもまず、子どもの身体と心の安全を確保することが求められます。犯罪の疑いがある場合は速やかに警察に相談し、加害が疑われる者に知らせることで証拠を隠されるおそれもあるため、事業者としての動き方も警察と相談したうえで決めることが大切です。

あわせて、子どもに関わらない業務への一時的な変更や自宅待機によって、加害が疑われる者と子どもを引き離し、子どもの日常はできるだけ変えないよう配慮します。保護者には、事実が確定する前であっても、分かっていることを速やかに、誠実に伝えることが求められます。

聴き取りと証拠の保全

子どもから何度も話を聴いたり、答えを誘導するような質問をしたりすると、子どもを苦しめるだけでなく、記憶が変わってしまうおそれがあります。そのため、子どもからの聴き取りは繰り返さないようにし、必要に応じて警察と連携して行うことが求められます。

防犯カメラの映像、SNSのメッセージ、出退勤や鍵の記録、衣類といった証拠は、失われないよう保全し、誰が閲覧したかも記録しておくことが大切です。事案によっては、弁護士に相談し、所管の行政機関とも連携しながら調査を進めることになります。

事実の認定

事実は、加害が疑われる者の説明が子どもの話と一致する場合や、客観的な証拠、信頼できる目撃者の証言で裏付けられる場合に、行われたものと判断します。一方、事実を認定できなかった場合に、噂や認定されていない行為を理由として処分を行うことは認められていません。

調査にあたっては、子どもの人権と特性に配慮して名誉と尊厳を傷つけないようにするとともに、疑いをかけられた従事者の人権にも配慮し、公正かつ中立に進めることが求められます。調査の結果は、子どもにも分かるように説明する必要があります。

被害を受けた子どもの保護と支援

保護と支援の目的は、被害を受けた子どもが日常を取り戻し、落ち着いて教育や保育を受けられるようにすることです。規程には、加害が疑われる者との接触を避ける措置、事案に応じた支援機関の情報の提供、子どもや保護者からの相談への誠実な対応を定める必要があります。

支援機関としては、ワンストップ支援センターや医療機関、警察、弁護士が想定されています。担当者を決めて定期的に子どもの様子を確かめ、本人の同意を得たうえで、進級や転校の際にも必要な情報を引き継ぐといった、長期にわたる支援が求められます。

また、被害を受けた子どもだけでなく、他の子どもや保護者、職員への配慮も欠かせません。噂から他の子どもを守ることや、対応にあたって心の負担を抱えた職員へのケアも、あわせて考えておく必要があります。

共同認定の場合の役割分担

指定管理や業務委託によって、民間教育保育等事業者と事業運営者が共同で認定を受ける場合は、防止措置、調査、保護と支援のそれぞれについて、どちらが担うかを規程に定める必要があります。たとえば、人事権を持つ側が配置転換を、現場を管理する側が日々の接触の回避や子どもの見守りを担うといった分担が考えられます。

共同認定では、事業運営者の違反によって認定が取り消された場合も、民間教育保育等事業者に2年間の欠格期間が生じ、その間はすべての種別の認定を受けられなくなります。相手方の不備によって自らも認定を受けられなくなるおそれがあるため、役割の分担は具体的に書き分けておくことが大切です。

就業規則との関係

規程に防止措置を定めていても、それだけを根拠に、従事者を懲戒処分にすることはできません。懲戒処分を行うには、就業規則に懲戒の種類と理由をあらかじめ定めて周知しておく必要があり、防止措置として配置転換を行う場合も、就業規則や雇用契約に根拠を定めておくことが求められます。

こども家庭庁は、就業規則の参考例も公表しています。ただし、報酬を得て就業規則を作成したり変更したりする業務は社会保険労務士に限られているため、就業規則の見直しは、顧問の社会保険労務士と連携して進めることになります。

規程の変更と届出

認定を受けた後に児童対象性暴力等対処規程を変更する場合は、軽微な変更を除いて、あらかじめこども家庭庁に届け出る必要があります。共同認定の場合は、変更について両者が合意していることも求められます。

また、認定を受けた事業者は、毎年の定期報告で、性暴力の申出の件数や、児童対象性暴力等と判断した件数、不適切な行為と判断した件数といった防止措置の実施状況を報告する必要があります。規程は作って終わりではなく、運用の結果を踏まえて見直していくことが求められます。

Q. 児童対象性暴力等対処規程はどの事業者が作成しますか?
A. 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が作成し、認定の申請書に添付します。学校や認可保育所といった義務の対象となる事業者には、作成は求められていません。


Q. こども家庭庁のひな型をそのまま使えますか?
A. ひな型は土台として使えますが、不適切な行為の範囲や報告先、対応を担う者は事業ごとに異なります。事業の内容や職員の体制に合わせて書き直す必要があります。


Q. 不適切な行為の範囲は誰が決めますか?
A. ガイドラインの例を参考に、事業者が業務上の必要性を踏まえて決めます。決めた範囲は服務規律に反映させ、従事者や子ども、保護者に周知する必要があります。


Q. 規程があれば、問題を起こした従事者を懲戒処分にできますか?
A. 規程だけを根拠に懲戒処分を行うことはできません。就業規則に懲戒の種類と理由をあらかじめ定め、周知しておく必要があります。


Q. 認定を受けた後に規程を変えるときは届出が必要ですか?
A. 軽微な変更を除いて、変更する前にこども家庭庁に届け出る必要があります。

児童対象性暴力等対処規程の作成サポート

児童対象性暴力等対処規程には、児童対象性暴力等と不適切な行為の定義、報告ルールと対応ルールを含む実施体制、防止措置、調査、被害を受けた子どもの保護と支援、共同認定の場合の役割分担を定める必要があります。規程に定めた内容は、従事者や子ども、保護者に周知し、認定を受けた後も運用の結果を踏まえて見直していくことが求められます。

弊所では、こども性暴力防止法の認定申請と、児童対象性暴力等対処規程の作成を代行しています。事業の内容に合わせた不適切な行為の範囲の整理から、報告ルールと対応ルールの設計、規程と添付書類の作成、認定後の変更の届出に至るまで、しっかりまるっとサポートいたします。

さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。学習塾やスポーツクラブ、放課後児童クラブ、認可外保育施設で規程の作成にお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

本稿でダウンロードできるひな型は、こども家庭庁が公開しているファイルです。(出典:こども家庭庁「こども性暴力防止法に基づく措置を行うに当たって活用できる各種ひな型・参考例 リンク集」)

実際は業種や実態ごとに記載内容が異なるため、ご面倒であれば格安でカスタマイズ可能です。どうぞご遠慮なくご利用ください。

児童対象性暴力等対処規程の作成に関するご相談はお気軽に♬

全国対応可能です。

☎平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!

090-1911-1497

メールでのお問い合わせはこちら。

お問い合わせフォーム

事務所の最新情報をお届けします