まとめて解説│月次支援金について【令和3年8月31日まで】

月次支援金の概要
出典元:経済産業省公式サイト

令和3年6月16日(水)より申請が開始された月次支援金について、経済産業省が公開した実際の資料を織り交ぜつつまとめてみました。

情報の正確性に万全を期すため、併せて経済産業省公式サイト(外部リンク)も必ずチェックするようにしてください。なお、本稿に添付した資料はすべて経済産業省公式サイトからの出典であることを申し添えます。

弊所は登録確認機関(申請中)であり、事前確認を無料にて行います。申請を代行する場合に限り、個人さま7,700円、法人さま15,400円でお受けさせていただいております。

前回の一次支援金事前確認の際には、要綱や必要な書類を事前に確認されることなくお申し込みされるケースが目立ったほか、途中より連絡が取れなくなるケースも散見されました。事前確認のお申し込みの前には、必ず要綱に目を通していただくようお願いいたします。なお、申請のサポートについては有料(上記)にて対応しておりますので、申請書類や申請方法の詳細について無料相談を受けることまでは致しかねます。恐れ入りますが、その点あらかじめご了承いただいた上でお申し込みいただくよう重ねてお願いいたします。
区分申請期間
4月・5月分2021年6月16日~8月15日
6月分2021年7月1日~8月31日

給付対象

2021年の4月以降に実施される緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴い、同措置が実施される地域において、休業又は時短営業の要請を受けて、休業又は時短営業を実施している飲食店と直接・間接の取引があること、又は、同措置が実施される地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けていることが必要です。

以下のいずれかを満たす事業者は、業種や所在地を問わず給付対象となり得ます。給付要件を満たせば、中小法人等(資本金等10億円未満、又は資本金等が定められていない場合は常時使用する従業員数が2,000人以下)及び個人事業者等(フリーランスや主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者等の方を含む)の双方とも対象になり得ます。

  1. 対象措置を実施する都道府県に所在する飲食店と直接・間接の取引があることによる影響を受けて、2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以 上減少していること
  2. 対象措置を実施する都道府県に所在する個人顧客と直接的な取引があることによる影響を受けて、2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少していること

まん延防止等重点措置が実施される都道府県内の措置区域外に所在する飲食店と直接・間接の取引がある事業者も、その他の給付要件(売上減、保存書類等)を満たせば給付対象となり得ます。

月次支援金は、店舗単位・事業単位でなく、事業者単位で給付されます。そのため、事業者の全ての2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少している必要があり、特定の店舗・事業のみ月間売上が50%以上減少したとしても給付要件を満たしません

給付対象の具体例

食品加工・製造事業者
  • 惣菜製造業者
  • 食肉処理・製品業者
  • 水産加工業者
  • 飲料加工事業者
  • 酒造業者
器具・備品事業者
  • 食器・調理器具・店舗の備品・消耗品を販売する事業者
サービス事業者
  • 接客サービス業者
  • 清掃事業者
  • 廃棄物処理業者
  • 広告事業者
  • ソフトウェア事業者
  • 設備工事業者
流通関連事業者
  • 業務用スーパー
  • 卸・仲卸、問屋
  • 農協・漁協
  • 貨物運送事業者
飲食品・器具・備品等の生産者
  • 農業者、漁業者
  • 器具・備品製造事業者

本事業者に該当しても、地方公共団体による対象月における休業・時短営業の要請に伴う協力金の支給対象の事業者は、月次支援金の給付対象外となります。

主に対面で個人向けに商品・サービスの提供を行う事業者
旅行関連事業者
  • 飲食事業者(飲食店、喫茶店等)
  • 宿泊事業者(ホテル、旅館等)
  • 旅客運送事業者(タクシー、バス等)
  • 自動車賃貸業
  • 旅行代理店事業者
  • 文化・娯楽サービス事業者(博物館、美術館、動物園、植物園、水族館、公園、遊園地、公衆浴場、興行場、興行団等)
  • 小売事業者(土産物店等)
その他事業者
  • 文化・娯楽サービス事業者(映画館、カラオケ等)
  • 小売事業者(雑貨店、アパレルショップ等)
  • 対人サービス事業者(理容店、美容室、クリーニング店、マッサー ジ店、整骨院、整体院、エステティックサロン、結婚式場、運転代行業等)
上記事業者への商品・サービス提供を行う事業者
  • 食品・加工製造事業者
  • 清掃事業者
  • 業務委託契約を締結しているタクシードライバー・バスガイド・イベント出演者
  • 卸・仲卸
  • 貨物運送事業者
  • 広告事業者
  • ソフトウェア事業者

給付対象外の例

対象月の売上が50%以上減少していても、又は、対象措置実施都道府県に所在する事業者でも、給付要件を満たさなければ給付対象外です。また、事業の継続・立て直しに向けた取組を行っている必要があります。

