古物商における自動車商の許可申請について
古物商には13の品目がありますが、その中でも中古自動車を取り扱う「自動車商」については、取引額が大きいことや、物品自体も大きく保管場所が必要になることなどの理由から、大抵の場合、他の品目よりも厳しく審査される傾向にあります。
このため弊所においても、「(13品目)全部取得して」とのご依頼があった場合でも、自動車商については慎重に検討していただくように話しを進めていきます。
そこで本稿では、自動車商を検討する皆さまのために、他の品目とは若干異なる手続きの方法について解説していきたいと思います。
規制の目的
そもそも古物商に許可制度を採用しているのは、警察署が中古品を取り扱う事業者を事前に把握し特定することによって盗品の流通を未然に防止するためです。そして中古自動車は、他の品目と比較しても相対的に取引価格が高く、万が一にも盗品を高く買い取ってしまうと、窃盗犯に大きな利益を与えることになるばかりか、次の自動車窃盗を誘発してしまうおそれがあります。このため、古物商許可申請において取り扱う品目に自動車を設定する場合は、申請者が自動車について十分な知識や取引を行うことができる能力があるかなどを質問や書面によって確認することが多くなるのです。
確認される事項
古物商許可申請時や許可証交付の際によく質問されるのは、おもに以下のような点です。
- 盗品などを見極める知識・判断力
- 自動車業界に在籍した経歴の有無
- 中古自動車の売買経験の有無
- 経営者としての経歴の有無
たとえば、車台番号がどこにあるのかなど、最低限の知識を持っているかを確認されることがあります。ちなみに車台番号とは、ナンバープレートに打刻された車両番号とは違う番号であり、車両ごとに車体に直接打刻されている番号です。
このように、ちょっと意地悪な質問が飛んでくることもありますので、自動車に関する知識に乏しかったり、怪しい物品であるかどうか皆目見当がつかないという場合は、あらかじめ、中古自動車や自動車の整備に詳しい知人などからアドバイスを得ておくことをお薦めします。
自動車の保管場所
冒頭で説明したとおり、中古自動車は取引するには大きな物品となりますので、保管場所についても、警察署から確認を受けやすい品目であるといえます。
兵庫県や大阪府(特に兵庫県)で自動車商の許可を取得する場合も、駐車場の契約書や車庫証明といった資料を求められることが多くあります。また、自宅のガレージなどを保管場所とする場合でも、その場所の図面などを添付するように求められるケースもあります。
保管場所として利用する駐車場は、必ずしも古物商営業所を設置する市区町村内に存在する必要はありませんが、営業所の遠方であることなどを総合的に考慮して利用することが難しい場所であれば、それだけ許可取得の難易度は高まります。
古物商許可は、地域や管轄の違いによるローカルルールが適用されることの多い手続きですので、保管場所には何台分のスペースを用意する必要があるのか、賃貸借契約期間はいつまでなのかなど、確認を受ける程度や内容が異なることが多くあります。ですので我々行政書士であっても、申請の管轄署が違う場合には、必ず事前の確認を行うようにしています。
保管が不要な業態
中古自動車を自ら保管することが全くないような業態の場合には、保管場所(駐車場)を契約することなく自動車商の許可申請を通してもらえることもあります。たとえば中古自動車の海外輸出事業などで、自らは保管せずに、他の輸出業者にそのまま物品を引き渡すような業態がこちらに該当します。
ただし、そういった事情をしっかりと説明することが必要となり、他の事業者との契約書や、物品を保管しない旨の念書を確認資料として求められることになります。
このように、業態がスタンダードでない場合は、かえって手続きが煩雑になるケースがありますので、事前に必ず確認するように心がけましょう。
自動車引取業登録
中古自動車の買取と合わせて廃車の引取を事業として行う場合は、古物商許可(自動車商)とは別に、都道府県知事から自動車引取業登録を受ける必要があります。
廃車のリサイクルシステムは、複雑かつ煩雑ですので、安易な考えだけで廃車を引き取ってしまわないように注意しましょう。
まとめ
自動車の売買は、相対的に高額な取引となるため、トラブルも多くなりがちです。警察や公安委員会は、盗品の流通を防止することを建前としながら、取引上のトラブルの要因となるものを嫌うため、法定外書類を求めてくるケースが多々あります。何にせよ、事前準備は非常に重要です。ご不明な点は、必ず管轄の警察署、もしくは弊所までお問い合わせください。
弊所では面倒な警察とのやり取りを含め古物商許可申請のサポートをさせていただいています。市場価格を反映した報酬額を提示しますが、柔軟な対応にも自信があります。まずは一度お問い合わせくださいませ。
古物商許可申請 | 38,500円~ |
自動車商許可申請 | 44,000円~ |
変更届 | 22,000円~ |
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