例えば、対象措置実施都道府県外において、地域コミュニティ内の顧客のみと取引を行う小売店や生活関連サービスは給付対象外です。

地方公共団体による休業又は時短営業の要請に伴う協力金の支給対象の事業者や、公共法人、風営法上の性風俗関連特殊営業として届出義務のある者、政治団体、宗教法人は給付対象外です。

酒類及びカラオケ設備を提供しておらず、昼間のみに営業を行っているなど、同協力金の支給対象になっていない飲食店は、給付対象になり得ます。

協力金の支給対象事業者について

一部の店舗・事業において同協力金の支給対象となっていれば、他の店舗・事業を営んでいたとしても、給付対象外です。

ある対象月分の一時支援金又は月次支援金で無資格受給又は不正受給を行った者不給付となった者については、同対象月及びその他対象月において、月次支援金の申請・受給を行う資格はありません

申請・受給を行う資格がないため、受給前の申請については不給付となり、受給済の申請については受給額を返還することになります。一時支援金の受給資格も同様にありません。

保存書類

以下の証拠書類等は7年間保存する義務がありますが、申請時に提出する必要はありません。ただし、事務局等から提出を求められた場合には、速やかに提出する義務があります。
また、取引先とされている事業者に対して調査が行われることもありますのでご注意ください。

飲食店の休業・時短営業の影響関係

保存書類1

外出自粛等の影響関係

保存書類2

申請者所在地と事業の条件が合てはまれば、上記より任意の保存書類を選択することが可能です。

協力金の支給対象となる休業・時短営業の要請を受けていない飲食店については、それぞれ求められる保存資料に加えて、営業許可証及び営業時間を示す写真等の同要請対象ではないことを示す書類の保存が必要です。

保存書類の代表例

保存書類の代表例1
保存書類の代表例2
保存書類の代表例3
保存書類の代表例4

必要となる手続き

下記のフローに従って手続きを進めてください。その際のポイントとなる事項についても、下記を参考にしてください。

手続きのフロー

まずはアカウントの発行を申請します。一次支援金の際には、アカウントの申請がなされていない状態で事前確認に申し込まれるケースが散見されました。まずは申請ID(ログインIDとは異なります。)を入手してください。

はじめて月次支援金を申請する前には、登録確認機関において事前確認を受ける必要があります。

その上で、2021年の4月以降で緊急事態措置又はまん延防止等重点措置が実施された月のうち、その影響を受けて売上が前年又は前々年比で50%以上減少した月を対象月として選択し、基本情報を入力し、必要書類を添付して申請します。

なお、同対象措置が複数月に及ぶ場合や新たに同対象措置が実施されて対象月が増えた場合などは、それぞれの月において、売上が50%以上減少し、必要な給付要件を満たせば、申請を行うことができます。ただし、1つの対象月につき申請・受給は1回に限られます。

申請者の利便性を高めるため、2回目以降の申請については、事前確認や提出資料の簡略化が図られます。

必要書類の他に、基本情報(事業者名、連絡先、取引先情報等)をオンラインで入力して提出いただくとともに、対象措置の影響を証明する証拠書類の保存が必要になります。

事前確認

月次支援金についても、前回の一時支援金と同様に、事前確認の機能を重視しています。具体的には、事前確認のために後記する書類を準備した上で、後述する登録確認機関の事前確認を受けることになります。

 なお、一時支援金を受給している場合又は月次支援金の申請に際して事前確認を受けた場合、新たな月次支援金の申請を行う際は、基本的には改めて事前確認を行う必要はありません。

登録確認機関

登録確認機関

事前確認に必要な書類

  • 本人確認書類(個人)
  • 履歴事項全部証明書(法人)
  • 収受日印の付いた2019年対象月同月及び2020年対象月同月までをその期間に含む全ての確定申告書の控え
  • 2019年1月〜2021年対象月までの各月の帳簿書類
  • 2019年1月以降の事業の取引を記録している通帳
  • 自署による宣誓・同意書

月次支援金の申請に当たっては、宣誓・同意書は必ず1度は提出する必要があります。2回目以降の申請については、宣誓・同意書を改めて提出いただく必要はありません。

中小法人等については、合理的な事由で提出できない場合は、税理士の署名がある事業収入を証明する書類で確定申告書類との代替が可能です。また、個人事業者等については、確定申告義務がない場合その他合理的な事由がある場合は、住民税の申告書の控えで代替可能です。

e-Taxの場合は、受信通知メールのある確定申告書の控え又は受付日時が印字された確定申告書の控えを提示します。

法人の代表取締役から委任された者が事前確認を受ける場合には、履歴事項全部証明書に加えて、委任状(委任内容、委任者、受任者が明確である限りは書式自由)及び委任状に記載された受任者の本人確認書類もご準備ください。

なお、事前確認に必要な書類と申請に必要な書類は異なります。混同してしまわないようご注意ください。

事前確認の内容

登録確認機関は、下記の内容について、事前確認を実施します。これは、不正受給や誤って受給してしまうことのないように、申請希望者が、①事業を実施しているか、②給付対象等を正しく理解しているか等を事前に確認する作業です。

  1. 申請ID、電話番号、法人番号及び法人名(法人)、氏名及び生年月日(個人事業者等)」の確認
  2. 本人確認
  3. 確定申告書の控え、帳簿書類、通帳の有無の確認
  4. 帳簿書類及び通帳のサンプルチェック
  5. ③及び④が存在しない場合、その理由についての確認
  6. 宣誓・同意事項等を正しく理解しているかについて口頭での確認

具体的には、登録確認機関が、TV会議又は対面等で、事務局が定めた書類(帳簿等)の有無の確認や宣誓内容に関する質疑応答等の形式的な確認を行います。

なお、登録確認機関は、当該確認を超えて、申請希望者が給付対象であるかの判断は行いません。また、事前確認の完了をもって、給付対象になるわけではありません。

簡略化

簡略化

申請に必要な書類

下記書類の他に対象措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けたことを示す証拠書類等の保存(7年間)が必要ですが、同保存書類は、申請時の提出は不要です。

①主な基本情報

法人名/屋号、住所、氏名、連絡先、2019年1月から2021年申請前月までの毎月の法定帳簿に対応した月間事業収入等

2019年1月から2021年3月までの間に設立・開業した場合は、設立・開業した月よりも前の月の月間事業収入の入力は任意です。

白色申告を行っている場合、青色申告を行っている者であって所得税青色申告決算書を提出しない場合、又は特定非営利活動法人若しくは公益法人等であって月次の事業収入を確定的に記入できない場合は、2020年12月以前の各月の月間事業収入の入力は任意です。

注意事項

②確定申告書

2019年対象月同月及び2020年対象月同月をその期間に含む全ての確定申告書の控え

収受日付印の付いた確定申告書の控えが必要となります。

e-Taxによる申告の場合、受付日時の印字又は受信通知メールの添付が必要となります。

確定申告義務がない場合その他合理的な事由がある場合は、住民税の申告書の控えが必要となります。

主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者等として申請する場合は、基準年の確定申告書第一表の「収入金額等」の「事業」欄に記載がないこと(又は0円)が必要となります。

③売上台帳

2021年の対象月の月間事業収入がわかる売上台帳

④宣誓・同意書

代表者又は個人事業者等が自署した宣誓・同意書

はじめて月次支援金の申請を行う場合は、全ての提出書類を提出する必要がありますが、2回目以降の申請における提出書類は、基本的には、対象月の売上台帳等となります。なお、一時支援金の受給に際して提出した書類も、改めて提出する必要はありません。ただし、既存の提出書類に修正・追 加の必要がある場合には、修正後・追加の書類を提出する必要があります。

⑤本人確認書類

住所、氏名及び顔写真が明瞭に判別でき、かつ申請を行う日に有効なもので、記載された住所が申請時に登録する住所と同一のものに限られます。

  • 運転免許証(両面)
  • マイナンバーカード(表面)
  • 写真付住民基本台帳カード(表面)
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 外国人登録証明書
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 住民票及びパスポート
  • 住民票及び各種健康保険証

⑥履歴事項全部証明書

提出時から3ヶ月以内に発行された履歴事項全部証明書(中小法人等)

⑦通帳

銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・  名義人が確認可能な通帳

⑧その他

その他事務局が必要と認める書類

給付額の計算方法

個人事業者等の通常申請

個人事業者等の通常申請

中小法人等の通常申請

中小法人等の通常申請

給付額の計算方法

給付額の計算方法

不正受給

不正受給が判明した場合には、給付金の全額に、年3%の割合で算定した延滞金を加え、これらの合計額にその2割に相当する額を加えた額を返還する義務を負うほか、氏名等の公表や刑事告発される場合もあります。

今後の取組について

特例について

特例

スケジュール

申請は令和3年8月31日までとなっています。事前確認についても同様ですが、その後の手続きを考えて、早めのタイミングで申し込むようにしましょう。

スケジュール

まとめ

感染症の流行については、まだまだ予断を許さない状況が続いています。徐々に支援の規模が縮小している感は否めませんが、だからこそ本当に支援を必要としている方々へ公平に行き渡ることを切に祈ります。

申請方法や要件も複雑さを増しています。私も微力ながら行政書士の末席として、積極的に支援していきたいと思います。まずはご遠慮なくご相談ください^^

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